滋賀彦根新聞

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2020年3月31日火曜日

近江鉄道線の存続を確認

 近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が25日、東近江市内であり、近江鉄道線を存続させる方針が確認された。今後は運営方式や各自治体の負担割合が焦点になる。
 昨年11月に近江鉄道線の存廃と今後の方針を決めるため、県と彦愛犬を含む沿線5市5町で同協議会が設置。今年1月末から2月末にかけて、沿線住民や事業所、高校大学、近江鉄道利用者を対象にアンケート調査を実施した。

3割「通学できず」
廃止した場合
 その結果、週1日以上の利用者は10代が多く、東近江、愛荘、多賀、日野の順で、月数回程度の利用者は70代が最多で東近江、豊郷、多賀、甲良の順番だった。通学で利用する高校生などのうち31・7%が「近江鉄道が使えなくなると通学できなくなる」と回答し、彦根翔西館高、水口東中、水口東高、水口高、八日市高、日野高、愛知高の順で近江鉄道線を利用。沿線の事業所では通勤の交通手段で28・3%が「近江鉄道」と答え、通勤で自動車が使えない場合は53・7%が「近江鉄道」に転換と回答した。一方で、もっと利用したくなるための改善点としては「運行本数を増やす」「運賃を下げる」「お得な割引切符」「トイレをきれいにする」の順番だった。
 アンケート結果による近江鉄道線の必要性については▽通勤、通学、通院のほか、高齢者や子どもら移動弱者の移動手段として大きな役割を果たしている▽沿線事業者の従業員の重要な移動手段で、経済活動にも貢献している▽鉄道が廃止されると自動車利用が著しく増加し、慢性的な道路渋滞の発生が予想される―などと報告された。

他分野へも影響大
社長「喜び感じる」
 また、近江鉄道線の存廃における公共交通分野以外の医療や商業、まちづくりなどの行政施策への負担額を比較した場合、現在の国県市町の財政支出と事業損失額が年6億7000万円の一方、廃止した場合の分野別代替費が19億1000万円以上になると公表。「存続する方か効果的」と結論付けた。
 最終的には「鉄道を存続するメリットが大きく、かつ廃止するデメリットが大きい」として存続を決定。市町の首長からの異論もなかった。協議会後、近江鉄道の喜多村樹美男社長は「全線の存続を認めていただき、鉄道事業者として喜びを感じています。存続にはより一層のサービス向上が必要であり課題も多い。​引き続き沿線のみなさまと協議を進めながら努力していきたい」と話した。
 3回目の協議会は5月ごろの予定。今後は運営方式や各自治体の負担額などを2020年度の前半に決め、20年度中に地域公共交通網形成計画の策定を目指す。また運営方式のうち、施設の整備と運営を第三セクターと会社側とで分ける上下分離方式を採用する際は、法定協議会で継続して話し合いが行われ、鉄道事業再構築実施計画を策定していく。

2020年3月29日日曜日

みんなの食堂 花しょうぶ通りにオープン

彦根市河原の花しょうぶ通り商店街に第5の街の駅「Minna(みんな)」が22日にオープン。初日は親子連れらが食事に訪れるなど賑わいを見せていた。
運営主体のNPO法人 芹川の河童(上田健一郎理事長)はこれまで、花しょうぶ通りの街の駅「逓信舎」で、引きこもりなど生きづらさを感じている若者向けに「誰にも会いなくないカフェ」を運営してきた。その中で若者たちが誰かの役に立ちたいと思っていることに気づき、拠点づくりとして築約100年の古民家を活用。「小さな孤独を無くして、みんなに居心地が良い」場を提供するための街の駅を開設した。

「恩送り券」でランチ
若者ら向けに提供
「Minna」では、主婦ら3人が一日店長となりランチを出す「みんなの食堂」と、絵本を貸し出す「地域子ども文庫みんな」をオープン。みんなの食堂ではフードバンクひこねや市内企業から提供のあった食材を使った料理や弁当、ケーキを提供していく。ランチがコーヒー付き700円、ケーキ・コーヒーセット500円、ランチとケーキセット1000円、弁当500円。
ほかに「恩送り券」を1枚1000円で販売し、700円を「誰かのための食事代」に、300円をNPO法人の運営費にあてる。経済的な支援が必要な家庭や若者たちは入り口に貼られた恩送り券を使って無料で食事ができる。店長のまとめ役の福原和子さん(39)=薩摩町=は「地域になくてはならない食堂にしていきます」と意気込みを語っていた。
みんなの食堂の営業時間は木金土の午前10時~午後3時で、同3時~同5時も街の駅としてオープン。2階はシェアオフィスやイベントのスペースとして活用。問い合わせは川崎敦子さん090(4287)7738。

2020年3月26日木曜日

彦根キャッスル リゾート&スパみやげ本陣に彦根イイプリンオープン

 彦根市佐和町の彦根キャッスル リゾート&スパの「みやげ本陣」内に今月28日、滋賀県産の食材で作ったプリンを提供する「彦根イイプリン」がオープンする。
 同ホテルを運営する一圓興産(佐和町)が彦根の新たな土産物作りと、彦根城を眺めながら幅広い年齢層に味わってもらえる商品としてプリンの専門店を企画。約1年かけて全国各地の10カ所以上のプリンの専門店を回って作り方などを研究し、彦根に合った「イイプリン」を考案した。
多賀の赤卵、伊吹牛乳など県産の食材を使用し、専門の機械を使ってその場で調理して提供。舌触りが良く、きび砂糖の優しい甘さが特徴だという。同社広報の重冨小百合さん(32)は「味が『良い』だけでなく、素材選びや滋賀産にこだわり、体や地元にも『良い』、三方よしの商品。自然豊かな滋賀の恵みを小さな瓶に詰め込みました」と話している。
1個80㌘、税込み390円。土産品としてのほか、天守が見える位置に設置するベンチでも食べられる。今後はほかの種類やプリンのソフトクリームの販売も予定。営業時間は午前10時~午後6時。オープン以降の問い合わせは同店☎(47)5110。

