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2011年8月31日水曜日

映画・学校をつくろう 原作・蒼翼の獅子たちの作家・志茂田景樹さん講演

 彦根藩士・相馬永胤(ながたね)らの活躍をえがいた映画「学校をつくろう」の上映会が27日、ひこね市文化プラザであり、上映前には原作本「蒼翼の獅子たち」の作者・志茂田景樹さんが講演=写真。約200人を前に、明治時代の若者の活躍を紹介しながら、現代の若者に奮起を促した。
 志茂田さんは、平成11年結成の「よい子に読み聞かせ隊」の隊長として全国各地を巡回している。東日本大震災後には大船渡市(岩手県)など被災地にも訪問。「被災地の子どもたちの心にふれたことで、逆に元気と勇気をもらった」とし、志茂田さんが戦後焼け野原の光景を見た5歳の時に「すっきりした」という思いだったことをあげて「今から考えるとその光景は新しいものが築かれていくという希望を抱いていたのではないか」と述べ、被災地の子どもたちとなぞらえた。
 映画に登場する相馬永胤ら4人の若者については、まず相馬らよりも10年以上前の世代の坂本龍馬や大久保利通、伊藤博文らをあげ、「みんな、古いままでは新しいものを築くのに邪魔になるという考えの持ち主で、壊していった人たちだった」と紹介。「その人たちが築いた上に種をまいたのが相馬たちだった」と解説した。
 相馬については、祖父が桜田門外の変後に直弼の首を引き取りにいったことや、戊辰戦争では彦根藩士として新政府軍で活躍したこと、米国留学して経済と法律を学び、仲間と専修学校(後の専修大学)を設立したことなどを説明。
 そのうえで「明治以降の日本を導いてきた共通の価値観に対し、現代は新しい価値観を生み出す時期にある」、「それを築くのは若い人たちの仕事だ。新しい時代の幕開けをつくってくれるのではないか」と話し、映画「学校をつくろう」には「(若い人への呼びかけが)随所ににじみ出ている」と宣伝した。
豊郷でも3日上映会
 映画「学校をつくろう」の上映会は3日午後1時~豊郷町の岡村本家でも開かれる。井伊家十八代目当主・直岳さんの講演後、上映会。前売り600円。チケットは目加田さん℡090(1076)2295。

2011年8月29日月曜日

家庭訪問型の子育て支援・ホームスタート滋賀県内初導入目指す ひこね・育ちのネットワーク

 彦根市中薮町の元スクールソーシャルワーカー・広田幸子さん(57)らが立ち上げた団体「ひこね・育ちのネットワーク」では、家庭訪問型の子育て支援「ホームスタート」(※)の市内での実現を目指し活動を始めている。
 ホームスタートは、ひきこもりがちな親や、さまざまなストレスを抱えた家庭が対象。研修を受けたボランティアが週に1回約2時間を2、3カ月間訪問し、悩みを聞いたり、家事を一緒にしたりして友人のように接することで母親が安心し、ほかの支援や地域の人たちとつながることができるよう、そのきっかけづくりを応援している。
 広田さんはこれまでの子育て支援活動で、人との関わりがうまくいかない子どもたちに出会い、就学前の育ちの大切さを痛感。ホームスタートの必要性を感じ、彦根市内での導入を目指し今年4月に同団体を設立した。来年にはNPO法人化する予定で、以降は勉強会や養成講座を開講して、家庭訪問をするボランティア員を増やし、3年後の開始を目標にしている。県子ども・青少年局によると、ホームスタートを導入している市町は県内ではないという。
 広田さんは「子育てに悩む家庭の親を早期に支援できるようにしたい」と話している。
 ※【ホームスタート】1973年に英国で始まった。日本ではNPO法人ホームスタート・ジャパン(東京都新宿区)が2008年に開始し、現在までに12都県で24組織が活動している。調整役の「オーガナイザー」が家庭訪問をした後、各家庭に合った「ビジター」が2、3カ月間訪問する。親と対等な立場になることや経済的な配慮から、支援はボランティアで行われる。
母親同士の仲間づくりに
 ひこね・育ちのネットワークは、9月6日から10月4日まで計4回、母親たちの仲間づくりを目的にした「出会いのひろば」を開く。
 開催日・テーマ・講師は▽6日=「ワークショップ~ぶっちゃけ しゃべり場」・広田さん▽16日=「手作り甘酒でおいしいスイーツを作ろう」・つぶつぶ雑穀料理「ひなたぼっこ」大森かおりさん▽27日=「発達障害って な~に」・広田さん▽10月4日=「おはなし玉手箱~こころも体も親子でリフレッシュ」・トラのパンツ。
 対象は就学前児童の母親。場所はひこね燦ぱれす、16日のみ市男女共同参画センター・ウィズ。16日の持ち物はエプロン、タオル、ふきん、筆記用具、あればバインダー、材料費500円。参加費は1回500円、託児一人300円。先着20人。申し込みは同団体℡080(3034)4971。

2011年8月28日日曜日

姉妹都市・米国ミシガン州アナーバー市の小学生から彦根市へ、被災地激励の絵届く

 彦根市は25日、姉妹都市・米国ミシガン州アナーバー市の小学生から、東日本大震災の被災地の子どもたち向けに7月末に届いたお見舞いの絵=写真=を公表。翌日に、市職員を派遣しているビッグパレットふくしま(郡山市)に送った。
 送られてきたのはローガン小学校の1年生(当時)が画用紙(28㌢×22㌢)に描いた絵52枚と小さめ(22㌢×15㌢)の19枚。子どもたちが遊んでいる光景や虹、日の丸などの絵が描かれており、一緒に添えられてきた担任のアン・マリー・ボーダーズさんの手紙によると、震災で苦しんでいる日本の子どもたちを励ます気持ちを込めたものだという。
 デトロイト日本国総領事館、滋賀県庁を経由して彦根市に届いた。市はクリアファイルに入れて送付し、被災地の子どもたちに見てもらう。アンさんや同小学校の子どもたちからは義援金1400㌦も被災地へ送られている。

2011年8月27日土曜日

ミュージカル・瓶ケ森の河童に800人、小学生のカッパ合唱団も演技披露

ミュージカル「瓶ケ森の河童(かめがもりのしばてん)」の公演が23日、ひこね市文化プラザであった。オープニングとエンディングに登場した市内の小学生30人はかわいらしい演技を見せ=写真、約800人の観客からは盛んな拍手が沸き起こっていた。
NPO法人芹川など市民有志による瓶ケ森の河童ひこね公演実行委員会が、東京を中心に活躍する劇団「新生ふるきゃら」を招いて開催。地元の小学生たちで組織された「カッパ合唱団」は7月3日から歌や振り付けなどの練習を重ねてきた。
約2時間の劇中、最初と最後にそれぞれ10分ほど出演し、子どもたちは物おじすることなく練習の成果を披露。人間と自然が仲良く生きていくことの大切さを訴える作品に花を添えていた。

