滋賀彦根新聞

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2020年9月18日金曜日

虫の音をきく―彦根城 夜間特別公開

 彦根城を午後6時から同9時まで開放する「虫の音をきく―彦根城 夜間特別公開」が、19日から1010日までの土日祝日の6日間開かれる。期間中、天守のライトアップやひこにゃんの登場などもある。

 彦根城を管理する近畿日本ツーリスト関西や彦根観光協会、彦根市などが連携し、彦根城の夜間開放の実証実験をしながら、今後の宿泊型観光の可能性を探ろうと開催。
 公開エリアは表門券売所から鐘の丸、天秤櫓、太鼓門櫓、天守前広場、西の丸広場で、大手門と黒門の入り口や山道は閉鎖。天守や櫓の建物内も入れない。開催日は1920212610月3、10の各日。雨天中止。入場料は高校生以上600円、小中学生200円。日中用の入場券は利用できない。

特別の御城印進呈
 ひこにゃんが開催日の午後8時~登場。甲冑隊の演武が不定期である。入場記念として夜間特別版の御城印(非売品)がプレゼントされる。世界アルツハイマーデーに合わせて天守のオレンジライトアップが18日から22日まで、医療従事者への感謝の意味を込めたブルーライトアップが23日以降。
 チケットは市内宿泊施設や添付のQRコードなどオンライン予約で。当日も表門券売所で販売されるが、入場制限の場合がある。

玄宮園で虫の音「観月の夕べ」
雅楽琴の演奏、高大生コンサートも
 玄宮園で虫の音を聞く「観月の夕べ」が19日から開催。ライトアップされた園内で、スズムシ、コオロギ、マツムシなど6種類の虫の鳴き声を聞くことができる。
 入園受付日時は1011日までの土日祝日の午後6時~同8時半。高校生以上700円、小中生350円だが、彦根観光協会のホームページに割引券がある。日中用の入園券は利用できない。
 期間中は各団体による琴や雅楽の演奏のほか、彦根総合高(20日)、彦根翔西館高(21日)、河瀬中高(26日)、滋賀大(10月3日)、近江高(10日)、県立大(11日)の吹奏楽部・オーケストラ部による「お月見コンサート」もある。ひこにゃんは1010日午後6時に登場予定。今年は新型コロナウイルスの感染防止で呈茶席がないため、持ち帰り用の茶を1杯300円で提供。いずれも荒天中止。問い合わせは同協会のホームページか23)0001。

能舞台も夜間公開
博物館 記念品進呈
 彦根城博物館の能舞台も夜間に特別公開される。日時は彦根城の夜間開放と同じ。ライトアップもされる。入場料は高校生以上200円、小中学生100円。記念品を進呈。展示室や木造棟は公開されない。混雑時は入場制限も。

4カ所巡り「御城印」完成を
夜間スタンプラリー、抽選で賞品も
 彦根市は彦根城、彦根城博物館能舞台、玄宮園の夜間開放に合わせて「彦根城・佐和山城限定コラボ 夜の御城印スタンプラリー」を行う。
 開催日時は夜間開放の間。二の丸休憩所で日付のみ記載の和紙製の台紙を受け取り、①天守前広場②彦根城博物館能舞台観覧席③玄宮園の提灯貸出場所④二の丸休憩所内のカウンターを順に巡り、各所に設置されたスタンプを押印して御城印を完成させる。完成品の持ち帰り可。
 参加無料だが、各施設の入場料は必要。走破者に佐和山城のオリジナルステッカー進呈。さらに抽選でオリジナル蛍光ペンや布マスクをプレゼント。

「城あかり」18日~
多門櫓に「橘の紋」
 彦根商工会議所と近江ツーリズムボードは18日から彦根城周辺で「城あかり」を開催。佐和口多門櫓には恒例になった井伊家の橘の紋が照らされる。1225日までの日没~午後9時。

