滋賀大学の講義「メディアと情報」の講師の中塚智子さんが、外出自粛中だった学生たちが抱えていた不安やストレスを表現してもら
おうと考え、受講する経済学部とデータサイエンス学部の学生25人に制作を提案。学生たちは初回講義の4月23日以降、「コロナ禍で考える自分軸」をテーマにした作品を作ってきた。
完成した作品は動画10点、ポスター12点、本2点。学生たちはオンラインアプリのZoomを使い、一人ずつが各作品の内容や難しかったこと、学んだことを発表。
看護師「死覚悟」「家族危険に」
1年の高須さん「現実 伝えたい」
経済学部1年の高須翔子さん(19)は、感染者の治療にあった看護師4人へインタビューした内容をまとめた映像「新型コロナウイルスとの戦い―中小病院編」を制作。「新型コロナが流行してから変化したことは?」「物品は不足していたか」「面会謝絶が与えた影響は?」「流行による心境の変化は?」の質問に、看護師たちは「スタッフのストレスは半端なかった」「感染者が亡くなってから丸2日間ドライアイスでキンキンに冷やして、ようやく陰性が出たものの、次は火葬場が見つからないこともあった」「看護師も死ぬことがあるとわかったし、自分の仕事が家族も危険にさらすこともあると再認識した」と答える様子を流していた。
高須さんは母親が看護師で「メディアで取り上げられているのは一部の病院で、多くの医療関係者の現実を皆さんに伝えたいと思った。取材をするうち現場では皆さんが強い恐怖に襲われていると感じた」と述べた。学生たちの作品はサイト(https://kazumamatsu.github.io/infomedia2020spring/index.html)で閲覧できる。