2017年6月30日金曜日

オーストラリアのディーキン大学の学生 永楽屋や岡村本家の海外展開策を提案へ

 滋賀大学はオーストラリアのディーキン大学ビジネススクールの学生を受け入れており、20日には学生たちが永楽屋(芹中町)や岡村本家(豊郷町)などを訪れ、仏壇や酒造りの工程を見学した。
 ディーキン大はヴィクトリア州のメルボルン・バーウッドなど4カ所にキャンパスがあり、留学生や移民学生、社会人が多く在籍。滋賀大とディーキン大は昭和63年に協定を締結し、4年前からはディーキン大の学生が滋賀大を訪れている。
 今年、来日したのは学生20人、教員1人、付き添い1人。学生たちは今月18日から7月1日まで彦根に滞在し、2グループずつに分かれて、永楽屋や岡村本家の企業と、彦根市の観光企画課と彦根城世界遺産登録推進室の行政を対象に研修している。企業などを訪問しての研修は初の取り組み。
 20日は学生全員が永楽屋の本店と彦根工場(甲良町)、岡村本家を訪れ、滋賀大4年生の伴拓也さん(22)=近江八幡市=らの通訳で、仏壇や製造工程、日本酒の醸造の現場を見学。学生は「なぜ海外に輸出をしないのか」「コンテストはあるのか」「宣伝の仕方はどのようにしているのか」などと質問していた。学生たちは今後も企業や市役所を数回訪れ、永楽屋と岡村本家には海外展開のため、観光企画課にはインバウンド(外国人観光客)増のため、彦根城世界遺産登録推進室には彦根城の価値を多くの人に理解してもらうための課題研究を行い、今月30日には滋賀大の士魂商才館でプレゼンテーションを行う。
 ディーキン大2年生のシャネル・アントニオさん(20)は「仏壇、日本酒とも魅力的で、各商品の多様化につながる提案をしていきたい」と話していた。

2017年6月28日水曜日

彦根城下町遺跡 認定へ

 彦根市は彦根駅西側から彦根城中堀までのエリアを「彦根城下町遺跡」として、県からの認定を目指している。
 市教委文化財課の議会答弁や本紙の取材によると、市教委は彦根の城下町を遺跡として保護することで、彦根城と城下町の価値を更に高めようと、文化財保護法で定める「土地に埋蔵されている文化財(通称・周知の埋蔵文化財包蔵地)」としての認定を約3年前から目指してきた。
 彦根城下町遺跡の範囲は東西が彦根駅西口から中堀まで、南北が池州町までの芹川からお浜御殿など松原地区までの約230㌶。足軽屋敷、七曲り通りなどは入るが、旧松原内湖の県立彦根総合運動場は含まない。
 市内には周知の埋蔵文化財包蔵地が207カ所あり、彦根城下町遺跡内に位置する旧外堀もその一つ。ほかに佐和山城跡(約200㌶)や荒神山古墳群(約240㌶)もある。全国では姫路城、金沢城、松本城、松江城の城下町が周知の埋蔵文化財包蔵地になっている。
 市教委はすでに発掘調査を終えた旧池田屋敷長屋門や辻番所の調査成果を今年3月3日付けで県教委に届け出ており、今年夏中には彦根城下町遺跡として認定を受ける運びだという。
 認定されると、範囲内で工事など掘削行為が必要な開発には市への届け出が必要になるが、市教委は「史跡のように掘削行為や新たな建物の建設ができなくなることはない」としている。議会では議員が住民の生活への影響や世界遺産との関係性などを質問。市教委は「保存する必要がある遺構が見つかれば、保存の協議をするが、基本的には記録保存を行い、調査後は着工していただける」、山根裕子副市長は「世界遺産とは直接的に関係なく、城下町全体を構成資産にすることはまったく考えていない」と答えた。