猛毒キノコ・カエンタケ 滋賀県内で猛威

 県は23日、猛毒キノコ「カエンタケ」=県森林センター提供写真=が県内各地で発見されていると発表。注意を呼びかけている。
 カエンタケはニクザキン科ツノタケ属のキノコで、手の指のような円筒型をしている。高さ3~15㌢で、表面は赤色か赤だいだい色。梅雨から秋にかけて発生する。県によると、コナラなどブナ科の樹木が枯れると、その約1年後から根元近くに生え始める。県内ではコナラなどが集団で枯れており、それに伴ってカエンタケも急増しているという。
 食べると、下痢やおう吐などのほか、運動障害、言語障害、多臓器不全などを起こし、回復しても小脳に後遺症が残る場合があり、死亡例もあるという。触れるだけでも皮膚に炎症を起こすことがある。
 県内では、長浜、大津、高島、野洲の各市内で発見されており、ほかの市町にも広がっている可能性が高い。森林群以外でも、枯れたナラ科の樹木があれば、公園など平野部でも生えるという。

2011年8月25日木曜日

彦根仏壇が中国デビュー 永楽屋が出品、販路拡大目的は海外初展開

 彦根仏壇が中国デビューを果たすことがわかった。滋賀県と滋賀経済産業協会が25、26日の両日、中国・湖南省で開く商談会に、永楽屋(芹中町)が出品する。
 彦根仏壇業界はこれまで、海外へ販路を拡大することはなかったが、同社では国指定の伝統的工芸品の彦根仏壇を中国の人たちに見てもらうと共に、富裕層を中心に日本製品が売れている日本ブームの中に加わろうと、同商談会に参加することにした。
 中国には寺院があり、仏教徒も多く、観音信仰も一般的。しかし「宗教」に対しては敏感なため、仏壇は宗教用品ではなく、インテリア商品の対象になるという。
 現地には宮川富子専務(64)ら2人が参加し、花鳥の彫りやハスの蒔絵、金箔加工など伝統技法を取り入れた小型品(高さ125㌢・幅65㌢・奥行き58㌢)を出品。すでに現地企業3社から商談の申し入れがあるといい、宮川専務は「日本の仏教の商品が、日本に仏教を伝えた中国でどのように評価されるのか楽しみ。日本の『本物』を紹介したい」と話している。
 彦根仏壇事業協同組合によると、彦根仏壇は過去に一度、パリへ展示されたことがあるが、販路拡大を目的にした出品は初めてだという。

児童たちがバスケットボールとチアリーダー体験 滋賀レイクスターズ選手たち講師に、教室も開校へ

 プロバスケ・滋賀レイクスターズの選手たちによるバスケットボールとチアリーダー教室が20、21日の両日、彦根市民体育センターであり、子どもたちが楽しみながら体験していた。
 バスケ教室には湖東・湖北の小学生18人が参加し、1~3年のキッズと3~6年のジュニアの各クラスに分かれた。児童たちは準備運動後、レイクスの根間洋一アシスタントコーチ(32)と長浜出身の伊戸重樹選手(26)らの指導を受けながら、ボールを使ってのトレーニング、ドリブル、ドリブルシュート、フリーシュートを体験していた。
 チアリーダー教室には3歳~小学6年生の女児7人が参加し、レイクスチアリーダーのヒサさんの手本を見ながら、バランス体操やスキップなど基礎を学んだ。
 彦根市立城南小2年生の小林優太君(7)は「シュート練習が楽しかった。この二日間で上手くなったと思う。伊戸選手みたいになりたい」と話していた。
バスケ教室を開校
 滋賀レイクスターズは、今年10月5日~来年3月までの半年間、彦根市民体育センターでバスケットボールスクールを開校する。
 教室は毎週水曜夜。定員はキッズ(小学1~3年)、ジュニア(小学3・4~6年)の各クラス30人。月謝はキッズ6000円、ジュニア7000円。初心者歓迎。問い合わせは滋賀レイクス℡077(527)6419。

2011年8月24日水曜日

彦根梨の出荷作業始まる 幸水と豊水

 彦根梨の出荷作業が、石寺町の果樹工房で22日から始まった。
 彦根梨は、22戸の農家が曽根沼干拓地の約9・6㌶で栽培しており、朝5時ごろから収穫し、果樹工房に持ち込む。果樹工房ではパート職員らが一つずつ手に取って傷の確認をし、選果機で糖度や熟度を選別した後、袋詰めしている。
 品種は幸水と豊水で、今年の収穫量は100㌧を見込む。幸水の出荷作業は9月上旬までで、豊水は9月5日から10月上旬まで行われる。今年は天候に恵まれ、順調に育ったという。
 価格は1袋600円(幸水=1・4㌔、豊水=1・6㌔)、箱入りは幸水3200円(14~18玉)、豊水3000円(10~16玉)、幸水・豊水の両方1400円(5、6玉)。地元量販店やJA直売所で販売する。箱詰めの予約の問い合わせは彦根梨販売所℡0749(43)4174へ。

ラジオ体操に800人 多賀で生放送

 ラジオ体操の生放送が22日早朝、多賀町のB&G海洋センター体育館で開かれ、約800人がそう快な汗を流した。
 NHKのラジオ体操は昭和3年に始まり、今年で83年目。7月20日から8月末まで毎朝、全国各地を巡回し生放送している。
 この日は午前6時前から運動着姿の老若男女が続々と詰めかけ、同6時半にスタート。参加者らは壇上の体操指導者の掛け声とピアノ伴奏に合わせ、「第1」と「第2」を通して屈伸や背伸びなど全身を使った約15分の体操で、さわやかな汗を流した。
 彦根市本町1の辻晶夫さん(70)は「いつも彦根城天守前広場でのラジオ体操に参加していますが、今朝は大人数で楽しい。いい運動になりました」と話していた。