近江観光大使第1号にオーストラリア出身クリス・グレンさん

 彦根城など湖東地域の名所を国内外にPRする「近江観光大使」の第1号に、オーストラリア出身でラジオDJとして活躍するクリス・グレンさん(52)=名古屋市=が就任。「湖東の魅力を外国人に発信したい」と意気込みを語った。
 クリスさんは1985年に留学生として初来日し札幌で約1年間過ごした。帰国後、オーストラリアでテレビやラジオなどに出演していたが、日本に戻りたいという「ホームシック」になり、92年に再来日。以降、ラジオDJを務めながら、関心がある日本の歴史や文化を学んできた。
 「日本を愛する外国人」としてテレビ出演も多数あり、NHK「ブラタモリ(岐阜編)」では案内人を務めた。特に城の研究を趣味としており、日本全国の約500カ所の城を巡ったという。
 彦根城の魅力について、クリスさんは「創建当時のままの城は国内に12しかなく、国宝は5城のみ。彦根城は美しい天守があり、縄張りもあり、デザインがすばらしい」「ミニ京都という表現がわかりやすいかもしれないが、古い日本の街を体験でき、見ることができることは外国人が好む」と説明した。
 彦根城以外では「(甲良出身の)藤堂高虎も好き」と明かし「近江観光大使として歴史的人物や古戦場跡などを紹介したい。近江の歴史的なストーリーを世界に発信できるよう、一生懸命がんばりたい」と意気込んだ。

多言語動画作成へ
クリスさん任命式
 近江観光大使は一般社団法人近江ツーリズムボード(OTB、事務局・彦根商工会議所内)が湖東地域への誘客を目的に創設。3日に彦根商工会議所でクリスさんを迎えての任命式が開かれた。
 OTBは彦根城を訪れる外国人向けに、英語や中国語など多言語に対応したアプリの動画やゲームを制作する「彦根城多言語解説整備事業」を展開。動画ではクリスさんが案内役を務め、甲冑姿の武士たちが登場しながら彦根城の特徴を外国語で紹介。ゲームを含めて来春の桜のシーズンまでに完成させる。
 任命式には大久保貴市長やOTBの上田健一郎会長が出席し、上田会長からクリスさんに委嘱状が渡された。上田会長は「彦根城の魅力を外国人の目線で国内外に向けて発信して頂きたい」と話した。

天守前トークショー
20日夜 来場者募集
 彦根城運営管理センターとOTBは20日午後7時~彦根城天守前広場で「『お城』夜間特別トークショー」を行う。夜間特別公開に合わせて、クリスさんと滋賀県立大学の中井均教授がトークを行う。夜間入場料として高校生以上600円、小中学生200円。雨天時は彦根城博物館能舞台観覧席で、入場無料・先着30人。問い合わせはOTB☎(22)5580。

2020年9月13日日曜日

平田町ボードゲームカフェ・ムッシュさいころ人気

 彦根市平田町に今年オープンしたボードゲームカフェ「ムッシュさいころ」が幅広い年齢層で人気を集めている。
 店主は中馬(ちゅうまん)誠さん(47)=東近江市。昨年8月末に11年間経営してきた豊郷町のコンビニエンスストアを閉店後、以前から興味があった京都市内のボードゲームカフェを訪れた際、「若者や女性の来店が予想以上に多く、ボードゲームが浸透している」と感じ、彦根市内へのボードゲームカフェの開店を決意。当初は今年3月末にオープンを予定していたが、新型コロナウイルスの影響で5月8日に延期した。
 開店当初は100種類ほどだったが、中馬さんがインターネットで関心を示したボードゲームを通信販売で買い集めて現在は約130種類に。国内は30種類ほどで、ほかはヨーロッパを中心に海外製の日本語版。
 カードを使って建設や軍事力の強化で街を作る「世界の七不思議」(セブンワンダーズ)や、日本庭園を造っていく「枯山水」などのほか、カロムも用意して一人が何回ですべてのコマを入れることができるかを競うチャレンジもしている。
 オープン以降、若者や女性、家族連れらの来店が多い。中馬さんは「ゲームもネット時代になり、人と人とが団らんしながら遊ぶことが少なくなっていると思う。多くの人たちが時間と場所を共有することができる店にしたい」と笑顔で語った。
 新型コロナウイルスの対策としてマスクの着用と手の消毒が必要。一人から複数までの来場可。ワンドリンクとポップコーンの小鉢付きで90分950円。延長可。開店日時は午前11時~午後9時半。木曜定休。ポップコーンも販売。問い合わせは同店☎(47)6540。