明照寺 松尾芭蕉の弟子・李由が住職、井伊直孝時代には彦根城の守護も

 彦根城築城410年祭に合わせて、滋賀彦根新聞が連載している「彦根かるた巡り」。第2弾の今号では「か」の「笠塚に芭蕉をしのぶ明照(めんしょう)寺」を取り上げる。       【山田貴之】
 彦根市平田町の明照寺は俳人・松尾芭蕉の弟子の河野李由(りゆう)が第十四代住職を務めた寺で、彦根藩二代・井伊直孝の時代には直孝留守中の彦根城の守護を任じられるなど藩とのつながりも深かった。
 元々は明徳4年(1393)に本願寺派の寺として犬上郡後谷村(多賀町)に築かれたが、延徳2年(1490)に彦根の山之脇の地に移転。天正元年(1573)に織田信長が浅井長政の小谷城を攻めるため、琵琶湖上を北上している際には、当時の十代住職だった了縁が石寺の城から明照寺の一門衆らと一緒に信長軍を攻撃した。信長の怒りを買った了縁はその年の8月に26歳の若さで自害している。
 十一代の了宗は慶長4年(1599)に寺を現在地に移転。大坂の陣が起こり、井伊直孝が出陣する際には、河瀬の法蔵寺、豊郷四十九院の唯念寺、薩摩の善照寺と共に留守中の城内庶務、大坂方や隣国の一揆からの防護という重要な任務を依頼された。
 十四代の亮隅(河野李由)の時代の元禄4年(1691)には芭蕉が明照寺を訪れ、平田の地に移転して約100年が経過することから「百歳(ももとせ)の景色を庭の落葉かな」とうたい、その句碑が門の前に建っているほか、亮隅が師を慕って設置した笠塚も庭に残っている。亮隅は元禄14年(1701)に本堂を再建している。
 明照寺は本堂、書院、経堂、鐘楼、手水舎、門、太鼓門などが建っており、そのうち鐘楼が元文2年(1737)、門が宝暦10年(1760)に建てられたとされ、華やかな意匠の彫刻も見られる。かつては末寺60、門徒約8000の規模を誇る本願寺派の別格別院で、境内は約2万平方㍍の広さだったとされるが、現在は約1万0477平方㍍になっている。本堂と書院は昭和58年8月25日に火災で焼失したが、同61年11月に再建。庭園はほぼ江戸期の形式のままで、昭和48年に市の指定文化財になっている。現住職は二十四代の六雄(むつお)照慶さん(55)。

「近江ビア電」の運行と「近江ビア船」の運航が7月から

 近江鉄道グループによる「近江ビア電」の運行と「近江ビア船」の運航が7月から始まる。
 ビア電は7月5日から8月6日までが毎週水曜~日曜、8月8日から9月2日まで(11~16日除く)が毎週火曜~日曜に運行。彦根駅、近江八幡駅、八日市駅の発着のいずれか。
 ビア船は7月1日から9月9日までで、木金曜が彦根港午後6時半発、土曜が同午後5時15分発、長命寺港午後6時20分発の日もある。
 以下、ビア電・ビア船ともキリン一番搾り生ビール、バドワイザー、缶チューハイ、ソフトドリンクが飲み放題、近江の特産料理付きで20歳以上3500円、小学生以上の未成年1500円。30人以上の団体なら貸し切りも可。カツサンドやローストビーフサラダの予約可。抽選会がある日もある。申し込みは予約センター☎(24)8103。

2017年6月22日木曜日

琵琶湖周航の歌の誕生100周年を記念し、彦根港で開かれるひこね湖の子フェスティバルのイベント内容決まる

 琵琶湖周航の歌の誕生100周年を記念し、彦根港周辺で25、26日に開かれる「ひこね湖の子フェスティバル」のイベント内容が決まった。
 琵琶湖周航の歌は、第三高等学校(現・京都大学)の水上部に在籍していた小口太郎が琵琶湖クルーに出ていた2日目の大正6年(1917)6月28日に、今津の宿で琵琶湖をテーマにした詩を部員に披露。この詩を当時、流行していたメロディーに乗せて部員たちが歌ったのが始まりとされる。
 琵琶湖周航の歌100周年事業実行委員会では24日に高島市内で記念式典を開き、以降も彦根港など県内各地で関連イベントを開催。24日から27日にかけては歌詞に登場するゆかりの地をボートで巡る「なぞり周航」も行われる。
 ひこね湖の子フェスティバルは市民有志による実行委員会が主管し開催。25日は午前8時から午後5時まで、模擬店やマルシェ、ギネス記録10周年記念コンサート(午前10時~午後4時半)、親子釣り大会(受付は午前8時~同11時・参加無料・釣り具貸し出し)、フィッシング教室(午後1時~・200円)、親子ヨット体験(午前10時~と午後1時~・無料)、親子漁船体験(午前9時~)、周辺清掃(午後4時~)など。
 26日は午後0時半出航で湖上からなぞり周航のボートを出迎える「竹生島クルーズ」、午後6時~琵琶湖の夕日を見ながら合唱する式典。27日午前5時に出航を見送る。小雨決行。詳細はフェスティバルのブログに。
 琵琶湖周航の歌は大正6年に作られた後、歌詞が補完され、翌7年に現在の6番までの歌詞になった。
 昭和48年には第三高等学校水上部の琵琶湖周航80周年を記念し、1番の歌詞の地の三保ヶ崎(大津市)に「われは湖の子」碑が建立。その後も、今津、竹生島、雄松、長命寺に建てられ、最後の彦根には第三高卒業生らによって平成17年10月に建立。彦根港の船着場の奥には彦根の歌詞のほか、6番までの歌詞と琵琶湖周航の歌について解説した計3つの石碑がある。
 日本郵便近畿支社はオリジナル切手「琵琶湖周航の歌100周年記念」を県内の郵便局で販売している。歌詞に登場する彦根城などの県内各地の風景写真や、作詞した小口が乗る舟の古写真など写っている82円切手10枚セット。1シート1300円。郵便局のネットショップでも後日販売。

