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2016年1月30日土曜日

荒神山の森林が広範囲で伐採、山のふもとの約1㌶の敷地には太陽光パネルが設置

 彦根市日夏町の荒神山東側の森林が約8450平方㍍にわたって伐採されていることが22日わかった。山のふもとの約1㌶の敷地には太陽光パネルが設置されている。地元住民からは山土の崩落や景観の悪化など懸念の声があがっているが、伐採された森林の多くが太陽光パネルを設置した地権者の敷地で、法律や条令違反でもないため、滋賀県(湖東環境事務所)や彦根市(都市計画課、農林水産課)は「直接的な介入はできない」としている。
 県や市によると、太陽光パネルの設置申請があったのは平成26年8月27日。市は風致地区における建築等の規制に関する条例に基づき9月5日に許可し、県も自然公園法に基づいて認めている。平成27年8月中旬には県に「獣害対策」として森林伐採の申請があり、県は現地視察を経て9月に認可した。
 その後、伐採が始まったが、住民からの報告を受けた市は11月16日に伐採されているのを確認し、県と協議した上で作業を中断させた。
「親と一緒に植えた木切られる」
一部は他人のエリア、行政に憤りも
 樹木を伐採する際には県のほか、市への申請も必要だが、事前にされていなかった上、申請のあったエリア以外での伐採もあった。また伐採されたエリアには地権者以外の地元住民らが所有する樹木も含まれていた。
 伐採されたエリアの土地を所有している地元住民の男性(81)は、スギやヒノキを切られたといい「高校生の時に親と一緒に植えた思い出の木々が切られ、たまったものではない。県や市も責任を押しつけ合っているだけだ」と憤りをみせていた。
 県や市は互いの連携不足を認め「今後はこのようなことがないよう、申請時には連絡を密にしたい」としている。
 一方で今回の伐採行為の地権者への対応について、市は「地権者側の手続き上の不備はあったが、申請外で伐採された場所のみでしか植林などを求めることができない」とし、申請内のエリアに対しては地権者同士の協議となるため、市は「窓口として対応する」としている。
地権者、取材応じず
終始「結構です」
 荒神山の森林が伐採されたエリアの地権者で太陽光パネルの設置者でもある市内の男性は、本紙の電話取材に「結構です」を繰り返すのみで、明確な回答をしなかった。

日夏里館(旧日夏村役場)で耐震改修の完了を記念した見学会とフォーラム

 彦根市日夏町の日夏里(ひかり)館(旧日夏村役場)で23日、耐震改修の完了を記念した見学会とフォーラムが開かれた。
 日夏里館は昭和10年(1935)にヴォーリズ建築の日夏村役場として竣工し、その後、産業組合(農協)や日夏公民館、日夏町民館などとして使用。平成22年以降、日夏里館として地元住民の憩いの場になっている。平成25年11月から外部の改修工事、翌年7月から1階の耐震改修、昨年7月から2階の耐震改修が行われていた。
 見学会には市民ら約60人が参加。設計を担当した石井建築設計事務所の担当者が改修した部分を説明し、所有者で日夏ヴォーリズ建築の会代表の古川与志継さん(64)が元村長室や応接室など各部屋を案内した。
 18歳まで日夏で過ごした河島明美さん(64)=清崎町=は「20歳の時に旧日夏村役場で開かれた成人式に出席した。DNAみたいに私の記憶に入っている」と感慨深げに話していた。見学会後にはフォーラムが行われ、滋賀県立大学の濱崎一志教授が「旧日夏村役場の魅力」をテーマに講演した。

