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2023年9月7日木曜日

プロ野球の審判目指し奮闘 鳥居本中の川部大翔君

 彦根市立鳥居本中学校3年の川部大翔(はると)君(14)=鳥居本町=がプロ野球の審判を目指し、学童野球の試合で塁審などを務めている。8月20日に松原町のHPLベースボールパークで開かれた学童野球の試合では三塁塁審で的確なジャッジを見せていた。
 川部君は鳥居本小1年の時に野球を始め、城北小のスポーツ少年団に所属。一時休部があったが、主に捕手を守り、6年では主将を務めた。中学校ではハンドボール部に入ったが、体調不良もあって2年冬に退部。「ほかに何かできることはないか」と考えていたところ、城北小のスポーツ少年団の時に監督を務めていた彦根学童連盟審判部の松本圭生部長(57)の誘いを受けた。
 松本部長は、川部君が中学生になってからも学童野球の審判を手伝っていたため「審判のセンスがあると感じた」と、その腕前を評価。誘いを快諾した川部君は今年2月に審判講習を受けて以降、学童野球の試合で審判を務めている。
 審判を目指した理由について、川部君は「小学生の時からジャッジがかっこいいと思っていた」と説明。その魅力については「際どい判定が必要な際、シーンとする中でのジャッジが楽しい。ヤジがあっても気にしない」と話した。将来の夢については「県の連盟、高野連の審判を務め、最終的にはプロ野球の世界で審判をしたい」と熱く語った。
 彦根学童連盟審判部の審判は平均年齢が55歳(川部君除く)で、人数が川部君を入れて13人。松本部長は「川部君は言われたことを素直に受け入れる。我々もいい刺激になっている」と述べた。

2022年1月24日月曜日

奥出真由美さん つらい経験した女性たち支援する活動展開、愛荘町の古民家にカフェオープンへ

 不妊治療、離婚、乳がんなどさまざまな経験をしてきた奥出真由美さん(59)=彦根市高宮町=は、同じく乳がんなどでつらい経験をした女性たちを支援する活動を展開。今年春には、悩みを抱えている女性たちが気軽に集える憩いの場「古民家カフェコミュニティー『榲桲(まるめろ)』」を愛荘町にオープンする。開所を前に古民家の改築費の一部をクラウドファンディングで募っている。
 
「変身企画」も開催
 奥出さんは彦根市西沼波町出身。22歳で結婚し、不妊治療や異常妊娠による堕胎を経て、26歳の時に長女を出産。子育てをしてきたが、長女の中学校入学前に離婚し、41歳の時に乳がんを発症。右乳房を切除する手術を受けた。抗がん剤治療で髪の毛が抜けた際にはウィッグ(かつら)も使用した。4年前の両親の入院を機に、それまで勤めていた会社を退職。現在は母親(83)の介護をしながらパート勤務している。
 昨年5月1日には女性の心と体の健康を支援する団体「With Mamma」を設立。女性たちにプロのメイクを受けてもらい、日常とは異なる姿になって写真撮影にのぞむイベント「オトナ女子変身企画」を7月10日と1121日に市内で開催した。
 
「悩む女性多い」
講座の運営者募集
 さまざまなつらい経験をしてきた奥出さんは「私と同じように、不安や苦しい思いを抱いていても、弱音をはけず、泣きたくても泣けない女性が多くいるはず。私が生かされている意味はここにあるのでは」との思いから、気軽に来られる居場所作りを計画。明治時代初めに建築された愛荘町斧磨(よきとぎ)の古民家を拠点に、カフェや女性がチャレンジできる場として活用する。
 平日に奥出さんが体に優しい料理を提供する店を開き、土日祝日にほかの女性たちがカフェを営業。ヨガやハンドマッサージなど講座も開講する。奥出さんは料理や講座を実施できる女性を募集している。
 奥出さんは「女性たちが予約なしで、ぷらっと立ち寄れる第2の家のような温もりのある場所にしたい。相談やくつろぐスペースのほか、女性の皆さんのこれまでの経験を生かせる場所にもなれば」と話している。
 