築城410年祭を記念し顔出し看板が登場

 50回目のひこねで朝市が18日に県護国神社で行われ、約650人が来場した。今回は19店舗が出店したほか、築城410年祭を記念し、顔出し看板がいろは松前に登場し、観光客らが記念撮影に収めていた。
 顔出し看板は朝市の実行委員会が彦根城築城410年祭の市民創造事業の一環として企画。平成24年9月の1回目から出店している長浜市のあやべとうふ店の店主・綾部徹郎さん(49)が製作を担当し、182㌢四方の板に江戸時代の魚売りの男性と購入しに来た女性を描いた。背景には彦根城天守のほか、飛び出し坊ややサラダパンで有名なつるやパンなども登場している。今後は微調整をして来月以降の朝市でも設置する予定。この日の午後には天秤棒をかついで朝市の品物を販売するイベントも催された。

2017年6月20日火曜日

滋賀県立大学などで日本語や日本文化を学んでいる米国の留学生が狂言を体験

 滋賀県立大学などで日本語や日本文化を学んでいる米国の留学生たちが14日、彦根城博物館の能舞台で狂言を体験した。
 米国国務省教育文化局では人材育成と外国語の教師作りを目的に、米国内から選抜した学生たちに世界14の言語を学ばせるCLSプログラムを実施。「日本語」には2015年度から18年度まで滋賀県立大学が選定され、今年度は応募者約500人から選ばれた24人が来日し6月5日から彦根市内に滞在している。
 留学生たちは滞在する約2カ月間のうちホームステイとアパートで1カ月間ずつ交代しながら過ごしており、日本語教育の専門家による週20時間ほどの日本語と日本文化の学習のほか、囲碁や折り紙などを体験。この日は彦根城を見学した後、多賀町教委の職員で狂言師の山本豪一(ひでかず)さんを招いて狂言を学んだ。
 山本さんから「能舞台に描かれている松の絵はめでたい意味がある」「足の裏を舞台から放さずにすり足で歩く」など、狂言の歴史や所作について聞いた後、留学生たちは実際に能舞台に上がり、山本さんの手本に続いて歩き方や笑い方、泣き方を体験。その後、事前に練習してきたせりふを用いて、狂言の一場面を一人ずつ実演していた。
 体験後、留学生からは「(狂言が始まった)約650年前からせりふは変わっていないのか」「新しい狂言はあるのか」などの質問があり、山本さんは「せりふや所作は変わっておらず、先代から引き継がれてきた。昔の演目は254曲あり、明治時代以降では約100曲ある」と答えた。
 大学院3年生のパオロ・メニュエーさん(29)は「彦根は自然豊かで美しい素敵なまち。能舞台は木の香りがし、不思議な雰囲気だった。狂言はユーチューブなどで見たが、実際に体験すると難しく、狂言師を尊敬したい」と話していた。
 留学生たちは今後、県立大で学びながら、陶芸や書道、茶道、江州音頭の踊りなども体験。7月28日に終了式がある。

城西小学校で緑のカーテン講習会 ゴーヤ先生が講師、ひこにゃんとビバッチェくんも見守る

 彦根市立城西小学校で12日、「緑のカーテン」の育て方講習会があり、京都府福知山市のゆるキャラのゴーヤ先生が講師として来校し、5年生に育て方を教えた。ひこにゃんとビバッチェくんもゲストとして訪れ、講習会の様子を見守った。
 地球温暖化や省エネルギー対策に役立つ緑のカーテンについて学んでもらおうと、彦根市と福知山の市民団体・福知山環境会議が共催。前日のビバシティ彦根での講習会に続いて行われた城西小では、話すことができるゴーヤ先生が講師となり児童68人に教えた。
 前半の講座は室内でゴーヤ先生が5つの約束として▽ゴーヤの気持ちになって植えましょう▽協力して水やりをやりましょう▽10日に1回、肥料をあげましょう▽(先端の芽を摘み取る)摘芯をしましょう▽夏休みまでに花と小さな実を取りましょう―を教えた。
 後半は保健室前の屋外で、児童たちが5、6人ずつに分かれてプランター12個に肥料と土を入れ、水やりをした後、ひこにゃんらが見守る中で苗を植えた。児童の上田心音さん(10)は「ゴーヤ先生との5つの約束を守って大切に育てていきたい。大きく育ってほしい」と話していた。

