滋賀銀行は昨年11月、2024年3月までに県内外133店の4分の1を近隣の店舗に移転、統合する再編計画を発表した。店舗自体は廃止せず、機能を移転する形で進めている。
前身は百三十三銀行
銀座再開発の拠点?
移転が決まった彦根支店の前身は明治12年(1879年)4月に開設された第百三十三国立銀行の本店。前年の7月に旧彦根藩領や旧膳所藩領の豪商や華族、士族が参加して大津に開業した第六十四国立銀行から分離独立する形で誕生。旧彦根藩主の井伊直憲が最も多い1万2500円を出資した。
昭和2年(1927年)の金融恐慌以降、国や県によると銀行合併の動きが加速。昭和6年11月には日銀から第百三十三銀行と八幡銀行に合併案が内示され、昭和8年10月1日に対等合併の形で滋賀銀行として生まれ変わった。滋賀銀行の広報によると、第百三十三国立銀行が創設される以前の銀行とも合併しているため、彦根支店が第1号店とは言えないといい、昭和8年を創立年に設定している。
現存する建物は大正14年(1925年)に正面約18㍍×奥行き約20㍍で建設された鉄筋コンクリート造の地上3階地下1階建て。1階は営業室の別棟を増築し、応接室や金庫など、2階は重役室や来賓室、事務室、3階は会議室や倉庫などがある。
彦根支店がある銀座商店街は彦根市や地元商店による彦根市銀座街まちづくり懇談会が再開発の協議をしているが、方針が見えていないのが現状。今後は彦根支店の建物を活用したまちづくり策の立案が求められる。
なお彦根支店は来年2月5日に営業を終了するが、ATMコーナーは残る。口座番号の変更もない。
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