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2020年3月31日火曜日

近江鉄道線の存続を確認

 近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会が25日、東近江市内であり、近江鉄道線を存続させる方針が確認された。今後は運営方式や各自治体の負担割合が焦点になる。
 昨年11月に近江鉄道線の存廃と今後の方針を決めるため、県と彦愛犬を含む沿線5市5町で同協議会が設置。今年1月末から2月末にかけて、沿線住民や事業所、高校大学、近江鉄道利用者を対象にアンケート調査を実施した。

3割「通学できず」
廃止した場合
 その結果、週1日以上の利用者は10代が多く、東近江、愛荘、多賀、日野の順で、月数回程度の利用者は70代が最多で東近江、豊郷、多賀、甲良の順番だった。通学で利用する高校生などのうち31・7%が「近江鉄道が使えなくなると通学できなくなる」と回答し、彦根翔西館高、水口東中、水口東高、水口高、八日市高、日野高、愛知高の順で近江鉄道線を利用。沿線の事業所では通勤の交通手段で28・3%が「近江鉄道」と答え、通勤で自動車が使えない場合は53・7%が「近江鉄道」に転換と回答した。一方で、もっと利用したくなるための改善点としては「運行本数を増やす」「運賃を下げる」「お得な割引切符」「トイレをきれいにする」の順番だった。
 アンケート結果による近江鉄道線の必要性については▽通勤、通学、通院のほか、高齢者や子どもら移動弱者の移動手段として大きな役割を果たしている▽沿線事業者の従業員の重要な移動手段で、経済活動にも貢献している▽鉄道が廃止されると自動車利用が著しく増加し、慢性的な道路渋滞の発生が予想される―などと報告された。

他分野へも影響大
社長「喜び感じる」
 また、近江鉄道線の存廃における公共交通分野以外の医療や商業、まちづくりなどの行政施策への負担額を比較した場合、現在の国県市町の財政支出と事業損失額が年6億7000万円の一方、廃止した場合の分野別代替費が19億1000万円以上になると公表。「存続する方か効果的」と結論付けた。
 最終的には「鉄道を存続するメリットが大きく、かつ廃止するデメリットが大きい」として存続を決定。市町の首長からの異論もなかった。協議会後、近江鉄道の喜多村樹美男社長は「全線の存続を認めていただき、鉄道事業者として喜びを感じています。存続にはより一層のサービス向上が必要であり課題も多い。​引き続き沿線のみなさまと協議を進めながら努力していきたい」と話した。
 3回目の協議会は5月ごろの予定。今後は運営方式や各自治体の負担額などを2020年度の前半に決め、20年度中に地域公共交通網形成計画の策定を目指す。また運営方式のうち、施設の整備と運営を第三セクターと会社側とで分ける上下分離方式を採用する際は、法定協議会で継続して話し合いが行われ、鉄道事業再構築実施計画を策定していく。

2020年3月29日日曜日

みんなの食堂 花しょうぶ通りにオープン

彦根市河原の花しょうぶ通り商店街に第5の街の駅「Minna(みんな)」が22日にオープン。初日は親子連れらが食事に訪れるなど賑わいを見せていた。
運営主体のNPO法人 芹川の河童(上田健一郎理事長)はこれまで、花しょうぶ通りの街の駅「逓信舎」で、引きこもりなど生きづらさを感じている若者向けに「誰にも会いなくないカフェ」を運営してきた。その中で若者たちが誰かの役に立ちたいと思っていることに気づき、拠点づくりとして築約100年の古民家を活用。「小さな孤独を無くして、みんなに居心地が良い」場を提供するための街の駅を開設した。

「恩送り券」でランチ
若者ら向けに提供
「Minna」では、主婦ら3人が一日店長となりランチを出す「みんなの食堂」と、絵本を貸し出す「地域子ども文庫みんな」をオープン。みんなの食堂ではフードバンクひこねや市内企業から提供のあった食材を使った料理や弁当、ケーキを提供していく。ランチがコーヒー付き700円、ケーキ・コーヒーセット500円、ランチとケーキセット1000円、弁当500円。
ほかに「恩送り券」を1枚1000円で販売し、700円を「誰かのための食事代」に、300円をNPO法人の運営費にあてる。経済的な支援が必要な家庭や若者たちは入り口に貼られた恩送り券を使って無料で食事ができる。店長のまとめ役の福原和子さん(39)=薩摩町=は「地域になくてはならない食堂にしていきます」と意気込みを語っていた。
みんなの食堂の営業時間は木金土の午前10時~午後3時で、同3時~同5時も街の駅としてオープン。2階はシェアオフィスやイベントのスペースとして活用。問い合わせは川崎敦子さん090(4287)7738。

2020年3月26日木曜日

彦根キャッスル リゾート&スパみやげ本陣に彦根イイプリンオープン

 彦根市佐和町の彦根キャッスル リゾート&スパの「みやげ本陣」内に今月28日、滋賀県産の食材で作ったプリンを提供する「彦根イイプリン」がオープンする。
 同ホテルを運営する一圓興産(佐和町)が彦根の新たな土産物作りと、彦根城を眺めながら幅広い年齢層に味わってもらえる商品としてプリンの専門店を企画。約1年かけて全国各地の10カ所以上のプリンの専門店を回って作り方などを研究し、彦根に合った「イイプリン」を考案した。
多賀の赤卵、伊吹牛乳など県産の食材を使用し、専門の機械を使ってその場で調理して提供。舌触りが良く、きび砂糖の優しい甘さが特徴だという。同社広報の重冨小百合さん(32)は「味が『良い』だけでなく、素材選びや滋賀産にこだわり、体や地元にも『良い』、三方よしの商品。自然豊かな滋賀の恵みを小さな瓶に詰め込みました」と話している。
1個80㌘、税込み390円。土産品としてのほか、天守が見える位置に設置するベンチでも食べられる。今後はほかの種類やプリンのソフトクリームの販売も予定。営業時間は午前10時~午後6時。オープン以降の問い合わせは同店☎(47)5110。

2020年3月23日月曜日

不登校や登校拒否の小中学生向けフリースクールてだのふあ芹橋の古民家内に開校

 滋賀県内の不登校や登校拒否の小中学生向けのフリースクール「てだのふあ」が4月、彦根市芹橋2丁目の古民家内に開校される。
 代表は県中央子ども家庭相談センターで一時保護所指導員を務める山下吉和さん(58)=城町2。山下さんは1987年から31年間、市内の佐和山、河瀬、稲枝西、旭森の各小学校で教員を務め、その間にさまざまな事情で不登校や登校拒否の子どもたちと出会ってきた。

芹橋の古民家活用
 山下さんは「息苦しい環境から子どもたちを解放し、本来持っている個性や能力を伸ばし、生きる力を取り戻す取り組みが必要」との思いを抱き、フリースクールの開校を決意。NPO法人善利組まちづくりネットが所有する築約120年の古民家一画の約26平方㍍を借りた。スクール名の「てだのふあ」は沖縄で「太陽の子」という意味。
小学校時代の教え子で不登校だった2人を含む6人と一緒に運営にあたる。陶芸、書道、華道、絵画、木工、登山、釣り、園芸などの分野の約30人の講師陣もいる。スクールは毎週月曜と木曜にオープン。午前10時~個別学習、昼食後の午後1時~創作・散歩・菜園・スポーツ・音楽など「てだのふあタイム」で、午後4時半まで。どの時間帯に登下校してもよい。

小中生 体験入学も
 山下さんは伊吹山の自然環境を保護する団体「伊吹山ネイチャーネットワーク」の事務局長も務めているため、月2回の金曜日には伊吹山登山をはじめ、釣りやカヌーなど自然教室も行う。月謝は週1回1万5000円、週2回2万円、自然教室のみ実費。3月1日に予定されていた開校式は新型コロナウイルスの影響で延期になった。
 山下さんは「さまざまな人との出会いが人間を変えていくきっかけの一つになる。子どもたちには一人一人が安心して暮らせる居場所を提供していきたい」と話している。小中学生10人を募集。体験入学あり。問い合わせは山下さん☎090(9099)4822。