2017年6月17日土曜日

不動産に関する問題について弁護士や司法書士ら専門家の合同相談会24、25日に彦根市民会館で

 相続や贈与など不動産に関する問題について弁護士や司法書士ら専門家が対応する合同相談会が24、25日の両日、彦根市民会館2階で開かれる。
 小泉町の司法書士法人equal(イコール)や草津市の税理士法人GrowUpなどが昨年9月に設立した一般社団法人「滋賀士業相談センター」が企画。
 対象は相続、遺言、贈与、売買、アパート賃貸、不動産評価の鑑定、境界問題など不動産に関する相談。同センターの2団体の司法書士、行政書士、税理士、土地家屋調査士、公認会計士のほか、石田法律事務所(本町)の弁護士、住友不動産彦根営業所(高宮町)の一級・二級建築士、第一不動産鑑定所(大東町)の不動産鑑定士、大坪FP事務所(草津市)のファイナンシャルプランナーの計6団体、14人が対応する。
 相談無料。同センター代表でequalの馬場真作さん(35)は「不動産に関するどんな悩みでも解決できると思います。何から聞いたら良いのかわからない方でも気軽に来てください」と話している。
 両日とも午前10時~午後4時45分。予約制。問い合わせは事務局のイコール☎(24)5131。

2017年6月16日金曜日

チョウ類の収集家・布藤美之(みゆき)さん標本2万5786点を琵琶湖博物館に寄贈、三日月大造知事から感謝状

 チョウ類の収集家として知られる彦根市岡町の布藤美之(みゆき)さん(87)がこのほど、標本2万5786点を琵琶湖博物館に寄贈し、三日月大造知事から感謝状が贈られた。収集歴は70年以上だという布藤さんにチョウの魅力などを聞いた。(山田貴之)
 布藤さんは動植物が好きだった祖父の影響で、幼児期から昆虫を捕るのが好きだったといい、県立彦根中学校(彦根東高)時代から滋賀師範学校(滋賀大教育学部)にかけては彦中昆虫同好会などの団体で昆虫について学び、小中学校の教員になってからも日本鱗翅(りんし)学会に入ってチョウなどの研究に没頭。学校の夏休みなどを利用し、珍しいチョウが多い八重山諸島や台湾にも出かけた。チョウの魅力について布藤さんは「飛んでいる姿を見ると、ほっとする」と笑顔で話していた。
 本格的にチョウの収集をするために、定年を前にした58歳の時に教員を退職。以降、八重山諸島に1週間ほど滞在したり、台湾に計10回ほど出かけたりして収集と標本作りに励んだ。採集のほか、飼育、収集家同士の交換、購入でその数が増え、チョウを中心に国内の昆虫は約443種の1万7573点、東南アジアや北米、南米、アフリカなど海外の昆虫は約1824種の約8213点になった。
 中には滋賀県レッドデータブック2015年版で絶滅危惧種になっているギフチョウやクロヒカゲモドキをはじめ、絶滅危機増大種や希少種のチョウがあり、布藤さんによると先輩から譲り受けた約100年前のチョウもあるという。
 自宅では幅50㌢×30㌢×高さ約5㌢の標本ケース360箱をタンス9本に入れて保管してきたが、最近は足が不自由になり、世話がしにくくなったため、今年3月に琵琶湖博物館に寄贈。布藤さんは「大事に保管して頂き、子どもたちや若者の役に立てて欲しい」と話していた。琵琶湖博物館によると、滋賀県最大級の昆虫標本コレクションだといい「貴重な標本を後世に引き継ぐため、大切に保管し、研究や展示などで活用していきたい」としている。

2017年6月13日火曜日

エクス・マルセイユ大学教授のニコラ・フォシェールさん世界からみた彦根城と城下をテーマに彦根城博物館で講演

 ヨーロッパの城郭建築の専門家でエクス・マルセイユ大学教授のニコラ・フォシェールさんがこのほど、「世界からみた彦根城と城下」をテーマに彦根城博物館で講演。世界遺産登録を目指す彦根のまちの魅力などを話した。
 ニコラさんはフランスのヴォーバンの要塞群の世界遺産登録に尽力し、平成28年度からは彦根城の世界遺産に向けて国外の資産との比較研究で協力している。
 講演会でニコラさんはすでに世界遺産に登録されている姫路城との違いとして、彦根に城下町が残っている点に触れた上で「彦根は水と関係が深いまちであり、防衛的な機能、3つの堀を使った町割り、米などを運ぶ交通手段、産業活用など水が色んな役割を果たしていた」と説明。「水と森林の緑の美しさを備えた自然と文化が出会う場所であり、一言で表すと『ハーモニー(調和)』だ」と述べた。
 城を中心に3つの堀を巡らせて同心円的に作られた江戸時代の町割りについては「軍事的、政治的、行政的な革命で誕生したまちであり、世界的に見てもほかにはない特徴だ」と紹介。「彦根の城下町が今まで残っているのは建物の高さなど規制が設けられてきたためだろう」と語った。
 最後にニコラさんは「金沢の町家と比べると規模が小さいかもしれないが、彦根城の城下町の遺産一つ一つの保存状態が良く、世界遺産にふさわしいまちだと言える」と話した。
 ニコラさんの講演会は市が企画し市民88人が来場。講演後の質問時間では市民の一人から「彦根城や城下町を整備する際に芹川も付け替えられており、水の視点で世界遺産の議論に取り入れるのも重要」との提言もあった。

