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2021年4月22日木曜日

彦根市長選の候補者へ政策アンケート(前半)

 滋賀彦根新聞社は彦根市長選に出馬した3人の候補者に政策アンケートを実施。8つの質問項目に対する各候補の回答を2回に分けて掲載する(敬称略)。
 
 ①彦根市の財政再建策
 
◇獅山向洋「彦根市中期財政計画(令和3年~令和7年)は『財源不足への対応』をしなかった場合、令和7年度には累積赤字が110億円に達する、これを回避するためには毎年『25億円~29億円の実施予定事業の延伸、中止を含め経常経費の縮減を図る』と述べているので、この方針通りに実行する決意である」
◇大久保貴「市の財政は健全です。平成30年の中期財政計画では令和2年度に財政調整基金はゼロで実質収支は30億円の赤字の可能性としましたが、適切な財政運営で現在は財政調整基金が26億円で実質収支も黒字。ただ今後はコロナ対策で財政の厳しさが増すと思われ、これまで以上に行政改革に取り組み、ふるさと納税など収入アップを強化します」
◇和田裕行「まずは予定されている新市民体育センター等の大型公共事業の内容を精査し、費用対効果の点から無駄がないか徹底的に検証します。ICTによる行財政改革を推進して無駄の削減・効率化を図り、コロナ禍での地域経済活性化策にもICTをフル活用して収益化を実現するなど、歳出減・歳入増の両面から危機的な財政を再建します」
 
 ②新型コロナ対策
 
◇獅山「感染症対策としてはPCR検査の強化が重要であるが、全県的に実施する必要があるので、滋賀県市長会を通じ知事にリーダーシップを発揮するよう要望する。ワクチン接種について、彦根市は県内の市町に比べて対応が遅く、市民への広報も不十分な印象を受ける。市民に不安を与えないよう迅速・円滑に実施する」
◇大久保「市民の皆様のご協力に感謝申し上げ、今後もマスクの着用や三蜜を避ける努力をお願いします。県には広範囲な検査をお願いし、全庁を挙げて市民へのワクチン接種に取り組みます。また災害時の避難所での感染防止対策を徹底します。パルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)を必要な方に貸し出します」
◇和田「彦根市は3月、滋賀県平均の3倍の感染率でしたが、まずはこういう情報をしっかり市民に公開すべきです。彦根市立病院は病床使用率も非公表で、袋町で一斉に行われたPCR検査も県主導だったため、不安しか与えていません。市長自らが現状や具体的な対策のお願いを市民にユーチューブ等で発信すべきです」
 
 ③新型コロナ後の地域振興策
 
◇獅山「彦根市は今後、市債の元利支払の重圧のもとに中長期的に実質公債費比率が高く財政が硬直化するので、積極的な地域振興策を行うことは困難である。小中学校の給食費・医療費無償化など市民生活を中心に据えた政策で、定住人口の維持と移住促進を図り、市としての力を蓄えることが最大の振興策である」
◇大久保「ジェトロ滋賀を活用し地場産業の海外展開を支援します。中央町仮庁舎を拠点に産官学連携でデータサイエンスの起業を支援する。南彦根駅はスポーツ・文化交流センター、河瀬駅は中央図書館、稲枝駅は西口公園開発など、各駅を中心にコンパクトで地域の特性を生かしたスマートなまちづくりを進めます」
◇和田「新型コロナの影響はまだまだ続くという認識のもと、ICTをフル活用して産業を活性化し、彦根および彦根の物産を国内外に売り込んでいきます。地元の中小零細企業や個人事業主向けに市としてICT推進チームを編成してコンサルティングをし、コロナ収束を待たずにできることをやりつくします」

 ④世界遺産および観光振興策
 ◇獅山「私が市長をしていた平成4年に彦根城が世界遺産暫定リストに登載された。世界遺産は彦根市の悲願であり、私個人の悲願でもある。更に尽力する。彦根市観光の中心の彦根城、彦根城博物館及び「ひこにゃん」の維持管理が民間企業に委託され、観光振興策に関する議論が低調になったように感じる。議論を活発化したい」
◇大久保「彦根城の世界遺産登録を令和6年に実現するため、県と進めます。文化とスポーツを観光振興の柱として人の流れを活発にします。国道バイパスの整備で渋滞を緩和し、電動輸送車の導入など公共交通を再整備します。近隣市町と連携し近江鉄道やJR、パークアンドライドを活用しゆっくり楽しめる滞在型観光を推進します」
 ◇和田「他力本願ではなく今できる観光施策を推進すべきです。彦根城以外にも佐和山城跡・中山道宿等の歴史遺産や里山・琵琶湖等の観光資源が豊富にありますので、コロナ禍でも誘客できる資源をフル活用します。お金をかけずに聖地化(フナの里や赤カブトの森など)を推進しつつ、佐和山城の3ホログラムによる再現にも挑戦します」

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