市によると、1991年に建築された木造家屋を当時の市職員が軽量鉄骨造として評価額を計算していたことが原因。今年5月18日に課税明細書を確認した対象の市民から指摘があり、現地調査後に判明した。
市は地方税法に定められた5年間分の1万1500円と、市の返還金支払要綱に基づく20年前からの2000年度~14年度分の12万4300円(うち本税分7万5600円、返還利息4万8700円)を返還した。
ただ建築から1999年度までに余分に納税した15万2600円について、市税務課は返還期間を過ぎているため「返還できない」として、対象の市民に了解も得たという。
再発防止策について市は計算の点検を複数人で行い、建物の課税対象の構造と建築確認申請の構造との整合性を図るとしている。
※解説=彦根市の課税ミスにもかかわらず、市民が余分に納税した15万円以上が「返還できない」という事案が発生した。返還の時効を過ぎたため、法的・要綱的に返還できないというのが市の理屈であるが、対象の市民にとっては堪ったものではなく、このまま泣き寝入りしてもらって良いものか。
元彦根市議の奥野嘉己さんによると、数年前までは地方税法に基づき5年前までしか返還できなかったが、市と協議を重ねたことで2016年12月28日に要綱が公布され、20年前までに延びたという。今回の場合、市が「返還できない」とする納税分については「『不服審査請求』を求めるのが最善」とも助言。「今回の事案を受けて、要綱から条例化または期間の延長の議論となるのが望ましい」とも話していた。市議会による市への問題提起と改善を期待したい。
さて今回の案件については市のお粗末な報道発表の仕方にも物申したい。
市は報道発表資料で概要と返還額、原因、経緯、再発防止策の概略を記した。しかし今回の問題の焦点は課税ミスによって市が「返還した」ことではなく、「返還できない」ことである。報道発表資料にはこの返還できない金額等が記されていなかった。市が意図的に隠そうとしたのか、早く決着しようとしたのかは存ぜぬが、市には公明正大に発表する姿勢を望む。(山田)
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