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2017年9月29日金曜日

彦根城築城410年祭の特別展「HIKONE ART CASTLE」と「HIKONE STUDENT ART EXHIBITION」彦根城天秤櫓と市内3カ所で

 芸術家と美大生らによる彦根城築城410年祭の特別展「HIKONE ART CASTLE」と「HIKONE STUDENT ART EXHIBITION」が、23日から彦根城天秤櫓と市内3カ所で始まった。
 天秤櫓では築城410年祭のプロモーションムービーなどに関わった書家の前田鎌利さん(44)、イラストレーターのマハロさん(43)、彫刻家の淺野健一さん(36)が「城・戦国江戸期の不易流行表現」をテーマにした作品を展示。前田さんが考案した「念(おも)い」は市内の小学6年生1000人と7月末のワークショップの参加者50人らが、小さな紙に書いた思い思いの一文字を将棋盤のような盤上に並べられている。ほかに前田さんが書いた「不易流行」「城」も展示。
 マハロさんの屏風型の「栄」と布地の「豊」はそれぞれツノガエルとバッタをカラフルな色で表現。マハロさんは「アジアの架空の国をイメージし、410年が経過して更に豊かに繁栄していくことを願って描いた」と解説していた。
 淺野さんの「古の闘神」は阿と吽(うん)の金剛力士像の顔部分。高さ1㍍30㌢×幅75㌢×奥行き1㍍で、重さは阿が80㌔、吽が70㌔。7年前に作った作品を塗り直して8カ月かけて制作。現実と夢の世界のあいまいさをイメージしたという。展示期間は築城410年祭が終了する12月10日まで。
 「HIKONE STUDENT ART EXHIBITION」は、応募者から選定された全国の美術系の大学や専門学校の学生、卒業生の計20人の作品展。20人は8月21日から27日まで市内に滞在した後、制作に入り、宗安寺に11点、スミス記念堂に2点、寺子屋力石に7点を展示した。
袋町 小橘ののれん制作
 神戸大学大学院の山本法子さん(25)=神戸市=は袋町の飲食店「小橘(こきつ)」と「小島」ののれんなどを作り、宗安寺の渡り廊下に設置。袋町が遊郭だった頃を知る小橘の店主に着目し、店主の芸子時代から現在までの写真や店主を描いた絵のほか、芸子時代に働いていた小島と合わせて、現在も実際に使われているのれんを制作した。山本さんは「袋町の取材をして、人と人とのつながりの深さを感じ、それらを表現しようと考えました」と話していた。
 京都精華大学大学院を修了した伯井慶伊子さん(24)=大阪府堺市=は「想造」をテーマに、宗安寺本堂の住職と参拝者とが座る境界線に長さ3・6㍍、太さ約1㍉のビニールひも5200本をつるした。「存在していると認識していたものが遮断されることで、見えていなかったものが明確に見えてくることがある」と解説していた。
 武蔵野美術大学の菊池風起人さん(21)はスミス記念堂の屋外に「彦根ベースキャンプ」と題したテントを設置。市民のための新たな拠点を作ろうと考案したといい、「展示期間中はテント内に滞在しながら市民と交流したい」と話している。
 3会場での展示は10月1日まで。

世界平和への祈りを込めて全国の護国神社で奉納揮毫、滋賀県護国神社では竹本大亀さん「和」の古代文字

 国際平和デーの21日、世界平和への祈りを込めて全国各地の護国神社で奉納揮毫(きごう)が行われ、彦根市尾末町の滋賀県護国神社では古代象形絵文字作家の竹本大亀さん(64)=京都市=が揮毫した。
 聖徳太子の1400回忌を迎える5年後に十七条憲法を世界遺産に登録するため、和の精神を広く伝えていこうと、同憲法に登場する「以和為貴」に賛同する書家ら有志が「和プロジェクトTAISHI」を企画。全国各地の護国神社で21日に奉納揮毫を行った。
 滋賀県護国神社では竹本さんが縦1・4㍍×横1・8㍍の童心箋(どうしんせん)と呼ばれる半紙に「和」の古代文字を力強く書いて奉納。竹本さんは「北朝鮮からミサイルが飛ぶなど不穏な空気が漂う中、争いのない平和な世の中になることを祈って書きました」と話していた。竹本さんはこの日、京都、奈良の護国神社でも揮ごうした。
 同プロジェクト代表の宮本辰彦さん(52)=名古屋市=は「護国神社を平和を願う聖地にし、今回の活動を通して日本の和の精神を国内外に発信していきたい」と述べ、来年以降は広島や長崎の平和公園、海外の関連地でも開催するという。

