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2017年4月16日日曜日

図書館整備は最小限で

 彦根市には尾末町に市立図書館があるが、市が今年3月に策定した図書館整備基本計画では、拠点になる「中央館」を河瀬か亀山学区に、「地域館」として現図書館を北部館に、稲枝に南部館を創設し、新しい市民体育センター内に予約の貸し出しと返却のみのサービスポイントを設置するとしている。
 つまり現在の1館体制から、彦根、南彦根、河瀬、稲枝の市内4駅ごとの3館プラス1館体制に増やしていく計画だ。図書館を増やす理由としては、▽図書収容能力40万冊に対して77万冊以上あり、キャパをオーバーしている▽彦根市の南部地区の利用率が低くなっている▽全国の同一規模の自治体の多くが3館体制になっている―ことなどがある。
 だが、今後さまざまな大規模事業が続く彦根市で、3館プラス1をスムーズに整備できるだろうか。また中央館は本来、新しい市民体育センターが建てられる予定の南彦根駅前のエリアへの整備が有力視されていた。
 一部の市議らの間では「中央館の位置を南彦根駅前にし、新しい市民体育センターの建設地を再検討するべきだ」との意見がある。また財政面から、北部館においては最低限の改築のみで、南部館も稲部遺跡を絡めた資料館的な役割で遺跡周辺に建設するのが最善との声もある。
 今回の図書館整備には彦愛犬の湖東定住自立圏との兼ね合いもあり、中央館を1市4町の「拠点」にしたい考えがあるようだ。しかし多賀や愛荘など各町にはすでに市レベルの立派な図書館があることから、「拠点」にこだわるべきか、今後の議論の余地がある。
 図書館整備に関しては、中央館と南部館の建設予定地、総経費、完成時期が未定である。次期市長はすぐに建設地を決め、早急かつ財政支出を極力抑える工法で各図書館を整備するべきだ。【山田貴之】

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