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2011年3月26日土曜日

佐々木家住宅=旧彦根藩・表御殿の一部初の発見 彦根市指定文化財に 廃寺普光寺・塔心礎 足軽組屋敷善利組・吉居家住宅翡翠大珠も

 彦根市教委は23日、旧彦根藩・表御殿の一部とみられる佐々木家住宅(後三条町)=写真=など4件を市指定文化財にしたと発表。歴代藩主が過ごした表御殿の発見は初めてで、文化財課では「極めて貴重な歴史的建造物だ」としている。
 表御殿は、彦根城が創設されたころは天守前にあったが、直後の元和年間(1615~24)に現在の地に移され、以降250年以上、歴代藩主が過ごしてきた。明治9年(1876)に彦根城が陸軍省の管轄になり、同11年に同省が大津に移ると、表御殿などは公売に出された。文化財課によると、公売を知った日本生命の創始者で彦根出身の弘世助三郎が建物の一部を購入し、現在の地へ移し、元々あった町家と一緒に別荘にしたされる。後に税務署長の官舎として貸し出され、大正時代に署長として赴任したことをきっかけに佐々木家が購入した。
 建物は平屋でL字状に3室あり、そのうちの座敷には四方柾(しほうまさ)=民間では使われない上等な柱材=のヒノキが使われ、内壁は群青色の漆喰壁になっている。また各部屋の長押(なげし)=柱と柱の間の装飾型の横木=には彫金による釘隠=釘を覆った金具=が使われている。これらの建築材料や内部の仕上げから、文化財課は表御殿の建物が移築されたと判断した。
 ほかに指定されたのは、▽旧彦根藩足軽組屋敷善利組・吉居家住宅(芹橋2)=江戸時代後期▽廃寺・普光寺(普光寺町)の塔心礎(とうしんそ)=寺院内の塔の中心部を貫く柱の礎石=白鳳時代(7世紀後半~8世紀初頭)▽丁田遺跡(高宮町)から出土した縄文時代の最高級の装身具・翡翠大珠(ひすいたいしゅ)=縄文時代中期末(紀元前約2500年)。
 今回で市指定は71件。国指定22件、県指定12件。

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