ネットで支援募る
 クラウドファンディングはキャンプファイヤーで1月末まで。目標金額50万円。リターン品はオリジナルのしおりやポストカード、トートバッグ、内装作業の参加ワンデイパスポート、まるめろでの宿泊・講座・夜の体験ができるペア券など。
 2月から改修工事に入り、5月初旬オープン予定。問い合わせは奥出さん☎090(1890)2874。

2021年6月10日木曜日

近江ツーリズムボードにフランス人のボナフェー・クロエさん着任

 湖東地域の観光振興事業を展開している近江ツーリズムボード(ОTB、事務局・彦根商工会議所)に、フランス人のボナフェー・クロエさん(24)が着任。外国人向けの情報発信サイト「Visit Omi」の執筆や動画の翻訳などを担っている。
 クロエさんは、フランスの大学に在学していた2017年9月から翌年6月まで米国の大学に留学。その時に一緒に学んでいた日本人から聞いた文化などに関心を持ち、18年の夏休みに初来日し、東京を拠点に3週間過ごした。
 最初の日本の印象について、クロエさんは「街中は漢字だらけだったので、他の世界に来た感じで、戸惑っていた。でも日本人はみんな笑顔で接してくれて、すぐに慣れた」と話した。大学卒業後の19年1月に再来日した際には京都と奈良で3週間過ごし、数多くの寺社仏閣を見学。「日本の歴史を感じた」という。
 ニュージーランドでの生活を経て、1911月に3回目となる来日。東京のシェアハウスに住みながら生活しようとした矢先に新型コロナウイルスが流行した。その後、東京を離れて地方での生活を希望し、2020年4月に彦根市内に移住した。ラーメン店でのアルバイトや彦根東高校での外国語教師の仕事をしていたが、以前から観光の仕事がしたかったこともあり、知人からОTBの紹介を受け、今年4月26日に彦根商工会議所に入所した。
 
外国人向けサイトの執筆
「彦根の皆さんフレンドリー」
 ОTBでは外国人向けの情報発信サイトの執筆のほか、外国人も楽しめる名所紹介のユーチューブチャンネルへの出演、英語・フランス語での案内文書の作成などを担当する。湖東や滋賀の魅力について、クロエさんは多景島、竹生島、沖島をあげて「湖に島があるというのはとてもユニークで、外国人ウケする」と説明。また「織田信長が天下統一をした時の城が滋賀にあり、近くにキリスト教関連のセミナリオ跡もある。そして日本の神道や仏教に関し、多賀大社など神社や湖東三山など寺も多い。宗教と歴史に外国人はとても関心がある」と解説した。
 特にヨーロッパの中でもフランス人の日本への観光が多い理由として、クロエさんは「茶道や着物など日本文化特有の『静』の空間をフランス人は好む」と紹介した。最後に彦根市民の印象について、クロエさんは「とてもフレンドリーで、話しやすい」と笑顔を見せた上で「日本語力をもっと上げたいので、多くの人に出会って、色んな話がしたい」と語っていた。

 

2020年12月14日月曜日

木造建造物を受け継ぐための伝統技術ユネスコ無形文化遺産に

 文化庁はこのほど、木造建造物を保存修理する伝統技術が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しになったと発表。日本伝統建築技術保存会(日伝建)名誉会長で、西澤工務店(彦根市鳥居本町)社長の西澤政男さん(76)に伝統的な木造建築物の魅力を聞いた。 (聞き手・山田貴之)
 
彦根城など保存修理担う
 登録される名称は「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」。西澤さんは2000年に設立した日伝建の会長と、文化財修理技術保存連盟理事長を昨年まで務めるなど、日本独自の木造建造物の伝統技術を後世に伝える活動に尽力してきた。
 西澤さんは20代の頃、中堅ゼネコンで主に現場監督を務めていたが、「家業の大工を継ぎたい」との思いが強くなり、大阪万博が開かれていた1970年8月に退社。父親が経営していた工務店に入った。30歳の時に愛荘町の金剛輪寺の三重塔(重要文化財)の修理を手がけ、その後も1983年3月に西明寺本堂、1996年3月に彦根城天守・附櫓・多門櫓など、国宝をはじめとする多数の文化財の保存修理を担ってきた。十数年前からは京都御所や皇居など宮内庁の工事も請け負っている。
 
