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2021年3月28日日曜日

庁舎耐震「迷走」振り返る

彦根市役所の本庁舎耐震化計画は2011年12月の市庁舎耐震整備基本計画の策定が始まり。9つの案から庁舎を耐震工法で補強し、前面に5階建ての増築、立体駐車場の整備、敷地内への仮設庁舎を建設する内容だった。
 しかし、2013年5月に就任した大久保市長は3カ月後の8月6日に県庁で「白紙」の意向を示し、9月議会での耐震整備の関連費計上を見送った。12月議会で「ゼロベース」を表明し、翌年4月から有識者による彦根市庁舎耐震化整備検討委員会を開始。1114日に同委員会から制震工法を採用するなどの報告書が提出された。
 2015年6月議会に市は彦根駅東口に仮設庁舎を建設する案などを提案したが、市議会は前年に出した5項目の付帯決議が守られていないとして、同案を否定(省いた修正案を可決)。市は9月議会に既存棟の前面に1階、後面に5階の建物を増築する整備計画を示したが、市議会は付帯決議が守られていないとして再び否定(関連議案を省いた修正案を可決)した。そのため市は4つの案を市議会側に提示し、その中から前面に増築する案に決定。17年6月に施工業者と契約を結んだ。
 だが、翌年1月に市は予定価格29億3900万円と施工業者の見積額38億7700万円の差額を埋めるため、一部職員が既存庁舎の改修、外構工事の一部取り止めや使用材料の変更などを施工業者に別途発注していたと発表。地方自治法施行令違反にあたる裏合意問題として大きなニュースになった。
この問題を受けて、当時の副市長(男性)が辞任。裏合意の公表時、市は「(当時の)副市長が主導した」と発表していたが、2018年4月9日から8月22日まで行われた百条委員会で、その副市長だった男性は「作為的で疑念を抱いている」などと関与を否定。一方で担当だった職員は「(裏合意が)地方自治法施行令違反にあたる認識はあった」と述べていた。
 市は2019年2月までに調停を行った上で施工業者との契約を解除。その後の入札も不調を繰り返し、1126日の4回目の入札で市と裏合意していた施工業者が落札し、12月議会での承認を経て工事が始まった。(山田貴之)

 

 

彦根市役所本庁舎の耐震化と増築の工事完了へ5月6日から業務を開始

 彦根市役所本庁舎の耐震化と増築の工事が今月中に完了し、アルプラザ彦根内の仮庁舎の機能を順次移して5月6日から業務を開始する。彦根市民会館内や中央町仮庁舎の部署も移動して、7月26日に新しい市役所として始動する予定だ。
 
総額51億円超
展望スペースも
 2019年1224日に着工。既存の鉄筋コンクリート造り5階の延べ約8547平方㍍の改修工事と、制震ブレース一式を取り付けた耐震補強工事をしたほか、駐車場だった前面に鉄骨5階建て延べ約6167平方㍍の建物を増築した。
各フロアには1階に窓口・市民スペースや休日夜間受付、2階と3階に会議室や相談室、書庫・倉庫など、4階に応接室や災害対策本部など、5階に議場など、増築棟の屋上に緑化テラスや展望スペースが整備されている。既存棟と増築棟は1階がワンフロア化になっており、2階から5階も渡り廊下でつながっている。
施工業者は岐建滋賀支店。電気設備、機械設備、外構工事を含めた総経費は第1期分が15億3400万円、第2期が36億1400万円で、総額51億4735万円(いずれも税込み)。財源は一般財源が1億4000万円、地方債が単独事業債4億1800万円と緊急・防災減災事業債(返済の70%が国からの地方交付税)45億9000万円。
 
市民会館の部署移動
中央町仮庁舎も7月
 当初は今月19日完了予定だったが、10日遅れで耐震化と改修、増築工事が終了し、市の検査後の今月31日に引き渡しとなる。別途工事(1986万円分)の駐輪場と植栽の整備も今月中に終える。4月以降、アルプラザ彦根内の仮庁舎にある備品の移動やネットワーク・電話配線工事などを行い、5月の連休中に引っ越し作業を行う。以降、彦根市民会館や中央町仮庁舎の部署も順次移動し、7月22日から25日までの連休中に引っ越す。彦根市民会館は解体されるため、入所している国際交流サロンが中央町仮庁舎1階に、市教育研究所が同3階に移る。
 本庁舎の耐震工事を巡っては大久保貴市長が就任した2013年の8月の「白紙」表明から始まり、施工業者と一部市職員との裏合意、工事費負担を巡る業者との調停、入札の相次ぐ不調など問題が相次ぎ、本来の業務開始予定だった2019年5月から2年遅れでの船出になる。

2019年12月3日火曜日

庁舎耐震化の入札 裏合意で契約解除した岐建滋賀支店が再び落札

 彦根市は工事が停止している本庁舎耐震工事の入札で、裏合意の問題を受けて今年2月20日に契約を解除した岐建滋賀支店(大東町)が再度、落札したと28日の市議会の企画総務消防常任委員会で発表した。
 26日に行われた入札には岐建滋賀支店、伊藤組・奥田工務店、飛鳥(とびしま)建設大阪支店が参加し、岐建が32億8500万円(税抜き)で落札。予定価格は33億7490万円(同)だった。建設工事のみの総経費は契約解除前に岐建に支払っている額と含めて51億4750万円(税込み)。
 事後審査を経て公表した28日の委員会では、北川元気議員が「裏合意をし、契約を解除した業者と再び契約をすることに対し、市民から不信や不安の声が出てくるのでは」と質問。大久保貴市長は「公平公正な競争入札で落札された。疑念はすでにふっしょくされていると認識している」と理解を求めた。

