参院選は10日、投開票され、滋賀選挙区(定数1)は自民党新人の小鑓隆史氏(49)が33万2248票を獲得し、民主党現職の林久美子氏(43)らを破って初当選を果たした。
選挙戦で小鑓氏は「アベノミクスの継続」を一貫して唱え「経済の再生で福祉や教育を充実させる」と訴えた。公示前には安倍晋三首相が応援に駆けつけ、選挙戦では小泉進次郎衆院議員や谷垣禎一幹事長らも相次いで湖国入りし、林氏に4万票超の差をつけて勝利した。
大津事務所での万歳後、小鑓氏は「アベノミクスの発展に向けて地域の出番。滋賀は潜在力があり、それを引き出せば良い。地域の特色を生かしながら、インフラ整備など地域ごとの対応をやっていく」「できるだけ早く、経済成長に向けた中身について対応したい」と意気込みを語った。憲法改正については「直すべき所は多い。個別に中身を議論し、国民の皆さんに分かって頂き、議論が熟した段階で具体的に進めていくべきだ」と説明した。
林氏はアベノミクスを批判した上で「弱者」支援の政策をあげる選挙戦を展開。安全保障法制や憲法改正を取り上げ「平和の維持を」と訴え、共産・社民支持層の支持を得た。蓮舫代表代行や山尾志桜里政調会長らも応援演説し、女性の立場からの政策で支持を求めたが、民進党への逆風を乗り越えることはできなかった。林氏は「滋賀は課題が山積している。県民の1人として見守っていきたい」と述べた。
彦根は民進上回る
自民「牙城崩した」
彦根市内での開票結果は小鑓氏が2万3648票、林氏が2万2990票と642票差で小鑓氏が上回り、市内の自民党陣営からは「牙城をやっと崩すことができた」と安堵の声があがっていた。
2年前の自民党追い風の中での衆院選で、滋賀2区の自民候補は彦根以外の市町で民進候補を上回る獲得数だったが、彦根では1405票差で負けており、今回の参院選では彦根が「牙城」に位置づけられていた。
投票率はブービー賞
投票日当日の有権者数は県全体で114万9277人、投票者数は64万9532人で、投票率は56・52%と、前回3年前より3・56ポイント増えた。
一方で、彦犬地区の投票率は彦根市が前回より7・15ポイントも増えた53・14%だったが、県内13市で最下位、市町を含めると愛荘町の52・70%に続くブービー賞だった。
投票率の向上のために、市選管が滋賀県立大学やビバシティに期日前投票所を設置し、市民団体と小売店が投票済み証提示でごみ袋などと交換できる取り組みを進めるなどの啓発活動をしたが、低い率に終わった。市選管事務局の担当者は「前回よりも伸びている点を前向きに捉えて、若年層を中心にした啓発活動を今後も続けたい」と話していた。
期日前投票数1万3556人を除いた当日の投票区別の投票率をみると、人権・福祉交流会館が25・62%の最下位で、次にひこね燦ぱれすの28・79%、旭森小学校体育館の30・45%、高宮地域文化センターの32・66%だった。
犬上郡は豊郷町が53・53%、甲良町が54・03%と、県内で下から3番目と4番目の低さ。多賀町は65・66%だった。
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