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2012年3月13日火曜日

世継・井伊直弼展 兄・直亮との確執や生前画像、彦根城博物館で

 彦根城博物館は9日から、彦根藩十三代・井伊直弼が江戸入りしてから藩主に就任するまでを追ったテーマ展「直弼発見! 彦根藩世継・井伊直弼」を開いている。兄で十二代・直亮と確執があったことがわかる書状などを紹介している。
 直弼は十一代・直中の14男として生まれ、17歳からは埋木舎で学問や茶の湯、居合いなどしながら過ごしていた。しかし世継予定だった兄・直元の死去により、直亮から世継に指名され、32歳の時の弘化3年(1846)2月に江戸へ移住した。
 テーマ展では、藩主に就任するまでの4年間、兄で養父でもあった直亮との関係に苦慮しながらも、少しずつ世継としての自覚を深める直弼の姿を紹介。信頼する老臣・犬塚へ宛てた弘化3年の手紙では十二代将軍・家慶と初めて謁見し世継として認められたため、「直亮へ恩義を感じ、かごの中で涙を流した」ことが記されている。
 しかし、翌年の彦根藩士・安東七郎への書状=写真=では十一代将軍・家斉の七回忌の装束が決まらず、仮病で欠席することを決めた内容が示され、それ以降の手紙でも「相州警衛拝命は井伊家の恥辱」「直亮は軍事に暗い」と書くなど、直亮への不信感を募らせていることがわかる。一方、直亮から直弼への思いがわかる書状などは見つかっていないという。
 直弼の書状のほか、直亮の画像、直弼の生前画像など計22点を展示。午前8時半~午後4時半、4月10日まで。

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