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2010年3月27日土曜日

観光都市・彦根の街づくりへ「市民の協力が不可欠」

 井伊直弼と開国150年祭が24日に閉幕した。築城400年祭(平成19年3月21日~11月25日)を含め彦根城を中心にした祭りは終焉し、彦根の観光は、城下町や城跡、近隣市町と絡めた広域での取り組みなど、次なるステップに進む。
 彦根の市街地には、足軽屋敷が残る芹橋地区、文化財的価値の高い建物がある花しょうぶ通り商店街と七曲り通り、中山道沿いの宿場町だった高宮と鳥居本を有し、南部にも荒神山や山崎山、肥田城跡など、観光客を誘致するのに足る十分な「観光候補地」は数知れない。
 しかし、観光客の多くが彦根城とその周辺を巡って帰路に就くという従来のとんぼ返りスタイルに変化はなく、前記に挙げた地に観光客は訪れていない。
 彦根城頼りの「おんぶにだっこ」の観光施策を続けてきたことで、文化財的価値のある無二の建物が壊され、歴史的景観が破壊されているのは周知の事実である。
 建物を壊しての道路拡幅や高層マンションを建設させるなどの街づくり政策に対し、市は最近になり、ようやくその路線を改め、国の法律を活用しながら、価値ある建造物の保護に乗り出している。遅きに失した感はあるものの、その転換は評価できよう。
 小生は昨年、吉田松陰の古里・山口県萩市を訪れ、先日には飛騨高山の市街地を散策したが、両市に共通しているのは、官民一体となって街づくりを行い、観光客の誘致に結びつけている点だ。住宅街において、萩は歴史的建造物を残し、飛弾高山は外観を茶褐色で統一させており、市民や商店主が行政と共に街づくりに協力している姿勢がうかがえる。
 彦根市においても、前記に示した観光候補地のそれぞれの地元住民らが、街づくりの方策を模索していることは明るい材料だが、あらゆる抵抗により、進みあぐねている感も否めない。
 価値ある建造物を守り、歴史的景観のある街づくりをいかに進め、観光客の誘致に結びつけ、周遊性を高めて宿泊客増に繋げるか―。
 それには、400年祭と150年祭をきっかけにして、立ち上がり(自立し)つつある市民の力が不可欠である。(山田貴之)

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