2017年9月27日水曜日

桐生祥秀選手が県立彦根総合運動場陸上競技場さよらなイベントにゲストで登場

 彦根出身の桐生祥秀選手(21)が24日、県立彦根総合運動場陸上競技場の「さよらなイベント」にゲストで登場。市内の小中学生に速く走るためのコツを教えた。
 彦根陸上競技場は平成36年の滋賀国体に合わせて改修されるため、創設から78年で幕を閉じる。さよならイベントには市内中学校の陸上競技部員、彦根ジュニアアスリートクラブと彦根クラブに所属する小学生の計約400人が参加し、種目別の基本練習をした。
 基本練習後、桐生選手が彦根球場の出入り口から現れると、待ち構えた市民たちから歓声が起こり、その後、陸上競技場に登場すると、小中学生たちや約1000人が詰めかけた観客席からも歓声と拍手が沸き起こった。
 桐生選手は彦根市立南中時代に彦根陸上競技場を使っていた思い出話をした後、小中学生たちに走りが速くなるコツとして▽基本練習をしっかりする▽もも上げをゆっくり確実にする▽かかとから着地するようにする―とアドバイス。抽選で選ばれた小中学生たちと一緒に100㍍のスタート地点に並び、半分ほどを一緒に走った。
 参加者を代表して南中陸上部主将の眞田桃花さん=2年生=は「桐生選手から学んだことは私たちの宝物で、人生のすばらしい1ページになりました。桐生選手は私たちの憧れ、誇りであり、心から応援しています」と激励した。
 桐生選手は「2024年の滋賀国体でもまだ現役だと思うので、新しい競技場で走りたい。(9秒98の)記録は今後、抜かれると思うので、また一段と練習をして日本記録を更新し続けたい」とあいさつした。観客席で見学した城西小2年の太治新君(8)は「将来は桐生選手みたいに走りが速くなりたい」と話していた。

2017年9月26日火曜日

滋賀県立大学で1回目の学長杯争奪カロム大会

 彦根市八坂町の滋賀県立大学は20日、1回目の学長杯争奪カロム大会を開き、廣川能嗣学長ら教職員と学生たちが試合をした。
 教職員と学生たちとの交流を深めていこうと初めて企画した。7月末の練習会に参加した学生のうち、2人一組の9組と廣川学長のグループの計10組がダブルス方式で出場し試合。カロム盤4台が用意され、2グループに分かれて対戦し、各グループ1位が決勝戦に、2位が3位決定戦に進み、決勝戦は彦根青年会議所が貸し出した「黄金のカロム盤」で行われた。
 工学部大学院1年の上西広粋さん(23)は「カロムは難しかった。学長とも初めて話すことができて良かった」と話し、人間文化学部2年の田中美帆さん(20)も「楽しかったので、また来年も参加したい」と語っていた。

2017年9月25日月曜日

室内自転車競技のドイツ代表ジュニアチーム近江高校を訪問、サイクルフィギュアの近藤菜月さんと一緒に技披露

 室内自転車競技のドイツ代表のジュニアチームが20日、彦根市松原町の近江高校を訪問。同校3年生でサイクルフィギュア競技をしている近藤菜月さん(17)=守山市=と一緒に技を披露した。
 ドイツのジュニアチームは23、24日に東京工業大学で開催されるジャパンカップなどに参加するため、サイクルサッカーとサイクルフィギュアの選手6人ずつ、団長、コーチを含め計15人が16日から来日。日本室内自転車競技連盟の依頼を受ける形で近江高を訪れ、サイクルサッカーやサイクルフィギュア、近藤さんとのデモンストレーションを披露した。
 近藤さんの同級生の3年生217人が見守る中、最初にサイクルサッカーが行われ、ゴールを決めたり、テクニックを見せるたびに生徒たちから歓声が起こっていた。またドイツの選手や近藤さんのサイクルフィギュアの高難度の技が見せられると、どよめきが沸き起こっていた。
 室内自転車競技はドイツで人気があり、競技人口はサッカー、フィギュアとも約3000人ずつだという。日本はサッカーが約500人だが、フィギュアは約20人と少なく、そのうち半数を近藤さんが所属する滋賀ブルーレイクエンジェルが占めているという。
 近藤さんは小学5年生からサイクルフィギュアを始め、近江高入学以降の全日本選手権では2連覇中。「今年12月の全日本選手権でも優勝し、3連覇を果たしたい」と抱負を語り、ドイツのジュニアチームの技については「来校したのはドイツでも上位の選手たちで、ブレがなく軸がしっかりしていて完成度が高い。一緒に演技できて感動しました」と話していた。