2020年9月11日金曜日

彦根総合運動場野球場 オセアンBCスタジアム彦根に

 滋賀県は8月27日、彦根市松原町の県立彦根総合運動場野球場のネーミングライツパートナーをオセアン株式会社(横浜市)に決定したと発表。同球場の愛称を「オセアンBCスタジアム彦根」にする契約を締結していく。
 ネーミングライツは公共施設に企業名やブランド名を付ける命名権で、施設を管理する地方自治体と命名した企業が連携して地域の活性化に努めていく。滋賀県は約20の施設についてネーミングライツパートナーを募集。昨年1月から今年4月1日までに10の施設でネーミングライツの契約を結んでいる。
彦根総合運動場野球場の契約締結は、県立の施設で11件目、スポーツ施設で5件目。期間とネーミングライツ料は今年9月1日から2023年3月31日までで、年間370万円(消費税込み)。オセアンはグループ会社がプロ野球独立リーグルートインBCリーグに所属するオセアン滋賀ブラックスを運営。球場ではほかにプロ野球のオリックスバファローズ2軍の本拠地の舞洲バッファローズスタジアムのネーミングライツも契約している。
彦根総合運動場野球場は昭和14年(1939年)5月に開館し、1992年に改築。鉄筋コンクリート造り、建物面積延べ1万0124平方㍍。中堅122㍍、両翼99㍍。内野6000人、外野芝生4000人を収容できる。

彦根市民会館を解体へ

 彦根市は8月31日、市教委や上下水道部などが入る彦根市民会館を解体すると発表した。跡地利用については未定。関連議案を9月定例会に提案する。
 彦根市民会館は敷地面積6064平方㍍に鉄骨コンクリート造り地下1階・一部3階の延べ6616平方㍍で昭和39年(1964年)6月30日に竣工。収容人数890人の大ホールと同300人の小ホールを備え、イベント会場として使われていたほか、結婚式場やレストランもあった。1997年にひこね市文化プラザが開館して以降はホールを閉鎖し、市の事務室として順次活用してきた。ほかに国際交流サロンやギャラリー、会議室、料理教室、練習会場で利用されており、今年3月には彦根ボランティアガイド協会の事務局にもなった。
 市は市役所本庁舎の耐震と増築に伴い、完成後には市教委や上下水道部などを新庁舎へ移す予定。また彦根市民会館の建物と設備が老朽化し、耐震性にも問題があるとして、来年6月30日での閉館と解体を決定。土地を所有する滋賀県護国神社にも報告した。9月定例会に提案する補正予算案には解体に向けた実施設計と地歴調査の委託費(664万円)を計上する。
 跡地利用について市は「護国神社と話し合いはしておらず、まだ決まっていない」としている。

