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2009年7月7日火曜日

マルホ彦根工場所有の「ベルリンの壁」 東京へ、9月帰還

 医療用医薬品メーカー「マルホ」彦根工場(高宮町)に展示されているベルリンの壁の一部が、8日から東京・赤坂で公開される。
 ドイツは第二次世界大戦後、米英仏など資本主義国が統治した西ドイツと、ソ連など共産主義国が支配した東ドイツに分断。首都・ベルリンは東ドイツ内にあったが、米英仏などによる西ベルリンと、ソ連による東ベルリンに分割統治された。しかし、西ベルリンへの人口流出が相次いだため、東ベルリンによって1961年に壁が設置。75年に完成したころには総延長が約155㌔にも及んだ。その後、東欧諸国の民主化が進み、ベルリンの壁は89年に東ベルリン市民によって崩壊された。
 マルホ彦根工場にある壁の一部は高さ約3・6㍍、幅約1・2㍍、厚さ約20㌢。西側の面にはカラフルな色で落書きされているが、東側の面は国境検問所からの位置を示す「28」が記されているのみ。最上部は乗り越えられないよう、丸く加工されている。
 ベルリンの壁崩壊のニュースを見た同社の高木二郎名誉会長(89)(当時会長)が「社員にも平和を実感させたい」と考えていたことを、取り引き先だったドイツの製薬会社「ドクトル・カーデ社」が知り、古稀のお祝いとして同会長に贈呈。彦根工場には90年7月に届き、屋外に設置されていたが、劣化が見られたため、2007年からは屋内の玄関ホールに展示している。 今年はベルリンの壁が崩壊してから20年目で、8月15日からベルリンで世界陸上が行われる。世界陸上を放送するTBSから同社にベルリンの壁を展示したい要請があり、同社は4、5日の2日かけて東京へ送った。彦根工場には9月ごろ戻り、再び展示される。見学自由。

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