2016年1月27日水曜日

「子ども食堂」来月開所を前に滋賀大生がPRポスターを制作

 子どもが友人や地域住民と一緒に安心して過ごせる場所として全国的な広がりをみせている「子ども食堂」(※)が来月、彦根市男女共同参画センター・ウィズに開所されるのを前に、滋賀大学経済学部の学生が子ども食堂などをPRするポスターを制作。ウィズと市福祉センターに展示した。
 滋賀大ではデザインソフトを使ったポスター制作の授業をしており、1年生から4年生までの14人が、ウィズで始まる「かめのこ子ども食堂」などのポスターを制作。A1判の紙に食べ物のイラストを描いたり、キャッチコピーを入れたりして仕上げた。発表会では学生1人ずつが作品に込めた思いを話し、ほかの学生が批評。学生の田上有紗さん(20)=2年生=は「誰もが行きたくなるように、ごく普通の食堂をイメージして作った」と話していた。展示は2月26日まで。
 ※【子ども食堂】
 さまざまな環境下で寂しい思いをしている子どもたちに対し、地域ぐるみでその居場所を設ける取り組みとして全国各地で行われている。食事を提供してみんなで食べるほか、地域住民やほかの子どもたちと一緒に宿題をしたり、遊んだりする。県内では「滋賀の縁創造実践センター」(草津市)がモデル事業として展開。これまでに長浜や米原、守山などの計11カ所で行われている。彦根ではNPO法人Linksが実施する。

近江鉄道乗りながら湖東の地酒楽しむ「近江の地酒電車」の運行28日から

 近江鉄道の電車に乗りながら湖東地域の地酒の利き酒を楽しむ「近江の地酒電車」の運行が28日から始まる。
 岡村本家(豊郷)、多賀、藤居本家(愛荘)、愛知酒造(同)、近江酒造(東近江市)の5蔵元の2種類ずつを利き酒し、気に入った酒を好きなだけ飲むことができる。
 おでんとおかずセット(近江の小料理)、ソフトドリンクの飲み放題が付いているほか、車内で缶ビールやつまみ、つやこフロマージュ(チーズ)などを販売。運行日は3月4日までまでの木金土曜(2月11日除く)と2月10日。各蔵元限定の利き酒・酒の説明がある日もある。
 彦根駅午後3時57分発と7時03分発があるほか、八日市と近江八幡発の便もある。途中にトイレ休憩あり。各日72人限定。予約は5日前までに。一人3500円。焼きさば寿司の弁当も事前に販売。申し込みは平日に同社鉄道部☎(22)3303。

本町2丁目に築約120年の町家を改装したワークショップ&カフェの店・和結(わゆ)オープン

 彦根市本町2丁目に築約120年の町家を改装したワークショップ&カフェの店「和結(わゆ)」が昨年末にオープンし、市民の憩いの場になっている。
 店主の御代(みよ)麻理子さん(42)が日本人らしい和の心を再認識できる場所にしようと、国の第二創業促進事業の採択を受けて、華道・翠香流の拠点だった翠香流会館を改装。約18平方㍍分のテーブル席と約36平方㍍分の座敷を整備した。
 同店では生け花だけでなく、誰でも筆ペンで魅力的な文字が書ける「伝筆(つてふで)」、こだわりの食材で味噌・キムチ・パンなどを作る「食育」、季節のフルーツを使ったミネラル入りの「酵素ジュース作り」などのワークショップを行う。
 国産の食材で作ったマフィンやシナモンロール、抹茶カフェなども用意している。御代さんは「日本の伝統文化は自分を確立させるためにも必要なことだと思います。気軽にお立ち寄りください」と話している。火曜定休。開店は午前11時~午後6時。問い合わせは同店☎(24)3077。
 本町にオープンした「和結」では16、17日の午後1時~酵素ジュース作りの講座が行われる。1回3500円。また24日午前10時~は味噌作り講座もある。2000円~3000円。申し込みは同店へ。