2011年8月23日火曜日

ひこにゃん田んぼアート 見学ツアー・稲刈り体験・写真パネル展

 彦根市石寺町の田んぼに描かれている「ひこにゃん田んぼアート」の見学ツアーが9月18日に行われる。
 対象は小学生以上で小学生は保護者同伴。午前9時までに荒神山自然の家(日夏町)のクラフト棟に集合し、荒神山の山頂まで登り、田んぼアートを見学。下山後にはクラフト作りも体験できる。
 持ち物は帽子、運動靴、軍手、タオル、飲み物など。定員100人。参加費はウォーキングのみが100円、弁当付きが700円、弁当とクラフト付きが1000円。申し込みは自然の家℡0749(28)1871。
アートの稲刈り募集
 彦根市は10月1日午前10時~行う「ひこにゃん田んぼアート」の稲刈り体験の参加者を募集している。
 対象は小学生以上で小学生は保護者同伴。持ち物はのこぎりカマ、手袋、タオル、長靴、飲み物など。午後3時ごろ終了。参加無料。定員300人。雨天時は2日に延期。弁当の有無は未定。
 申し込みは市ホームページからダウンロードした所定用紙に必要事項を記入しメールか郵送、メールで市農林水産課まで。今月31日まで必着。
田植え前から最新の写真展
 彦根市は22日から市役所1階ロビーで、ひこにゃん田んぼアートに関する写真パネル展を開く。準備時期から田植え作業(5月29日)、最新の様子までの写真約20点を展示する。開館は午前8時半~午後5時15分。今月31日まで。

2011年8月20日土曜日

殿様文化が続くのか―江戸期の徳川家と彦根藩・井伊家、現代の官僚支配と彦根市の同質性から―

 江戸時代の徳川家と彦根藩の井伊家。そして現代の日本の官僚支配構造とその末端の彦根市。両者を比較分析した場合、極めて似た体質をもっていることがわかる。
 「彦根市は殿様文化が続いている」と、市外の住民や市外からの移住者が揶揄する声を取材先等で頻繁に耳にするが、小生も同意見であるし、賛同する市民は多いのではないか。つまり、彦根はいまだに殿様文化を引きずっており、行政は殿様気取りで、市民は殿様頼りの資質だといえる。
 それは江戸時代から連綿と続く井伊家を頂点にしてきた体制の名残であるのは間違いなく、この体質は江戸を拠点に全国を支配した徳川家とその後の東京を中心にした日本の官僚支配体制の縮図でもあるようだ。
 経産省の現役官僚・古賀茂明氏は著書「日本中枢の崩壊」(講談社)で、「政治も行政も弊害ばかりが目立つ老朽化したシステムにしがみつき、目覚めない。日本国の『中枢』が改革する心を失い、危機を感じ取る感性さえない」と記している。いわば、現代の官僚を頂点にした支配構造は末期症状を迎えており、その打開策さえ見つかっていないといえよう。
 さて、今回のひこにゃんの取り扱いに対する「お願い」についてだが、ファンや閲覧者からの意見を総合すると「彦根市はひこにゃん人気という地位にあぐらをかいている」としか理解されておらず、「必要な対応をとらせていただく所存」という文言は傲慢極まりなく、脅迫まがいでもある。
 市政の柱の一つである観光施策は、ひこにゃんさまさまで好調が続いているようだが、回遊性や宿泊客の増など課題は一向に改善されていない。
 観光事業は受動ではなく、より能動的な姿勢が求められるが、市からその姿勢を感じることができないのは小生だけか。観光に傲慢さは致命傷となることだけは苦言を呈しておきたい。
 「自己を改めるには、まず自己を知ることからだ」。そのような言葉があるのかは存ぜぬが、それは組織でも同じことである。彦根市の殿様体質を改善し、他者に傲慢ではなく、謙虚さを感じさせるには、職員一人一人の自覚と改革への意欲しかなかろうに。
 官僚支配構造が崩壊しつつある昨今、その末端の彦根市行政も、「改革する心」と「危機であるという感性」を磨くことに間違いはないはずだが。【山田貴之】

ひこにゃんブログ・ツイッターなど使用規制に利用者から批判相次ぐ、市「誤解、過激発言のみ対象。自由に使って」

 彦根市がホームページ上に12日付け(その後17日付けに変更)で掲載した「ひこにゃんのホームページ・ブログ・ツイッターなどへの使用に関するお願い」に対して、ツイッター上で「キャラのイメージを壊す以外、問題ないのでは」、「ファンへの配慮がなさ過ぎる」などと批判するコメントが相次ぎ、混乱を招いている。
 市は、「ひこにゃんのイラストや着ぐるみの写真が一般の方作成のホームページやツイッターに掲載され、ひこにゃんが意見を述べたかのような誤解を与えているとの指摘をいただいた」「そのような利用はおやめいただくよう、必要な対応をさせていただく所存です」「そうした不特定多数の方が見ることができるホームページやブログ・ツイッターなどに掲載することはご遠慮ください」と忠告している。
 これに対して、ツイッターでは「みんなネットでひこにゃんをかわいいと思って、自分も会いに行きたいってなるのに。スッキリしない」、「愛・地球博のモリゾー・キッコロ、あるとき携帯の待ち受けでモリコロの目と口を入れ替えた画像が流行っていたことに対し、関係者は『人気である証拠、目くじらを立てることはない』と発言した。この人の爪の垢を彦根市(&もへろん)に煎じて飲ませたい」、「裁判の時といい、今回といい、ファンへの配慮がなさすぎる。猛暑の中がんばっているひこにゃんに恥ずかしくないのか」などと非難する意見があがっている。
 また、「キャラのイメージを壊す画像でなければ問題ないのでは。彦根市のHPの文章こそ、ファンの方々に誤解を与えている気がして、自ら風評被害を作ってしまってはないだろうか」、「ひこにゃんファンが一番のぞくであろう、ひこにゃんニュースやひこにゃんブログにはその件が載らず、返って混乱を招いている」などと、説明の不十分さを指摘する声もある。
 市の発表を見て、ツイッターのアイコンからひこにゃんの画像を消した利用者もいる。
市、説明不足認め釈明
 市のホームページに「お願い」文章を掲載した件について、総務課は滋賀彦根新聞の取材に、文章が「言葉足らずで誤解を招いた」と釈明。そのうえで、ひこにゃんの写真などをブログやツイッターなどで使用を控えるよう要請したことには、「ひこにゃんの写真を使ってネット上で政治や宗教問題などについて過激なコメントをしている方のみを対象にしている。それ以外の方は自由に使ってもらって良い」と返答。「文章については再度、協議をし、直す方向で検討したい」としている。

