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2021年3月16日火曜日

彦根市中期財政計画 実質収支マイナスに転じる可能性

 彦根市はこのほど、2021年度から25年度までの市中期財政計画を更新し発表。財源不足への対応を行わなかった場合、22年度以降、歳入から歳出を差し引いた実質収支がマイナスに転じる見込みだと報告した。
 市は2018年5月に公表した市中期財政計画で厳しい財政状況が続くことから、19年度以降の予算編成を部局ごとに事業精査した上で予算要求を行う枠配分方式の導入などを公表した。翌年以降も計画を変更してきたが、新型コロナウイルスの影響で市税収入が大幅に減少し、今後も新型コロナ対策が必要なことから、市は「財政状況は一層厳しくなる」と予想。今後の予算編成や予算執行の指標にするため、中期財政計画を改めて見直した。
 21年度以降の見通してとして、歳入は新型コロナの収束に伴って地方税収入が23年度にかけて20年度当初予算額ほどまで回復し、25年度まで維持する見込みと予測。歳出は人件費や扶助費(社会保障の経費)並みの物件費や維持補修費など「そのほか」の額が新型コロナの収束に伴って22年度に大きく減少し、その後も横ばいで推移した後、国民スポーツ大会がある25年度に増加すると見込んでいる。
 
実質公債費比率 悪化へ
大型事業など「歳出見直し」
 彦根市スポーツ・文化交流センターの整備や道路・橋りょうの改良など大型の投資的経費には市債を発行しているが、20年度の約84億円の発行をピークに、21年度が約55億円と減少していくと予想。一方で、実質公債費比率(収入に対する負債返済の割合)21年度の9・3%から、市債の返済が始まる24年度には13・9%と悪化すると見込んでいる。実質公債費比率が18・0%を超える地方公共団体は国の許可がないと新たな地方債が発行できなくなる。市は「新たな市債の発行が減少する時期(2026年度または27年度)から改善する」としているが、今後は新しい市立図書館中央館や広域ごみ処理施設の大型事業の建設計画もあり、改善するかは不透明な状況だ。
 また市は21年度当初予算で貯金にあたる基金を、最も融通が利く財政調整基金をはじめ大幅に取り崩す予定で、22年度以降も取り崩しが必要になるため、財政調整基金は22年度末に3億9000万円となり、25年度末には1200万円とほぼ底をつくと見込んでいる。
 これら財源不足に対する対応として、市は22年度以降の予算編成について「更なる事業精査に向けた効果的な手法を検討して事業を見直し、歳入の確保にも努める」としている。具体的な内容と21年度比の22年度以降の歳入増収額は▽ネーミングライツの広告料の確保など新たな財源で1000万円▽ふるさと納税や企業版ふるさと納税で5000万円▽彦根城や彦根城博物館の観覧料収入の増加で5000万円。一方で歳出削減額は▽業務の委託化、ICTの活用などで時間外勤務の縮減でマイナス5%▽実施予定事業の延期、中止を含めた事業の見直しで25億円~29億円▽市単独の補助金について再検証してマイナス1000万円など。
 財源不足に対する対応をしなかった場合としては22年度で財政調整基金が枯渇し、22年度の歳入から歳出を引いた実質収支がマイナス23億9141万円となり、その後も赤字額が増額して25年度にはマイナス34億2189万円になるとの試算も示している。
 市財政課は「こうした厳しい状況において安定的に行政サービスを提供するには市民ニーズを的確に把握し、限られた財源を真に必要な事業にあてる必要がある」としている。

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