2016年1月25日月曜日

さまざまな家庭の事情を抱えた子ども支援の場・フリースペースが福祉施設ふるさと内に設置

 さまざまな家庭の事情を抱えた子どもたちを支援する場所「フリースペース」が、彦根市開出今町の福祉施設・ふるさと内に湖東湖北で初めて設置される。2月3日にプレオープンする予定。
 県内の福祉団体で組織された滋賀の縁(えにし)創造実践センターは、学校など教育機関だけでは解決が難しく、制度と制度の間にいて支援が受けにくい子どもたちのために、「『居場所づくり』小委員会」を立ち上げて県内でモデル事業を展開。
 フリースペースは園や学校終了後に担当者が子どもを迎えに行き、各施設内のスクールソーシャルワーカーやボランティアらが付き添って、数時間、食事や風呂、勉強、遊びなどの支援をする場所。人件費などは県内の福祉団体が出資した基金を使って同センターが補助する。
 昨年3月31日に大津市内の福祉施設内で導入されたのを皮切りに、これまでに大津、甲賀の計4カ所で実施されており、4歳から中学2年生までの子どもたちが参加している。
 湖東湖北で初、県内5カ所目となるフリースペースは「フリースペース『ふるさと』」という名称で、既存の施設内の相談室と和室を活用。子ども一人にボランティア一人ずつとスクールソーシャルワーカー一人がそばに着いて、食事や勉強などを支援する。時間は毎週水曜午後5時半から同8時まで。
 同センターの谷口郁美所長は「子どもが抱えるしんどさや寂しさはなかなか分かりにくい。行政、施設、市民が立場を超えて手作りで支援していくことは大切だと思う」と話している。
 問い合わせは同センター☎077(569)4650。

「おんな城主 直虎」の事業展開を、市議会が意見まとめ市長宛てに政策提言

 彦根市議会は昨年末に「おんな城主 直虎」をテーマに行ったワークショップで出された意見をまとめ、15日に市長宛てに政策提言を行った。平成26年4月に施行された議会基本条例に基づく政策提言は初めて。
 市議会は昨年12月22日、彦根商工会議所や彦根観光協会など5団体とワークショップを行い、その中で出された約200件の意見のうち、早期に実現するべき事項を集約。「市の取り組み」「NHKへのアプローチ」「主役の柴﨑コウさんの招へい」「浜松市との連携」などの意見をA~Gに区分けした上で提言した。
 15日に西川正義議長から大久保貴市長へ出された政策提言書では「大河ドラマ『おんな城主 直虎』の放映を契機に、彦根市への集客を図ることを目的としたプロジェクトチームを庁内に早期に設置し、市民参画のもと『直虎』にスポットを当てた事業を展開されたい」とし、この提言に対して2月末までの報告を求めている。

時事通信社の田崎史郎さん「今夏の衆参同時選挙ない」「次期首相は石破か岸田」、ねっと湖東企画の講演会で

 テレビの解説者として知られる時事通信社特別解説委員の田崎史郎さんが16日、「政治・経済を展望する」をテーマにハーティーセンター秦荘で講演。記者経験36年の間に培った政治の裏話を紹介した。
 田崎さんは現政権の特徴として「安倍晋三首相と内閣官房長官の菅義偉氏による官邸主導の政権で、霞ヶ関(官僚)、自民党に対しても安倍・菅の指導力が強い。政治が経済を動かす時代になっている」と説明。官邸主導になっている要因として、派閥の力が強かった中選挙区制から小選挙区制に選挙制度が変わったことと3年3ヶ月の民主党政権時代の野党経験をあげ「小選挙区制で派閥の力が必要なくなり、その代わりに官邸の力が強くなった」「民主党は党内対立が激しくなって分裂した。それを見ているから自民党内の議員一人一人に対立を避ける思いがある」と解説した。
 田崎さんが安倍首相と定期的に食事をするまで親しくなった理由については、第一次安倍政権が終わった翌年の平成20年、周りが安倍首相から離れる中で一緒に食事をしたことをあげながら「当時、安倍さんは『自信も誇りも粉々になった』と話していた」とのエピソードを紹介。「その時期を経たからこそ、今の長期政権がある」と述べた。
 今年7月の参院選の時期に衆参同時選挙が行われる可能性については「絶対に無い」と否定した上で、その理由として、衆議院の定数是正の問題と与党で衆議院が3分の2以上の勢力があることをあげた。
 安倍首相が総裁任期を終える平成30年9月以降の時期総裁(首相)については、石破茂、岸田文雄、稲田朋美、谷垣禎一の各氏をあげ「そのうち本命は石破と岸田で、安倍さんは岸田さんを推している。私は一番勉強している石破さんの肩を持ちたいが、(性格が)変わっているのも事実」と説明。ただ、講演の最後では「政治は川の流れのように日々変わるため、ぜんぜん違う結果になっている場合もある。間違った結果でも、現時点では正しかったという見方をしてほしい」と話し、会場の笑いを誘っていた。
 田崎さんの講演会は稲枝、犬上3町、愛荘の各商工会による「ねっと湖東」が企画し、268人が来場した。