一箱古本市・ひこねウモレボン市で被災地へ送る古本募る

 21日にスミス記念堂(彦根市本町3)で開かれる古本市「ひこねウモレボン市」では、東日本大震災の被災地へ送る古本の寄付を受け付ける。
 ダンボール箱に入れた古本を持ち寄って東京・不忍ストリートなどで開かれている「一箱古本市」を、彦根でも開催しようと、団体職員の御子柴泰子さん(24)=彦根市須越町=らが企画。
 当日は10人が15箱程度分の古本を持ち寄る。開催時間は午前10時~午後4時で、午後1時~はライブもある。
 被災地へ古本を送る活動は、「一箱本送り隊」(本部・東京)がすでに進めており、御子柴さんは同隊を通じて被災地へ送る古本を募集。絵本や漫画などの子ども向けのほか、料理や旅など趣味の本の寄付を受け付ける。古本市への入場は無料だが、本の送料代としての投げ銭(寄付)も募る。
 御子柴さんは「図書館や書店が地震や津波で被害にあい、被災地の方々は本を読めない生活を強いられている。少しでも多くの本を送りたい」と、協力を呼びかけている。

2011年8月19日金曜日

滋賀県護国神社で全国戦没者追悼慰霊祭 山本賢司宮司「自虐的批評は当時の人々へ失礼」

 終戦記念日の15日、彦根市尾末町の県護国神社(山本賢司宮司)で全国戦没者追悼慰霊祭が営まれ、県内の戦没者遺族や自民党の県議ら約200人が参列した。
 慰霊祭では、山本宮司、県遺族会の松井尚之会長、県議、彦根市遺族会の西田惣次郎会長の順で玉串を奉てん。その後、東京・日本武道館での全国戦没者追悼式の模様がラジオで流され、正午のアナウンスに合わせて1分間の黙祷をし、天皇陛下のお言葉を聞いた。
 慰霊祭後、参列者を前に山本宮司は「戦時中の日本は貧しい生活だった。幸せな生活をしている現代の人間が当時の人々を批判するのは極めて失礼。自虐的な批評はいかなるものか」と話した。
 県議のうち彦根からの参列者は西村久子、細江正人の各氏(いずれも自民党)。県内選出・出身の国会議員からは、民主党の三日月大造衆院議員と自民党の有村治子参院議員(全国比例)の各秘書が出席した。

2011年8月15日月曜日

頼りない民主党へⅢ ―欺瞞政治のなれの果て―

 お盆の時期を迎えた今日、我々国民は、間もなく退陣し(ずいぶん前から)死に体と化している現政権に対して、同情にも値しない哀れみさえも禁じ得ないが、「多くの国民」が民主党を支持し政権交代が成された平成21年8月30日から、2年を迎えようとしている。
 「多くの国民」はなぜ、民主党に政権を与えたのか。一つは、先の自民党政権による既得権益がらみ(政官財癒着構造)の政治手法への嫌悪感や、民主党が掲げた脱官僚・「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズへの期待感から。
 二つ目には、民主党が「ぶら下げた」、子ども手当、戸別所得補償、高速道路無料化、高校授業料無償化のいわゆる「バラマキ4K」という甘い人参に食いついてしまったからである。
 一つ目の耳障りの良いコピーへの期待感は既に虚無感へと変わっており、ここで述べるまでもなく、小生が問題視したいのは4Kについてである。4Kには政権交代直後から財源面で疑問視され、小生も当時のコラムで「必ずしも党の政策を国民が評価したのではないという前提の基で政権運営を担うべきだ」「大局的視点に立ち、抜本的な見直しを恐れる姿勢も必要である」と指摘していた。約2年が経ち、ようやく党内でも4Kなどが実現できないことに気づき始めたようで、党幹部が見直しを表明している。
 先の東日本大震災後に、石原慎太郎都知事は「日本人のアイデンティティーは我欲。天罰が下った」とコメントし批判されていたが、いかにも文学者らしい、良い意味で不器用で、奥深き物言いである。
 つまり石原氏の言葉に包含されているのは、4Kに飛ぶつくという、いわゆる我欲を満たそうとするお上頼みの国民性への警告であり、またこれも日本人の特性である付和雷同的な資質からの脱却を求めているのであろう。
 4Kに食らいつき、民主党政権を誕生させ、今になって後悔するのは自業自得だといえようが、それ以上に前首相が(自己を省みずに)現首相を「ペテン師」と呼ぶように、国民をペテンにかけるという欺瞞に満ちた同党の責任は重大である。
 トロイカ体制のうち、首相を務めた(ている?)角と飛車的存在(その実力は角と飛車以下だったが)の鳩と菅がこのザマである。頼りない民主党に「多くの国民」が愛想を尽かしたことは正しい選択であるが、そう遠くはないであろう次の総選挙までしばらく続く民主党政権に対して、「多くの国民」は欺かれることなきよう、冷徹な目をもつと共に、我欲を少しでも捨て、この国の礎を築いた、武士道精神を引き継いでいたあの時代の国民性に回帰することを決意する―。そのような時節にあるのではなかろうか。 【山田貴之】

2011年8月14日日曜日

彦根藩士・相馬永胤ら専修大創設の4人えがいた映画「学校をつくろう」上映会、原作「蒼翼の獅子たち」作家の志茂田景樹さん講演も

 彦根藩士・相馬永胤(ながたね)ら専修大学を創設した4人をえがいた映画「学校をつくろう」の上映会が、27日と9月3日に開かれる。27日には、映画の原作でもある小説「蒼翼の獅子たち」の作家・志茂田景樹さん=写真=の講演会もある。
 4人は相馬のほか、愛荘町目加田とゆかりがある目賀田種太郎、駒井重格、目尻稲次郎。そのうち相馬は、桜田門外の変後に井伊直弼の首を取り返したとされる相馬隼人を祖父にもち、明治元年(1868)の戊辰戦争では彦根藩士として新政府軍に参戦し活躍。明治8年からは米国留学し、法律と経済を学んだ。その時に出会った目賀田らと同13年に専修学校(後の専修大)を創設し、後に学長に就任。その後も横浜正金銀行頭取、衆議院議員などを務めた。
 映画では異国の地で出会い、武力ではなく学問で国を変えようとする4人の男たちの青春をえがいている。27日は文化プラザで午後1時~講演・同2時15分~上映、3日は岡村本家(豊郷町)で午後1時~井伊直岳さんの講演・同2時15分~上映。いずれも前売り600円。チケットは文化プラザ、岡村本家、戦国丸で。
入場券プレゼント
 滋賀彦根新聞社は、27日と9月3日の「学校をつくろう」上映会の入場券をペア2組ずつ(計8人)に進呈します。希望者は住所、氏名、年齢、連絡先(携帯電話)を記入し18日必着で郵送かファクス、メールで弊社まで。当選者は本紙20日付で発表しますので、電話連絡のうえ弊社まで券を取りにきてください。