「建築当時の文化を将来へ」
 「便利で長持ち」とうたう現代的な建物が最新の技術と材料を使う一方、伝統技術で建てられた文化財建造物は「古くて腐っている木材ほど大事。建築された当時の文化の証であり、それを後世に伝えていくのが私たちの仕事」と説く西澤さん。
「取り替えたら1万円ですむ材料であっても、建築当時の文化の証を残すため100万円をかけてでも修理して古材を残す」との例え話をしながら「お金は印刷すればいくらでも増えるが、時代や時間はどうしてもお金で買えない。当時の文化を将来の人に正確に伝えることが文化財の役目である」と解説する。
「日本人にはやはり、和の空間がいい。伝統的な和風の建物では日本人らしい和の雰囲気がやすらぎの心を与えてくれる。日本の原風景を取り戻せるよう、伝統的な木造建築の良さを再認識してもらえるよう、これからも努めたい」と熱く語った。

2020年11月30日月曜日

富川和代さんこどもにほんご教室JUMPアドバイザーなど日本語指導者

彦根市大薮町の富川和代さん(75)は、彦根ユネスコ協会こどもにほんご教室JUMP(ジャンプ)のアドバイザーなど日本語指導者を長年務めている。今月14日にはひこね燦ぱれすで日本語検定を実施した。富川さんに外国人向けの日本語教育や多文化共生の課題、日本人の日本語力について聞いた。

「オリジナル教材」必要
指導者の「人手不足」課題
 富川さんは福井県敦賀市出身。父親は国鉄(JR)の社員で転勤が多かったため、中学校のころには3校に通い、虎姫高校時代は下宿生活も経験した。大学卒業後は滋賀県立の高校やミシガン州立大学連合日本センターで国語や日本語を教え、近江高校では13年間、英語の指導にもあたった。また滋賀県立大学をはじめ大学や専門学校の非常勤講師として、日本語や日本語の教授法、国語・英語に関する科目を担っている。
外国人の労働者や留学生が増加していた1990年以降は「日本語を学びたい外国人を支援しよう」と、ボランティア団体に所属し日本語を教えてきた。現在はJUMPアドバイザーや彦根にほんご教師会WAGT代表、日本語検定研究委員などを務めている。
 そのうちJUMPには現在、中国、台湾、ベトナム、フィリピン、米国、モンゴル、ネパール出身の幼稚園児から中学生までの子ども16人と保護者4人が大学サテライトプラザ彦根で学習している。コロナ禍以前は保護者の受講も多かったが、仕事などの影響で減ってきているという。
 富川さんは、日本語を教えるボランティアの人手不足と時間的な忙しさから、「学習している外国人の子どもたちや保護者の希望に合っているかが課題だ」とした上で「今後は文化や母語が異なる子どもたち一人一人に合ったオリジナルの教材の作成が必要な状況だ」と述べた。

日本人の日本語力も指摘
多文化共生「みんな違っていい」
 日本人と外国人が一緒に過ごす「多文化共生」の課題について、富川さんは文化、習慣、ものの考え方の違いをあげながら「互いに理解しようと努力する必要はあるが、結局は『みんな違って、みんないい』ではないだろうか。日本人同士でも育った環境によって生活習慣などに違いがある」と説明。JUMPでは外国人の子どもたちのスピーチ大会や成人の日本語学習者のディベート大会を開催しており「市民の皆さんとの交流する機会になっている。また異なる意見の論戦は多文化共生の第一歩になるとも思う」と話していた。
 富川さんは大学で日本人向けの日本語科目も担当。日本人の日本語力について「国語の苦手な人には漢字の力をつけるよう、大学生には社会人になる準備として特に敬語と慣用表現、四字熟語を理解できるようにアドバイスしている」と解説。そのうち敬語については「若者だけでなく、大人も正しく使えていないと感じる。敬語は『言葉のおもてなし』とも言える」と語った。
 一方で、子どもの頃は父親の仕事の影響で駅近くの官舎で暮らしていたため、電車に乗ることが好きで大学の卒業旅行も電車での旅だったという。富川さんは「新型コロナが収束した後はゆっくりと国内外を特急電車で旅をして、全国各地のさまざまな日本語や海外の言葉に触れたい」と笑顔を見せていた。