建設費4割 補正提案
業務開始は21年5月
 今後、市は12月2日に仮契約を結び、12月議会に仮契約の報告議案と契約額の4割(14億4540万円)にあたる補正予算を求める議案を追加提案し、議決後に本契約を締結。今年度中に工事を再開し、2021年3月末に新庁舎が完成、5月に仮庁舎から引っ越した後に業務を開始、7月に中央町の仮庁舎と市民会館内の部署が引っ越す予定。

2019年9月19日木曜日

裏合意で契約解除した業者の社長と副市長が「随意契約の可能性」で面談

 彦根市役所本庁舎耐震工事の先月7日の入札不調後、山田静男副市長が大久保貴市長の指示を受けて、地方自治法施行令違反の裏合意の問題で契約を解除した業者の本社などを訪れていたことがわかった。一度、契約を解除した業者と市との水面下での交渉に対し、今後「新たな火種」として市議会などでの厳しい追及が予想される。
 庁舎耐震工事の施工業者だった業者側と市の一部職員とが一部工事の取りやめなど裏合意をしていた問題を受け、両者は昨年9月から今年2月まで調停協議を行ったうえで契約を解除した。その後、残工事の1回目の一般競争入札、2、3回目の指名競争入札はいずれも不調に終わった。
11日の市議会一般質問で北川元気議員が業者との協議の事実関係を確認。山田副市長は「地方自治法が定める随意契約の対象になるかの検討と並行して、契約締結の可能性を探るために8月21日に業者の滋賀支店を、23日に本社を訪問し、社長らから契約締結の意向をうかがった」と公表。業者側から「市の予定価格では折り合いがつかないことや再受注による風評被害の懸念が示された」と述べた。しかし、その後の市の顧問弁護士らとの相談の結果、随意契約の要件に満たない可能性があることが判明したため、業者側には「現状の予定価格での随意契約の可能性がなくなったため、可能ならば競争入札に参加してほしい」と伝えたことを明かした。
 大久保市長は、山田副市長が業者の滋賀支店を訪問した翌日の先月22日の会見で「競争入札はそぐわない案件。随意契約を排除せずに検討する」と語っていたが、その4日後の市議会の委員会で「もう一度、競争入札で」と意見を変えていた。
 11日の市議会一般質問で北川議員の「誰の指示で訪問したのか」との質問に、山田副市長は「関係者の職員の会議で決め、最終的には市長の指示だった」と答弁。道義的に問題はないのかの指摘に対しては「何とか前に進めたいとの思いで行った」と釈明した。
 

2019年8月12日月曜日

応札した2者とも予定価格を超えた額で再び入札不調に、市長責任問う声再燃

 彦根市役所の庁舎耐震化の開札が7日あったが、応札した2者とも予定価格を超えた額だったため不調に終わった。午後の市議会企画総務消防常任委員会では、市議から市長に責任を求める意見も出た。
 市は施工業者との裏合意の問題を受け、今年2月の調停成立を経て契約を解除。残工事を対象にした4月22日の一般競争入札が予定価格の超過で不調となり、指名競争入札として5月8日付で15者に指定通知書を発送したが、5月31日までにすべてから辞退届が提出された。2回の入札不調後、市は指名競争入札への参加意向などを確認する文書を73者に5月31日付で送り、現地説明会に参加または入札への参加意向を示した8者に指名通知書を送っていた。
 7日の開札では6者が辞退し、飛島建設大阪支店が29億1600万円、佐藤工業大阪支店が35億円と、予定価格24億8370万円(いずれも税抜き)を超過した。
 同委員会で北川元気議員から今後の対応を問われ、市は「不調になった理由を分析しながら次の対応に向けて協議したい」とし、今月22日の市議会全員協議会までに今後の方針を決めるとした。大久保貴市長も「令和2年度中の事業完了を目指す。2者に聞き取り調査を行い、予定価格とのかい離の原因を早急に検討したい」と述べた。
 獅山向洋議員は「予定価格よりも高い金額で応札することはあるのか。彦根市はからかわれているのでは」と指摘。市は「事例はない」としたうえで「セカンドオピニオンで設計を見直しての入札だった。ここまでかい離するのはまったくの想定外」と困惑な表情を見せた。
 谷口典隆議員は「今後、予定価格の金額を再び増やす場合、市長としても重大な決断が伴うが、その覚悟はあるのか」と迫った。市長は「情報を収集して対応したい」と述べるにとどめたが、委員会終了後のマスコミ陣からの「増額時には責任をとるのか」との質問に、市長は「増額する場合はそういうことになる。検討し考えたい」と発言した。