アダルトサイトのトラブル急増 震災関連の被害も、滋賀県消費生活センター相談内容

 県消費生活センターは10日、昨年度の消費生活に関する状況を発表。アダルト情報サイトに関するトラブルが急増していることが明らかになった。
 相談数は前年度より1113件減の1万2941件だったが、そのうちネット上での情報やサービスに関する「デジタルコンテンツ」が2115件で、中でもアダルトサイトに関するものが61・5%を占めた。
 「無料アダルトサイトの利用規約画面で『ハイ』をクリックした途端に料金を請求された」(60歳代男性)、「音楽サイトで年齢を入れるとアダルトサイトの画面に変わって9万9800円を請求された」(19歳学生)など、被害にあった年齢幅は広く、デジタルコンテンツの相談は各年代ともトップとなっている。
 続いて多いのが「フリーローン・サラ金」で、年々年齢層が高くなっているのが特徴。高齢者がトラブルに巻き込まれる件数も年々増加しており、特に未公開株に関するものが多い。
 ほかにも「原発がダメになった後として二酸化炭素排出権取引相場があがる、としつこく言われて契約した」など、東日本大震災を利用する勧誘もあった。消費生活に関する相談は同センター℡0749(23)0999。

2011年8月13日土曜日

豊郷小学校旧校舎群内に彦愛犬の特産品店「近江湖東屋」オープン

 豊郷小学校旧校舎群内に10日、彦愛犬の特産品を販売する「近江湖東屋」がオープンした。
 旧豊郷小にはこれまで、旧図書館でアニメ・けいおん!の関連グッズなどを販売していたが、ほかの来館者や中高年向けの土産品は置いていなかった。
 近江湖東屋では、運営主体のNPO法人近江湖東ネットに加盟する彦愛犬の15事業所の商品を販売。近江牛弁当、うなぎ弁当、ようかん、パンプキン焼きの菓子、地酒など飲食品のほか、にゃんにゃん七剣士やよいとちゃんなど彦愛犬のゆるキャラグッズを置いている。開店は午前10時~午後5時、水曜定休。

芹川農園で彦根りんご収穫祭 子ども200人が「平成」・「文化」500個とる

 彦根りんごの芹川農園(中薮町)で11日、収穫祭があり、子どもたちが彦根りんごの収穫を楽しんだ。

 彦根りんごを復活する会などが平成18年11月に市有地約1900平方㍍を借り受けて農園を整備。「平成」、「文化」、「芹川」の3種の彦根りんごの苗木を植え、育ててきた。同20年に初めて実をつけて以降、毎年夏に地域の子どもを集めて収穫している。
 今年は果実は少なかったものの、平成6本、文化3本の木にゴルフボール大ほどの実をつけた。収穫には彦根乳児保育所(中薮2)の園児や金城・平田・城西・佐和山の小学生、ほかの学区の子どもたち計約200人が参加。りんごを見つけては「ちっちゃい」「かわいい」などと言いながら、収穫しかごに入れていた。
 収穫されたりんごは約500個で、1人3個ずつ提供された。収穫後は、隣の公園で流しそうめんと大道芸も行われ、園内は子どもたちの歓声で賑わっていた。

2011年8月11日木曜日

日本イコモス国内委員会 彦根で理事会と市主催・彦根城世界遺産登録研究会9月10・11日

彦根城世界遺産登録推進委員会の会議が5日、市役所であり、来月10、11日の両日、来彦予定の日本イコモス(国際記念物遺跡会議)国内委員会へのプレゼン用資料が提案された。
イコモスは1965年に設立された国際的な非政府組織(NGO)で、加盟国の専門家で構成。世界の文化遺産の保存を目的に、世界遺産登録の審査やモニタリングの活動をしている。参加国は約110カ国で会員は9000人以上。日本イコモス国内委員会は国内のイコモス会員で組織の機関。
彦根では、9月10日に理事会、翌11日に彦根城世界遺産登録研究会を両日とも彦根城博物館の講堂で開催(いずれも非公開で研究会後に記者会見)。11日の研究会は市主催で、市の彦根城世界遺産登録推進室が「彦根城と城下町」をテーマにプレゼンを行い、委員からの質問を受ける。
彦根城世界遺産登録推進委員会の会議では当日、示されるプレゼンの概要書の案が示された。概要書では、彦根城や城下町の歴史、資産一覧、市のこれまでの取り組み、「評価基準」に対する説明書き、推薦に向けた課題などを紹介。これに対し、委員からは「プレゼン時間が限られているため、課題は省いては」、「市の取り組みをもっと強調しては」などの意見が出た。

彦根夏の陣フィナーレ 彦根ばやし総おどり大会、グランプリ=ひこねを盛り上げ隊 小江戸実感劇場

彦根夏の陣の締めくくりとして、彦根ばやし総おどり大会が8日、市内商店街であった。
27団体の約1300人が出場し、彦根ばやしの音頭に合わせて、中央・銀座・登り町グリーン通り・リバーサイド橋本の各商店街を踊りながら歩いた。
 参加者のほとんどは浴衣姿だったが、着ぐるみや河童(かっぱ)、女子高生に変装した人もいて、約2万5000人の観客の人気を集めていた。各賞の受賞団体は次の通り。
▽グランプリ=ひこねを盛り上げ隊 小江戸実感劇場▽準グランプリ=彦根青年会議所▽審査員特別賞=彦根商工会議所女性会▽オリジナリティー部門(独創的な踊り)=近江鉄道グループ▽コスチューム部門=ミュージカル・瓶ケ森の河童・河童大好き市民応援団▽チームワーク部門=彦根市体育指導委員協議会▽パフォーマンス部門=パナソニック電工彦根工場。

2011年8月10日水曜日

ミュージカル・瓶ケ森の河童 劇団・新生ふるきゃらの団員指導で出演小学生猛稽古

 23日公演のミュージカル「瓶ケ森の河童」(かめがもりのしばてん)に向け、出演する小学生30人が稽古(けいこ)に励んでいる。
 瓶ケ森の河童ひこね公演実行委員会では、オープニングとエンディングに舞台で歌う子どもの合唱団「かっぱ合唱団」を結成。7月3日に顔見せを兼ねて1回目の稽古をした。
 2回目となった今月7日には、ミュージカルで演じる劇団「新生ふるきゃら」の団員・小澤薫世(ゆきよ)さんが講師として東京から来彦。子どもたちは、小澤さんの指導を受けながら、歌の練習やせりふのタイミング、振り付けなどをした。
 稽古の合間に行われた妖怪の話では「河童」も登場し、子どもたちは逃げまどったり、触れたりして楽しんでいた=写真。草野誠仁朗君(7)=城北小2年=は「2人が声を合わせてせりふを言う所が難しい。本番までにはしっかりできるようにしたい」と話していた。
自然と仲良く生きる大切さ
 ミュージカル「瓶ケ森の河童」は23日午後6時~文化プラザグランドホールで。人間と自然が仲良く生きていくことの大切さを訴える作品。劇団の新生ふるきゃらは、文化庁芸術祭賞などを受賞し、バルセロナオリンピック芸術祭演劇部門に招へいも。大人3000円、子ども1000円、大人と子どもペア3500円。文プラ、ビバシティ・アルプラザサービスセンター、ウィズなどで販売。