荒神山自然の家に立命館大生グループClownがツリーハウス

 彦根市日夏町の荒神山自然の家に、立命館大学理工学部(草津キャンパス)の学生グループ「Clown(クラウン)」がツリーハウスを作っており、24日に完成イベントを行った。
 Clownは既存の樹木を活用しながら家を建てるツリーハウスの制作を通じて地域を盛り上げていこうと、同学部建築都市デザイン学科の学生たちで結成され、平成26年に兵庫県丹波市内のキャンプ場に最初のツリーハウスを制作。翌年には米原市内に、昨年には京都市内にも作った。
 4基目となる今年は荒神山自然の家からの依頼で、敷地内のテントサイトにあるスギの木2本の間にツリーハウスを建設することになった。学生たちが出し合った13の設計案から5案まで絞り、荒神山公園の来園者による投票を経て設計案を決定。「懐かしさ」をコンセプトにジャングルジムをイメージし、1年から3年までの学生140人が前中後期に分かれて荒神山自然の家で宿泊しながら今月11日から建設してきた。
 ツリーハウスはスギやヒノキなどを使い3層で仕上げられており、正面の幅が4㍍25㌢、地面からの高さが6㍍25㌢。使用している木材の寿命とされる7年後に解体する予定。
 代表で3年生の安原大貴さん(21)は「地元の人たちに愛されるツリーハウスになればいい。子どもたちには夢を、大人の方には忘れていた何かをツリーハウスを通して伝えたい」と話していた。
 立命館大学の学生グループ「Clown」は24日午前11時~荒神山自然の家で、ツリーハウスの完成イベント「タイムスリップ大作戦」を行った。
 たこ、めんこ、空気鉄砲など懐かしいおもちゃ作り、人間すごろく(受付が午後0時半まで)、タイムカプセル作り(午後3時)後に風船飛ばし。タイムカプセルに入れる物持参で。参加無料。

2017年9月23日土曜日

長松院で一字写経、般若心経と観音経の一字を写して奉納

 彦根市中央町の長松院(手塚紀洋住職)が14日から、般若心経と観音経に使われている一字を写して奉納する「一字写経」の受付を始めた。
 般若心経の写経は完成するのに1時間以上かかるため、より簡単に身近に写経を感じてもらおうと企画した。檀家で書道の先生をしている真下良祐さん=千葉県旭市=が、般若心経と観音経に使われる字のうち筆で書ける200字を選んで、一字ずつを手本として書いた二つ折りの4㌢四方の小さな紙を用意。
 体験者は小さな紙が入った箱から1枚引いて、そこに書かれている手本を見ながら隣に貼られてある3㌢四方の紙に細筆で「写経」。写経した紙をはがして木箱に納め、手本が書かれた紙をそのまま持ち帰る。
 納められた紙は用紙に貼られた後、額に入れられ、200字がそろった後、手塚住職によって供養され、長松院の入り口前にある無縁塔に納められる予定。
 手塚住職は「時間のない人でも簡単に写経が体験できると思い企画しました。おみくじ感覚で引いてもらい、写経後は手本の字を持ち帰ってお守りとして活用して頂ければ」と話している。一字写経の体験は一人500円。問い合わせは長松院☎(24)3225。

2017年9月21日木曜日

大橋悠依選手への彦根市市民栄誉賞の授与式

 世界水泳の200㍍個人メドレーで銀メダルを獲得した彦根出身の大橋悠依選手(21)=東洋大=への彦根市市民栄誉賞の授与式が18日、文化プラザで開かれた。
 式典ではまず、大久保貴市長が「一つの通過点として頂を目指してほしい。(陸上100㍍で9秒台を出した)同級生の桐生祥秀選手と共に刺激し合って切磋琢磨して頂きたい」とあいさつし、表彰状とクリスタルトロフィーを贈った。
 市総務課の職員がまとめた、大橋選手の子どものころのコーチや家族からの約7分間の「おめでとうメッセージ」を放映した後、大橋選手は「世界水泳が行われたハンガリーで皆さんの応援も肌で感じました。3年後の東京五輪に向けて一歩一歩トレーニングをして成長していきたい。彦根と滋賀の皆さんに勇気と元気を届けられるようにがんばっていきます」と礼を述べた。
 最後には大橋選手がファンだというひこにゃんも登場し、グッズを受け取ると大橋選手は笑顔を見せていた。式後、市民栄誉賞の受賞について大橋選手は「一市民として名誉でとてもうれしいです」と話していた。