2019年2月23日土曜日

庁舎耐震工事の総事業費52億4300万円に、当初の31億7500万円から大幅増

 彦根市は14日の臨時会で、市役所庁舎耐震工事の総事業費が約52億4300万円になると発表した。当初の設計金額の約31億7500万円から大幅に増えることになり、関連議案が上程される2月議会での対応が注目される。
 市と施工業者の岐建はこれまでの工事費の負担額について、市の14億8361万円と岐建の15億5958万円でかい離が生じたため、大阪地裁で調停を行い、調停委員から示された15億3414万円を双方で了承。14日の臨時会では、庁舎耐震工事の契約解除のための調停成立に向けた議案が審議され、賛成多数で可決された。
 臨時会では4人の市議が質問を行い、そのうち北川元気議員は「庁舎耐震化の総事業費」などについて質問。市は当初の設計金額を見直したところ、一部職員らが勝手に別途工事などを契約した裏合意分を含めて約46億8100万円になるとしたうえで、鉄骨の加工費や仮設資材のリース代の約1億2000万円、消費税が10%に増税した際の約7300万円などを加算して計約52億2400万円に。また当初から別途工事としている駐輪場の設置約1000万円と植栽設置費約900万円を加えて計約52億4300万円になると公表した。
 工事済みの経費(15億3414万円)を除いた再発注の予算額は約36億9000万円。当初の設計金額から20億円以上増加することになり、市議会がどのような判断をするのかが注目される。
 今後は今月20日の6回目の調停を経て正式に契約を解除し、3月末から4月にかけて再入札と落札があり、仮契約、議会の議決を経て本契約を結ぶ。本格的な着工は6月頃で、来年8月末に完成し、その年中に仮庁舎内にある部局が移動。年度中に市民会館と中央町の仮庁舎の部局を新庁舎に移す計画だ。

2018年12月3日月曜日

彦根市の川嶋主導説 疑問

 庁舎耐震化の裏合意問題における責任の所在について、大久保市長の認識が市民の感覚とずれがあるため、これまでの経緯を再度整理しながら、責任の所在を明らかにしたい◆この問題の最大の焦点はどの市職員が主導し、地方自治法施行令の違反にあたる裏合意を施工業者と結んだかである◆市長の見解は、川嶋前副市長の指示を受けて前都市建設部長の山本氏が裏合意を結んだというものだ。先の臨時議会でも市長は「一部工事の取り止めなど仕様の変更を川嶋氏が指示した」と主張した◆しかし市議会が設置した百条委員会で、山本氏は地方自治法施行令違反にあたるとの認識を示した。一方で、川嶋氏は「契約内容そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明。そのうえで、市が作成した報告書に対しては「作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と、違法行為や裏合意への関与をきっぱり否定した◆百条委が作成した報告書でも、その責任の所在は曖昧だったものの「契約を進める時点で地方自治法施行令違反を理解していたのは山本前都市建設部長だけだった」などと記し、市の川嶋主導説にはふれなかった◆それにも関わらず、市は川嶋主導説に基づいた懲戒審査委員会の結果を尊重し、山本氏に対して最も軽い処分で幕引きを図った。また公表した処分理由の中では「川嶋氏の違法な命令に(山本氏が)従い、部下に違法な命令をした」とまで言い切った◆先の臨時議会でも獅山向洋市議や山内善男市議らが疑問を投げかけていたが、市長はあくまでも川嶋主導説に基づく持論を展開していた◆確かに真相はあいまいであるのは否定できないが、川嶋主導説を断定する形で幕引きを図ろうとする市の姿勢には、首を傾げざるを得ない。来週からの12月議会での議論を市民と共に継続して注目したい。【山田貴之】

庁舎耐震工事の裏合意で前都市建設部長を戒告処分に

 本庁舎耐震工事の裏合意の問題を受け、市は11月21日、裏合意に関わった前都市建設部長の山本茂春氏を戒告の処分にすると発表した。
 山本氏ら市職員と岐建滋賀支店は、契約内容から空調設備や既存庁舎の改修など一部工事を取りやめる裏合意をした上で契約を締結。入札時の条件を変更した行為が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について、山本氏は市議会が設置した百条委員会の中で「その可能性はあると認識していた」と述べていた。
 一方で、市は前副市長の川嶋氏が山本氏らに指示をし、裏合意を主導させたとの主張を展開したが、これに対し川嶋氏は百条委で裏合意への直接的な関与を否定した。しかし山本氏の処分内容を決めた懲戒審査委員会は市の川嶋主導説に基づいて協議し、その結果、山本氏の処分を4段階で最も軽い戒告にした。
 軽い処分について、市長は会見で「懲戒審査委員会が適切に判断していただいた。委員会と異なる処分はできない」と答えた。市は裏合意に関与したほかの職員2人に市長から訓告と厳重注意、6人に注意の処分をしたとも発表した。

