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2017年11月28日火曜日

彦根市社協がフードバンクひこね設立

 彦根市社協は、流通できなくなった食材を回収して生活困窮者などの支援団体に寄付する組織「フードバンクひこね」を設立。食材を保管するスペースを設けた彦根市総合地方卸売市場(安食中町)で23日にキックオフイベントを行った。
 食材が廃棄される「食品ロス」の削減や、市内の「子ども食堂」の実施団体などからの設立を求める声に応える形でフードバンクを結成。農家や小売業者、卸売業者などから規格外や印字ミスで流通できなくなった米や日持ちのする野菜、賞味期限1カ月以上の加工食品を、子ども食堂や高齢者サロン、生活困窮者への支援活動などを実施している団体・個人に提供する。
 市社協は市総合地方卸売市場内に約20平方㍍の特設スペースを設けており、農家などから回収した食材を保管。市外の周辺市町からの回収も受け付ける。
 市社協地域福祉課の森恵生課長(39)は「子ども食堂をはじめ支援の輪は確実に広がっている一方、生活困窮者もたくさんいる。『困った時は、おたがいさん』を合い言葉にした地域をつくっていきたい」と話している。
 市社協は食材を提供できる農家などのほか、回収や運搬、管理などのボランティアも募集。問い合わせは市社協☎(22)2821。

2017年11月24日金曜日

「国宝五城案」も並行協議を

 西村教授の講演は彦根城の世界遺産登録を進める上で、「国宝五城案」を再び俎上(そじょう)に載せる転換点にもなり得る極めて画期的な内容であった◆西村教授の講演後の質疑応答で、現市政で世界遺産を担当する山根裕子副市長は国宝五城案などシリアルノミネーションに対して慎重な意見を述べていた。しかし西村教授は日本イコモス国内委員会委員長を務め、ICOMOS副会長を歴任した世界遺産の第一人者である。そのような権威のある方の提案を差し置くことができようか◆元々、国宝案は獅山向洋市議の市長時代に持ち上がり、「彦根城と城下町」と並行して議論されてきたが、大久保貴市長(山根副市長就任)以降、国宝案は無くなったという経緯がある◆しかし今回、西村教授は「国主導による国宝五城案」を提案し、更に講演の中で「文化庁は申請があれば考えるとの意向を示している」という趣旨の発言もしていた◆彦根城が世界遺産の暫定リストに記載された平成4年以降、遅々と進まぬ今般。そして世界遺産登録への数々のハードル。現行の「彦根城と関連の歴史建造物」で遅々と進まぬ中で、西村教授は一石を投じたと言え、再び「国宝五城案」を加えて並行して協議を進めてもよかろう。(山田貴之)

イコモス国内委員会委員長の西村幸夫・東京大学大学院教授が彦根商工会議所で講演

 世界遺産登録の審査などをしているICOMOSU(イコモス)の国内委員会委員長を務める西村幸夫・東京大学大学院教授が13日夜、「世界遺産登録の傾向と対策」をテーマに彦根商工会議所で講演。彦根城の世界遺産登録について、国(文化庁)主導による国宝五城での登録を勧めた。
 世界遺産の新しい傾向として、西村教授は▽審査の厳格化▽政治化▽都市開発とのせめぎ合い▽シリアルノミネーション(複数群での登録)の増大▽文化の多様性への傾斜―などを紹介。インドで1999年に世界遺産になった「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」が6年後以降にほかの鉄道と一緒に「インドの山岳鉄道群」として登録された事例を取り上げた。
 彦根城の世界遺産登録に向けては「天守、城郭、城下町のどこまでを対象にするか」「単体かシリアルノミネーションか」「比較研究をどのように進めるか」「姫路城との関係をどうとらえるか」などの課題を列挙。日本の城(天守)の特徴として「軍事施設で大規模な木造建築だった」と説明した上で「日本の城の特徴は世界にはなく、文化の多様性の面から考えると日本型はユニーク」「日本の城は大砲が撃ち込まれたら一発で終わり。大砲が普及する頃に平和になり、大規模な木造建築は戦争がなかったことの証明にもなり、世界的に見ておもしろい」と述べた。
 さらに、西村教授はすでに世界遺産に登録されている姫路城に「国が主体となって鈴を付けては」との表現を使いながら「国益を考えれば国宝五城が良い」と提案。「姫路城と、すでに準備が整っている彦根城を軸に、証明できる仲間を入れれば良い」と語った。
 世界遺産登録を審査する組織の国内トップが国宝五城案を提案したことで、今後は獅山向洋市政時代に上がっていた同案が再浮上する可能性がある。西村教授の講演は彦根商議所による彦根ヒストリア講座の第6講として開講され、市民約50人が受講した。