2020年3月18日水曜日

井上仏壇の製品が全国伝統的工芸品仏壇仏具展で伝統的工芸品産業振興協会賞

 彦根市芹中町の井上仏壇の製品が、全国伝統的工芸品仏壇仏具展の伝統意匠部門で「伝統的工芸品産業振興協会賞」を受賞した。
 岐阜県の依頼主から2018年4月1日に「品評会に出品できる逸品を作って納品してほしい」との要望を受けた。彦根仏壇七職の職人約15人の技を結集する形で、約2年かけて高さ179㌢×幅130㌢×奥行き88㌢の仏壇を作った。
 漆塗りを通常の倍の約8カ月かけたほか、純度約98%の5毛色金箔や、プロダクトデザイナーのオリジナルの金具などを使用。随所に依頼主の家紋「剣に花菱」をあしらった。価格は税込み3520万円。
 全国伝統的工芸品仏壇仏具展は全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会などが3年に1回開催。24回目の今年は2月29日から3月1日まで東京都立産業貿易センターで開かれ、伝統意匠、新デザイン、仏具の3部門に全国から彦根仏壇の4点を含む53点が出品。井上仏壇の製品は上位クラスの伝統工芸品産業振興協会賞を受賞した。
 井上昌一社長(52)は「とてつもないプレッシャーの中だったが、ご期待にそえる製品ができた。すばらしい賞を頂いて、うれしい」と笑顔を見せていた。


議会人の務め

 2020年度の当初予算案について、小生は2月16日付の紙面で、前年度の予算案否決という惨事を繰り返さないでおこうとの市長の思惑が透けて見えるとして「議会迎合・自己保身予算」と批判。市議会に対しては「ただ単なる追認で良いのか」と指摘した。
 だが小生は当初、市議会一般質問などでの雰囲気から、予算常任委員会ではその「単なる追認」がなされると思っていた。しかし結果は委員会レベルと言え、否決という惨事を再び繰り返した。大久保市長の短絡的な思惑や自己保身の精神が市議に見透かされたのであろう。
 小生は以前のコラムで、市が提案する議案を承認するだけだった市議会に対し「ベルトコンベヤー議会で良いのか」と非難した。そういう観点からすれば、予算常任委員会で反対した6人の議員は議会人として、いな政治家としての務めを果たしたと言え、高く評価できる。
 そして焦点は本会議での採決の行方に移る。市がこのままの内容の予算で貫き通すのか、議会側から修正案が出るのか、そして鍵を握る最大会派の公政会の議員諸氏が「議会人としての務め」を果たせるのか―。俄然注目の市議会となった。【山田貴之】

2020年3月16日月曜日

彦根市議会予算常任委員会が2020年度当初予算案を再び否決

 彦根市議会の予算常任委員会が9日から11日まで開かれ、最終日の11日、2020年度当初予算案(483億円)を否決した。前年度も当初予算案が同委員会で否決され、本会議でも否決されている。23日に予定されている本会議の採決の行方が注目される。
 11日の同委員会では20年度予算案に対し、獅山向洋、谷口典隆、北川元気、角井英明の各議員が反対討論を行った。

谷口議員「市長の思いつき予算」
反対討論で指摘、公政会の判断焦点
そのうち谷口議員は予算案に盛り込まれた庁舎耐震工事や新市民体育センターの整備費については「否定するものではない」としながら「着手時期が重なったことは大久保市長の失政のツケだ」と切り捨てた。また特別顧問の招へい、ジョージア国・ムツヘタ市との交流、アジア国際子ども映画祭などについては「所管を置き去りにした市長の思い付き予算であり、無条件に認めることは厳しい」と指摘。「新型コロナウイルスの感染拡大により、市の税収が大幅に減ることが予想される中、どうしても必要な予算を見定める必要がある」と述べた。
 採決では公政会の長崎任男、野村博雄、森野克彦、夢みらいの赤井康彦、森田充の各議員が賛成したが、反対討論をした4人と辻真理子、公政会の小川隆史の各議員が反対し否決された。
 公政会だけを見ると賛成3、反対2。残りの所属議員7人を含め、本会議でどのような対応をとるのか注目される。

長久寺の樹齢800年以上の紅梅見ごろ

 長久寺(彦根市後三条町)の樹齢約800年以上の紅梅が見ごろを迎えている。
 同寺は長久3年(1042年)創建。紅梅は源頼朝が建久2年(1191年)に京都へ向かう途中、彦根の風土病にかかり、同寺で祈願した後に病が治ったことから、喜んだ頼朝自らが植樹。以降、「福聚の梅」と名付けられたとされる。また慶長5年(1600年)には徳川家康が来詣して宴を催したため、「御覧の梅」とも呼ばれるようになったという。
 幹回り約170㌢×高さ約6㍍。2006年6月に彦根市指定保存樹に指定。県緑化推進会の「淡海の巨木」にも認定されており、2015年度に幹部分の腐朽箇所の治療と支柱の整備が行われた。約10年前に隣に挿し木された紅梅も育っている。
 今年は暖冬の影響から2月中旬から開花し始め、今月初めから満開になっている。松山貞邦住職(71)は「今年も鮮やかな花が咲いた。一部では散り始めているが、まだまだ見ごろでは」と話していた。

2020年3月13日金曜日

新型コロナウイルス初感染で…

 時間の問題ではあったが、滋賀でも初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された。今後、彦犬地区をはじめ県北部でも感染者の発生があるかもしれないが、私たちには冷静かつ良識ある行動が求められる。
 特に量販店やドラッグストアで最も入手困難になったマスクを巡っては、国難に対して冷静な態度をとってきたはずの日本人が取り合いの喧嘩をしたり、言い合ったりする様子がネット上で騒がせている。マスク不足の深刻な状況に対し、国がメーカーからマスクを買い取ったり、異業種のメーカーがマスクを製造したりする事態にまで陥っている。
 この話題のマスクだが、その役割は感染者からのせきやくしゃみによるウイルスの飛沫予防であり、健康な者のウイルスに対する感染予防はあまり期待できない。つまりマスクは、感染またはその疑いがある者向けであり、それ以外の者にとっては気休めの道具でしかなく、WHOも推奨していない。
 一方で効果もある。人は無意識を含めて一日に何度も顔を触っているとされ、手に付着したウイルスが口や鼻、目の粘膜から侵入する恐れがあり、マスクを装着することで顔を触る予防にもつながる。
 マスク不足に伴い、マスクを手作りする者も出ており、インターネット上では作り方サイトが人気を集めている。ハンカチなどでマスクの形状を作り、中に医療用ガーゼを中に入れる方法だ。
 ウイルスに対し多くの人間は無力であり、できる予防策は限られている。マスクが手に入らないのならば、日ごろの手洗いとうがい、アルコール消毒の励行、そして密集する場所には近寄らない習慣をしばらくの間、心がけて実践するしかないだろう。(山田貴之)