2018年9月27日木曜日

裏合意の責任で市長給与削減提示も市議会が反対で見送りへ

 彦根市役所本庁舎の耐震工事の裏合意を巡る市政混乱の責任をとり、大久保貴市長が自身の給与削減案を今議会に提案するため、18日の市議会の全員協議会で提案説明したところ、一部の市議から「提案理由が理解できない」などと反対されて提案を見送った。その後、予定されていた記者会見も急きょ中止になった。
 庁舎耐震化の裏合意については、先月22日まで行われた百条委員会などで市長の関与はないとされたが、統治能力の欠如や市政混乱の責任を問う声が相次いでいた。
 市議会などからの指摘を受けて市長は当初、自身の給与を6カ月間、半額にする削減案を提案する予定だった。一方、裏合意に関与したとされる市職員の処分について市長は今議会の一般質問で、庁舎耐震化の施工業者だった岐建滋賀支店と市との民事調停の推移を見て判断する意向を示していた。
 しかし岐建との民事調停は、耐震工事の契約が解除されるまでの負担額を決める協議のため、一般質問で市議からは「調停の内容と、職員の処分は関係がない」などと批判されていた。
 18日の全員協議会でも、複数の出席者によると一部市議から「裏合意に関与した職員の処分発表に合わせて、市長の給与削減案を提案するべきだ」とする趣旨の意見があり、前副市長の川嶋恒紹氏の退職金を盛り込んだ補正予算案の議案を含め、市長は提案を見送ることにしたという。
 市長は「今月27日の上程はなくなったが、(決算審議が続く)開会中の今議会で提案させて頂くという方針に変わりはない」とコメントしている。

 ※(解説)=裏合意の問題を受けて、市長がその管理不届きの責任をとるのは必然であり、これまでの市政運営の不安定さを含めて辞任に相当するが、最低限の責任の取り方として給与をカットするのは当然である。
 だが、市長の給与削減と、裏合意に関与した市職員の処分を別日にするのは理解できず、市議会が提案を見送るよう促したことは理解できる。市長は岐建との民事調停の推移を理由にあげたが、案の定、一般質問や全員協議会で議員から「職員の処分と民事調停は別物」と追及されていた。
 職員の処分案件は市議会に諮る必要がなく、行政からの公表で決着がはかれる。小耳にはさんだ情報によると、職員の処分は小生らが想定しているよりも軽いようだ。そのため、市議会の反発が予想され、市長としては職員の処分と同時期に給与削減案を提案すれば、市議会から反対されると見越しているのかもしれぬ。
 いずれにせよ、市長が市議会で答弁した内容は理屈にもなっておらず、理解に苦しむため、素直に給与削減案と職員の処分を同時に公表し、市議会の審議を受けるべきである。【山田貴之】

2018年8月27日月曜日

庁舎耐震巡る裏合意の主導者わからず百条委員会終了

 彦根市役所本庁舎の耐震工事を巡り市と施工業者の裏合意を究明する市議会の6回目の調査特別委員会(百条委員会)が22日、鳥居本地区公民館であり、9月議会に提出する報告書についての議論が行われたが、裏合意が誰の主導で行われたのかなどの真相を明らかにすることはできなかった。
 岐建の当初の見積額と市の予定価格の差額が約10億円あったため、一部の市職員と岐建滋賀支店の間で別途工事や仕様変更などの裏合意が行われていたことが判明。入札時の条件の変更が地方自治法施行令違反にあたる可能性があるため、市議会は市制初の百条委員会を設置し、4月9日に第1回の会議を開催。以降の会議では岐建側と交渉した前都市建設部長の山本茂春氏や、前副市長の川嶋恒紹氏、大久保貴市長、岐建滋賀支店長を証人尋問した。
 報告書では、百条委の調査で明らかになった点として▽入札不調から仮契約締結まで一部の職員だけで断片的かつ抽象的な情報のやり取りに終始した▽予定価格は市の工事担当課で積算された金額で市長はじめ関係職員が疑わなかった▽随意契約を進める時点で地方自治法施行令違反を理解していたのは山本前部長だけだった―などを列記。
 百条委からの提言として「証人尋問で証言に差異が生じたことは執行部の連携体制に不安を感じる。本件のような方針転換を伴う公務執行については強度のチェックが必要」「関係部署間、市長、副市長との情報共有を図る体制の確立など市長のガバナンス(統治)機能を強化し、安定した市政運営に取り組むこと」などをあげている。
 また市職員と岐建滋賀支店との間での金銭の授受、市長の裏合意への関与などの「疑惑」については「それを特定する事実はなかった」と結論づけた。
 この日の会議では委員から、前回の百条委で一部市職員が市の報告書を作成する中で、前副市長の山根裕子氏の関与があったと証言した点を報告書に盛り込むよう要請があったが、結局「委員会の反省点」の項目に入れることで確認。百条委を終了することも了承された。
 委員長の西川正義議員は「証人の証言内容にかい離があり、真相を見いだすことはできず、その調査も難しかった」と反省を述べていた。今後は百条委として正式な報告書を作成し、9月議会に提出する運び。
汚染土壌除去費を可決
 彦根市議会の8月臨時会が21日あり、市役所本庁舎の耐震工事現場にある汚染土壌の除去費(1億3933万円)を盛り込んだ一般会計補正予算案が賛成多数で可決された。主な経費は、汚染土壌の運搬や残土処分など土壌の処理費9767万円や現場管理費1493万円など。市は9月から10月にかけて業者の選定と近隣自治会への説明会を行い、11月から来年1月にかけて汚染土壌を除去する。