2020年9月18日金曜日

近江観光大使第1号にオーストラリア出身クリス・グレンさん

 彦根城など湖東地域の名所を国内外にPRする「近江観光大使」の第1号に、オーストラリア出身でラジオDJとして活躍するクリス・グレンさん(52)=名古屋市=が就任。「湖東の魅力を外国人に発信したい」と意気込みを語った。
 クリスさんは1985年に留学生として初来日し札幌で約1年間過ごした。帰国後、オーストラリアでテレビやラジオなどに出演していたが、日本に戻りたいという「ホームシック」になり、92年に再来日。以降、ラジオDJを務めながら、関心がある日本の歴史や文化を学んできた。
 「日本を愛する外国人」としてテレビ出演も多数あり、NHK「ブラタモリ(岐阜編)」では案内人を務めた。特に城の研究を趣味としており、日本全国の約500カ所の城を巡ったという。
 彦根城の魅力について、クリスさんは「創建当時のままの城は国内に12しかなく、国宝は5城のみ。彦根城は美しい天守があり、縄張りもあり、デザインがすばらしい」「ミニ京都という表現がわかりやすいかもしれないが、古い日本の街を体験でき、見ることができることは外国人が好む」と説明した。
 彦根城以外では「(甲良出身の)藤堂高虎も好き」と明かし「近江観光大使として歴史的人物や古戦場跡などを紹介したい。近江の歴史的なストーリーを世界に発信できるよう、一生懸命がんばりたい」と意気込んだ。

多言語動画作成へ
クリスさん任命式
 近江観光大使は一般社団法人近江ツーリズムボード(OTB、事務局・彦根商工会議所内)が湖東地域への誘客を目的に創設。3日に彦根商工会議所でクリスさんを迎えての任命式が開かれた。
 OTBは彦根城を訪れる外国人向けに、英語や中国語など多言語に対応したアプリの動画やゲームを制作する「彦根城多言語解説整備事業」を展開。動画ではクリスさんが案内役を務め、甲冑姿の武士たちが登場しながら彦根城の特徴を外国語で紹介。ゲームを含めて来春の桜のシーズンまでに完成させる。
 任命式には大久保貴市長やOTBの上田健一郎会長が出席し、上田会長からクリスさんに委嘱状が渡された。上田会長は「彦根城の魅力を外国人の目線で国内外に向けて発信して頂きたい」と話した。

天守前トークショー
20日夜 来場者募集
 彦根城運営管理センターとOTBは20日午後7時~彦根城天守前広場で「『お城』夜間特別トークショー」を行う。夜間特別公開に合わせて、クリスさんと滋賀県立大学の中井均教授がトークを行う。夜間入場料として高校生以上600円、小中学生200円。雨天時は彦根城博物館能舞台観覧席で、入場無料・先着30人。問い合わせはOTB☎(22)5580。

2020年9月8日火曜日

彦根城管理運営・近畿日本ツーリスト関西の統括マネージャー・松岡一隆さん

 今年4月から彦根城の管理運営は近畿日本ツーリスト関西が担っており、統括マネージャーには松岡一隆さん(50)が就任している。着任以降、新型コロナウイルスの影響をもろに受けて観光客が大幅に減少しているが、「withコロナ」と「afterコロナ」の時代の観光戦略を聞いた。 (聞き手・山田貴之)

