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2020年9月3日木曜日

名神高速道路の白いアーチ橋 何のため?

 名神高速道路の彦根インターチェンジから米原方面に向かってすぐの道路上に白いアーチ橋が見えてくる。使用していないようだが、取材すると、旧住友大阪セメント彦根工場まで石灰岩を運んでいた頃の建造物の一部で、解体される予定があることもわかった。

 旧住友大阪セメント彦根工場は、現在のユニクロやヤマダ電機、イオンタウンなどの複合施設や住宅地が建つエリアにあった。昭和10年(1935年)の昭和セメントから始まり、合併や譲渡を繰り返して社名を変え、同24年に野沢石綿セメント彦根工場に改名。同4011月に住友セメントに吸収合併された。その後、平成8年(1966年)3月に工場が閉鎖し、同16年7月20日から順次、解体された。
石灰石の落下防止
新幹線にも名残
 白いアーチ橋は、旧中山道の裏道と反対側の山を名神高速道路をまたぐ形で整備。名神を管理する中日本高速道路によると、アーチ橋の完成時期は「不明」とのことだが、栗東・関ヶ原間が昭和39年4月に開通したため、その前後の時期とみられる。アーチ橋の長さは長さ35・3㍍×幅約8㍍。
地元住民らによると、多賀鉱山から旧住友大阪セメントまでは石灰岩を運ぶリフトのような索道が高い位置に築かれ、それを支える鉄塔も立っていた。アーチ橋は名神高速道路への石灰岩の落下防止のために索道の下に建てられたとみられる。
中日本高速道路は5年に1回のペースで点検をしてきたが、老朽化のため取り壊す予定。近くを走る新幹線の線路上にもコンクリートの橋の跡が残っており、これも石灰岩を運ぶ索道の名残だ。

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