2020年3月23日月曜日

不登校や登校拒否の小中学生向けフリースクールてだのふあ芹橋の古民家内に開校

 滋賀県内の不登校や登校拒否の小中学生向けのフリースクール「てだのふあ」が4月、彦根市芹橋2丁目の古民家内に開校される。
 代表は県中央子ども家庭相談センターで一時保護所指導員を務める山下吉和さん(58)=城町2。山下さんは1987年から31年間、市内の佐和山、河瀬、稲枝西、旭森の各小学校で教員を務め、その間にさまざまな事情で不登校や登校拒否の子どもたちと出会ってきた。

芹橋の古民家活用
 山下さんは「息苦しい環境から子どもたちを解放し、本来持っている個性や能力を伸ばし、生きる力を取り戻す取り組みが必要」との思いを抱き、フリースクールの開校を決意。NPO法人善利組まちづくりネットが所有する築約120年の古民家一画の約26平方㍍を借りた。スクール名の「てだのふあ」は沖縄で「太陽の子」という意味。
小学校時代の教え子で不登校だった2人を含む6人と一緒に運営にあたる。陶芸、書道、華道、絵画、木工、登山、釣り、園芸などの分野の約30人の講師陣もいる。スクールは毎週月曜と木曜にオープン。午前10時~個別学習、昼食後の午後1時~創作・散歩・菜園・スポーツ・音楽など「てだのふあタイム」で、午後4時半まで。どの時間帯に登下校してもよい。

小中生 体験入学も
 山下さんは伊吹山の自然環境を保護する団体「伊吹山ネイチャーネットワーク」の事務局長も務めているため、月2回の金曜日には伊吹山登山をはじめ、釣りやカヌーなど自然教室も行う。月謝は週1回1万5000円、週2回2万円、自然教室のみ実費。3月1日に予定されていた開校式は新型コロナウイルスの影響で延期になった。
 山下さんは「さまざまな人との出会いが人間を変えていくきっかけの一つになる。子どもたちには一人一人が安心して暮らせる居場所を提供していきたい」と話している。小中学生10人を募集。体験入学あり。問い合わせは山下さん☎090(9099)4822。

2020年3月18日水曜日

井上仏壇の製品が全国伝統的工芸品仏壇仏具展で伝統的工芸品産業振興協会賞

 彦根市芹中町の井上仏壇の製品が、全国伝統的工芸品仏壇仏具展の伝統意匠部門で「伝統的工芸品産業振興協会賞」を受賞した。
 岐阜県の依頼主から2018年4月1日に「品評会に出品できる逸品を作って納品してほしい」との要望を受けた。彦根仏壇七職の職人約15人の技を結集する形で、約2年かけて高さ179㌢×幅130㌢×奥行き88㌢の仏壇を作った。
 漆塗りを通常の倍の約8カ月かけたほか、純度約98%の5毛色金箔や、プロダクトデザイナーのオリジナルの金具などを使用。随所に依頼主の家紋「剣に花菱」をあしらった。価格は税込み3520万円。
 全国伝統的工芸品仏壇仏具展は全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会などが3年に1回開催。24回目の今年は2月29日から3月1日まで東京都立産業貿易センターで開かれ、伝統意匠、新デザイン、仏具の3部門に全国から彦根仏壇の4点を含む53点が出品。井上仏壇の製品は上位クラスの伝統工芸品産業振興協会賞を受賞した。
 井上昌一社長(52)は「とてつもないプレッシャーの中だったが、ご期待にそえる製品ができた。すばらしい賞を頂いて、うれしい」と笑顔を見せていた。


議会人の務め

 2020年度の当初予算案について、小生は2月16日付の紙面で、前年度の予算案否決という惨事を繰り返さないでおこうとの市長の思惑が透けて見えるとして「議会迎合・自己保身予算」と批判。市議会に対しては「ただ単なる追認で良いのか」と指摘した。
 だが小生は当初、市議会一般質問などでの雰囲気から、予算常任委員会ではその「単なる追認」がなされると思っていた。しかし結果は委員会レベルと言え、否決という惨事を再び繰り返した。大久保市長の短絡的な思惑や自己保身の精神が市議に見透かされたのであろう。
 小生は以前のコラムで、市が提案する議案を承認するだけだった市議会に対し「ベルトコンベヤー議会で良いのか」と非難した。そういう観点からすれば、予算常任委員会で反対した6人の議員は議会人として、いな政治家としての務めを果たしたと言え、高く評価できる。
 そして焦点は本会議での採決の行方に移る。市がこのままの内容の予算で貫き通すのか、議会側から修正案が出るのか、そして鍵を握る最大会派の公政会の議員諸氏が「議会人としての務め」を果たせるのか―。俄然注目の市議会となった。【山田貴之】