親同士がお見合いをする結婚支援フォーラム28日にホテルサンルート彦根で

 子どもに代わって親同士がお見合いをする「結婚支援フォーラム」が28日午後1時20分からホテルサンルート彦根(旭町)で開かれる。
 旧湖北町(長浜)出身の脇坂章司さんが立ち上げた一般社団法人「良縁親の会」(京都市下京区)の主催で、親同士が身上書を交換し合ってお見合い相手を探す。お見合いや成婚時の報告義務、成婚報酬などは発生しない。
 彦根市や長浜市をはじめ全国でフォーラムを開催し、2005年の開始以来、参加者は2万4000人を超えている。
 定員は先着80人(50歳位までの独身の子を持つ親のみ)。参加費1人1万1000円。申し込みは20日までに同会☎075(213)0506へ。

2017年6月12日月曜日

中川啓子さん曽祖父で姫路藩士だった笠原三平と江戸時代後期の徳川幕府の動向を取り上げた小説・慶喜と三平を発刊

 彦根市芹川町の作家・中川啓子さん(76)がこのほど、曽祖父で姫路藩士だった笠原三平(1841~1914)と江戸時代後期の徳川幕府の動向を取り上げた小説「慶喜と三平」を発刊した。
 三平は江戸の姫路藩巣鴨藩邸で天保12年に生まれた。本は第1章「三平お塾へ通う」で、5歳になった三平が武門入りの当日に父親の姫路藩士・笠原兼久と会話するシーンから始まる。第3章の「大政奉還いざ京へ」では上京時に中山道を通った際の彦根藩の様子も紹介。「鳥居本宿の中山道沿いの古い街道は虫籠(むしこ)窓や紅殻の塗られた格子戸の家が軒を並べて風情がある」「(赤玉神教丸の製造元・有川家は)入母屋造りの大きな家屋で、縁台に座っている旅人に薬茶を無料で振る舞っている」と記し、彦根城へつながる彦根道や湖東焼も登場する。また姫路藩の九代藩主・酒井忠惇(ただとう)や三平が彦根城に立ち寄り、琵琶湖上の多景島を見ながら、井伊直弼や江戸時代初期に彦根藩にあった小早船(こばやぶね)の歴史を振り返るシーンも出てくる。
 以降、「大坂城の光と影」「錦の御旗」「嵐に向かう開陽丸」「駿府へ」と時代が移り、徳川家が薩長の新政府軍に追い込まれていく江戸時代後期の様子を紹介。鳥羽伏見の戦いで敗北した慶喜が開陽丸で逃げるのに同行した三平が「何故、戦わないのでしょうか」「お逃げになられるくらいなら、自決なさればいいのでは」と迫る場面では、慶喜が「本当は戦いたいのだ。しかし、外国(親徳川のフランス)を巻き込むことはできない」「私の死は終わりのない死の連鎖を招くだけだ。臣下を守るためには私は死んではいけないのだ」と返答。「将軍たる者、(中略)民の家族の平和を守ることだ」と、慶喜の将軍としての使命感を表している。
 三平は慶喜が亡くなった大正2年(1913)11月22日の翌年2月8日に72歳で死去している。中川さんは笠原家に残る古文書や姫路城史などを参考に小説化。三平の思いについて、中川さんは「慶喜が敵前逃亡したのではないことを曽祖父は伝えたかったのだと思う。小説でもその点を重視して書きました」と話している。発行はぎほり舎(芹川町)。157ページ、1300円(税抜き)。銀座町の太田書店とアマゾンで販売。問い合わせはぎほり舎(47)6062。

 滋賀彦根新聞は中川さんの小説「慶喜と三平」を3人にプレゼントします。住所、郵便番号、氏名、年齢、連絡先を記入し、12日(消印有効)までに応募してください。当選者の発表は発送をもって代えさせて頂きます。