2020年3月12日木曜日

新型コロナで彦根城天守など公開休止 文化プラザ休館、登場中止のひこにゃんは動画配信

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、彦根市は彦根城の天守など建造物の公開を休止すると発表。先月27日から城内などでの登場を中止しているひこにゃんの動画を翌日から配信している。
 公開休止になった彦根城の建造物は天守、天秤櫓、西の丸三重櫓、開国記念館、馬屋、旧池田屋敷、聴鍾庵、玄宮園の鳳翔台。城内への入城はでき、各建造物の入り口付近は開いているため、内部を見ることはできる。入場料や駐車料金は現行のまま。31日までの措置だが、変更あり。ひこにゃんの動画はいいのすけの公式ツイッターで1分ほど公開している。
 臨時休館になった市内の主な公共施設(5日発表分)は、市農村環境改善センター(グリーンピアひこね)、適応指導教室オアシス、北・中・南老人福祉センター、鳥居本宿交流館さんあか。
 彦根市は6日、申告所得税および復興特別所得税の申告期限・納付期限を4月16日まで延長すると発表。国税庁の発表を受け、申告期限を1カ月間延ばした。
 9日には文化プラザとみずほ文化センターが10日から16日まで臨時休館になると公表。期間中の申請や払い戻しは16日以外受け付ける。状況により臨時休館の延長あり。今月31日までの自主事業は延期または中止の措置をとる。

滋賀大 卒業式中止
県立大は規模縮小
 滋賀大学は26日に開催を予定した卒業式と修了式を中止する。滋賀県立大学は20日の学位記授与式を保護者や在学生を入れずに規模を縮小して開催する。

2020年3月9日月曜日

花しょうぶ通り商店街に第5の街の駅Minna誕生へ

 彦根市河原の花しょうぶ通り商店街に、第5の街の駅「Minna(みんな)」が今月22日に誕生する。2月23日には柱に色を塗るイベントが開かれた。
 運営はNPO法人 芹川の河童(上田健一郎理事長)。市内の学校で放課後児童クラブの運営にあたってきたほか、2017年9月から花しょうぶ通りの街の駅 逓信舎で引きこもりなどの若者に施設を開放する「逓信サロン」を開催。現在は「誰にも会いたくないカフェ」も運営している。
若者 高齢者 母親
一日店長も募集
 その中で、若者たちに「支援されるだけの側になりたくない」との思いがあることに気づき、「支援することもされることもできる」拠点を作ろうと、築約100年の古民家を街の駅として改装。Minnaでは生きづらさを感じている若者のほか、一人暮らしの高齢者や学生、子育て中の母親たちの居場所作りのために、食事を提供する「みんなの食堂」と、子どもたちに本を貸し出す「地域子ども文庫 みんな」としてオープンする。
 みんなの食堂の食材は企業や店、農家などから市場に出せない食品を活用。利用者は食事を食べたり、本を借りたりするほか、一日店長になったり、週に1日開店したりもできる。
先月23日にはNPOのメンバーや運営者らが内装工事中の柱をペンキで茶褐色に塗っていた。店長のまとめ役の福原和子さん(39)=薩摩町=は「店長さんそれぞれの個性を生かし、地域になくてはならない食堂にしていきます」と話していた。14日にプレオープンする。問い合わせは川崎敦子さん☎090(4287)7738。

2020年3月7日土曜日

新型コロナウイルス滋賀で初の感染確認、感染かなと感じたらどう行動する?

 滋賀県は5日、大津市の60歳代の男性が新型コロナウイルスに感染したと発表。県内での感染者の確認は初めて。今後、彦犬地区でも感染者が確認され、自分自身にも発熱など感染の疑いがある症状が出た場合、どのように対応すればよいのか、以下で整理する(記事は5日正午時点)。
 県によると、男性は2月24日に寒気を感じ、翌日昼から38・4℃の発熱があり、大津市内の医療機関を受診し、インフルエンザ陰性の診断だった。平熱になったため、27日に2時間ほど出勤したが、夕方に再び38℃台に。3月2、3、4日と医療機関で再診し、その日に別の医療機関で肺炎の疑いが判明。新型コロナウイルスの感染を確認するPCR検査で5日、陽性反応が出たという。男性は渡航歴はなく、行動内容や濃厚接触者を確認している。

発熱2~4日以上や倦怠感
公共交通使わず自家用車で病院へ
 新型コロナウイルスの感染の疑いがある症状は、▽風邪の症状や37・5℃以上の発熱が4日以上(高齢者や基礎疾患のある者は2日以上)続いている▽強いだるさや息苦しさがある。
これらの症状がある場合はまず、帰国者・接触者相談センターの彦根保健所☎080(2470)8465(平日午前8時半~午後5時15分)か、県薬務感染症対策課☎080(2470)8042(土日祝日含め24時間対応)に連絡する。感染拡大防止などのため、この段階でかかりつけ医など医療機関には訪れない。
感染の疑いがある場合は、専門の病院「帰国者・接触者外来」(非公表)が紹介される。対象者はマスクを着用したうえで、公共交通機関を利用せずに自家用車などで受診する。
今後、PCR検査が保険適用になった場合は、保健所を通さずに医師が検査をできるようになる。
 なお症状が出ていない場合の相談は彦根保健所☎(21)0283。

図書館、博物館が臨時休館
公民館、自然の家、市民会館も
 県内初の感染者の発表を受け、彦根市は5日、市新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、公共施設の臨時休館を決めた。
 臨時休館が決まった公共施設は市立図書館、彦根城博物館、各地区公民館、荒神山自然の家、高宮地域文化センター、彦根市民会館(市教委や水道部除く)が5日午後から、彦根市障害者福祉センターが6日から。いずれも3月末までの予定。
 また彦根市議会は5日に予定していた一般質問の残り5人から質問の取り下げの申出があり、行われずに終了した。

就学前児童の療育行う児童発達支援施設もものお庭が八坂町に

 社会福祉法人 愛悠ももの会(西村卓身理事長)は、就学前の乳幼児の療育を行う児童発達支援施設「もものお庭」を彦根市八坂町に設立した。4月の開所に向けて、見学を随時受け付けている。社会福祉法人の児童発達支援施設は県内初だという。
 同法人は2008年4月に長浜市に「ほいくえんももの家」、13年4月に彦根市小泉町に「ほいくえんももの家だいち」を設置。子ども一人ひとりに合った個別支援教育を重点に置いて保育にあたってきた。
その中で発達障害のある子どもに対して、同法人は「発達促進のためにより深く入っていく施設が必要」と判断。八坂町の2階建て延べ約300平方㍍の民家を購入し、0歳から5歳までの乳幼児を対象にした発達支援施設として県の指定を受けた。
 
訓練室など整備
「保護者と共に」
施設内は、マットやトランポリンなどを使った運動ができる訓練室、米国のラリー・メストネック博士が発達障害のある子ども向けに開発したおもちゃで遊べる遊戯室、子ども一人ずつに対面しながら保育できるセラピー室、相談室などを備えている。
職員は保育士のほか、小児科医、看護師、心理士、特別支援学校教諭などの資格を持つ16人体制。子どもの皮膚の様子、歩き方、走り方、バランスのとり方、発声、平衡感覚など一人ずつの特徴を見ながら発達支援にあたる。子どもは午前9時半に登園し、給食を経て午後0時半に降園するか、午後1時半に登園して同4時半に降園する午前と午後の教育カリキュラムを用意。運動や粘土・絵遊び、木工、植栽、音楽などをする。1日に1015人の子どもに対応する。
 西村久容(ひさよ)統括園長(54)は「子どもの居場所と生活を確保する保育を基本に、心と脳と体の発育を促せる専門的な療育を保護者の皆さんを交えた二人三脚で行いたい」と語っている。地域の子育て支援の拠点として施設の開放や子育てに関する相談にも応じていく。問い合わせはもものお庭☎(47)6608か、ももの家だいち☎(47)5500へ。


