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2012年11月18日日曜日

次期衆院選の争点

 先の2人の首相に比べて、野田首相はたいした男である。日に日に低迷する民主党の支持率への歯止めや、第三極の勢力が整わないうちの「戦」仕掛け、党内の野田降ろしへの対抗、「決められない政治」の払拭などの目論見もあるだろうが、民主党内の反発と次期総選挙で下野が濃厚な中で、衆議院の解散を表明した。
 この決断は評価できるが、多くの国民は比較的冷静にこの局面を見ているのではないか。野田首相がいくら政治的駆け引きをして、支持率アップを狙おうが、民主党への国民の信頼は落ちるまで落ちているからだ。
 また、ある程度以上の政治通は目先の総選挙云々よりも、既に総選挙後の勢力図に関心がある。自民党の政権返り咲きが有力だが、やはり何と言っても注目は日本維新の会を中心にした第三極であり、橋下徹という男の存在である。橋下氏については本紙の時評を中心に小生のコラムでも幾度となく批評してきたが、その政治的センス、嗅覚はピカイチであり、多くの国民が羨望に近い期待を示している。
 その橋下氏が特に声高に訴えるのが「中央集権体制の打破」である。次の総選挙では、原発、消費増税、TPPおよびFTAなどが争点として浮上しそうだが、いずれの問題についても官僚主導による省益優先主義の企みがあるのは火を見るよりも明らかである。
 元経産省の古賀茂明氏は著書の中で「政治も行政も弊害ばかりが目立つ老朽化したシステムにしがみつき、目覚めない。日本国の『中枢』が改革する心を失い、危機を感じ取る感性さえない」と記している。つまりは省益を第一に考える官僚が政治家を駒として動かしている「システム」は老朽化しており、その「中枢」の構図を打破しない限り、日本のお先は真っ暗だ、ということである。
 以上のいわゆる脱官僚はこれまでにも自民、民主の政権が唱え目指してきたが、いずれも頓挫している。次の総選挙において、有権者はどの政党(候補者)が省益やさまざまな利権を排除した政策を主張し、その実現性があるのかを見抜かなければならない。(有権者自身も)目先の利益に飛びつくのではなく、国家全体の未来像を考えなければならぬ。【山田貴之】

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