寺村邦子さん2年前の著書の改訂版この指、とまって~!!ギネスのくんちゃん奔走記を発刊

 ギネス記録の挑戦イベントの主宰者として知られる彦根市尾末町の寺村邦子さん(62)が、2年前の著書の改訂版として「この指、とまって!!ギネスのくんちゃん奔走記」を発刊した。本の収益金は東日本大震災の被災地支援に活用される。
 寺村さんは、彦根城築城400年祭に合わせて鳥居本駅で行った平成19年3月23日から31日までの182時間コンサートで初めて彦根でのギネス記録を達成。以降、毎年のように市内でギネス記録の挑戦イベントを開催し、昨年4月17日の忍者の格好をした人数とカロムの玉を並べる挑戦を入れて、これまでに11回成功させている。
 平成27年9月に発刊した1冊目の本を読んだ市民らの意見を参考にして文章を改めたほか、昨年4月のギネス成功の内容を追記。デザインや表紙も改訂した。
 2冊目の本では第1章で182時間コンサートのきっかけにもなった音楽会について説明。第4章の「東日本大震災に負けたくない」では宮城県石巻市で水没後に復活し、寺村さん宅に届けられたピアノを使って挑戦した様子をまとめている。第5章の「ギネスルール、変やわ」では忍者の姿を着ての挑戦が2回失敗したことの悔しさ、第6章の「心をつなぎ、未来に伝言を」では失敗が続いた後、寺村さん自身について取り上げられた冊子を目にした時や大学生からの激励の言葉で再挑戦を決意したエピソードを取り上げている。本紙記者の名も登場している。
 本はB6判のカバー付き、185ページ。寺村さんは「感謝と感動の思いを込めて、この本を多くの皆さまに届けたい」とした上で、「今月初めに石巻を訪れたが、被災地はまだまだ復興できていない。東北の復興を願って義援金を募りたい」と語っていた。
 本の価格はなく、カンパ制。収益金は被災地への義援金として活用される。問い合わせは寺村さん☎090(5152)3918。

2017年6月9日金曜日

彦根城博物館が江戸時代の大洞弁財天とその周辺の景観描いた絵図など購入

 彦根城博物館はこのほど、江戸時代の大洞弁財天(古沢町)とその周辺の景観を描いた絵図などを購入したと発表。
 大洞弁財天は彦根城と彦根藩領の安寧を祈願するため、彦根藩四代当主・井伊直興によって元禄8年(1695)から翌年にかけて建立された。
 絵図には元禄9年に建てられた弁財天堂、阿弥陀堂、宝蔵(ほうぞう)、楼門(ろうもん)が描かれている。いずれの建物とも現存しており、配置も一致している。ただ、元禄12年に建てられた経蔵(きょうぞう)と安永4年(1775)に建立されたという奥の院は絵図に描かれていない。
 大洞弁財天の周辺には、隣接する龍潭寺や清凉寺のほか、愛宕(あたご)社、松原内湖、対岸の彦根城と城下、松原村の砂浜、虫(物生)山、磯村が描かれている。また大洞弁財天のふもとには「茶店」や、番人を務めた「七人番衆」の屋敷も記されている。
 絵図に描かれている景観の年代としては、愛宕社の地に寛政10年(1798)に着工され、文化4年(1807)に完成した仙琳寺が描かれていないことから、元禄9年から寛政10年までの約100年間のいずれかの年だとみられる。作者は不明だが、絵図の裏面には当時の所有者とみられる大坂の町人・木村蒹葭堂(けんかどう)が自筆で「彦根大洞弁財天図」と記した題簽(だいせん)が貼られている。彦根城博物館は昨年3月に古書店から購入。江戸時代の大洞弁財天を描いた絵図が確認されたのは初めて。
 ほかの購入品は、彦根藩士の居住区だった内曲輪(内堀と中堀の間)から外堀までの藩士名・石高・家紋・馬印と思われる絵が記された文化11年(1814)5月11日から12月22までの家並(やなみ)帳、18世紀後半の彦根城下の家並絵図、大洞にあった彦根藩の火薬庫を示す御塩硝(ごえんしょう)蔵の実測地図、寺院の位置を目的にしたとみられる彦根城下全体を描いた18世紀の絵図など。