新工場・千成亭風土近江ファクトリー開所

 千成亭風土は彦根市野瀬町に精肉用の新工場「千成亭風土近江ファクトリー」を完成させ、2月25日に開所した。 
 平田町の本社に精肉をする約250平方㍍の工場があるが、一部の捌(さば)きや冷凍の工程を外部委託していた。新工場は敷地約1977平方㍍に建てられた2階建て延べ約1148平方㍍。1階に骨と肉・臓器をはがす捌き室、肉を成型する加工室1、ハンバーグを作る加工室2、加熱室、生食処理室、梱包荷造室、検収室などを整備。ほかに「商品の品質保持のために」0℃の冷蔵庫、マイナス25℃とマイナス40℃の冷凍庫を複数台ずつ設けている。
 千成亭風土は近江八幡市と湖南市に牧場を所有。年間で牛約500頭分の約8・5㌧の肉を処理しているが、今後5年間で2・5倍にあたる年間20㌧以上の供給を目指している。
新工場では従業員約40人のうち4人が捌きを担当する。上田勝之専務(53)は「捌き手を中心に人材育成と技術の継承も目的にしている。牧場についても拡張する予定で、将来は彦根にも牧場を整備したい」と語っていた。


2020年3月4日水曜日

放課後児童クラブや特別支援学級の児童生徒を一時預かり、新型肺炎で全小中校が臨時休校

 新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、安倍首相が2月27日に全国の小中高校・特別支援学校に臨時休校を要請したことを受け、彦根市教委は28日、すべての市立小中学校を今月2日から24日まで臨時休校すると発表。また2日には一部の児童生徒を学校で預かる措置も示した。
 受け入れる対象者は、特別支援学級に在籍している児童生徒、放課後児童クラブを通年利用している小学1年生から3年生の児童、放課後児童クラブを利用していないが、春休み期間の利用を申し込んでいる小学1年生から3年生の児童。期間は24日までの卒業式を除く平日の午前8時~午後1時で、午後1時以降は放課後児童クラブに引き継ぐ。
 小学4年生以上の放課後児童クラブは24日までの午後1時(土曜は午前8時)~同6時半に各学校で。卒業式は小学校で19日、中学校で14日の予定で、卒業生のみでの開催を予定。小学校のスポーツ少年団や中学校の部活動も中止になった。

子どもCなど休館
 彦根市は2月28日、市子どもセンター、東山児童館、ふれあいの館、市男女共同参画センターウィズ、ビバシティ2階のまんまるひろばを休館、市民交流センターと人権・福祉交流会館の貸館を中止すると発表。いずれも3月31日まで。稲枝体育館、小中学校体育館・グラウンド、彦根翔西館高校第2体育館、印刷局体育館も利用できない。

文プラ予防対策
お笑いに2400
 文化プラザは新型コロナウイルスの対策を行ったうえで、2月29日に市民大学講座、3月1日に「爆笑お笑いフェス」を開催した。
 市民大学講座には67人、お笑いフェスには1部、2部にそれぞれ約1200人が来場。文化プラザでは入り口にサーモグラフィーを設置、物品販売の中止、公演前の手すりやいすのアルコール除菌、マスク着用、入場口のアルコール消毒液の設置などで対応した。
 主催・共催の中止になった今月のイベントは、7日の大人の文化芸術体験講座、14日と26日の子ども向け伝統・芸術文化体験教室、29日の彦根エコーオーケストラ定期演奏会。今後のイベントについても感染予防対策を行うほか、来場者にも「会場内でのマスクの着用」などを求めている。

2020年2月29日土曜日

新型コロナウイルスの感染拡大防止で ひこにゃんの登場中止、市職員の時差出勤制度も導入

 新型コロナウイルスの感染が日本国内で広まっていることを受け、彦根市は27日、感染拡大防止のため、ひこにゃんの彦根城などでの登場を中止すると発表。また市職員の時差出勤制度も導入する。
 ひこにゃんは1日3回、彦根城天守前、彦根城博物館、四番町スクエアに登場しているが、27日午後3時の3回目の登場から中止。3月31日までだが、国内の感染状況を見て時期の変更を判断する。ほかの出演依頼を受けているイベントについても取りやめる。
 市の時差出勤の対象は、電車やバスの公共交通機関を利用しての通勤者のうち、幼保こども園や市立小中学校、市立病院、市消防署に勤務する者を除く職員。人数は市職員1575人(2月1日時点)のうち9・1%にあたる143人。対象者は、午前7時~午後3時45分または午前7時半~午後4時15分の早出勤務か、午前9時半~午後6時15分または午前10時~午後6時45分の遅出勤務をする。3月2日から開始で当分の間。

イベント中止相次ぐ
近江鉄道地酒電車も
新型コロナウイルスの影響で中止・延期になった彦根市内で予定されていた主なイベント・事業は以下の通り。
 【中止】▽29日=はーとふるメッセージ表彰式、市人権のまちづくり講演会、絵本を楽しむつどい、ひきこもり支援を考えるフォーラム▽3月1日=春の火災防御訓練、「認知症」の市民公開講座▽28日~1日=近江鉄道の地酒電車▽7日=市立病院健康講座、ひこね子ども文芸作品表彰式、高齢者・障害者なんでも相談会▽8日=市男女共同参画フォーラム、子ども科学教室▽14日=市権利擁護サポートセンター市民向け講座、絵本を楽しむつどい▽15日=三成の戦 九▽25日=彦根金亀ライオンズクラブの「心に愛を手と手をつなぐ饗演」▽4月=彦根城周辺パークアンドバスライド社会実験。
 【延期】▽3月1日=災害にも強い地域づくり交流会▽3日=生活支援ボランティア講座▽27日=送迎ボランティア講座。

2020年2月20日木曜日

議会迎合・自己保身予算

 2020年度の当初予算案の特徴を一言で表すなら、「議会迎合・自己保身予算」と言えるだろう。
 2019年度の当初予算案では大幅に事業を削減したことがあだとなり、市議会で予算案が否決されたが、そのような市制初の惨事、いな珍事を「二度と繰り返したくない」との市長の思いが透けて見える。そして、もし大幅に削減した新年度予算案を提案し、再び市議会で否決された場合、市長不信任案の再提出が濃厚のため、それを避けたいとの思惑もあったのだろう。さらに踏み込めば、来年春に市長選を控え、庁舎耐震や新市民体育センターなど大型事業を「実績」として積み上げたいとの狙いもあったに違いない。
 ただ、そのような市長の自己保身のツケは市民に回り、将来の子どもたちが負うことも忘れてはならない。市債残高は1000億円を超える見込みで、広域ごみ処理場など大型事業が残るため、更に次年度以降もその残高が増えるのは必至であり、実質公債費比率も悪化している。
 市長は給与削減案を2月議会に提案するが、市の財政状況の健全性にとってはすずめの涙程度である。
 「議会迎合」予算を受け、市議会は迎合をただ単に追認するのか、更なる行財政改革を求めるのか、2月議会を注目したい。【山田貴之】

2020年2月19日水曜日

2020年度の彦根市当初予算案は前年度比8・6%増の483億8000万円と過去最大規模

 彦根市は14日、2020年度の当初予算案を発表。一般会計は前年度比8・6%増の483億8000万円と過去最大の予算規模となった。昨年の2月議会で否決された19年度の当初予算案(一般会計443億6000万円)は大幅な事業見直しが市議会や市民の反発を招いたため、20年度は見直し事業を最小限に抑えた形だ。
 20年度の一般会計当初予算は、プレミアム商品券の発行事業終了による商工費が減少した一方、市役所本庁舎の耐震補強工事に伴う総務費や、(仮称)彦根市新市民体育センター建設工事の教育費、国スポ大会関連事業の土木費が増加した。
 歳入のうち、自主財源の大半を占める市税は景気の緩やかな回復に伴って個人市民税が微増したものの、法人税制の税率改正や海外の社会情勢の影響で減収となる見込みで、固定資産税を含む市税全体では前年度比1・5%減の175億9280万円だった。自主財源全体では財政調整基金の繰入金減で前年度から約10億円減り約219億円になる見込み。
 依存財源は地方交付税や市債の増加で全体として前年度比49億円増の約265億円になる見込み。