2016年1月22日金曜日

摺針峠の不法投棄ごみの撤去作業、滋賀大生も手伝う

 彦根市の鳥居本地区の摺針(すりはり)峠沿いに不法投棄された粗大ごみなどの撤去作業が17日から始まり、滋賀大学経済学部の学生たちも手伝った。
 摺針峠の約1㌔沿いののり面には粗大ごみや業務用ごみなどが大量に捨てられていたため、ボランティア団体・サラン彦根の十河勇一さん(53)が撤去作業を企画。十河さんの呼びかけで集まったボランティアや地元住民、滋賀大ヨット部の学生15人ら計約30人が参加し、17日朝から午後にかけて撤去作業をしたほか、「高宮の心を東北へ」のメンバーも炊き出しを行った。
 十河さんによると、この日だけで、タイヤ30本、家電が軽トラ3台分、オートバイ・自転車・遊具で同1台分、自販機1台、日常雑貨が同2台分、そのほかでゴミ袋300個以上を収集した。昭和50年代から最近までに捨てられたごみが大半で、通りからトラックで一気に廃棄されたとみられる跡もあった。
 滋賀大ヨット部長の甲佐陸空人(りくと)さん(21)=3年生=は「ごみが無くなるごとに達成感が生まれてくる」と話していた。また十河さんは「作業を進めるごとに山の色が変わってくる。本来の山の姿に戻りつつあるのがうれしい」と語り、2月14日以降に行う2回目の作業ですべてのごみを撤去するという。問い合わせは十河さん☎090(1675)7839。

2016年1月19日火曜日

四番町スクエア「ねこカフェ にゃんこっこ」にキャットウォーク設置

 彦根市本町の四番町スクエア内にある「ねこカフェ にゃんこっこ」に、猫が頭上を歩く姿を見学できる「キャットウォーク」が設置され、来店客の人気を呼んでいる。
 店主の山口大幸さん(52)=野良田町=が強化ガラスと木材を使って製作し、2㍍50㌢の長さで1階奥の天井付近に設置。同店には1階に7匹、2階に6匹の猫がおり、1階ではキャットウォークを歩く猫の姿を見ることができる。
 山口さんによると、「ねこカフェ」にキャットウォークがあるのは珍しいといい、「猫の足の肉球を見ることができ、お客さんの反応もいい。設置して良かった」と話している。
 キャットウォークを歩く猫の姿を見た亀山小5年生の黒川詩乃さん(11)は「猫の動きがかわいかった。猫好きが増しました」と話していた。
 月曜定休だが、祝日時は営業。問い合わせは同店☎(26)8366。

2016年1月16日土曜日

大洞弁財天長寿院で厄除け大祭、50回記念し殿様役を井伊家18代当主の直岳さん

 彦根市古沢町の大洞弁財天長寿院で10日、厄除け大祭が営まれ、今年は50回を記念し、殿様役を井伊家18代当主の直岳さん、家老役を千成亭(平田町)社長の上田健一郎さんが務めた。
 同大祭は昭和42年から始まり、初回には井伊直愛元彦根市長が殿様を務めた。井伊家の当主が殿様役を務めるのは初回以来だという。
 今年の大祭には、厄除け祈とうを申し込んだ男女10人が参加し、男性がはかま、女性が打ちかけの衣装を着て参列。同寺の岡田建三住職、時代衣装を着た井伊さん、上田さんと一緒に本堂を一周して、堂内で祈とうを受けた。その後には本堂や阿弥陀堂の前からもちまきがあった。