井伊直孝と小早船

 今号から彦根市芹川町の作家・中川啓子さん(76)が、あまり知られていない彦根などの歴史を不定期で紹介していく。初回は彦根藩二代・井伊直孝公の時代に運航されていた小早船(こばやぶね)に関する逸話。
 起工して二十年目の元和八年に完成した《金亀(こんき)城》と呼ばれる彦根城は三方が琵琶湖の入江によって囲まれ、一方のみが平野に連なって周囲約一里に及ぶ大城だ。琵琶湖の湖上権も握り、城下には兵船をつなぎ《小早船》といって井伊家自慢の二十四丁艪(ろ)の早船を備えた。
 この小早船が井伊直孝を救った話がある。
 寛永十一年七月六日、三代将軍家光がご上洛の時、彦根城に立ち寄られて一泊する。
 直孝は家士の婦女子たちを近くの村落へ立ち退かせ城下の女気をなくす。そのことで、直孝が将軍家に謀反を抱いていると、家光に告げた者がいた。それを聞いた家光は怒って夜中に出発してしまった。
 驚いた直孝は、すぐに小早船にのり、異心のない証明に、槍一本を握って舳先(へさき)に立つ。
 大津に向かった小早船は、湖面をきり風を切って進む。わずか一刻半(いっときはん)で大津に到着。
 船から下りて、家光公に申し開きするために、中山道大津宿で威儀を正しくして待ち受けていると、夜中に発った家光公のお行列が到着する。
 籠を降りた家光公は、城に置き去りにした筈の直孝が目の前にいて、一本槍を握ったまま跪き、我を待っているのに、びっくりする。
「謀反などもってのほかで、ございます。殿が静かにお休みになれますように、婦女子どもの黄色い声を移したまで、何の異心もありませぬ」と弁明した。
「わかった」と家光公は頷いた。
「小早船はそんなに速いのか。ならば、城までとって返し、京まで供奉せよ」
 以来、井伊家は参勤交代の道中も槍一本に限られるようになった。        (出典「日本の名城」)

2017年6月7日水曜日

彦根城でブルーインパルスの展示飛行に5万人以上が来場

 ブルーインパルスの展示飛行が4日、彦根城周辺の上空で行われ、5万人以上が来場した。
 彦根城築城410年祭を記念して開催され、関連イベントが行われた彦根眺城フェスの会場となった金亀公園には朝早くから入り口前に並ぶ来場者がいた。開場後も眺城フェスの中で行われた井伊椀グランプリなどの各テナントの商品を買い求める人たちの行列ができていた。
 ブルーインパルスの展示飛行では6機が彦根城から半径10㌔㍍の空域を使って、スモークで桜模様やハート型などを描いた。約20分間の展示飛行だったが、ブルーインパルスが登場し技を披露するたびに歓声が沸き起こっていた。
 なおこの日の彦根城への入山者数は彦根城管理事務所によると8849人で、いつもの日曜日の入山者数と比べて2倍ほどだった。

 この日の彦根はまさに人、人、人でごった返しの一日だった。公式には城内2万人、金亀公園3万人だったが、小生の見た感じでは5万人以上は来場し、市内全域を入れると倍近い人が観覧したのは間違いない。一日の来場者数としてはここ近年で最多であろう◆大きな混乱もなく、終了することができ、また多くの観光客が前日または前々日から宿泊し、夢京橋キャッスルロードなど市内の飲食店や土産店も多くの人で賑わっていたことを考えると、経済的効果はかなりあったに違いない◆ブルーインパルスのイベントは彦根商工会議所青年部が主管し、当日も会員たちをはじめ、市民ボランティアが会場の運営や清掃に尽力していた◆願わくば2回目も開催して頂きたいが、そうは問屋が卸さないであろう。ここまで成功するイベントを模索するのはなかなか難しいかもしれないが、観光の関係者各位には今回のイベントを一過性に終わらせず、良き手本としてご尽力頂きと願う今日この頃だ。       (山田)

2017年6月6日火曜日

パナソニックの日本のお掃除 再発見プロジェクトがスタート、第1弾は彦根城天守と西の丸三重櫓を掃除、彦根市立城西小学校の児童参加

 ごみゼロの日の5月30日、パナソニックの「日本のお掃除 再発見プロジェクト」がスタートし、その第1弾として彦根城天守と西の丸三重櫓を掃除するイベントが開催。彦根市立城西小学校の児童たちも天守内などをきれいにしていた。
 パナソニックは細部まで目を配るといった日本の掃除のあり方を、日本各地の象徴的な建物の掃除を通して再認識してもらおうと同プロジェクトを計画。ナビゲーターに日本文化への造詣が深い京都外国語大学のジェフ・バーグランド教授を迎えて、日本各地の象徴的な建築物で大掃除イベントを展開していく。
 第1弾の彦根城の掃除イベントを控え、5月23日にはジェフさんを招いた事前学習が城西小で行われ、児童たちは日本の掃除の仕方が世界的に注目されていることなどを学んだ。掃除イベントがあったこの日はパナソニックの社員35人と城西小の6年生62人が参加し、新製品のスティック掃除機「iT(いっと)」50台とロボット掃除機「ルーロ」10台も使用された。
 児童たちは天守1階、2階、3階、西の丸の1~3階に分かれ、カーペット部分を掃除機で、板の間を雑巾の乾ぶきで、壁の部分をはたきできれいにしていた。天守最上階の乾ぶきをした北川美優さん(11)は「ほこりがいっぱいとれてすっきりしました」と話し、宮田結衣さん(11)は「天守もすっきりした気持ちになっているのでは」と笑顔で話していた。
 閉会式ではジェフさんが「今日からは自分のまちをきれいにすることを考えて欲しい。日本をピカピカにする取り組みが彦根城から始まり、うれしく思う」と語り、天守前に参加者全員が集まって記念撮影をした。