2017年9月19日火曜日

彦根藩下の町人・田中藤助の日記を紹介する講座24日彦根市立図書館で

 江戸時代中期の米相場や相撲の番付などがわかる彦根藩下の町人・田中藤助(とうすけ)の日記=写真=を紹介する講座が、24日午後2時~彦根市立図書館である。市立図書館の書庫で保管する古文書の内容について彦根城博物館の学芸員が紹介する講座の1回目。
 藤助は彦根城下の四十九町(現・城町)で過ごし、46歳だった享保16年(1731)から明和5年(1768)までのほぼ毎日、日記を書き続けた。藤助は彦根藩が管理していた松原の米蔵の出納管理などをする御蔵手代(てだい)という役職に就いていた。
 日記は19冊残っており、そのうちの一部を彦根城博物館学芸史料課長の渡辺恒一さんが解読。彦根藩七代・直惟(のぶ)から十代・直幸(ひで)までの時代について、米の相場や彦根藩士の給料など仕事の話のほか、火事や盗難、相撲の番付、祭り見学などまちやプライベートな話題まで取り上げられているという。
 渡辺さんは「藤助の日記を紹介することで、当時の城下町やそこに暮らす人々の様子がわかるのでは」と話している。講座の講師は渡辺さんが担当。受講無料。定員50人。申し込みは市立図書館☎(22)0649。
 市立図書館は江戸から昭和時代の古文書や歴史資料が約30万点保管。その「特別コレクション」をもとに10月と12月にも講座を行う。

川嶋副市長が辞表提出認める 広域ごみ候補地選定巡り「力不足」、原町との文書の存在も

 彦根市の川嶋恒紹(ひさつぐ)副市長が12日の市議会一般質問で、新しい広域ごみ処理施設の建設候補地の選定を巡って、辞表を提出していたことを明らかにした。北川元気議員が滋賀彦根新聞7月5日付けの副市長の辞意疑惑の記事を取り上げながらの質問に答えた。
 辞表を提出した理由について、副市長は「体調の問題もあったが、広域ごみ処理施設建設候補地の決定過程に関して自分自身の力不足を痛感し、6月26日に一身上の理由で市長に提出した」と答弁。辞表の取り扱いについて市の担当者は「市長から留まるよう説得があり、その受理は保留になった」と答え、副市長は「辞意表明後、10人以上の方と話をして、かなりかっとうしたが、最終的には職責を果たすべきという考えに至り、7月3日に取り下げた」と述べた。北川議員は「副市長は(辞表を提出することで)市長に伝えたいことがあったのではないか」と迫り、大久保市長は「副市長が辞意を固めるまでに至ったことは重く受け止めている。私自身の不徳の致すところだと反省している」と謝罪した。
 また北川議員は独自で入手した、新しい広域ごみ処理施設の建設候補地を選ぶ1市4町の首長と川嶋副市長による管理者会の6回目の会議終了後、副市長と原町で交わされた文書を示しながら、その内容と経緯について説明を求めた。これに対し副市長は、私から一方的に地元関係者に渡したものと強調した上で「(原町に)新しいごみ処理施設の候補地になる方向である旨を記載した文書で、5月30日に来庁した地元関係者の求めに応じる形で渡した」と答弁。市長の関与については「市長の了解を得たものではない。あくまでも一存で行った」と否定した。北川議員は建設候補地の選定についての報告を副市長が独断で行った点を疑がった上で副市長の責任を追及。市長は「他市の事例を参考にし、弁護士にも相談した上で対応していく」と何らかの処分を下す可能性を示した。
 このほか、谷口典隆議員も副市長の辞表提出問題を取り上げ、市政を混乱させた認識について質したが、市長は「管理者として候補地を選定した。竹原を選定したことで市政を混乱させたとは思っていない」と語った。
 ※(解説)本紙の報道後、川嶋副市長が辞表を提出していたことが初めて公で明らかになった。そして「原町にほぼ決まり」とする文書の存在も公になり、その文書には川嶋副市長名と印が押されている。
 副市長の辞表提出には、管理者会の会議7回目の会議で急きょ意見を変えた市長=本紙8月23日付け参照=に対する抗議の意味と忸怩たる思いが込められていたと思われる。副市長を辞任寸前まで追い込んだ理由は市長が管理者会の最後の会議で急きょ意見を変えたためだが、市議会一般質問でも納得できる答弁は聞かれなかった。
 そして副市長と原町で交わされた「私的」な文書に市長が関わっていないとは到底思えない。約100億円の大規模事業を副市長の独断で約束できるはずがなかろう。
 市長がなぜ急きょ意見を変えたのか、原町との文書に市長は関わっていないのか、もし本当に関わっていないとすれば副市長の行為は許されるのか―、市議会は今後もこの問題を追及し続ける必要がある。   (山田貴之)