日米学生会議実行委員会メンバー彦根仏壇学びに井上仏壇など訪問、米大生「地域で仏壇作すばらしい」

 日米の学生で組織している「日米学生会議実行委員会」のメンバーが8日、伝統の技を学ぶため井上仏壇店(芹中町)などを訪問。「七曲り三軒茶屋」では数珠ブレスレット作りにも挑戦した。
 同委員会は日米の友好を深めるために1934年に設立。戦後の混乱期を除いて奇数年に日本、偶数年に米国を行き来し合っており、各国の中小企業の見学や伝統技術の体験などで交流している。
 63回目の今年は日本の22大学と米国の27大学から学生36人ずつが参加。5グループに分かれて日本国内を約1カ月間まわっており、先月28日から新潟市内を訪れた後、今月5日からは大阪、京都、滋賀の伝統技術の中小企業を訪問。彦根には同委員会実行委員長の竹内智洋さん(20)のグループ14人(日米7人ずつ)が訪れた。
 一行は井上仏壇で彦根仏壇を見た後、金箔押しの宮本箔押店(芹中町)と佐渡錺金具店(新町)を訪れて伝統の技を見学。その後、七曲り三軒茶屋で数珠ブレスレット作りをした。竹内さんは「金箔がどれほど使われているのか、どれだけ時間がかかるのかがわかった。日本の伝統技術のち密さを改めて見ることができた」と話していた。
 米国ペンシルバニア州のハーバーフォード大学2年生のキャサリン・ヘーデンさん(19)は、日本の印象について「私たちがやっていることに興味をもってくれて、とても丁寧に接してくれる」と話し、彦根仏壇については「地域をあげて一つの仏壇を仕上げていることに素晴らしいと感じた」と述べていた。
 学生たちは10日から沖縄を訪れ、15日からは最終地点の東京に滞在する。



県立高校再編案 彦根・長浜市長再回答求めも県教委「再回答未定」

 県教委と嘉田知事は5日、高校再編計画原案の「白紙撤回」を求めて公開質問状を提出していた獅山市長らに回答書を届けた。獅山市長は「ゼロ回答だ」として、同じく統合高がある長浜市の藤井勇治市長と共に回答書を受け取らずに10日を期限に再提出を求めたが、県教委は8日、滋賀彦根新聞に「再回答するかを含めて、回答内容は未定」としている。
 質問状では、彦根市内の現在の0歳が高校進学を迎えるころには子どもの数は増えると推計しているとし「(統合により)3学級120人もの定員を削減する根拠は」と質問。これに対し県教委は「募集定員の削減は考えていない。地域の中学校卒業者数を踏まえて、定員を確保したい」と答えている。
 知事は「財政主導の原案であると考えていない。条例の提案は教育委員会で決定された後、所要の内容を確定してからとなる」としている。

2011年8月8日月曜日

ひこねウモレボン市 21日スミス記念堂で、不忍ストリートの一箱古本市

 古本をフリーマーケット方式で販売する「ひこねウモレボン市」が21日、本町3丁目のスミス記念堂で初めて開かれる。同実行委員会は出店者も募集している。
 東京の不忍(しのばず)ストリートには個性的な書店、古本屋などが並んでいる。そこで平成17年4月に、みかん箱一箱分の古本を持ち寄ってのフリマが行われ、以降、毎年春と秋に「一箱古本市」として開催。名古屋や仙台、鹿児島など全国各地でも行われるようになった。
 彦根市須越町の団体職員・御子柴泰子さん(24)らは彦根での一箱古本市を企画。実行委員会を立ち上げ、スミス記念堂内で「ひこねウモレボン市」と題して開催することにした。
 出店は一人3箱までで、料金は一箱スペースで500円。本のジャンルは問わない。詳細や申し込みはホームページかメール(umorebon@gmail.com)。御子柴さんは「彦根は古いまちだけど、古本屋がない。どのような古本が集まるのか楽しみ」と話している。当日の開催時間は午前10時~午後4時。午後1時~はライブもある。入場無料。

2011年8月7日日曜日

彦根城世界遺産登録の啓発用看板 彦根駅と市役所本庁に設置

 彦根市は彦根城の世界遺産登録の啓発用看板を、近江鉄道彦根駅構内と市役所本庁舎駐車場前に設置した。彦根駅のは「彦根城を世界遺産に」と書いた縦260㌢×横384㌢。市役所のは県道側が「未来へ残そう!彦根城を世界遺産」、駐車場側が彦根城は世界遺産の候補です!」と記した縦50㌢×横600㌢。いずれも天守閣のイラストも描かれている。

りそな銀行の子ども向けセミナー・りそなキッズアカデミー今年は大阪ガスと連携

 子どもたちがお金の役割を学ぶ「りそなキッズアカデミー」が2日、大阪ガスのショールーム・ディリパ彦根(大東町)で開かれた。
 りそな銀行では夏休み期間中、子ども向けの金融経済教育セミナーを全国で開いており、7年目の今年は大阪ガスと連携し「学ぼう!マネー&クッキング」をテーマに開講。
 彦根での教室には市内小学4~6年生8人と保護者が参加。子どもたちは2チームに分かれて、おもちゃの通貨で料理の具材を買うという想定で、お金の使い方を学んだ。その後、実際の材料で、大阪ガスの製品を使いながらカレーとサラダ作りに挑戦した。食事の後には、りそな銀行の職員が劇を通してお金の役割や正しい使い方を教えていた。

2011年8月6日土曜日

彦根ゆかたまつり写真集

 彦根ゆかたまつりが先月30日、彦根市の夢京橋キャッスルロードで開かれた。本紙記者が当日の様子をカメラに収めたかわいい子どもたちや「美男美女」の一部を紹介する(本紙8月6日の特集号にほかの写真も)

