ディーキン大はヴィクトリア州のメルボルン・バーウッドなど4カ所にキャンパスがあり、留学生や移民学生、社会人が多く在籍。滋賀大とディーキン大は昭和63年に協定を締結し、4年前からはディーキン大の学生が滋賀大を訪れている。
今年、来日したのは学生20人、教員1人、付き添い1人。学生たちは今月18日から7月1日まで彦根に滞在し、2グループずつに分かれて、永楽屋や岡村本家の企業と、彦根市の観光企画課と彦根城世界遺産登録推進室の行政を対象に研修している。企業などを訪問しての研修は初の取り組み。
20日は学生全員が永楽屋の本店と彦根工場(甲良町)、岡村本家を訪れ、滋賀大4年生の伴拓也さん(22)=近江八幡市=らの通訳で、仏壇や製造工程、日本酒の醸造の現場を見学。学生は「なぜ海外に輸出をしないのか」「コンテストはあるのか」「宣伝の仕方はどのようにしているのか」などと質問していた。学生たちは今後も企業や市役所を数回訪れ、永楽屋と岡村本家には海外展開のため、観光企画課にはインバウンド(外国人観光客)増のため、彦根城世界遺産登録推進室には彦根城の価値を多くの人に理解してもらうための課題研究を行い、今月30日には滋賀大の士魂商才館でプレゼンテーションを行う。
ディーキン大2年生のシャネル・アントニオさん(20)は「仏壇、日本酒とも魅力的で、各商品の多様化につながる提案をしていきたい」と話していた。