2016年1月15日金曜日

彦根市新成人のつどいに桐生祥秀さん参加、プロゴルファーの北村響さんも

 彦根市新成人のつどいが10日、文化プラザで開かれ、陸上短距離の桐生祥秀さん(20)=東洋大2年=も新成人として参加した。
 式典後の記者会見で桐生さんは成人になったことについて「これからはすべての責任を自分自身が負うことになる。特にけがには気をつけたい」と抱負。今年8月にブラジルのリオデジャネイロで行われる五輪に対しては「100㍍の決勝に残っているとの大きい目標を持ってトレーニングをしていきたい」と語った。
 陸上競技に励む彦根の子どもたちに向けた言葉として「とにかく練習して速くなってもらいたい」とアドバイスした上で「そして僕と一緒に勝負したいと思われる選手になりたい」と話した。
 会見の最後には色紙に目標の一文字として「超」を書き、「五輪での決勝進出とか、いろいろと超えるべき壁があることを表した」と説明。登場したひこにゃんと一緒に走る格好をするなど記念撮影に応じていた。
 彦根市新成人のつどいにはプロゴルファーの北村響さん(20)も参加。式典後の本紙のインタビューに「自覚できる大人になりたい。またメディアに対してもしっかりと受け答えできるようになりたい」と抱負を語った。
 文化プラザの新成人のつどいには対象者の1187人(うち男性598人)のうち878人(同459人)が出席。大きな混乱はなかった。
 式典でつどいの実行委員長の佐々木慎平さんが「今日は過去を振り返ると共に将来をじっくり考える機会だと思います。私を支えてくれたすべての人に感謝し、これからも胸を張って生きていきたい」と新成人を代表して抱負を述べた。
 式典後には舞宇夢赤鬼のよさこい演舞、祝賀記念交歓会もあり、終了後は久しぶりに会った同級生と懐かしむ光景が見られた。

彦根十日ゑびす祭、北野ゑびす神社で開催

 彦根十日ゑびす祭が9、10日の両日、北野ゑびす神社(馬場1)で開かれ、「商売繁盛で笹持って来い」のかけ声が響く中、晴天にも恵まれて多くの参拝客で賑わいを見せていた。
 境内は福笹と吉兆を買い求める参拝客で行列ができていたほか、9日に2回、10日には4回、もちまきがあり、参拝客は来賓や福娘らが壇上から投げるもちを我先にと取り合っていた。ほかにも歌謡ショーや剣舞の奉納、屋台、甘酒・お神酒の接待があり、両日とも終始賑わっていた。

2016年1月12日火曜日

ローザンヌ国際バレエコンクール予選を彦根の松本美奈さん(15)突破、31日から2月7日にかけてスイスで開かれるコンクール参加

 若手バレエダンサーの登竜門「ローザンヌ国際バレエコンクール」の予選(ビデオ審査)を、彦根市開出今町の松本美奈さん(15)=近江兄弟社中学3年=が突破。1月31日から2月7日にかけてスイス・ローザンヌで開かれるコンクールに参加し、上位約20人が出場できる決戦の舞台を目指すことになった。 
 同コンクールは15歳から18歳を対象とし、予選はレッスンの様子などを撮影したビデオで行う。世界で71人がビデオ審査を突破し、日本からは松本さんを含む12人が選ばれた。
 松本さんは母親の勧めで4歳から小野佳代子バレエ教室(彦根市西今町)に通っている。これまでコンクールでの入賞経験は無かったが、ここ1年で急速に成長。今年のユースアメリカグランプリではベスト12に選ばれ、来年4月のニューヨークでの決勝の出場権を獲得した。
 「テレビでローザンヌ国際バレエコンクールの決戦を見て15歳になったら挑戦したいと思っていた」と語る松本さん。小学6年生からはイギリスのサマースクールに参加するなど、海外での活躍を視野にレッスンに取り組んできた。
 コンクールでは世界各国から集まった仲間と一緒に世界一流のレッスンを受け、最終的に決戦の舞台に進める約20人が選抜される。松本さんは「世界の友達と一緒にレッスンするので、自分にないものを見つけたい」と話し、4歳から指導にあたっているバレエ教室主宰の小野さんは「何も失うものはない。恐れずに思いっきりやって、決戦を目指して欲しい」とエールを送っている。

