彦根藩士・相馬永胤(ながたね)らの活躍をえがいた映画「学校をつくろう」の上映会が27日、ひこね市文化プラザであり、上映前には原作本「蒼翼の獅子たち」の作者・志茂田景樹さんが講演=写真。約200人を前に、明治時代の若者の活躍を紹介しながら、現代の若者に奮起を促した。
志茂田さんは、平成11年結成の「よい子に読み聞かせ隊」の隊長として全国各地を巡回している。東日本大震災後には大船渡市(岩手県)など被災地にも訪問。「被災地の子どもたちの心にふれたことで、逆に元気と勇気をもらった」とし、志茂田さんが戦後焼け野原の光景を見た5歳の時に「すっきりした」という思いだったことをあげて「今から考えるとその光景は新しいものが築かれていくという希望を抱いていたのではないか」と述べ、被災地の子どもたちとなぞらえた。
映画に登場する相馬永胤ら4人の若者については、まず相馬らよりも10年以上前の世代の坂本龍馬や大久保利通、伊藤博文らをあげ、「みんな、古いままでは新しいものを築くのに邪魔になるという考えの持ち主で、壊していった人たちだった」と紹介。「その人たちが築いた上に種をまいたのが相馬たちだった」と解説した。
相馬については、祖父が桜田門外の変後に直弼の首を引き取りにいったことや、戊辰戦争では彦根藩士として新政府軍で活躍したこと、米国留学して経済と法律を学び、仲間と専修学校(後の専修大学)を設立したことなどを説明。
そのうえで「明治以降の日本を導いてきた共通の価値観に対し、現代は新しい価値観を生み出す時期にある」、「それを築くのは若い人たちの仕事だ。新しい時代の幕開けをつくってくれるのではないか」と話し、映画「学校をつくろう」には「(若い人への呼びかけが)随所ににじみ出ている」と宣伝した。
豊郷でも3日上映会
映画「学校をつくろう」の上映会は3日午後1時~豊郷町の岡村本家でも開かれる。井伊家十八代目当主・直岳さんの講演後、上映会。前売り600円。チケットは目加田さん℡090(1076)2295。
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