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2021年8月29日日曜日

レート白粉 田中嘉蔵商店の建物解体

 彦根市城町1丁目にあった「旧田中嘉蔵商店」の建物が23日までに解体され、旧城下町から貴重な文化財がまた1軒なくなった=店舗の建物は読者提供。
 旧田中嘉蔵商店は旧下魚屋町にあり、「レート白粉 田中嘉蔵商店」と右から左に書かれたレトロな看板が特徴だった。レート白粉は明治11年ごろから昭和29年ごろまで経営の化粧品メーカー・平尾賛平商店が販売していた白粉(おしろい)。市文化財課に建物の詳細な記録はないが、城下町彦根を考える会の資料によると江戸時代の建物とされる。市民によると、今月中旬から数日の間に解体されて更地になった。
 建物があった敷地前の江戸時代後期の長屋10戸は、市が昨年度から今年度にかけて所有者7人から購入し保存活用する。
 一方で、今回の旧田中嘉蔵商店のように旧城下町に残る文化財的に貴重な建物の解体は後を絶たない。財政的に厳しい行政による保存活用が困難な中、民間や各種団体と連携しながらの対策が急がれる。

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