滋賀大学、滋賀県立大学、サンライズ出版がおうみ学術出版会設立

 滋賀大学、滋賀県立大学、サンライズ出版は、分かりやすい表現の学術書を出版するための「おうみ学術出版会」(事務局・滋賀大)を設立。昨年末に滋賀大で調印式を開いた。
 滋賀大や県立大の教員らが滋賀(近江)について研究した内容を、より多くの人に広めていくため、滋賀大の呼びかけで同出版会を設立。誰でも理解できる内容の本を年間2、3冊のペースで出版していく。
 平成25年4月から昨年9月まで大学教員らによる懇話会を計12回開いており、今年2月25日には創刊号として「江戸時代近江の商いと暮らし」を発刊する。本では滋賀大の教員らが約20年間研究してきた近江商人についての内容を紹介しているという。1冊3000円。
 以降も県立大の教員による「長浜曳山考(仮称)」、滋賀大による「子どもの遊び(仮称)」などを順次、発刊していく予定。
 調印式には滋賀大の佐和隆光学長、県立大の大田啓一理事長、サンライズ出版の岩根順子社長が出席し、協定書にサインした。

2016年1月6日水曜日

滋賀彦根新聞・滋賀夕刊新聞創刊者の押谷盛利氏死去

 滋賀彦根新聞の創刊者でコラム「時評」を長年執筆してきた押谷盛利(おしたに・もりとし)氏が先月21日午後5時53分、老衰のため米原市の自宅で死去した。92歳。故人の生前よりの希望で、葬儀・告別式は24日、家族のみで営まれた。喪主は妻の崇子(たかこ)さん。後日、「お別れの会」が開かれる。
 昭和34年の長浜市の日刊紙「滋賀夕刊」(当時は夕刊滋賀)の創刊当初からコラムや記事を執筆。国内外の政治や経済、教育、環境、文化、健康など幅広いテーマについて、鋭い切り口で独自の論陣を張り、読者の共感を集めた。「ニュースや世相に対する感動、主張を前向きの姿勢でストレートに訴えること」を執筆の心得としていた。近年では、彦根市長選や滋賀県知事選、国勢選挙など政治分野のほか、旧豊郷小学校の保存運動で世論をリードし、その実現を後押しした。
 押谷氏は大正12年、旧東浅井郡上草野村野瀬生まれ。大阪市内の高校を卒業後、中央大学法学部に入った。学徒出陣で召集され、伏見の野砲隊を経て陸軍船舶部隊「暁部隊」として広島に派遣。「原爆投下の2週間前に佐賀県へ転属し、九死に一生を得た」と当時を振り返っていた。復員後は古里へ戻り、村の制度改革や暴力組織追放運動に取り組み、市民7000人が集った暴力追放集会は当時を知る人の語り草となっていた。昭和34年に長浜市議に初当選し、同38年に再選した。昭和50年には県議会議員に当選した。
 市議初当選の年に長浜市神前町を拠点に「滋賀夕刊」を創刊。日刊の通常版に加え、伊香版、東浅井版、米原版、彦根・犬上地域では「しが彦根新聞」を発行し、湖北・湖東地域のローカルニュースを伝えてきた。
 新聞発行業の傍ら、長浜文学協会を立ち上げるなど地域の文化活動を積極的に支援した。平成15年には地方自治功労で勲五等瑞宝章を受章。
 「時評執筆が生きがい」と、卒寿を迎えてもなお健筆を振るっていたが、高齢を理由に今年11月26日の時評(長浜版)をもって筆を置いた。以降は自宅で隠居生活を送っていた。
◇   ◇
 なお、遺族の希望で弔問、弔電、香典、供物、供花は辞退。お別れの会の日時、場所は決まり次第、滋賀夕刊、しが彦根新聞の紙面で告知する。