2018年5月28日月曜日

庁舎耐震 裏合意の関与を川嶋前副市長が否定、市の公表と食い違い

 彦根市役所の庁舎耐震化を巡る市と施工業者との裏合意の真相を究明する市議会の調査特別委員会(百条委員会)が22日、彦根勤労福祉会館であり、前副市長の川嶋恒紹氏ら3人を証人尋問した。これまで市は「川嶋氏が裏合意を主導した」と主張してきたが、川嶋氏は百条委で「作為的」などの言葉を用いながら自身の主導説を否定した。
 22日の百条委では、昨年5月17日に行われた2回の入札と、随意契約の相手を決める見積合わせ、一部工事の取り止めや別途工事、仕様変更など9億4200万円分の裏合意を決めた5月19日の市内部の協議と翌20日の岐建との交渉内容が焦点になった。
山本前部長「施行令違反認識」
 施工業者の岐建滋賀支店との交渉にあたっていた市都市建設部の前部長・山本茂春氏=写真上=は、市の予定価格(29億3900万円)と応札価格(38億7700万円)で9億3800万円の開きがあった点について「それでも契約はできるものと考えていた」と強調。
 5月19日の市内部での協議については「私と、川嶋氏、企画振興部長、総務部長が話し合って、一部工事の取り止めなどを決めた」と主張。だが、今年2月議会で企画振興部長と総務部長は裏合意に関与していない趣旨の発言をし、大久保貴市長も「関わったのは川嶋前副市長と都市建設部長」と答えている。また仕様の変更が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について山本氏は「その可能性はあると認識していた」と答えた。
岐建支店長「市から再三口止め」
 岐建滋賀支店長の小菅政広氏は、予定価格と応札額との差額に対して「できっこないとお断りしたが、(市側は)何が何でも合意しなければいけない感じでお願いしてきた。その流れに乗った」と、市側が強く要請してきた様子を明かした。
 裏合意に対しては「裏契約ではなく、正式に契約したという認識だった」とし、地方自治法施行令違反にあたるとの認識についても「知っていたら、そのような契約はしなかった」と、いずれも否定した。
 市との交渉の印象については「なぜ、こんなに急いでいるのか。スケジュールが込んでいると認識した」「市側から公表するなと再三言われたので、まだ市内部で調整がついていないと思った」と答えた。
川嶋氏「作為的、あ然、違和感」
 前副市長の川嶋氏=写真下=はまず「本件工事により、議員や市民にご迷惑をおかけし、市政の信頼を揺るがしたことを深くお詫び申し上げる」と謝罪。
 これまでの市の発表では、川嶋氏が岐建と裏合意をするよう主導していたとの内容だったが、これに対し川嶋氏は「(裏合意から判明するまでの)経過報告書を見た時はあ然とした。私が(裏合意を)発案した書き方になっており、作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と指摘。
 その上で「仕様を変更するが、契約そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明し、5月19日の市内部の協議で出されたという裏合意の内容が記された資料についても「その時には資料はなかった。(都市建設部長以外の)2人の部長もいたのに、非常に違和感がある」と述べた。地方自治法施行令違反の認識については「5月の時点では認識していなかった」と答え、法令違反を把握したのは11月から12月にかけた頃だとした。
 最後に川嶋氏は、裏合意の問題が公になってから現在までの心境として「日々、頭から離れることはなく、その原因について色んな思いを巡らせている」と吐露。その一部として「市が設定した価格と落札額がなぜあれだけずれていたのか」「仮庁舎を借りている会社(平和堂)との契約期限を守らなければという思いが常にあった」と説明。
 副市長を辞任した原因と背景については、大久保市長が裏合意に関わった職員を先に処分をしようとしていたため「職員を先に処分するのは自分自身として許せなかった。市長の主体性をはっきりさせるため私を解職するよう求めたが、最終的には辞表を書くよう言われた」と解説した。
市長「再度の事実確認否定」
 庁舎耐震化を巡る裏合意の真相を究明する百条委員会は23日も彦根勤労福祉会館で開かれ、大久保市長が証人尋問された。
 裏合意の問題が起こった原因について、市長は「担当職員は予定価格と落札額の金額の開きについて何とかなると思っていた。結果的にその判断に無理があった。各部署がコンプライアンス(法令遵守)を重視していたら、このような事態にはならなかった」と述べた。
 市職員からの報告については、「金額の開きの説明はあったが、(裏合意の)報告はなかった」とこれまで通りの主張を繰り返した。
 裏合意を川嶋氏が主導したとする市の発表を同氏が否定している点に関して、市長は委員会後の記者陣の質問に「市職員が出したてんまつ書をまとめて発表している。個々で受け取り方に違いが出たのだろう。事実確認は一定のめどが立っており、改めて報告書を作ることはしない」と、川嶋氏の主導説を改めない考えを示した。