2017年9月15日金曜日

大橋悠依選手に単独インタビュー 抱負や父親への思いなど

 滋賀彦根新聞は彦根市市民栄誉賞の授与が決まった大橋悠依選手(21)=東洋大4年=に受賞の喜びや今後の抱負などを聞いた(聞き手・山田貴之)。
 大橋選手は7月にハンガリーで開催された世界水泳選手権大会の200㍍個人メドレーで日本新記録の2分7秒91で銀メダルを獲得。今月3日に大阪で行われた日本学生選手権の400㍍個人メドレーでも大会新記録となる好成績を収めた。
 翌4日に約9カ月ぶりに帰郷。「やはり彦根に帰って来ると落ち着きます」と話し、市民栄誉賞の受賞を最初に聞いた際には「まさか、という思いでびっくりしました。とてもうれしいです」と笑顔を見せた。
 今後の目標としては2020年の東京五輪をあげた上で「東京五輪にピークを持っていけるようにしたい。個人メドレーの200㍍と400㍍の両方で金メダルを獲得できるようがんばりたい」と語り、「世界の選手は筋力があるため、私も折り返しの壁をける力や後半に追い上げる泳力を意識して練習していきたい」と意気込みを話していた。
 彦根市民へのメッセージとしては「パブリックビューイングなどで応援して頂いているので感謝しています。2020年に向けて精進していきますので、これからも応援よろしくお願いします」と述べていた。
 インタビューには父親の忍さん(58)と姉の芽依さん(26)も同行。忍さんに対して大橋選手は「いつも欠かさず試合を見に来てくれていた。結果が悪い時でも父は優しく見守ってくれていました」と感謝を示した。忍さんは「今よりも一歩ずつ、少しずつ記録が伸びることを期待しています」、芽依さんは「苦労して練習してきたことも知っています。(妹の)笑顔を見ると私もうれしい。これからもがんばって続けてほしいです」と話していた。

2017年9月14日木曜日

彦根市内でセアカゴケグモ発見、注意を


 彦根市は14日、平田町で毒をもつセアカゴケグモ=写真=が発見されたと発表した。
 セアカゴケグモは体長がオス約3㍉、メス約1㌢で、メスは全体的に黒く、背に赤い帯状の模様があるのが特徴。オーストラリアやニュージーランドなど熱帯から亜熱帯にかけて生息しており、日本では平成7年に大阪府高石市で初めて発見。危険外来生物の一種になっており、近年は滋賀県内の各市町でも確認されており、彦根市内では昨年秋にも見つかった。
 毒をもつメスにかまれると激しい痛みを感じ、熱感などの全身症状を生じる場合がある。通常は数日で症状が軽くなるが、頭痛や筋肉痛、不眠などが継続することもある。側溝や排水溝、花壇の周辺、プランターの下、墓石のすき間、エアコンの室外機、壁のすき間、すべり台やベンチの裏、庭のサンダル内などにいるとされる。家庭用の殺虫剤などで駆除できる。
 今回、平田町では13日午後5時ごろにバイクの修理作業をしていた市民が側溝付近でセアカゴケグモ2匹を捕獲。連絡を受けた市職員が引き取って駆除した。市は「発見した場合は素手で触らず、殺虫剤で駆除してほしい」と注意を呼びかけている。