2017年11月22日水曜日

昭和5年時の平塚分四郎・彦根町長や彦根高等商業学校の矢野貫城校長らの座談会記事紹介、「寄付多く彦根へ誘致」の記述も

 昭和5年(1930)時の平塚分四郎・彦根町長や、滋賀大学の前身・彦根高等商業学校の矢野貫城(つらき)校長らの座談会の様子などをまとめた当時の新聞記事の展示が、滋賀大学総合研究棟で始まった。
 滋賀大大学院経済学研究科3年の今井綾乃さん(29)=愛知県一宮市=が、昭和3年(1928)から同12年の大阪朝日新聞と大阪毎日新聞の彦根高商に関する記事を取り上げながら、彦根高商の歴史について研究。その記事を年代ごとに3期に分けて紹介しており、8月1日~10月27日には昭和4年12月までの記事を展示した。
 2期目は昭和8年までの記事のうち彦根高商に関する「お金」に焦点を絞った記事6点などを展示。そのうち昭和5年6月26日付けの大阪毎日新聞滋賀版の平塚町長と矢野校長らによる「彦根町 発展座談会」の記事では、百貨店が彦根に進出していることに対し、平塚町長が「土地の資本家が集まって進出してくる百貨店に対抗することが理屈にかなっている」と述べたり、矢野校長が「彦根は自然的に美しい城と湖を持ち町の風紀が非常によい所ですから、(中略)教育都市として最適当」と語ったりしている。
 また「座談会」記事には、彦根高商を設立する際、大津と競争したものの、多くの寄付があったため彦根に建てられた経緯がわかる内容も紹介。実際に昭和8年11月1日付けの大阪毎日新聞には、彦根高商を彦根に誘致するために寄付をした安居喜八や石橋彦三郎、伊藤忠兵衛ら当時の有力者の名前が記されている。展示コーナーでは有力者以外に寄付をした彦根の住民たちの氏名が掲載された近江実業新報(彦根市立図書館蔵)のコピーや彦根高商の刊行物も掲示している。
 ほかの記事では彦根高商が学生の学資を援助したり、就職先を確保したりしていた様子も紹介しており、昭和初期の深刻な経済状況が彦根にも及んでいることがわかる。2期目の開館は来年1月26日までの平日午前9時~午後5時。今井さんのギャラリートークが22日、12月6日、20日、来年1月20日、24日の午後0時10分~ある。入場無料。

2017年11月21日火曜日

村山たかの行灯完成披露で、井伊直弼や長野主膳、村山たか扮した市民たち袋町練り歩く

 彦根市の袋町で11日夜、彦根藩十三代当主・井伊直弼や側近の長野主膳、村山たからに扮した市民たちが、店舗を練り歩くイベントが行われた。
 滋賀県社交飲食業生活衛生同業組合が安心で安全な飲食店の袋町をPRしようと、村山たかを描いた高さ33㌢×15㌢四方の行灯(あんどん)=写真=を製作し、袋町を中心にした組合加盟店56店に設置。
 行灯の完成とお披露目を記念し、俳優のいわすとおるさんが主膳役、歌手の堀絵依子さん=大藪町=がたか役、市民団体・ひこねを盛り上げ隊小江戸実感劇団代表の藤堂正一さんが直弼役を務め、ほかの団員9人も時代衣装を着て参加。
 一行は大安駐車場を午後9時に出発し、提灯(ちょうちん)を手に太鼓をたたきながら練り歩き、行灯が設置されている袋町内の12店を訪問。各店では堀さんが持ち歌の「たか女」を歌っていた。
 同組合は「観光客らに彦根の歴史を知ってもらい、また県下最大の歓楽街の袋町が安心、安全に利用頂けることも広めていきたい」としている。