彦根市、庁舎耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店との契約を解除へ

 彦根市は24日、市役所本庁舎の耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店と、設計業者の水原建築設計事務所との契約を今後、解除し、今月20日に工事をストップしたと発表。契約解除の理由については「一定の区切りがついたため」としているが、今後は入札を再度行う必要があるなど、先行きは不透明だ。
 市によると、当初の計画通りの工事のうち既存建物の1、2、4階への制震ブレースを設置する工事は終了。全体の30%ほどが完了しているため「一定の区切り」として、岐建などと契約解除の方向で調整する。
 岐建には予定費用の31億6980万円(税込み)のうち約12億円を支払い済みだが、岐建がすでに材料を購入しているため上積みされる可能性もある。また一部工事の取り止めや別途工事など「裏合意」の9億4200万円分の工事は予定費用に含まれていないため、新たな設計費などを含め10億円以上の負担増になることも予想される。
 市は水原建築設計と7月頃に、岐建と9月頃をめどに契約解除の正式な合意を図る考え。岐建とは精算問題を中心に民事調停などで調整する。以降は予算化を経て入札時期が11月頃になる予定だが、裏合意分の金額が予算に組み込まれた場合は議会の反発は必至だ。
 市議からは「裏合意分が予算化された場合、賛成できるはずがない」「次の入札で岐建が落札したなら、絶対に賛成できないため、岐建を外すべきだ」との声がすでにあがっている。大久保貴市長は会見で「重い責任があると把握しており、時期を見ながら市議会に提案していきたい」と述べた。
完成1年の遅れ
 庁舎耐震化の増築分の工事現場から汚染土壌が確認された問題で、市は24日、追加の調査が必要になったため、耐震工事の完了時期が当初予定の来年3月から1年間遅れると発表した。
 庁舎には元々、印刷局彦根工場が建っていて、市の調査でガソリンなどが貯蔵されていたことがわかり、市は追加調査が必要と判断。6月から7月にかけて土壌調査、9月までに汚染土壌の対応と補正予算の議会上程、10月から年内に汚染土壌を除去していく計画。
 庁舎耐震工事の完了が遅れることで、アルプラザ彦根内の仮庁舎の使用期限が延伸されることなるため、市は今後、平和堂と調整していく。

2018年3月11日日曜日

レームダックに陥った彦根市政

 彦根市役所本庁舎耐震化を巡って、大久保市政は揺れに揺れている。小生は1月27日付コラム言志録で辞任を含む厳しい処分を市長に求めたが、今月8日まで行われた市議会一般質問でも「市長不信任決議案」「市長は辞職を」との厳しい声があがり、市長与党会派の夢みらいからも「出処進退を問う」との発言が出た。
 整理する意味で、市議たちがなぜ市長に厳しい姿勢を示すのかを紹介すると、▽市と施工業者との地方自治法施行令違反のいわゆる裏合意の監督責任▽市長が裏合意を把握していたのではないかという疑いが否定できない▽現市政の屋台骨で主要事業を主導してきた川嶋前副市長の辞任による市政の不安定さ―などがあげられる。
 そして今議会では、関与しているとされた企画振興部長と総務部長がその関与を否定。これまでの市長の説明や今議会での答弁と食い違うという市長の統治能力の欠如も露呈させた。
 市長を隣で叱咤激励する姿が頻繁に見られた山根裕子副市長も3月末で退職し、特別顧問に配置転換される。市の幹部からの信頼をなくし、その上、副市長も当分空席が見込まれるというのが現市政の置かれた状況だ。
 そんな中で、市長は今議会に副市長の定数を2から1に減らす条例改正案を提出した理由を問われた際に「一定の成果を得られたため」と答えた。案の定、市議からはその一定の成果とは何かと突っ込まれていたが、一人の副市長を辞任まで追い込み、市政をここまで混迷させておいて、どこに成果があるといえようか。
 小生は先の言志録で「大久保市政は崩壊しつつある」と言明したが、すでにレームダック(死に体)状態にあり、崩壊していると言ってよかろう。市長は今議会に責任をとって自らの給与削減案を提出するとしたが、例え無給にしたとしても市議会や市民は納得しまい。
 今議会では谷口議員が「大久保市長が政治家ならば、どのような状況がわかるはずだ。政治的判断として辞任するべきだ」と求めていた。
 市長席に居座って事態の沈静化を期待するのか、足音が聞こえ始めた市長不信任案を待って決断するのか、政治家らしく自ら辞するのか、大久保市長がいかなる「英断」を下すのか、市民は注目している。【山田貴之】

2018年2月23日金曜日

百条委に追及していた3議員入らず

 百条委員会が設置されたが、委員の中に庁舎耐震化に対して熱心に質問してきた獅山向洋、谷口典隆、奥野嘉己の3議員が入っていないのは何とも心許ない◆特に奥野議員や谷口議員は本紙でも紹介している通り、問題になっている「裏取引」の疑惑を昨年6月議会で追及していた。そして獅山議員と合わせ、いわば三枚看板の全員が百条委の場にいないことになった◆一方で、百条委の設置が決まった後に開かれた企画総務消防常任委員会には獅山、谷口両議員が委員として入っており、早速、市長らを追及。まるで百条委が始まったような問答だった。同委員会は今後も百条委と並行し継続して開かれるとのことだが、百条委の委員に就いた市議は同委員会に負けぬよう、前記の3人の協力を得ながら真相究明にあたって頂きたい◆そして翌日に市は土壌汚染の問題を発表。まさに踏んだり蹴ったりの様相であり、庁舎耐震化の先行きの不透明感が更に増した感は否めない。(山田貴之)

