同博物館はアケボノゾウの全身骨格化石の発見から20年が経った平成25年に地元住民らによる調査団「多賀町古代ゾウ発掘プロジェクト」を立ち上げ、同年4月から昨年4月までに3回の発掘調査を実施し、4回目の調査が4月23日から5月1日まで行われた。計56日間の調査では延べ791人が参加し、約400平方㍍の敷地から植物や貝、昆虫、魚、ほ乳類、は虫類などの化石約1600点を見つけた。
4回目の調査時の2日目には長さ約1・3㌢のワニの歯が発見され、その後の調査で約180万年前のものだと判明した。町内では平成22年の「親子化石発掘」で近江八幡市の小学2年生(当時)がマチカネワニ(クロコダイル)の歯を発見したが、今回の歯は異なる形状をしていることから、同博物館ではヨウスコウワニ(アリゲーター)の可能性もあるとみて調査している。滋賀県内の古い琵琶湖層ではヨウスコウワニの化石はその仲間を含めて見つかっておらず、同じ琵琶湖層では三重県内での2例しかないという。
同博物館の小早川隆館長は「今回のワニの歯の発見は生物地理学的にとても重要だ。ヨウスコウワニと確認できるよう、今後も引き続いて発掘調査を進めていきたい」と話している。
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