「この街の活性化へ役立ちたい」
入社15年間、彦根支店で勤務経験
 松岡さんは近ツーに入社した1993年から15年間、彦根支店で勤務。その後、大阪や京都での勤務を経て、2018年に滋賀支店長(大津市)に就任し、今年4月に国宝・彦根城運営管理センター統括マネージャーに着任した。
6年前まで彦根市内に住んでいたといい「彦根に対する思い入れがある。市民の皆さんにとって彦根城がどのような存在か、ひこにゃんをどれほど大切に思っているかを知っている」と解説。「私もこの街が好きで、何とか活性化のお役に立ちたいと強く思っている」と熱く語った。
宿泊客増に伴う滞在型観光や外国人観光客(インバウンド)の増加が課題にある。このことについて松岡さんは「彦根の皆さんはシャイな方が多いが、市民が彦根の魅力を再認識し、自らが自然とその魅力を発信するなど、参画意識が高まればいい方向日変わっていく。そのきっかけ作りのためにできることをやりたい」と説明。「彦根市(行政)も民間の発想を求めている。市職員の皆さんをはじめ、彦根観光協会、近江ツーリズムボード、彦根商工会議所など彦根の観光のために一生懸命にやっている方たちと一緒に進めていきたい」と抱負を述べた。

「夜間開放」の実証実験検討
with・afterコロナ戦略
新型コロナウイルスの影響で観光分野は大打撃を受けているが、全国各地の観光都市では「withコロナ」と「afterコロナ」に向けて動き始めている。松岡さんは「まずはお客さまと彦根城で働くスタッフの安全確保が大事で、感染防止対策に万全を期したい」とした上で、自主事業として「彦根城の夜間登城」の実証実験の構想を明言。今年秋の休前日の午後6時から同9時まで表門から天守前まで登城できるようにし、感染予防としてオンライン予約の導入で入場を制限しながら開催する方針も示した。
afterコロナの構想について、松岡さんは「この苦しい経験をコロナ後の観光戦略の糧にしたい。市民の皆さんが参画できて、新しい形の観光を全国に示す。そして世界中からお客さんに来てもらい、さすが世界遺産(を目指す)の街だと思われる彦根であってほしい」と語った。

2020年8月27日木曜日

“非密”の花火大会 企画した馬場真作さん

「大変な状況にあるみんなへ届けたい」

 地域貢献に尽力する彦根市民を紹介する新コーナー「FOCUS彦根人」。第2弾は今月1日から滋賀県内で始まった「“非密”の花火大会inびわ湖一周」の企画立案者で、司法書士の馬場真作さん(38)=安清東町=を取り上げる。湖東エリアでも花火を打ち上げる予定。

「彦根フードバトン」も貢献
「倒れている人を助ける感覚で」
 新型コロナウイルスの感染防止の影響で外出自粛が余儀なくされていた5月、経営が厳しくなっていた飲食店と感染者の治療にあたる医療従事者を支援するため「Hikone Food Batonプロジェクト」が発足。市内飲食店がローテーションで作った弁当を彦根市立病院に届ける取り組みを進め、馬場さんも事務局として支えた。
 馬場さんは「東日本大震災の時には何かしたいという気持ちに駆られたが、ほとんど支援するような行動を起こすことができず、悔しい思いがあった。だから、新型コロナウイルスで大変な思いをしている人たちのために何か行動したかった」と説明した。
 5月5日の子ども日に1人の花火師が近江八幡市で、子どもたちに見せたいと自費で花火を打ち上げた。今年は滋賀県内各地で花火大会が相次いで中止となり、花火師らの経営も厳しく、先行き不透明な状況だ。
これらを報道で知った馬場さんは経営者仲間や友人たちに声をかけ、一緒に県内各所での花火大会を企画。「花火師の皆さんは収入がほとんどない状況。前に倒れていた人がいたら、たいがいの人は助けると思う。基本的にはその感覚と同じ」と熱く語り「医療従事者の方、花火大会を楽しみにしていた子どもたちをはじめ、大変な状況にある皆さんにも見てほしい」と笑顔を見せた。