キリンドラフトカー来場 ひこね市文化プラザでJAZZビアホール、マンハッタン・ジャズ・クインテットのコンサートも

 キリンドラフトカーのビールを飲みながらジャズを楽しむ「JAZZビアホール」が、7日午後4時から文化プラザの屋外スペースで行われる。同日午後7時~は「マンハッタン・ジャズ・クインテット」(MJQ)のコンサートも。
 キリンビール、ソフトドリンク各種のほか、千成亭による近江牛コロッケ・焼き肉・特製フランク、池田牧場のジェラートなども用意される。県立大学Big×Bandによるライブも。入場無料。
 MJQは、NHKの「英語でしゃべらないと」にも出演するリーダーのデビッド・マシューズさんら5人で組織。2009年に結成25周年を記念して全国ツアーをして以降、今夏から再び全国ツアーを行う。
 入場料は3900円だが、会員3300円、学生会員2000円。申し込みは文化プラザ℡0749(26)8601。

2011年8月5日金曜日

映画・一命 登場の赤備え甲冑、夢京橋あかり館に展示 10日~玄宮園でも

 井伊家江戸屋敷を舞台にした10月15日全国公開の映画「一命」で使われた赤備え甲冑の展示が、先月30日から夢京橋キャッスルロードの夢京橋あかり館1階で始まった。10~12日は玄宮園の茶席・鳳翔台に展示される予定。
 赤備え甲冑は設置の高さが約2㍍で映画のために作られた。映画では座敷に備えられた形で登場する。展示は午前9時半~午後5時半、今月19日まで。スチールパネルによる映画紹介や予告編の映像も。観覧無料。

クルーズ船「megumi」乗船 琵琶湖上での環境学習に同行―「再生へ琵琶湖に関心を」

 クルーズ船「megumi(メグミ)」に乗船して琵琶湖上で環境について学ぶ、「びわ湖の『今まで』と『これから』」が先月30日、彦根港発着で行われ、県内外から60人が参加。本紙記者も乗船しツアーに随行した。
 びわ湖の日(7月1日)制定から今年で30周年を迎えたことを記念し県が県内で環境に関するイベントを企画。湖東では講演や事例発表、水質調査を行った。(山田貴之)
愛のまちエコライフ理事・堤昭子さん
 事例発表では旧愛東町で廃食油から粉石けんを作っている愛のまちエコライフ理事の堤昭(てる)子さんが、合成洗剤が琵琶湖の汚染原因とされた昭和56年に廃食油からの粉石けん作りを始め、現在では「愛シャボン」として愛東マーガレットステーションで販売している、と告知。「(環境だけでなく)自分の体にも優しいことを体験してほしいし、今後も良いことは継続していきたい」と述べ、「琵琶湖が滋賀だけでなく、京阪神の住民の飲み水になっていることを、しっかりと心に刻んでほしい」と話した。
伊吹山もりびとの会・長束憲一さん
 伊吹山もりびとの会の長束憲一さんは、伊吹山で生息する草花が、県内にある種類の半分以上の約1600種類あることを紹介し、「植物の多様性は日本でも有数だ」と説明。その上でセイヨウタンポポなど外来種が増えていることをあげ、「早く見つけて早く駆除するしかないが、伊吹山の場合は手遅れ状態だ」とし、「琵琶湖への予算は莫大だが、山への投資はまったくない。県でしっかりとしたポリシーがないと」と、県の施策を批判していた。
びわ湖の水と地域の環境を守る会代表・松沢松治さん
 松沢さんは「びわ湖と共に50年~漁師の眼~」をテーマに話した。漁師を始めた昭和36年のころの琵琶湖は▽魚や貝がいるのが当たり前で、漁師は琵琶湖の水を飲んでいた▽湖岸は砂浜とヨシ帯、松林で調和がとれていた―と説明。しかし昭和47年ごろから、農地のほ場整備や内湖・堀・川の道路化、琵琶湖に一直線の排水路型の川整備、砂浜への漁港や湖周道路の整備などが進んだとし、「人々は排水路となった川にごみを捨て、農業の濁水も流され、環境は悪化していった」「琵琶湖の魚も食べないようになり、人々が川や琵琶湖から離れていった」と述べた。
 県などが発表している琵琶湖の水質調査に対しては、「科学的な分析ではリンやチッソは減ってきているようだが、漁をしている人間から見れば、毎年、汚くなっている」と指摘。NPO法人家棟(やなむね)川流域観光船を立ち上げて子どもたちに環境学習をしていることをあげ「体験すれば、良くしようとする意識が出てくる」と語った。
 自然の再生については、「自然は緻(ち)密であり、再生は難しい。元の自然を取り戻すことはありえない」「人間は自然と共に生きる必要があり、滋賀県民は琵琶湖に関心をもち、共に生きるようにしなければ、琵琶湖は守れないのでは」と進言した。
「琵琶湖への意識もつ」
 脇坂七重さん(38)・凛太郎君(11)・草介君(4)親子=彦根市後三条町=は「松沢さんが話されていた50年前と今とでは(琵琶湖が)まったく違うことがわかった。琵琶湖への意識をもちたい」と話していた。
 ※(随行記)我々県民の多くは、琵琶湖保全への意識は高いとは言えぬであろう。その最大の理由は、接する機会がないからであるが、琵琶湖と共に生きる湖国民として、保全する使命はあるはずだ。遅きに失したが、何らかの形で関わろうではないか。

2011年8月4日木曜日

被爆ピアノのコンサート日本基督教団彦根教会で ピアニスト・佐渡春菜さんや声楽家・中嶋俊晴さんら

 原爆の傷が残る「被爆ピアノ」によるチャリティーコンサートが31日、日本基督教団彦根教会で開かれ、約100人が教会内に響く優しい音色に聞き惚れていた。
 国連平和デー被爆ピアノ平和コンサート実行委員会(事務局・神戸市)主催で、所有者の松葉曄子(まつばようこ)さん(85)=仙台市=に昨年2月に借りて以降、各地の教会や寺社などでコンサートを開いており、今月には県内の堅田と水口でもあった。
 彦根でのコンサートには、祖父が広島で被爆したピアニスト・佐渡春菜さん(25)=京都府亀岡市=や、飛び入り参加した彦根出身の声楽家・中嶋俊晴さん(25)ら5人が出演。
 佐渡さんのベートーヴェンのソロ演奏を皮切りに、東日本大震災後に作られた「しあわせの歌」、「アヴェ・マリア」、「千の風になって」など計15曲がピアノと二胡の演奏や歌で披露された。
 被爆ピアノについて演奏後、佐渡さんは「タッチの感じで音が異なる、良い意味で『おばあちゃんピアノ』だった。音楽が好きだった祖父にも届いてくれたのでは」と話していた。
 休憩中にピアノを弾いた彦根市須越町の宮川虎太朗君(11)は「原爆で飛ばされたのに今も良い音が出ていることにびっくり。傷も残っていて原爆は恐ろしい」と話していた。
 会場では東日本大震災の募金も行われ、実行委では年内に計画している被災地でのコンサート時に義援金として持参する予定。