実質公債費比率が悪化
市債大幅増「財政一層厳しく」
 借金にあたる市債は大型事業の影響により、前年度の57億0260万円から57・9%の大幅増となる90億0400万円を発行。地方交付税の代替として発行する臨時財政対策債を含めた市債残高は前年度の991億円から増えて1027億円と6年ぶりに1000億円を超える見込みで、市民一人あたり(今年元時点で11万2975人)で概算すると90万9015円を負担することになる。
2018年度決算で実質公債費比率が前年度から0・2ポイント悪化の8・4%となっており、市は「国スポ・障スポ大会関連事業など大型投資事業の財源として多額の市債を発行する必要があり、実質公債費比率は増加する見込みで、今後の財政状況は一層厳しくなる」としている。
 貯金にあたる基金は財源不足を確保するため、特別会計を含め総額で約6億円を取り崩す予定。次年度の基金残高は約91億円を見込んでおり、特に財政調整基金は前年度比約3億円減の25億1078万円になる予定。
 なお特別会計(5会計)は、下水道事業会計が企業会計に移行したことから同23・3%減の200億3173万円、一般会計と企業会計(3会計)を含めた総額では同7・7%増の957億2753万円だった。

事業削減を大幅抑制
前年度87→新年度11
 昨年2月に発表した2019年度一般会計当初予算案では、87事業で11億7261万円分を削減。市議会の否決、暫定予算を経て示した当初予算案では69事業で10億6045万円を削減し、可決された。
 一方で20年度の当初予算案では廃止4事業を含む11事業で1457万円のみの削減だった。大久保貴市長は「必要な事業を見極めながら予算編成を行った」と述べるにとどめた。

一般家庭で例えると…
年収484万 借金90
 彦根市の一般会計予算案の総額を1万分の1にした、年収484万円の家計に例えると以下のようになる(単位はいずれも万円)。
 【年間収入】▽給料(市税・交付税)=270▽助成金(国・県支出金)=100▽銀行借り入れ(市債)=90▽定期預金解約(繰入金)=5▽そのほか(財産収入など)=19
 【年間支出】▽生活費(人件費、扶助費など)=288▽仕送り(繰出金)=62▽家の増改築など(投資的経費)=95▽ローン返済(公債費)=36▽預貯金(積立金)=3。

彦根城世界遺産へ滋賀県が「推進室」新設、市と「協議会」設置へ

 滋賀県は2020年度から、県教委の文化財保護課を知事部局の文化スポーツ部内に移行し、同課内に彦根城世界遺産登録推進室を新設。県と彦根市の連携を密にして、24年度の世界遺産登録を目指す。
 彦根市は、すでに登録済の姫路城との差別化を図るため、江戸時代の武士が城とその周辺に住み、一体となって統治していた社会構造に着目。「彦根城が武士による統治の仕組みを表した代表的な城だ」として、天守、櫓、藩主が住んでいた表御殿跡、旧藩校の弘道館跡、槻御殿、玄宮園、重臣屋敷の中堀より内側と埋木舎の範囲で登録を目指す。
 県も彦根市の考えに同意。新設する彦根城世界遺産登録推進室では、「推薦書原案」の作成に向けた学術会議や、学術会議委員・外国人研究者らによる国際会議の開催、市と設置する協議会で機運醸成のための広域的な啓発活動を行う。
県と市は2022年度に国からユネスコへ推薦書の提出、翌年度にユネスコからイコモスへの諮問とイコモスの現地視察を経て、24年度の登録を目標にしている。

ボランティア団体・個人からの情報提供求める

 彦根市社協の地域づくりボランティアセンターは今月を「ボランティア募集情報発掘強化月間」に指定。市内や近隣市町で活動しているボランティア団体・個人からの情報提供を求めている。
同センターは、「何か新しいことを始めたい」「自分の得意なことを生かしたい」「誰かの生活や街を良くしたい」などの思いを持つ市民らに、さまざまな団体の活動内容を届けようと、ボランティア募集のための掲示板設置などを企画した。
 子育て・学習支援、子ども食堂、清掃、庭仕事、イベント企画、話し相手などの活動をする団体からの情報提供を募る。
情報を提供したい団体は、専用の募集要項の用紙に「団体・個人名」「活動内容」「一言メッセージ」「活動日時」「体験会の有無」などを記入し、平日に市社協か金曜午前にウィズ内のボラカフェ彦根に直接持参する。今月28日まで。募集要項は市内の地区公民館、老人福祉センター、ウィズ、ボラカフェ彦根のフェスブックなどにあるが、「顔の見える関係作り」にこだわるため、ファクスやメールでの応募は原則不可。
 応募のあった情報は4、5月の2カ月間、分野ごとに市社協かボラカフェ彦根に掲示するなど広く発信していく。同センターの沼波洋子さん(36)は「ボランティアに関心がある人や別の分野の活動をやってみようと思う人など、集まったボランティア情報をあらゆる人たちに届けることができれば」と話している。問い合わせは同センター☎(22)2821。

2020年2月10日月曜日

宗安寺で巨大おみくじ使った彦根摩訶不思議御籤の授与開始、妖怪や怪談話の説明も

 彦根市本町の宗安寺は4日から、保管してきた巨大おみくじを使った「彦根摩訶不思議御籤(まかふしぎみくじ)」の授与を開始。「凶」が出た時には、同寺の秘仏・庚申(こうしん)尊にちなんだ厄除け猿(通称・くくり猿)を進呈する。
 巨大おみくじは、彦根夢京橋商店街振興組合が開催していた「いい福招福まつり」の「いいふく」にちなんだ高さ1129mm×幅約40㌢の六角柱形で、2006年1月に彦根仏壇の漆塗や金箔押しなどの技を使って作られた。5年ほど使用された後は宗安寺が本堂隅で保管してきた。

凶が出たら…厄除け猿進呈
ショウケラなど45種類用意
 宗安寺は巨大おみくじの再活用と、彦根に残る妖怪伝説や怪談話などを広めようと「摩訶不思議御籤」と銘打ち、授与を始めた。巨大おみくじの中には忌み数の「四」と「九」を除いた五十番までの45本のみくじ棒が入っており、引いた参拝者は大吉、中吉、吉、半吉、小吉、末吉、末小吉、凶の8種いずれかの運勢、助言、45種類の妖怪などの紹介文とイラストが記載された御籤と交換する。7種類の凶が出た場合は金色、朱色、紫色のいずれかの厄除け猿が進呈される。
 登場する主な妖怪などは、宗安寺に庚申の日に現れるという鬼のショウケラ、春先の西風の強い日に白い毛玉が飛んでくる高宮のおたまさん、長久寺のお菊の皿、彦根城地蔵堂の重軽石。イラストは「彦根妖怪図鑑」の絵を担当したイラストレーターの連藤久美子さんが手がけた。
 巨大おみくじだけで12㌔、みくじ棒を入れると約20㌔になるため、宗安寺は寺務所前にロープでつるして設置する。竹内真道住職(66)は「おみくじをしていただき、市内各所のお寺や名所参りをしてほしい。市民の皆さんにも楽しんで頂けるのでは」と話している。1回100円。問い合わせは宗安寺☎(22)0801。

2020年2月8日土曜日

中藪町に国際交流シェアハウスHIKOHOUSEオープン

 彦根市中藪町に国際交流のためのシェアハウス「HIKOHOUSE」がこのほどオープンした。オーナーで滋賀大学教育学部3年の沖本怜(れん)さん(22)=西今町=は「彦根を国際交流のまちにしたい」と意気込みを語っている。
 シェアハウスは1軒の住宅などを複数人が共有する居住スペースで、賃貸料や光熱費が安価になるなどの利点がある。彦根市内などでも古民家を活用し学生たちが一緒に暮らすシェアハウスがあるが、沖本さんによると、外国人と日本人の国際交流を目的にしたシェアハウスは県内で初めてだという。
 沖本さんは2017年2月に1カ月間、オーストラリアで語学留学をした際、さまざまな人種が当たり前のように生活している姿を知った。昨年4月からは休学し、東京都内の各所のシェアハウスで暮らしながらベンチャー企業で起業の仕組みを学ぶうちに、「オーストラリアのような国際交流ができる環境を彦根にも作ろう」と決意。

