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2021年9月13日月曜日

ひこね燦ぱれす図書館として活用で市長「概算として数十億円のコスト削減」

 彦根市は8月30日の定例会見で、小泉町のひこね燦ぱれすを解体せずに図書館として活用する意向を正式に発表した。和田裕行市長は図書館を新築した場合と比べて「感覚的な概算として数十億円のコスト削減が見込める」と述べた(本紙8月21日付参照)。
 市は図書館整備基本計画で、現在の図書館を北部館、河瀬・亀山地区に中央館、稲枝地区に南部館、燦ぱれすを含むエリアに建設中の市スポーツ・文化交流センター内のまちなか交流棟に図書コーナーを整備。蔵書数を北部館が現在の12万冊、中央館が15万冊、南部館が5万冊の計画だった。まちなか交流棟には児童書や雑誌、漫画など約1万5000冊を収める計画だったが、燦ぱれすの図書館化計画により、今後はまちなか交流棟の図書コーナーを無くし、冊数も少なくする予定。燦ぱれす内の蔵書数について、市は「未定」としている。
 前市長時代には中央館を亀山学区の清崎町に整備する方針が決まったが、和田市長は当選後の本紙のインタビューや市議会で白紙または延伸を表明していた。清崎町への図書館整備に関し、和田市長は会見で「中央館という呼称(位置づけ)は変わるかもしれないが、市の財政が改善した時には再び整備向けて進めたい。3館体制か4館体制かを含めて検討していく」と語った。燦ぱれすに図書館を整備する方針が示されたことで、市は今後、市図書館整備基本計画を見直す。
 
代替駐車場 民有地購入で確保
清崎の調査費減額や設計変更 提案へ
 前市長時代は燦ぱれすを解体し、約130台分の駐車場を整備する計画だった。その代替として市は燦ぱれす北側の民有地(田畑)を今後、購入する案を示した。市スポーツ・文化交流センターの総事業費は87億6000万円。そのうち燦ぱれすの解体と駐車場への造成、外構工事が約2億円だが、解体しなかった場合は用地買収と造成、外構工事で約2億円と変わらない見込みだという。
 また燦ぱれすに図書館を整備した場合、国の補助金が2分の1活用できる。図書館を新築した場合と比べて、和田市長は他市の事例を参考にした概算として、新築だと25億円~30億円かかるため、「ゼロから建設した場合よりも、最大で数十億円程度の削減が見込める」と話している。
 市は、設計の修正費用(1509万円)、清崎町に予定していた図書館の調査委託業務の減額補正(マイナス1127万円)、今年度以降の債務負担行為補正として、図書館整備のための調査検討業務の追加(1245万円)、解体しないことに伴う債務負担行為の廃止(1億0324万円)などを盛り込んだ補正予算案を9月議会に提案する。

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