2018年2月19日月曜日

庁舎耐震化の裏取引問題を市議会の常任委で追及

 彦根市役所本庁舎の耐震工事を協議する市議会の企画総務消防常任委員会が14日開かれ、委員の獅山向洋議員や谷口典隆議員が昨年6月の市議会での「市の虚偽答弁」や施工業者の違法性などについて質問。事実上、この日の臨時会で設置された百条委員会の様相を呈した。
 庁舎の耐震化を巡っては市と施工業者の間で、一部工事の取り止めや別途工事など9億4200万円分の裏取引があったことが判明。昨年6月の市議会の同委員会や本会議では谷口議員らが、入札段階で市の予定価格と業者の提示額とに10億円前後の差があった点などを疑問視していた。
 そのため14日の同委員会で谷口議員は、昨年6月時の同委員会で市側が「追加工事はしない」「仕様書(当初の工事内容)の変更はない」と答弁していた点を取り上げ「あの答弁をした昨年6月時点で(裏取引を)知っていたのか」と質問。市の担当者は「当初の工事内容を変更しないとの認識に基づいて答弁した。最終的には上司(都市建設部長)の判断だったと認識している」と釈明。
 谷口議員の「9億円分の工事がどうなるのか明確になっていない。このまま工事を進めれば、相手方の施工業者に有利になる。工事をストップするべきだ」との要求に、大久保市長は「弁護士と相談しながら施工業者と交渉を進めている。工事を止めれば損害賠償が発生する可能性も出てくる」と工事を続ける意向を示した。
 獅山議員は、当初の計画が有効だとする市の考えに対し、市の顧問弁護士の見解を示した文書の提示を求め、市長は速やかに提示する意向を示した。また獅山議員は、裏取引が地方自治法施行令違反だと施工業者が認識していた可能性を指摘した上で「市長として施工業者が違法だと知っていたと思わないか。私は官製談合に近い違法なことをやっていると思っている」と追及。市長は「(施工業者が)市に頼まれたため協力したと認識しており、市側が違法だったと認識している」と述べた。
 同委員会は最後に、今後も庁舎の耐震工事について継続審査していく方向性を確認した。

2018年2月9日金曜日

百条委員会で追及し尽くせ

 怒髪天を衝く(どはつてんをつく)―。天につくほど髪の毛が逆立って激しく怒っている様子を表現した故事だが、彦根市議会が大久保市長に提出した臨時会招集の請求書には市議24人全員の署名と捺印が記されており、激しく怒っている様がうかがえる。
 昨年6月定例会で庁舎耐震化の請負契約の関連議案に、賛成多数で議決したのだから市議会が怒るのも当然である。市議の何人かは関連の質問も行っていたが、市は裏取引を明らかにすることなく、虚偽の答弁を繰り返していた。市議の一人は「市に騙されたのだから、議会軽視も甚だしい。市から耐震化の追加予算が出ても、はい分かりましたと簡単に通すわけにはいかない」と怒り心頭だ。
 そしてもう1点、裏取引が協議されていた時期に市長は本当に知らなかったのか、という疑惑である。本紙今日付の記事にもある通り、約30億円の大規模事業の「詳細を知らない」との回答にはあきれるばかりだが、裏取引の実態を6月議会前に認識していなかったというのも信用できまい。
 「議会での虚偽答弁を市長が認識」「地方自治法施行令違反の事業に市長が関与」、もしその頃に市長が知っていたら、この2点の責任をとって辞任は免れないため、それを避けたいのかもしれない。ほかにも「行政のプロの川嶋氏が法令違反を認識していなかったのか」「担当職員がいずれは明らかになるのに裏取引をなぜしてしまったのか」「入札時の背景に何らかの取引はなかったか」など、明らかにするべき疑惑は少なくない。
 設置される百条委員会でこれらの真相が明らかになるはずだが、川嶋氏や市の担当者、施工業者らにどこまで正直に話させるかは、百条委員会の委員に就く市議たちの力量次第である。これまで発表された中での疑惑から、新たに明らかになるであろう疑惑まで、すべてをあからさまになるのを期待している。
 なお今後、市議会に市長の不信任案が提出された場合、市長権限で「市議会の解散」の可能性もあるが、それを回避するため、穏便に終わらせようと考える自己保身の市議がいないことも祈っている。【山田貴之】