中藪町の民家活用
6人用の4部屋
 旧友が住んでいて空き家になっていた中薮町の築27年の民家を借り、昨年11月から約1カ月間、クラウドファンディングをして約61万円の支援を受けた。シェアハウスの対象者は国際交流をしたい30歳までの男女。男女ごとの2人部屋2室と1人部屋2室の計6人が一緒に暮らす。トイレや風呂、台所、座敷もある。
 沖本さんは「滋賀大や県立大の学生、留学生をはじめ、若者たちが彦根に愛着をもってもらえるための一拠点にしたい」と説明。今後は起業を目指す若者たち向け新たなシェアハウスのオープンも計画している。見学随時。問い合わせは沖本さん☎080(8307)3172。

2020年2月6日木曜日

滋賀大学の筒井正夫教授の退官記念講義 麗澤大学客員教授の西岡力氏もゲスト講演

 滋賀大学の筒井正夫教授(64)の退官記念講義が1月25日、彦根キャンパスで開かれ、学生や市民ら200人以上が受講。麗澤大学客員教授の西岡力氏もゲストとして招かれ、講演した。
 筒井教授は昭和61年(1986年)4月から34年間、滋賀大で教べんをとっており、今年3月末で定年退職する。近代日本社会経済史、思想史、都市計画などが専門。退官記念講義では「後世に伝えたい3つのこと」をテーマに、これまで研究してきた内容を中心に取り上げた。
 筒井教授は研究してきた富士紡績(現・富士紡ホールディングス)の事例について、「田舎から子女を預かった工場主が礼儀作法や自立心、さまざまな教養、働くことの意義などを教えた」と説明。一方で、工女を奴隷のように扱っていたとする一部の指摘に対しては「共産主義者によって描かれた戦前の紡績業の姿だ」と非難した。
 能登川の近江商人・阿部家については二代・市太郎の遺訓のうち「事を成さんには(中略)勇気を要す(中略)冨を善用せよ」をあげ「『三方よし』だけでは弱肉強食の国際的な競争を勝ち抜けない。勇気を出して開発し、何かを成し遂げる人になってほしい。国家のため、国益を考えることを重要」と熱く語った。

文化伝統、天皇制も熱弁
「日本人の誇りを取り戻せ」
 日本文化については、1970年代の米国の食習慣と病気の関連性をまとめた「マクガバン報告」を取り上げながら「雑穀や玄米、みそ汁、漬物、日本酒、茶など江戸時代中期までの日本の伝統食が世界で最も健康的とされる」と解説。和歌や俳句、茶道の文化のすばらしさも称賛した。
 天皇制については、「天皇は日本文化を守る中で象徴的な存在、聖なる存在だ」と述べる一方で「天皇を否定するのが共産主義者だ」と指摘。「戦後に共産主義者や戦勝国が植え付けた自虐史観ではなく、日本人が日本人としての誇りを取り戻すことを世界は求めている」とアドバイスした。

「東アジアは冷戦状態続く」
西岡氏が講演「韓国滅ぶ危機も」
 西岡氏は「激動の東アジア情勢と日本」をテーマに講演。1989年から91年にかけての東西冷戦の終結とソ連崩壊をあげながら「ソ連の崩壊で共産主義が負け、自由主義が勝ったが、中国は共産党の一党独裁政権であり、東アジアの冷戦は終わっていない」と解説。香港や台湾での民主化運動、中国国内のウイグルやチベットなどでの迫害を取り上げ「自由を求める戦いが繰り広げられている」と述べた。
 韓国については、「ムン・ジェイン政権は日米韓の同盟から抜け出そうとしている」と説明したうえで「韓国の行く末が変わってきており、激しい内部分裂が起こりうる状態」と分析。「北朝鮮と一緒になろうとする左派が支配する政権では韓国が滅んでしまう」との持論を展開した。

2020年2月3日月曜日

高宮町に黒いサンドイッチ販売店・戦国サンドがオープン

 彦根市高宮町に1月25日、黒いサンドイッチの販売店「戦国サンド」がオープンした。
 オーナーは福川晴貴さん(42)=甲賀市。竹炭の粉末を混ぜて作った黒いトーストを使用したサンドイッチが特徴。「戦国時代の歴史が好き」なことから、昨年11月に湖南市に1店舗目の「戦国サンド」をオープン。好評だったため、「歴史ある」彦根にも2店舗目を開店した。
 メニューはローストビーフ入りの「大名」、ロースかつの「武士」、ささみチーズフライの「関ケ原」など、戦国にちなんだ商品名をつけた30種。価格は430円~680円。4個ずつ用意している。
 福川さんは「彦根の皆さんに愛される店にしたい。彦根特有のメニューも今後、考えていきたい」と話している。木曜定休。午前10時~午後4時。問い合わせは同店☎090(6352)7283。

高橋良さん「麒麟」描く

 高橋美術(彦根市平田町)代表の高橋良さん(40)が、1月19日に多賀町中央公民館で開かれたNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」の放送開始の記念イベントで、ライブペインティングを実施した。
 当日は明智光秀が本能寺の変後に多賀大社に発令した文書「禁制」の公開のほか、記念講演会や初回放送のパブリックビューイングなどが行われた。
 講演会などの前にはライブペインティングがあり、高橋さんが180㌢四方の和紙に墨で「麒麟」を約40分かけて描いた。高橋さんは「躍動している麒麟を描きました。大河ドラマで多賀をはじめ滋賀が盛り上がるといいですね」と話していた。作品は町内の業者で保管されているが、一般公開も検討されている。

2020年2月1日土曜日

事故で店舗大破の理容店ヘアーサロン シロー26日に再オープン

 昨年6月の乗用車の衝突事故で店舗が大破した彦根市小泉町の理容店「ヘアーサロン シロー」が改築されて、1月26日に再オープンした。店主の北川清朗(しろう)さん(69)は「なんとか再開できそうで良かった」と安どの表情を見せている。
 北川さんによると、昨年6月29日午前1時20分ごろ、十代の男性が運転する乗用車が約30平方㍍の店舗敷地の半分ほどまで横向きで突っ込む事故が発生。入り口が破壊され、店内の理容用品が破損したほか、ガラス破片が裏手の母屋や車庫まで飛ぶなどの被害が出た。
一時は「廃業」も
店内リニューアル
 事故発生時、北川さんは店内のトイレを利用していたといい「衝突音にびっくりしたが、扉が閉まっていたのでけががなかったので良かった」と当時を振り返った。事故後、一時は廃業もよぎったが、「昭和52年から営業してきて、最低でも75歳まではやろうと思っていた。時間の経過に伴ってもう一度、店をやりたいという思いが強くなっていった」と語り、奥さんの一美さん(67)も「最後は夫の決断に任せた」と説明。以降は保険会社などとの協議を重ね、昨年1127日から改装工事に入った。
 新しい店では入り口や内装のほか、理容いすやシャンプー台などをリニューアル。北川さんは「約7カ月の休店でお客さんが離れたかもしれませんが、戻ってきてもらえると期待して、休店前通りのサービスを提供したい」と笑顔を見せていた。
 営業時間は午前9時から午後6時半まで。休店は月曜、第1・第3火曜。3台分の駐車場あり。問い合わせは同店☎(24)2101。

