彦根梨には幸水、豊水、筑水、なつしずくの4種類あり、昨年の収穫量は約60万個だったが、そのうち15%が外見の検査などで引っかかり出荷されなかった。市は彦根梨の知名度アップと出荷されない梨の有効活用を目的に、農林水産特産物開発実行委員会(藤田武史委員長)を立ち上げて彦根梨を使った飲食品作りを企画。
応募のあった彦根や多賀、甲良の28の事業者が提案した握り寿司やピザ、バーガー、シャーベット、カクテルなどが各店舗で販売される。レシピは全てオリジナルで、彦根梨の幸水が使用されており、一部は昨年収穫した梨のペーストを使っている。
店舗の中には、彦根梨の知識を取得するために野菜ソムリエによる研修会を受講した事業者もおり、受講した11人には「ひこね梨コンシェルジュ」の黄色いバッジを進呈。イベント期間中はバッジを身につけ、彦根梨の糖度や完熟に関する知識を各店舗で解説する。
藤田委員長は「地元の農産物を使うことはとてもいいこと、喜ばれるものを作りたい。作業に手間がかかるが、工夫している」と話していた。
スタンプ用紙は参加店やJAの直売所、市役所などで配布。スタンプを3個以上集めると、彦根梨の木のオーナーや加工品の詰め合わせが当たるプレゼントに応募できる。9月4日まで。問い合わせは市農林水産課内の同実行委員会☎(30)6118。
彦根梨の販売が石寺町の「果樹工房」などで始まった。彦根梨は石寺町の曽根沼干拓地約11㌶で昭和56年から生産が始まり、現在は市内の21戸の農家が栽培し、毎年この時期は早朝に収穫している。工房ではパート職員らが一つずつ手に取って傷の確認をし、選果機で糖度や熟度をAからCまでのランクを付けて選別した後、袋詰めしている。
品種は幸水と豊水のほか、「お盆の時期に欲しい」との要望を受けて4年前から8月上旬に収穫している筑水(ちくすい)となつしずくがある。収穫数は昨年度と同様60万個を見込む。
出荷作業は幸水が9月上旬まで、豊水が9月上旬から下旬まで行われる。日照が続いたため小ぶりだが、糖度が高く甘いという。価格は1袋600円と700円。JA直売所のほか、来週からは彦根と近隣市町の平和堂でも販売予定。問い合わせは果樹工房☎(43)4174。
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