彦根の桐生君から世界の桐生選手へ

 日本人初の9秒台を出し、今や時の人になった桐生君だが、小生が桐生君と最初に出会ったのは今から7年前の8月、まだあどけなさが残る中学生の桐生君だった◆その時の記事は、陸上競技200㍍で中学生・全国ランキング1位だった桐生君にインタビューした内容で「全国1位を目指す」とだけ抱負を述べていた◆洛南高校2年時に100㍍10秒21の高校記録を出した際は、桐生君の自宅でインタビューし「目標は4年後のブラジル・リオで開催される五輪に出場。そして9秒台を出したい」と語っていた。いずれの目標も達成したのだから、舌を巻かざるを得ない◆また平成26年の元日号で特集ページを掲載するため、前年12月ごろに再び自宅を訪問。小生の「国民は日本人初の9秒台を期待しています」の問いに、桐生君は「まずは10秒0台をコンスタントに続けて、そのどこかで9秒台が出せれば良いなと思っています」と答え、また「2016年にはブラジル・リオで、20年に東京で五輪がありますが」の質問には「まずは両方の五輪に出場することが夢です。そのためには、海外の選手たちと対等に勝負できる体作りに努め、五輪では決勝に進めれば良いと思います」と答えていた◆ちょうど、この頃は東洋大への進学が決まっていた高校3年生の時で、小生の帰り際に母親の後ろから恥ずかしそうにしていたのを記憶している。桐生君が大学進学後も帰郷時などに他のマスコミと一緒に取材することはあったが、堂々としたマスコミ対応に、すでに彦根の桐生君から日本の桐生君になったなと陰ながら眺めていた◆そして9秒台を出したことで、桐生君は「世界の桐生選手」になり、日本国民の憧憬の的にもなった。だが、小生ら市民にとってはいつまでも彦根の桐生君であり、市民の一人として桐生君の活躍をこれからも応援し続けていきたい。 (山田貴之)

日本人初9秒台の桐生祥秀選手 歴史に名を残す偉業

 彦根出身で東洋大の桐生祥秀選手(21)=写真=が、9日に福井市内で開かれた日本学生陸上対校選手権の100㍍で日本人初の9秒台となる9秒98を記録。日本陸上界の歴史のページに名を残す偉業を、全国放送のテレビ番組や全国紙が相次いでトップで報じた。
 桐生選手は競技後のインタビューで「大学最後の100㍍で9秒台を出せたのはうれしい。やっと世界のスタートラインに立った」と語っていた。その後の自身のツイッターには「10秒01を出してから4年。本当に応援が力になりました」とつづり、このツイートには24万件以上の「いいね」が付いている。
 桐生選手が彦根市立南中学校時代の陸上部顧問だった大橋聖一さん(56)=現・西中教頭=は「日本人初の9秒台は本当にすばらしいこと。いずれは出すと思っていました。これからも記録を伸ばしほしい」と話していた。
 桐生選手が中学生時代に利用していたキムラスポーツ(彦富町)代表取締役社長の木村守さん(67)は「9秒台というプレッシャーがなくなり、これからがスタートだと思います。がんばってほしい」と語っていた。
 大久保貴市長は「日本中が夢みていた9秒台、桐生選手ならば成し遂げるに違いないと確信していました。今後のますますのご活躍を期待します」とコメントした。

サロンバー・シスル宮下純さんキューバ産葉巻に合う「エッセンス・オブ・ハバナ カクテルコンペディション」で優勝

 彦根市旭町のサロンバー・シスル店主の宮下純さん(41)=城町=が、キューバ産の葉巻に合うオリジナルカクテルの味と見た目を競う「エッセンス・オブ・ハバナ カクテルコンペディション」で見事、優勝。出品作の「ヴィニャーレス」の提供を4日から開始した。
 同コンペはキューバ産葉巻の輸入会社のインターコンチネンタル商事(東京都港区)シガークラブ事業部が、葉巻に合うカクテルの味などを競ってもらおうと今年から開催。全国より応募のあった80人のレシピから、7月下旬に行った書類選考で宮下さんら5人を選んだ。先月30日に東京都内で開催したファイナルステージでは在日キューバ全権大使ら3人の審査によって宮下さんが優勝した。
 出品作のヴィニャーレスはキューバにある世界遺産のビニャーレス渓谷から命名。宮下さんの実家の多賀町で育てたキューバのミント・イエルバブエナのほか、キューバのラム酒・ハバナクラブ、ライム、オレンジジュースなどを使用。宮下さんによると、キューバの葉巻に合うカクテルはチョコやコーヒーなどを入れて甘くするのがセオリーだが、ミントを使ったことで「さわやかで味わい深いカクテルに仕上げた」。
 宮下さんは15年以上前から多くのコンペに出品してきたが、これまでは準優勝が最高。初の優勝について「有力な方がいて、審査の段階でもその方が好評だったため、優勝できるとは思っていなかった。めちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せていた。
 ヴィニャーレスはアルコール度数18%。1杯1200円。開店時間は午後6時~翌午前1時。問い合わせは同店☎(22)7071。