上岡部町の古民家で県立大生と親子連れ交流、かみおかべ古民家活用計画 SLEEPING BEAUTY

 彦根市上岡部町の古民家で26日、県立大学生と地域の親子連れが交流する「古民家節分パーティー」が行われた。
 県立大学は上岡部の築約140年の空き家を活用して地域交流をしようと、2011年に「かみおかべ古民家活用計画 SLEEPING BEAUTY」を立ち上げ、以降、地域住民と交流イベントを開いている。
 今年の節分パーティーには県大生5人、留学生3人、子ども9人、母親5人が参加。恵方巻を一緒に作った後、子どもたちがはしで豆をつかんで移すゲームやビンゴゲームを学生たちとして遊んだ。
 同グループ代表で県立大環境科学部2年の藤原未羽さん(20)は「春からこの古民家で住むので、シェアハウスも検討したい。これからも地域の皆さんと色んなイベントを企画したい」と意気込みを語っていた。

2020年1月30日木曜日

新しいひこね地域おこし協力隊員に小林由季さん就任

 新しい「ひこね地域おこし協力隊員」に、小林由季さん(30)=埼玉県所沢市=が就任。20日に仮庁舎で委嘱式が開かれた。
 地域おこし協力隊は都会に住む人たちが地方に移住し、地域振興に貢献する取り組みで、彦根市は2011年1月から導入。16年からは移住に関する情報発信や移住希望者の就労支援などをする「移住コンシェルジュ」としての地域おこし協力隊を任命している。
 小林さんは地域おこし協力隊員として5代目、移住コンシェルジュとして2代目。昨年7月6日に東京都内で開かれたフェア「移住・井戸端会議」を訪れた際、前任の久保さゆりさんと出会ったのを機に彦根に関心を持った。翌月に彦根を訪れ、久保さんと2日間、自転車で市内を散策。彦根に魅力を感じ、地域おこし協力隊へ応募した。
 彦根の印象について、小林さんは「どこからも彦根城が見え、城に見られている雰囲気がある」と第一印象を紹介したうえで「市街地には昔ながらの商店街があり、私が暮らしたかった街並みで、いいなと感じた」と述べた。
 小林さんは専門学校卒業後、アクセサリーやイヤモニターなどものづくりに就いていたため「彦根には仏壇など伝統工芸があるので、体験したい」と意欲を見せ、市民に向けては「関西に住むのは初めてなので、外国に来た感じ。優しく、色んなことを教えてほしい」と笑顔で語っていた。
 委嘱期間は今年3月31日までだが、年度ごとに更新され、最大3年間まで延長できる。

2020年1月23日木曜日

彦根市立病院産婦人科6月15日以降休止

 彦根市立病院は14日、産婦人科の医師がいなくなるため、5月1日以降の分べんと6月15日以降の外来診療を休止すると発表した。これまで分べんの休止はあったが、産婦人科の休止は旧市立病院を含め初めてだという。
 市立病院の産婦人科には正規の医師1人と滋賀医科大学から派遣されている非常勤医が4人おり、年間100件程度の分べん実績がある。
 市立病院によると、2018年3月改定の県保健医療計画で、県内の周産期医療体制がそれまでの7つの保健医療圏から湖東・湖北地域を含む4ブロックに区分。各ブロックで医療資源を集約する形になるため、その集約化が原因で滋賀医科大学からの非常勤医が4月末までに順次、派遣されなくなる。非常勤医の派遣中止に伴って、正規の医師も6月末で退職するため、診療継続が困難になった。

「医師確保に努力」
一時は4人体制
 昨年6月時点での県の調査では、彦根市内の神野レディースクリニックが経営する2カ所の医療機関での分べん受け入れ可能数の年間1200件のうち、その実績は年間900件程度だという。市立病院の担当者は「市立病院の産婦人科での分べんを休止しても、民間の医療機関でカバーできる体制にあるが、医師を確保して診療再開できるよう最大限、努力していく」としている。
市立病院では2007年4月に産科医が4人から1人になり、分べんを中止。翌年2月に院内助産所を開設するなど対応してきた。1512月に男性医師2人が着任し、8年ぶりに分べんを再開。16年9月には女性医師が就き、4人体制になったが、18年2月までに3人が退職し、1人体制になっていた。
 市立病院での分べんの取り扱い件数は産科医が4人いた2006年度が525件だったが、1人体制になった翌年が0件となり、以降も14件~41件で推移。その後は16年度102件、17年度90件、18年度100件となっていた。

2020年1月19日日曜日

中国の画家・蔚国銀さん「彦根の街並み好き」

 数年前から彦根の街並みを描いている中国の画家・蔚国銀(イ・コクギン)さん(57)に彦根の魅力などを聞いた。通訳は梅井茉実香さん(26)=西沼波町=が担当した。

彦根城や芹川沿いなど描く
 蔚さんは2016年夏、滋賀大学に留学していた元教え子に会いに初めて彦根を訪れた。以降も彦根を訪問するたびに市内の町並みを描き、昨年11月末には彦根市民会館で作品展を開催。彦根城の風景や旧城下町の街並み、芹川の堤防沿いなど市内を描いた作品と、中国から持参した作品を展示し、市内外の多くの来館者が観覧した。
 彦根の印象について蔚さんは、「創作活動をしていると市民や観光客の皆さんが声をかけてくれることがうれしい」と笑顔を見せながら「街と自然が両方ある風景と街並みが好き。人間味もある。自然や人間味のある街並みは中国のチベットのようだ」と述べた。

今年も来日予定「声かけて」
 彦根では彦根城や玄宮園のほか、琵琶湖や芹川、夢京橋キャッスルロード、滋賀大周辺などで創作活動をした。蔚さんは「彦根はお城を中心に文化があり、画家をはじめとした芸術家にとって文化のある場所は心地がいい」と説明。今年以降も彦根を訪問する意向を示したうえで「米原や長浜の風景も描いていきたい」と意気込みを語った。
 髪型が特徴的だが、蔚さんは「アインシュタインやヴェートーベンみたいでしょ」と笑みを浮かべながら「存在感を示すためだ」と解説。日本語はほとんど話せないが、「漢字で交流できるし、街中で私を見かけた時は是非とも気軽に声をかけてほしい。創作中でも構いません」と話していた。
 彦根市日中友好協会事務局長の北村忠雄さん(62)=長曽根町=は「蔚さんは中国では実力派の高名な画家。本当に彦根が好きな方で2020年以降も来てくれると思います」と語っていた。
 【蔚国銀】中国で著名な美術大学の西安美術学院油絵科などで油絵を学んだ後、中国人民解放軍芸術学院や中央美術学院で洋画の技法を研究。中国各地の風景や民族衣装を着たチベット人などを描き、中国美術館や首都博物館など中国国内64カ所で作品を展示してきた。中華人民共和国成立60周年全軍美術展優秀賞、建軍八十周年全国美術展第三等賞などを受賞している。中国美術家協会会員、同創作センター委員を務める。

少年少女の成長見守る若者団体・彦根BBS会キックオフイベント教禅寺で

 少年少女の相談相手など成長を見守る若者団体「彦根BBS会」のキックオフイベントが18日に長曽根町の教禅寺で行われた。
 BBSはBig Brothers and Sisters Movementの略称。少年院など施設から出てきた保護観察中の少年少女らに、20代や30代の若者が兄姉のように接して非行の無い社会環境を築こうと、全国各地の市区町村や大学に約500団体のBBS会がある。
 会員は少年少女たちと一緒に遊んだり、非行防止の啓発活動をしたり、必要な知識を習得したりする。彦根BBS会は2018年5月に結成され、滋賀県立大学のサークル「県大ファーム」の学生2人を加え、現在は社会人4人と学生3人が会員。