市役所耐震化の裏取引9億4200万円分の内訳公表、百条委員会設置へ

 彦根市は2日、本庁舎の耐震化を巡って記者会見を行い、施工業者との交渉で取りやめた工事など9億4200万円分の内訳を公表。大久保貴市長は市議会から同日付であった百条委員会設置のための臨時会招集の請求に対し「速やかに開く」と述べた。
 市によると、市の予定価格と施工業者が示した額とに大きな差があったため、前副市長の川嶋恒紹(ひさつぐ)氏=引責辞任=が、外構や空調などを本体価格に含まない別途工事とするよう市都市建設部長に指示。担当職員が施工業者の支店長と協議して、一部工事の取りやめなど裏取引をし、29億3500万円で合意したという。公表された裏取引の内訳は、別途工事が外構やガス空調など2億8917万円、取りやめが既存建物の改修や昇降機リニューアルなど4億7647万円、屋上緑化や床タイルなどを簡易な材料にする仕様変更が7152万円、今後の更なる仕様変更などが1億0484万円。
 しかし、耐震補強工事と既存建物の1階、4階、5階の一部改修を求める市側と、耐震補強工事のみしか実施しないとする施工業者側との認識のずれが表面化。市長には10月3日に「このままでは当初の仕様通りに完成しない」との報告があり、その後、弁護士が地方自治法施行令違反の可能性が高いと指摘。市内部や施工業者との協議が行われたが、解決できず、先月24日に発表した。
 また2日の会見では、市長が昨年6月定例会開会日の6月5日に、川嶋氏から「外構工事は元々、分離発注をする予定だった」と聞いていたことが明らかになったが、市長は「詳細については理解していなかった」と釈明。別途工事などの新たな予算措置については「どこまでやるのかは業者と協議する」と述べるに止めた。
臨時会招集へ
 彦根市議会は2日、100条委員会の設置を求めるための臨時会招集請求書を全議員24人の署名入りで市長あてに提出。市長は会見で「速やかに招集する」と述べた。
 臨時会は14日開会で、百条委員会の委員は12人で調整している。

2018年2月2日金曜日

彦根市議会で百条委員会の設置を求める声、市役所耐震化で市職員と施工業者が裏取引で

 彦根市役所の耐震化に絡んで市職員が施工業者と裏取引をしていた問題に対し、彦根市議会で(※)「百条委員会」の設置を求める声が高まっている。2月2日には市議会の全員協議会があり、百条委設置に向けて会派間で調整するとみられる。
 市役所耐震化を担当していた一部の市職員は、市の見積額の29億3500万円に収めるため、空調設備など約20項目の工事を除いた裏取引を施工業者と行い、見積額のままの関連予算が昨年6月議会で議決された経緯がある(本紙27日付で関連記事)。
 市からこの問題の報告を受けた市議会は会派内で話し合いを行っており、各会派または議員からは、大久保貴市長や引責辞任した川嶋恒紹・前副市長、担当職員、施工業者らを招いた百条委を設置する意見が出ている。
 本紙の取材に応じた議員の一人は「6月議会で関連予算に賛成した議員としては騙された感がある。川嶋副市長がどこまで関与していたのか、百条委で真実を追及する必要がある」と話している。
 今後は各会派内、会派間同士で百条委設置と臨時会の招集を求めるための話し合いが行われるとみられる。
 ※【百条委員会】自治体の事業に関して疑惑や不祥事があった際、地方自治体法100条に基づいて、その自治体の議会が設置する特別委員会。該当する事業の職員や関係者らの出頭、証言を求めることができる強い権限を持っており、虚偽の証言をしたり、証言を拒否したりした場合などには禁固刑や罰金を科すことができる。

2018年1月31日水曜日

市役所の耐震工事で市職員と施工業者が事内容から空調設備などを省いた裏取引

 彦根市役所の耐震工事を巡って、一部の市職員と施工業者が予定されていた工事内容から空調設備などを省いた裏取引をしていたことがわかり、24日の定例会見で大久保貴市長が公表し謝罪した。市役所の耐震工事を担当していた川嶋恒紹副市長はこの問題の責任をとり、23日に辞表を提出し翌日受理された。
 市によると、昨年5月17日から翌日にかけて2社を対象に耐震工事の入札があり、2回目までが40億円前後で不調に終わったため随意契約に方針を転換。3回目の見積もり合わせで38億7700万円を示した施工業者と交渉に入った。
 市の当初の見積額は29億3500万円で10億円近い差があったが、担当していた市職員が施工業者と空調設備や既存庁舎の改修など約20項目の工事を取りやめる裏取引をした上で、5月22日に仮契約を締結。整備費の予算29億3500万円で6月22日に市議会で議決された。10億円近い差が出た理由について市長は「市職員の予算見積もりの査定の仕方に甘さがあった」との認識を示した。
 市長によると、川嶋副市長は「本来の工事から切り離される懸念があったが、全体の工事としては変わらないと担当職員から説明を受けたため、それで進めるよう指示した」と話したという。
 市長は10月3日に担当課の市公有財産管理課長から「市と施行業者の間で工事内容について相違がある」との報告を受けて、初めてこの問題を把握したといい、顧問弁護士からは「競争入札に付する時に定めた予定価格その他の条件を変更することができない」と定めた、地方自治法施行令違反にあたるとの見解が示された。12月27日に市と施工業者、設計業者による協議を経て、今月11日に一部工事を取りやめる合意がなされているのが確認されたという。
 耐震工事の完了予定時期は来年3月で、5月のゴールデンウィーク明けには新庁舎での業務の開始が予定されている。取りやめた工事分の予算を市議会へ再提示するのか、当初の計画通りに施工業者に工事をさせるのかなどについて、市は今後、代理人同士で施工業者と協議する。しかし、市議会からの反発や施工業者との協議の難航は必至で、完成時期が遅れる可能性がある。
 市長は今後、担当職員の処分を検討するとした上で「この問題を大変重く受けとめており、管理責任を感じている」と謝罪し「当初の目標通り来年5月に新庁舎で業務できるよう、精一杯の努力をしていきたい」と述べた。