浜松市井伊谷の「井の国会」彦根訪れ井伊直虎(次郎法師)PR

 井伊家発祥の地、静岡県浜松市北区引佐町井伊谷の歴史愛好家団体「井の国会」のメンバーが先月17日、彦根市や多賀町を訪れ、再来年のNHK大河ドラマの主人公で生涯のほとんどを井伊谷で過ごした井伊直虎(次郎法師)をPRした。
 同会は毎年、引佐町や井伊家のゆかりの地を巡るツアーをしており、26回目の今年は36人が「井伊直虎ゆかりの地」と書かれた旗を手に持ちながら彦根と多賀を訪問。彦根へのツアーは6年ぶりで、午前中に多賀大社やその周辺を巡り、夢京橋キャッスルロードと四番町スクエアで買い物と食事をした後、午後には埋木舎や彦根城博物館、天寧寺を見学した。
 彦根には何度か訪れているという同会会長の石原正美さん(73)は「彦根はふるさとのような場所で、市民の皆様は何度訪れても私たちを温かく迎えてくれる」と笑顔で話した上で「直虎については、彦根でもまだまだ知られていない」と述べていた。

井伊直虎市民応援隊を設立

 再来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放映に合わせて、市民団体・ひこねを盛り上げ隊の隊長・正村圭史郎さん(47)が「井伊直虎市民応援隊」を設立。先月17日に彦根市民会館2階で立ち上げ式を開いた。
 直虎は彦根藩初代藩主・井伊直政が幼少期のころ、養母として直政を育てた尼の次郎法師の別称。当時は井伊家存続の危機にあった時代で、その危機を「女城主」井伊直虎とかたり、指揮したことで知られる。直政のはとこにあたる。
 正村さんは、約1年後の大河ドラマの開始に合わせて、彦根市民らに直虎について知ってもらおうと「応援隊」を設立。月1回のペースで勉強会などを開く。地域の自治会や子ども会などの集まりにも講師として駆けつけるという。
 正村さんは「来年の今ごろは、多くの人が直虎について知ってもらっていることを目指しがんばりたい」と話している。入隊は自由。問い合わせは正村さん☎090(3673)2277。

2016年1月5日火曜日

未婚の息子・娘の親同士による「お見合い」、1月21日にホテルサンルートで

 未婚の息子・娘の親同士による「お見合い」イベントが、1月21日に彦根市旭町のホテルサンルートで開かれる。主催の良縁親の会(京都市)では参加者を募集している=写真は別会場で。
 平成22年の総務省の国勢調査結果によると、年齢別の未婚率は男性の25~29歳が71・8%(平成2年時65・1%)、30~34歳が47・3%(同32・8%)、女性の25~29歳が60・3%(同40・4%)、30~34歳が34・5%(同13・9%)と、いずれの年代も20年間で未婚率が大幅に上昇。特に女性の晩婚化が進んでいる。
 企業などによる婚活支援は当事者同士が対面してのお見合いとなり、入会金や成婚時の支払い、報告義務などが必要だが、同会による親同士のお見合いは参加費のみで報告義務もない。
 同会では平成16年に京都市内で親同士のお見合いイベントを開いたのを皮切りに、これまでに近畿・東海地方を中心に全国各地で計245回開催。継続して出席している親もおり、これまでに延べ約2万人が参加している。県内では近江八幡市と大津でも開いており、彦根は平成24年1月の開催以来。
 参加希望の親は、子どもの職業や学歴、趣味、資格、婚姻歴、相手の条件などを所定の書類に記入し応募。後日、住所と氏名以外が記された書類が性別ごとに送られ、希望の相手を選択し、当日、相手の親と面談をする。
 対象は50歳ぐらいまでの独身の息子・娘を持つ親。参加費は親一人1万1000円。先着100人。当日は午後0時半~受付。子どもの写真の持参を。
 同会代表理事で長浜出身の脇坂章司さんは「誰しも結婚したい気持ちがあるはずですが、社会情勢や出会いの無いことで結婚難になっている。私の出身地でもある滋賀北部は気になる地区。親御様がんばってください」と来場を呼びかけている。問い合わせは同会☎075(213)0506。