2017年11月18日土曜日

彦根ロータリークラブが県立盲学校で希望の光110プロジェクト開催、パラリンピックに水泳競技で3大会連続出場している木村敬一選手が講演

 彦根ロータリークラブは10日、来年5月に創立110周年を迎える県立盲学校(彦根市西今町)で支援事業「希望の光110プロジェクト」を開催。盲学校小学部出身でパラリンピックに水泳競技で3大会連続出場している木村敬一選手(27)=栗東市出身=の講演会などを開いた。
 木村さんは「パラリンピックから学んだもの」をテーマに講演。幼少期から体を動かすのが好きで「6歳の時に補助輪を外して自転車が乗れたが、ぶつかったり、転んだりしてけがが多かったため、盲学校在学中の小学4年の時にプールの中なら安全との母親のすすめで水泳を習い始めた」と振り返った。
 盲学校から進学した筑波大学附属盲学校では、水泳部に所属して実力を伸ばし18歳以下の世界大会に出場。「その時にこのままでは外国人に勝てないと実感し、パラリンピック出場という目標を立てた」と述べた。高校3年の時に北京のパラリンピックに出場したが、「出場した時点で満足してしまい、パラリンピックでメダルを獲得したいと思うようになり、大学への進学を決めた」と説明。
 日本大学に進学し、2012年のロンドンパラリンピックでは100㍍平泳ぎで銀メダルを獲得したが、木村さんは「人間は欲深くて、世界一(金メダル)がほしいと思うようになった」と解説。東京ガスに入社後は1日5食にするなど肉体改造に努めたといい「ごはんを食べるのは苦しかったが、体はどんどん大きくなり、外国人に負けない体を作り上げることができた」と語った。
 昨年のリオデジャネイロのパラリンピックでは5種目に出場し、50㍍自由形と100㍍バタフライで銀メダルを獲得するなど活躍。振り返っての感想としては「金メダルを獲れなかったので悔しい気持ちがあるが、戦いきったことは大きな自信になった」「何かを時には思いっきりやることが大切で、それは自分を守ってくれる大きな自信に変わってくる。この自信をたてにしながらこれからの人生も歩んでいきたい」と、在校生たちにアドバイスした。
 講演後、木村さんは本紙などの取材に「県立盲学校での教育は視覚障害者として自立できるための内容であり、本当に良かった」と感謝していた。
 この日のイベントには盲学校の生徒、保護者、城南小6年生、彦根RC会員ら計約300人が参加。木村さんの講演後には、関西盲導犬協会への支援金贈呈、盲学校音楽部の演奏、井伊亮子さんら彦根エコーオーケストラによる三重奏、庭へのハナミズキの植樹があった。

2017年11月17日金曜日

井伊直政公顕彰式 彦根駅前広場の銅像前に石碑建立

 彦根藩初代藩主を称える「井伊直政公顕彰式」が3日、彦根駅前広場の銅像前であり、彦根商工会議所青年部が設立した石碑の除幕式も開かれた。
 青年部は昭和62年に創立5周年を記念し、直政の銅像を建立。以降、城まつりパレードの行事の一環として顕彰式を開いている。
 今年は創立35周年を記念し、「彦根藩初代藩主 井伊直政公之像」と書かれた高さ1・6㍍×36㌢四方の石碑を銅像横に建立した。
 式で青年部の嶋津幸一郎会長は「銅像建立から30年が経ったが、誰の像かわからない観光客もいるようだ。彦根の玄関口を訪れる多くの観光客に知ってもらうことができればと思い、石碑を設けました」と話した。彦根商工会議所の小出英樹会頭のあいさつ、彦根鉄砲隊の演武の後には、もちの振る舞いや彦根古城太鼓の演奏もあった。