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2018年9月25日火曜日

「井伊直亮が鷹狩り好む」キャッスルロードのムクドリ対策で「渡り」実演も

 「彦根藩主の鷹(タカ)狩り」をテーマにした彦根城博物館の渡辺恒一さんの講演会が17日、本町の宗安寺で開かれた。講演後には夢京橋キャッスルロードで鷹狩りの実演が行われた。
 江戸時代の鷹狩りについて、渡辺さんは将軍と大名、重臣の一部が行い、そのうち大名は将軍から拝領した鷹を使って、雁(カリ)や鴨(カモ)を捕まえて将軍へ献上していたと説明。彦根藩井伊家には将軍から武蔵世田谷(江戸の下屋敷)、近江、山城、淀で鷹狩りを行う権利が与えられていたと紹介した。
 彦根藩では特に第十二代の直亮が熱心で、家督を継いだ文化9年(1812)6月に彦根へ帰郷し、10月から翌年3月まで計27回も鷹狩りをしていたとする史料を解説。稲枝地区の石寺や薩摩などの湖上で舟に乗りながら鷹狩りをしていた様子を示しながら、渡辺さんは「鷹狩りは主従関係を確認する重要な武家の儀礼で、直亮はその責務として鷹狩りをしていた一方、琵琶湖に接する自然環境を使い、かなり好んで鷹狩りを楽しんでいたのだろう」と述べた。
 このほか、彦根藩内に鷹匠町(彦根市役所前)、隣に餌指(えさし)町があったことも紹介。11軒の鷹匠の名前が記された史料も紹介された。渡辺さんの講演会は彦根商店街連盟が主催し、市民約70人が来場した。
ムクドリ対策に鷹使う
 キャッスルロードでは夕方になると、多くのムクドリがやって来て、鳴き声による騒音、フンや羽の落下による衛生面が店主らを悩ませてきた。今月13日からは鷹を使ったムクドリ対策が始まり、17日の講演後にも行われた。
 ムクドリ対策として彦根商店街連盟は、鳥獣対応を専門にする株式会社グリーンフィールド(大阪市)に依頼。同社によると、キャッスルロードにはムクドリを中心に、スズメなどを含めて約1000羽がねぐらのため飛来しているという。
 17日には同社の鷹匠4人、ハリスホークと呼ばれる1~3歳の雌の鷹3羽がキャッスルロードを訪問。講演後の午後6時前から数カ所に分かれ、鷹匠と約50㍍離れた場所を行き来する「渡り」を披露し、ムクドリを追い払っていた。今月には20日、25日、27日、29日にも行われる予定。

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