2017年9月11日月曜日

彦根ホテル旅館組合が1回目の彦根観光会議

 彦根の観光振興策を探ろうと、市内の宿泊施設で組織する彦根ホテル旅館組合(田井中徹会長)が4日、ホテルサンルート彦根で1回目の「彦根観光会議」を開いた=写真。
 同組合は彦根への観光客の誘致と宿泊客増を目的に、市内のホテルや旅館の計20施設で今年6月19日に設立。この日の会議には同組合の会員や、市、近江ツーリズムボード、彦根観光協会の職員ら計25人が参加し、田井中会長が同組合の活動内容として▽宿泊データの分析と活用▽観光情報の収集と発信▽旅行会社との商品作り▽観光関連団体との連携―などを説明した。
 その後、リクルートライフスタイルの小室智規さんが「滋賀県・彦根市の現状と今後について」をテーマに講演。彦根を訪れた観光客の月ごとの消費単価が長浜と比べて2000円~3000円ほど安いデータや、彦根の観光客のシングルの利用率が高い数値を示した上で「彦根のホテルはビジネス利用が大半で、もっと観光客の宿泊が増える取り組みが必要ではないか」と分析した。
 また宮城県気仙沼市のDMO(観光に関する法人組織)の事例をあげ「気仙沼は目標を明確にした上で、市、商工会議所、観光コンベンション協会などが、誘客営業、情報発信、イベント対応、施設整備など役割を整理し体制を作った」と紹介した。
 講演後には同組合の会員から市へ「情報提供を早くしてほしい」などの要望が出ていた。次回は10月25日に予定しており、以降2カ月に1回ペースで開くという。

2017年9月10日日曜日

歴史好きのお笑い芸人「六文ジャー」のライブ彦根城天守前で

 歴史好きのお笑い芸人たちのユニット「六文(ろくもん)ジャー」のライブが3日の午前と午後の計2回、彦根城天守前で行われた。
 映画「関ヶ原」の公開に合わせて、石田三成を慕う市民有志の団体・三成の戦実行委員会が企画。六文ジャーははんにゃの金田哲さん、ロバートの山本博さんら歴史好きの芸人6人で結成。
 この日のライブにはそのうちの5人が天守前に設けられた特設ステージに武将の家紋入りの法被を着て登場。山本さんと長谷川ヨシテルさんは映画「関ヶ原」にエキストラとしても出演しており、ライブでは、出演者やスタッフの誰にも気づかれなかったことや、主演の岡田准一さんの隣で少しだけ写っていることなどを話し、会場の笑いを誘っていた。
 また「石田三成の家紋の文字は」「井伊の赤備えの別称は」「関ヶ原の合戦後、東軍が佐和山城に入って驚いた理由は」などのクイズも出題され、芸人たちのボケの回答に来場していた子どもたちから笑い声が起こっていた。最後にはいしだみつにゃんも登場し、子どもたちをステージに乗せて一緒にゲームを楽しむなど、終始和やかな雰囲気だった。
 京都府亀岡市の小学4年生・大野貴陽君(10)は「歴史はわからないことが想像できるのがおもしろい。将来は歴史学者になりたい。映画も見に行きたい」と笑顔を見せていた。

2017年9月7日木曜日

彦根城の着見台の石垣上部に修理の形跡 調査で明らかに

 彦根城築城410年祭に合わせて、滋賀彦根新聞が連載している「彦根かるた巡り」。第3弾の今号では「つ」の着見(つきみ)台を取り上げる
 彦根城天守の北東部にある着見台は江戸時代、2階建ての建物があり、着見櫓と呼ばれた。着見櫓の石垣は上部と下部で異なる築き方だが、滋賀彦根新聞が市教委文化財課に依頼した調査で、上部の石垣が修理された際に築かれたことがわかり、築城当時から櫓が建っていたことも確認された。
 着見櫓は1階が6間(1間約1・8㍍)×5間、2階が4間半×3間半の規模だったとされる。玄宮園内から明治初年ごろに撮影された写真を見ると、北側の2層目の正面が千鳥破風の形状だったことがわかる。
 今回の調査で、着見櫓の石垣は最も高い場所で垂直高が10・80㍍、そのうち築城が始まった慶長9年(1604)ごろに築かれた石垣が6・38㍍、それ以降に修理されたのが残り4・42㍍だったことがわかった。
参勤交代で「着見」に
 着見櫓は参勤交代からいろは松を通って帰郷して来る一行を確認する(着くのを見る)ための建物だったとされるため、参勤交代が始まった寛永12年(1635)以降に着見櫓と呼ばれるようになったと考えられる。
 江戸時代の絵図などから、築城当時にこの場所に櫓が建っていたことはわかっていたが、石垣上部の修理時期や櫓との関係性などは明らかになっていない。市教委文化財課主任の下高大輔さん(35)は「築城時に何らかの櫓が建っていたのは間違いないが、築城時から2層だったのか、いつから着見櫓と呼ばれるようになったのか、石垣の修理時期を含めて今後の調査対象になる」と話している。
 着見櫓は、彦根城が陸軍省の所管となった明治5年2月以降から、天守などの保存が決定した明治11年10月までの間に、ほかの一部の櫓と共に解体されている。櫓が無くなったことで、以降は着見台と呼ばれるようになったと考えられる。
 なお、彦根かるたにも登場している「月見に最適な場所」という説から月見台という名称が一部で聞かれるが、愛称に過ぎず、着見台(櫓)が正式な名称だという。