2011年8月3日水曜日

田中優さん滋賀県立大学で講演、新しい「節電型電気料金制度」提案

 未来バンク事業組合理事長の田中優さんが先月31日、「福島原発事故から考える滋賀の私たちの暮らし」をテーマに滋賀県立大学で講演。原子力発電のさまざまな問題点を指摘しながら、脱原発を訴えた。
田中さんは「筋肉量が少ない女性ほど放射能汚染の影響を受けやすく、子宮などに蓄積された放射性物質(セシウム)が胎児に及ぼす影響が大きい」と説明した上で、「ナナメ型」(第三者的)の運動として水掛け論になりがちな自然エネルギーのみではない、新しい「節電型電気料金制度」を提案。電力ピーク時の為に原発を作るのではなく、既存の発電所の発電量に合わせたデマンドサイドマネジメント(消費者が電力供給量に合わせること)の導入を求めた。
 田中さんの講演会は同大の学生サークル「原発を反対という前に考える会」主催。講演の最後に行われた実行委員長の堀井宏祐希さんとの対談=写真=では「市民が正しい知識を持つことで変化は可能。最終的に原子力発電と心中する日本を選ぶか、スマートグリッド(電力需給を地域などで自律的に調整すること)による経済効果で安心と成長の国家にしていくかは、私たちの力にかかっている」と熱く語っていた。

滋賀県立高校再編で説明会、県教委「白紙撤回ない」

 県立高校再編計画策定に向けた説明会が31日、ひこね燦ぱれすで開かれ、統合対象の彦根西高PTAや教員ら約60人が参加した。
 県教委からの原案の説明後に質問の場が設けられた。男性からの「計画の廃止や凍結はあり得るのか」「大幅な見直しがあるのか」に対し、県教委は「白紙撤回は考えていない」「県民からの意見は十分に踏まえたい。見直しは今の段階で申し上げられない」と答えた。
彦根東や彦根工業などの定時制が廃止されて能登川高に単位制の定時制が創設されることには、男性が「北部から定時制がなくなり、中部にできることは疑問」「今後、働きながら定時制に通う子どもが増えると思うが、能登川の選択はあり得ない」などと指摘。県教委は「午後からと夜間のフレキシブルな制度とる」「単位制により今まで以上に主体的にすることができる」と返答した。
 西高と彦根翔陽の統合に関しては、西高の教員が「教員がリーダーシップをとって全体で学校づくりに取り組んできた」「制度設計だけで教育は変わらない。(統合ではなく)授業づくりに力を入れれば良いのでは」と質問。県教委は「さまざまな取り組みをされてきたことは高く評価している。再編により教育の中身を良くしていかないとならないと思っている」とした。
 統合完了時期を平成26年度としていることに、西高保護者からは「24年度以降に入学する子どもたちは(統合対象の)翔陽で卒業することになるのか」「各中学校でも統一した説明ができるようになるのか。受験生が少なくなるのでは」との意見に対しては、「入学した学校で卒業することが望ましい。中学校にもしっかりと対応したい」と述べた。

水合戦などで稲盆盛り上がる

 稲枝地域の夏祭り・稲盆が30日、田原町のみずほ文化センター一帯で開かれ、「水合戦」も繰り広げられた。
 市民ら約80人が稲枝の小学校区ごとに東、西、北及び連合軍の計4チームに分かれて「参戦」。持参した水鉄砲を手に小学生を筆頭に相手陣営の風船を先に落とそうと水を一斉噴射し、水風船が大将の頭上に落下すると歓声をあげていた=写真。会場では露店も多数あったほか、インド音楽のライブ、同楽器の伴奏での江州音頭などのユニークな試みに、1000人以上が参加し盛り上がっていた。

2011年8月2日火曜日

彦根・北びわ湖大花火大会に15万人

 彦根・北びわ湖大花火大会が1日、松原水泳場周辺で開かれ、夏の夜空に打ち上げられた花火の競演に約15万人(彦根市発表)が酔いしれていた。
 スターマインや全国の花火師による芸術花火のほか、ひこにゃん花火、被災地への追悼花火など約1万発が打ち上げられた。

2011年8月1日月曜日

彦根市立病院のヒマワリ満開、ラ・フルールの会種まく

 彦根市立病院の敷地内にヒマワリの花約300本が咲いており、来院者を和ませている。
 同病院の職員らで組織の「ラ・フルールの会」では、「病院内を花でいっぱいにしよう」運動をしている。その活動に感銘を受けた松原町の伊東城子さん(81)が花代として1万円を寄付。同会ではヒマワリの種を購入し、会員約10人が4月に敷地内にまいた。
 病院玄関から駐車場までの通路を中心に高さ50㌢ほどの小さなヒマワリが咲いており、同会によると、ここ2週間ほどが見ごろだとしている。同会の綿貫正人医師は「これからも通路をきれいな花道にして、来院者の皆さんをお迎えしたい」と話している。

日系カナダ人の収容所生活まとめた訳書「ロッキーの麓の学校から」、彦根からの移民も登場

 第2次世界大戦中の日系カナダ人の収容所生活をまとめた訳書「ロッキーの麓の学校から」=写真=がこのほど発刊された。本では彦根など滋賀県からの移民も登場する。
 日系カナダ人ジャーナリストのフランク・モリツグが、収容所に強制移住された子どもたちや、ボランティアで教育にあたった教師の戦後の手記をまとめて2001年に発刊。それを聖学院大学(埼玉県上尾市)人間福祉学部の小川洋(よう)教授(62)らが翻訳出版した。
 手記では、家畜用の悪臭がただよう建物や鉱山のゴーストタウンに収容された子どもたち、収容所の不十分な医療施設で息子を亡くした後に教師になった女性、反抗期を迎えた子どもたちの指導に奮闘する女性教師、日本へ送還後に収容されていた生徒たちと出会う女性―らの150編以上をまとめている。
 その中には、カナダのローズベリー校長を務めたオチアイ・カヨウ、ベイ・ファーム校長のツジ・タカシら、彦根市八坂町出身の移民も登場し、オチアイは写真も掲載。ほかにも、収容所での盆踊りで、一人の男性が「江州音頭」を歌ったことも紹介されている。
 小川教授は「ツジやオチアイ以外にも、彦根や周辺の方たちが登場しているであろう。地域の歴史の一部を構成する資料として参考にしていただければ」と話している。
 本はカナダ出版賞も受賞。出版先は東信堂(東京都)。A5判・404ページ、3800円(税抜き)。