2017年6月3日土曜日

彦根城でのブルーインパルス展示飛行 電車での来場者に特製うちわ進呈

 彦根城築城410年祭を記念し、航空自衛隊のブルーインパルスの展示飛行が4日午後1時~約20分間、彦根城周辺の上空である。当日、市内は交通渋滞が予想されるため、築城410年祭推進室では電車など公共交通機関での来彦を要請しており、彦根駅西口では特製のうちわを配布する。
 うちわは表面が米原の切り絵作家・早川鉄兵さんデザインで、彦根城天守の上空をブルーインパルス6機が飛行している様子が描かれている。裏面にはブルーインパルス1機の写真が掲載。当日は午前8時半~1万5000枚が配られる。
 エフエムひこねでは当日の展示飛行をはじめ、金亀公園で開催される「彦根眺城フェス」の模様をラジオ中継する。なお3日の同時刻にテスト飛行がある。

2017年6月2日金曜日

ブルーインパルスの展示飛行がある6月4日、金亀公園の多目的競技場で井伊椀グランプリなど彦根眺城フェス開催

 航空自衛隊のブルーインパルスの展示飛行がある6月4日、金亀公園の多目的競技場で関連イベントとして「彦根眺城(ちょうじょう)フェス」が開催。フェスの中では丼料理の彦根一を決める「井伊椀(いいわん)グランプリ」も行われる。
 井伊椀グランプリは彦根商工会議所青年部が創立35周年記念事業として企画し、彦根城築城410年祭推進委員会の主催で開催。市内の13店舗がブースを設け、各店が創作したごはん約100㌘の丼料理を500円で販売する。来場者は投票コーナーでおいしかった店名の入れ物に空容器を入れて、最多得票の店にはトロフィーやのぼり旗などが贈られる。
 同青年部では「あなたの1票で彦根の名物丼を決めて欲しい」としている。会場では16店舗が自慢の一品を提供する飲食ブース、5店舗の物産ブースも設けられる。
 彦根眺城フェスではほかに、特設ステージとして近江高校吹奏楽部の演奏、ムーディ勝山とフルーツポンチのお笑いライブ、映画「関ヶ原」PRステージ、陸上自衛隊第3音楽隊の演奏、ブルーインパルス展示飛行の解説、パイロットのトークショーがある。パイロットのサイン会が午前9時半~同11時にあるほか、自衛隊車両も登場する。
 開催時間は午前10時~午後3時。雨天決行。入場無料。
 彦根城天守の上空をブルーインパルスが飛んでいる合成写真を印刷したデザインの彦根城観覧券が、6月4日当日限定で販売される。大人用の券=写真=が2万5000枚、小中学生用が1万枚。彦根城内の券売所のほか、金亀公園の臨時券売所でも販売される。ただし、彦根城博物館や玄宮園の単独券、彦根城と彦根城博物館との共通券のデザインは従来通り。
 また電車での利用を促進するため、当日は午前8時半~彦根駅前で特製のうちわ=写真は表面=が1万5000枚配布される。

振り込め詐欺の被害防止へ滋賀中央信用金庫など3信金が対象者にキャッシュカードの振り込み限度額を10万円に引き下げる取り組み開始

 振り込め詐欺の被害を防ぐため、滋賀中央信用金庫など県内3信金は22日から、一部の対象者にキャッシュカードの振り込み限度額を10万円に引き下げる取り組みを開始。同日には各信金で彦根署と連携した啓発活動が行われた。
 対象は過去1年以上、キャッシュカードを使ってATMで振り込みをしていない70歳以上の預金者。1日あたりの振り込み限度額を100万円から10万円に変更した。
 この日は滋賀中央、長浜、湖東の各信用金庫で啓発活動が実施。滋賀中信の彦根営業部(中央町)では職員と彦根署員の2人ずつが店の出入り口で、振り込め詐欺の事例を載せたチラシとティッシュを配り、来店者に「詐欺に注意してください」と呼びかけていた。
 特殊詐欺は昨年4月末時点で43件(被害額7500万円)に対し、今年同期、57件(同1億2000万円)と増加。彦根署管内では7件で約1900万円となっている。なお、県は30日まで特殊詐欺多発注意報を発令中。