2017年9月2日土曜日

「平和の火」を携えて被爆二世の本岡晃浩さんNPO法人アースキャラバン彦根を訪問、滋賀県護国神社で上映会とパレスチナ報告会

 広島原爆の残り火「平和の火」を携えて自転車で京都から東京を目指す被爆二世の本岡晃浩さん(30)と、NPO法人アースキャラバン(京都市)のメンバーが9月3日、彦根を訪問。午後6時~尾末町の滋賀県護国神社で上映会と本岡さんのパレスチナ報告会を開く。
 アースキャラバンは国際平和イベントの開催などを目的に平成18年4月に設立。同27年からは広島原爆の残り火を使い「SHARE!分かち合おう地球を、幸せと自由を」を合い言葉に、「アースキャラバン」と題して国内外でキャンドルナイトや映画会などを行い、平和を呼びかける活動を展開している。
 本岡さんは広島生まれで、母親が3歳の時に被爆した二世。大学卒業後、オーストラリアやマレーシア、インドなどで1年半生活した中で、被爆二世として平和に対する役割への思いを深め、帰国後にアースキャラバンの活動に参加。平成27年からは本岡さんが中心になり「平和の火・ピースサイクリング」と銘打って全国各地を自転車で巡っている。
 今年は4月25日~5月2日に広島から京都、6月30日~7月6日に長崎から広島までで実施。その後、本岡さんとほかのメンバーたちが7月から8月にかけてパレスチナなども訪れた。
 今年最後のアースキャラバンは、31日に京都を出発し、9月9日に東京の木場公園に到着する行程で実施。途中の滋賀県護国神社では、映画「アースキャラバン2015」の上映会後、本岡さんがパレスチナの今の様子を話す。入場無料だが、寄付を受付。
 アースキャラバン理事の馬場山往さん(37)=本庄町=は「多くの戦没者がまつられている護国神社で、映画と平和の火に触れて頂き、平和への思いを『シェア』できればうれしいです」と来場を呼びかけている。
 問い合わせは馬場さん☎090(3869)7047。

2017年9月1日金曜日

彦根城の天守前で10月15日カロムグランプリ

 彦根城の天守前広場で10月15日、「カロムグランプリ」が開催される。
 中央町でカロム道場を開いている湯谷淳一さん(69)が委員長を務めるNEWカロム協会実行委員会が、築城410年祭の記念行事として企画。カロム8台をテーブルの上に1台ずつ設置し、ダブルスの32組がトーナメント方式で優勝を競う。
 当日は午前9時半~記念撮影、オープニングセレモニーの後、3セットマッチの1回戦、午後1時~1セットマッチの2回戦、準々決勝、準決勝、3位決定戦、決勝(3セット)がある。決勝後の午後2時10分~はカロムの技に挑戦し合格者にはオリジナルストラップが進呈される「認定検定」、大中小のNEWカロム盤を使って各盤で技をクリアするとカロム盤がプレゼントされる「カロム道場賞」がある。飛び入りの参加者向けの認定検定とカロム道場賞も午後0時20分~30分間ある。全体の表彰式は午後3時10分~。参加無料。参加者に木製ストラップ進呈。
 湯谷さんは「カロムと彦根が広く認知できればと思います。優勝を競うことより、イベント開催が目的のため、初めてカロムをする人も歓迎します」と呼びかけている。申し込み締め切りは9月30日で、応募多数時は抽選。参加者と家族は当日の彦根城入場料が無料。
 また実施費用は湯谷さんの負担になるため、企業や個人からの支援金を一口1000円で募集している。運営を支援するボランティアも随時。申し込みは事務局☎(24)0080。