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2023年2月26日日曜日

ウクライナから避難の家族にインタビュー

 ロシアの侵略を受けて、ウクライナからイリーナ・ヤボルスカさん(51)と母親のギャリーナ・イヴァノヴァさん(81)が昨年3月以降、彦根市内に住む娘のカテリーナ・ヤボルスカさん(32)とその夫の菊地崇さん(29)を頼りに避難している。イリーナさんら3人に現在の心境と市民に向けたコメントを依頼した。
 
イリーナ・ヤボルスカさん】
 彦根市民の皆さま、日々、私たちを応援いただきまして、本当にありがとうございます。皆様の温かいご声援や多大なるご支援が、今の私たちの生きる活力です。
 ロシアからの侵略から避難し、来日してから9カ月が経ちました。夫のいる母国では依然として戦争が続いております。発電所等のインフラを中心に、市民への攻撃は止みません。その現状を踏まえると心苦しい限りです。心が潰れるくらい辛く不安です。家族が明日、戦争で亡くなるかもしれない、母国や故郷が理不尽にも破壊されていく、帰る家がなくなってしまうかもしれない、そんな極限の苦しみを人生で感じることがあるだなんて思ってもおませんでした。しかし、それは現実に起きていることで、私たちには変えようがないことなのです。
 そんな状況だとしても、私たちは、希望を持ってどうにか前を向いて明るく生きたいと強く思っております。
 彦根以外の地域に避難したウクライナ人の多くは、日本の文化や言語に馴染めず、引きこもり、苦しい思いをしていると聞いております。母国を思えば、仕方のないことですし、その苦悩から抜け出すことは並大抵の努力では叶いません。
 それでも、私たちは幸運なことに彦根に来ることができ、ウクライナ料理のキッチンカーでの営業を通じ、本当に多くの方々にお会いすることができました。彦根の皆様の優しさに触れ、感謝の言葉やメッセージを日々いただく中で、人生最大の苦難の中でも、明るく前を向いて生活が出来ておます。本当に皆様のおかげです。
 この9カ月間、辛い気持ちを胸に抱えながらも、同時に皆様との出会いのおかげでとても幸せな気持ちも日々、味合わせていただいております。どんな苦難な状況でも、支えてくれる人たちがいて、真剣に取組める何かがあれば笑顔になれるのだと、実感いたしました。
改めて彦根の皆様に心よ感謝申し上げます。この私たちの感謝の思いを少しでも多くの皆様にお届けできたらとても嬉しいと思います。
 ぜひ、私たちのキッチンカーにいらしてください。愛を込めて作ったウクライナ料理をご用意してお待ちしておます!
 
【ギャリーナ・イヴァノヴァさん】
 まさか、人生の終盤になって戦争が起き、日本に避難することになるなんて夢にも思いませんでした。
 しかし、その驚きを凌ぐ驚きだったのが、日本の皆さま、彦根の皆さまの温かさや彦根の街の美しさです。遠い国の見ず知らずの私たちに、親身になって接してくれ、励ましてくれ、日々感動しております。四季折々の彦根城周辺や琵琶湖の景色にも心動かされております。私はキッチンカーには乗りませんが、娘や孫夫婦が私の分まで感謝の気持ちをお伝えいたしますので何卒宜しくお願いします。
 
 【カテリーナ・ヤボルスカさん】
 母国が侵略を受け始めてから、本当に辛く不安な日々でした。それでも滋賀県や彦根市の皆様が本当に温かく、ご声援及びご支援くださり、母や祖母を日本に避難させることができました。
 さらには、彦根の事業者の方々や市民の皆様のサポートのおかげで、ウクライナ料理のキッチンカーまで開業し、滋賀県内や首都圏や関西圏に避難したウクライナ人達の雇用を創出することができました。このようなウクライナ避難民による起業という取組みは、日本初でした。それは私たちの力というよりも、彦根の皆さまのご支援の力が日本のどこよりも、凄まじく、前を向きやすい環境であったからだと確信しております。
 この街に来られて本当に幸せです。今後、戦争が落ち着き、父が日本に来られるようになったら、彦根で本格ウクライナ料理のレストランを開きたいと思っております(父はウクライナでプロの料理人でした)。
 それまでの間はキッチンカーで皆様にウクライナ家庭料理をお届けし続けます!引き続きよろしくお願いいたします。

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