午後8時~75
29日まで県内各所で
花火代などの資金を集めるクラウドファンディングを7月7日から行い、すでに目標の240万円を達成。1日の湖南エリアを皮切りに8日、15日、22日、29日と琵琶湖を1周するように花火を打ち上げる。目標額を超えた分の支援金は滋賀県内の花火業者へ寄付するが、打ち上げ場所を拡大させる予定もあり、花火業者と調整中。各日午後8時~約5分間、75発ずつ。ユーチューブでライブ配信もしていく。
 馬場さんはスタッフ29人の法人の経営者。尊敬する経営者にソフトバンクグループの孫正義氏をあげ「孫さんは震災の際、被災地へ多額の寄付をし、すごいスピードで行動を起こしていた。そのスケールの大きさに事業家としてかっこいいと思った。スケールは違うけれど、コロナ禍の中で私ができる範囲でお役立ちできれば」と意気込みを語った。

【馬場真作(ばばしんさく)さん】
 2006年に24歳で司法書士試験に合格。東京で約1年間の事務所勤務を経て、08年に当時、父親が経営していた馬場司法書士事務所(小泉町)を事業承継。13年に土地家屋調査士の資格も得た。14年に司法書士法人equal設立。現在は彦根のほか、長浜と栗東にも事務所がある。

彦根ビール誕生への思い語る、橋本健一さん

  しが彦根新聞は、彦犬地区の地域振興に貢献している市民を取り上げる新コーナー「FOCUS(フォーカス)彦根人」を始める。初回は「彦根ビール」の開発に乗り出している橋本建設社長の橋本健一さん(45)=竹ケ鼻町。石寺町に醸造工場を建設し、来年春から販売を開始する予定で、事業の本格化を前に今の思いを聞いた。(聞き手・山田貴之)

石寺町に醸造工場を建設
地元の小麦使い試作品発売へ
 彦根城の世界遺産登録や滋賀県内で開催される国民スポーツ大会に向けて、橋本さんは以前から観光客や来彦者向けの食や地ビールの必要性を感じていた。ちょうどその頃、地元の荒廃農地の有効活用を模索していた石寺町の自治会や滋賀県立大学の教員から地ビールの開発要請があり、相互の思いを合致させる形で昨年11月に「株式会社彦根麦酒」を設立。社長に橋本さんが就いた。
 地ビールに着目した理由について、橋本さんは「欧米をはじめ外国人の観光客は地ビールに関心があり、京都からわざわざ地ビールを飲みに滋賀県内を訪れている。彦根城が世界遺産に登録されれば、外国人観光客の人気商品になるはず」と説明した。
 今年3月には酒類販売業の免許を取得。荒廃農地の一部の約4000平方㍍を借用し、5月から木造平屋の醸造工場と直売所の開発に着手。長浜バイオ大学に酵母の選定と培養、滋賀県立大学に建築デザインを依頼しており、「産民学」での開発を目指している。7月1日には、醸造責任者に就いた県立大卒業生の小島なぎささん(29)が、研修先の奈良市内の醸造工場で試作品のビール600本を開発しインターネットで限定販売。今月中には石寺町の小麦を使った第2弾の試作品を醸造し、10月に一般販売を計画している。
 橋本さんは「地元で愛されている彦根梨のように、石寺や彦根の麦も知っていただけるようにしたい。環境に配慮した手法での醸造を心がけたい」と話した。10月にも着工し、来年1月の完成、3月以降の「彦根ビール」誕生を予定している。

インパルス飛行実現
彦根商議所副会頭も
 ほかに、橋本さんは2009年8月に彦根城内で人力車を走らせる「ひこね亀樂車」を設立。2017年6月に彦根市内で開催されたブルーインパルスの展示飛行の実現にも貢献した。また昨年11月には彦根商工会議所の副会頭に就任。「今は新型コロナウイルスの影響で観光客が少ないが、世界遺産や国民スポーツ大会で彦根を訪れる方は増えてくる。いかに満足してもらえるかを今後も考えていきたい。本業でも地域交通に貢献したい」と意気込みを語った。

 【橋本健一(はしもとけんいち)さん】大学卒業後、日立公共システムに入社し介護保険福祉システム部配属。退社後、橋本建設に入社し昨年4月から同社社長。彦根麦酒社長、ひこね亀樂車代表、彦根商工会議所副会頭、彦根納税協会代議員、滋賀県建設業協会理事、近江ツーリズムボード理事、彦根ライオンズクラブ会員、彦根市消防団第7分団団員など務める。