2020年9月9日水曜日

安倍首相辞任 新聞社説の読み比べ

 安倍晋三首相の8月28日の辞任会見は国内外に衝撃を与えた。翌日の全国主要5紙の社説(主張)はこれまでの安倍首相の功績に対し、賛否が大きく分かれた。
 朝日は「『安倍政治』の弊害 清算の時」と銘打ち、長期政権の終焉に対し、冒頭で「深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければ」と書いた。「アベノミクスのもとで株高が進み、企業収益や雇用の改善につながった」と評価しつつも「賃金は伸び悩み、国民が広く実感できる状況ではない」と展開。「政策決定においては内閣に人事権を握られた官僚の忖度がはびこり、財務省の公文書改ざんという、民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」と、終始批判的に論じた。
 毎日は「行き詰まった末の幕引き」の見出しで、「コロナ対応は迷走を続けた」との論調で始めた。そして「政権の長期化に伴い、内政、外交ともに停滞感が強まった」として「景気が1年半前から後退局面に入った」「北朝鮮の拉致や北方領土問題は解決に向けた糸口も見いだせていない」と指摘。朝日同様、官僚の忖度などの問題にふれながら「長期政権は維持したが、政策的な成果というより『負の遺産』の方が残されている」と非難した。
 読売は「危機対処へ政治空白を避けよ」と題した。長期政権の最大の功績に「不安定だった政治を立て直したこと」とし、景気の回復、日米同盟を基軸とした政策、安保関連法の成立を高く評価。一方で新型コロナの対応については「ちぐはぐだった」とし「官邸主導の政治は迅速な政策決定を可能にする一方で、首相に近い官僚の意向が反映されやすい。国民の不安の声が首相に届いていなかった」と論じた。
 日経も「コロナ禍に政治空白は許されない」とのタイトルで、読売と同様に経済や外交・安全保障の政策に対しては高評価した一方、森友・加計問題については「何かと身びいきする政権との印象を与えたことは否定できない」と記した。
 産経は主見出し「速やかに自民党総裁選を」、副見出し「『安倍政治』を発射台にせよ」で、「総じて安定した国政運営だった」「安倍政権の業績は歴代自民党内閣の中でも著しい」と高評価。第1次内閣での「教育基本法の改正」「憲法改正の是非を決める国民投票法の成立」、第2次内閣での「安全保障関連法の制定」「TPPの発効」「アベノミクス」「2度の消費税引き上げ」などに賛意を示した。北朝鮮の拉致や北方領土の問題に対しては「大きな進展は得られなかった」としながらも、最終的には「自民党総裁選に立候補する政治家は『安倍政治』の成果と方向性を尊重することが望ましい」と安倍政治の継続を求めている。
 予想通り、安倍政権に対して朝毎が批判的に論じた一方、読売と日経がおおよそ評価し、産経は終始好意的に論じた。短命で終わった近年の多くの首相を知る小生としては7年8カ月という歴代最長の政権を担った安倍首相に対しては敬意を表したい。
 確かに朝毎が指摘するように「官僚の忖度」という点は古い政治であり、問題視するべきだが、長期的、大局的視点に立てば、経済や外交・安全保障面での数々の政策は評価せざるを得ない。産経も主張していた通り、安倍首相にはまず体調を万全にしていただき、再び活躍していただくことを切に願っている。(山田貴之)

2020年9月8日火曜日

日本防災士会滋賀県支部支部長の安井務さんに聞く

 自治会など地域組織でどのような防災活動ができるのか、日本防災士会滋賀県支部支部長の安井務さん(75)=彦根市高宮町=に聞いた。(聞き手・山田貴之)

高齢者へ声かけできる雰囲気を
災害時 避難所で死者多い点を指摘
 安井さんは同支部長を2017年5月から務めている。特に尽力している防災活動については「災害時に高齢者をどのように支えていくかが重要。災害時要援護者支援制度に基づき、いざという時に地域の高齢者と連絡がとれるよう、情報を把握する必要がある」と説明。
避難所での対応について、安井さんは死者が災害発生直後のほかに、避難所でも多いことを指摘。「年寄りはなおざりになるため、声かけができる雰囲気作りをまずしないと」とアドバイスした。
防災で重要な点としては「自分の命は自分で守る」自助と、「自分の地域を自分たちで守る」共助をあげた上で「地域全体で防災に強いまちづくりを目指すため、防災士会としても自助と共助の二本柱を主として指導していきたい」と述べた。

「県立施設も開放を」
コロナ禍の災害対応
 今、災害が発生した場合、新型コロナウイルスの感染拡大防止を合わせた対策が必要になる。安井さんは「例えば避難場所の場合、間隔をあける必要があるため平時よりも避難エリアが広くいる。こういう時は市立も県立も関係なく、学校などの施設を開放してはどうか」と提案した。
 安井さんは地元高宮の日の出東町自治会や日の出東町自主防災会の会長も務めており、地元独自で防災資器材を購入し、今年7月31日に格納庫を近くの公園に設置した。「災害は待ってくれないため、対策を各地域でいかに立てるか。自治会などが中心になって対処しないと」と語った。