もちつきやライブ
教禅寺で18
 キックオフイベントは午前11時~もちつき、午後0時半~書道パフォーマンス、同1時~Cocoroさんのライブ。カロムやビリヤードでも遊べる。副代表で教禅寺住職の青柳円慎さん(31)は「老若男女や地域関係なく、誰でも自由に来て交流してほしい」と来場を呼びかけていた。子どもの参加無料、大人100円。問い合わせは教禅寺☎(23)8432。

2020年1月16日木曜日

彦根市俳遊館が閉鎖

 彦根市は7日、本町の市俳遊館を8日から閉鎖すると発表した。俳遊館は俳句教室や彦根ボランティアガイド協会の拠点として活用されており、市の突然の閉鎖発表に利用者から動揺の声が広がっている。
 建物は1923年(大正12年)に木造2階建て延べ263平方㍍で建設。滋賀中央信用金庫の前身の彦根信用組合の本社として、66年(昭和41年)に本社が移転するまで活用された。96年(平成8年)から俳遊館になり、3年後に市所有になった。2011年12月には市景観重要建造物になっている。
1階が俳句作品の展示や森川許六ら俳人の紹介コーナー、2階が市ボランティアガイド協会(会員85人)の事務所になっており、2006年4月以降、同協会が指定管理者として施設を運営している。一昨年4月には22年3月まで4期目となる指定管理者の契約を市と結んでいた。

「俳句人気維持を」
館長ら存続求める
 市は昨年10月末から耐震診断を行い、約1カ月後に建物の耐震性に問題があることを把握。12月上旬に同協会に報告し、市内部で対応を協議。来館者への安全性を考慮し、閉鎖を決め同協会に知らせた。
 今後の方針については「ボランティアガイド協会の会員や有識者らと協議して決めたい」としている。同協会の宮下哲会長(73)=平田町=は「古い建物のため致し方ないが、耐震工事をしていただき、再開してほしい」と話している。
俳遊館では9団体の句会が教室を開いており、市内外から60人が受講している。﨑山慶男館長(72)=京町=は「俳句の人気を絶やすことがないよう、拠点として残してほしい。(休館中の)代替場所も検討する必要がある」と語っている。


2020年1月15日水曜日

明智光秀出身説残る多賀町佐目を歩く

 来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公の明智光秀。明智家発祥の地とされる美濃地区(岐阜県南部)や光秀が坂本城を築いた大津はゆかりの地として有名だが、多賀町佐目(さめ)地区の出身説も昨年から広まりつつある。本紙の山田貴之記者が昨年11月末、佐目地区を訪れ、光秀伝説が残る地を散策した。

 国道306号線で彦根から多賀へ向かい、多賀交差点を多賀大社とは逆の方向に左折。そのまま10分前後走ると、建築業「マルト」の本社が出迎えてくれる。ここからが民家106戸(昨年1月時点)に202人(昨年12月1日時点)が住んでいる佐目地区になる。
 記者はまず、マルトを訪れて社長と奥さんにあいさつ。そこから再び山方面に向かい、簡易郵便局、商店、旧法蔵寺を過ぎると、最初の駐車場がある。その周辺一帯が、光秀が暮らしていたとされる中心地だ。

屋敷跡に住民手作りの休憩所 
 最初の駐車場のすぐそばには「十二相神社」と記された石碑と大きな鳥居が建っている。
 鳥居をくぐり、数軒の民家を過ぎると左手に空き地が見えてくる。ここが光秀が住んでいたとされる「明智十兵衛口伝の地 十兵衛屋敷跡」だ。十兵衛屋敷跡と木製看板の隣には、地元住民たちが作った木造の休憩所または展示スペースがある。また、光秀の佐目出身説が記されている江戸時代の文献「淡海温故録」の説明看板も建っている。

光秀遊んだ?十二相神社
樹齢500年の杉の木 堂々と
 記者が十兵衛屋敷跡に伺った際には、地元団体「佐目十兵衛会」の西河仲市さん(71)に出会い、そこから一緒に十二相神社へ向かった。参道を抜けると、左手に室町時代以前の地蔵が残るという地蔵堂があり、巨大な杉の木が左右に規則正しく2本ずつそびえ、その奥に本殿が見える。西河さんによると、十二相神社の正確な記録はないものの、明智家とゆかりのある美濃の岐阜県海津市南濃町にも十二相神社があり、明徳元年(1390年)に佐目から分社された記録もあるという。また同神社は江戸時代、十二相権現社と呼ばれていたらしい。
本殿の扉には戦後に12個の電灯を使ってひし形で作られた「十二の灯火」が設置されており、夕方になると点灯されるという。記者が参拝した際は午前だったが、西河さんに特別に点灯してもらった。
ご神木の杉に関する記録はないが、滋賀県緑化推進会によると、樹高約35㍍、幹回り約640㌢、樹齢は推定500年だという。光秀が毎日のように杉の木を眺め、この地を遊び場にしていたかもしれないという想像を膨らませながら、幻想的な本殿に手を合わせて十二相神社を後にした。

「神さん池」と「見津家」
次に向かったのが光秀が掘ったとされる井戸「神さん池」。この井戸を守るように地蔵が数体ある。記者が写真撮影をしに行った際、近くにいた地元の女性2人によると、「神さん池を使う時は光秀さんに感謝するように」との言い伝えがあるという。
佐目地区には当時、光秀の光から譲り受けた「見津」と書いて「けんつ」と呼ぶ5軒の一族がいて、現在も見津新吉さん(72)ら4軒が十兵衛屋敷跡の近くに居を構えている。この4軒の間に神さん池がある。
 記者が佐目地区を訪れた日は、県内の山城跡をリレーでのろしをあげる「琵琶湖1周のろし駅伝」の開催日だった。そのため、近江八幡観光物産協会のおもてなし武将隊から明智光秀と蒲生堅秀が甲冑姿で参上。十二相神社や十兵衛屋敷跡で記念撮影に応じていた。
 最初の駐車場から三重方面に200㍍ほど行くと大きめの駐車場がある。
 そこから階段を上ると、左手に「クマ出没注意!」の看板が建っている。少し勇気を出して、樹木が生い茂った山道をしばらく歩くと、高室山への登山口と「戦国武将も通った古道」の分かれ道がある。そして古道の方へ進むと、十二相神社につながっていることがわかり、400年以上前の時を感じながら古道を往復し帰路についた。

(写真=本能寺の変後に光秀が発令した「禁制」(多賀大社所蔵))
本能寺後 光秀発令の「禁制」
多賀町立博物館で企画展
 多賀町などは今月11日から町立博物館で、企画展「明智光秀と戦後の多賀」を開いている。
 光秀が織田信長を討った本能寺の変の4日後に多賀大社に発令した書物「明智光秀禁制」や、多賀出身説を記した淡海温故録、織田信長朱印状、羽柴秀吉書状などのほか、佐目地域に残る光秀ゆかりの地をすべて写真パネルで紹介する。
 2月1日午後1時半からは同館で、学芸員の本田洋さんの事例報告「光秀に味方した犬上郡の武将」と、県文化財保護協会の大沼芳幸さんの講演「諸説あり『奇々麒麟』本能寺の変を近江的に分析する」がある。先着80人、申し込みは21日から受付開始。
 企画展の開館日時は2月15日までの午前10時から午後6時(土日のみ午後5時)まで。観覧無料。休館は月曜、第3日曜、祝日、最終木曜。問い合わせは同館☎(48)2077。

歌舞伎役者目指す宮川孝太君

 彦根市立城東小学校3年生の宮川孝太君(9)=城町1=は米原曳山まつりの子ども役者を務めている。歌舞伎をもっと習うため毎月3回、稽古のため上京しており、将来の夢に「歌舞伎役者」を掲げるほどのめり込んでいる。
 
米原曳山まつりで役者務める
 米原に住む知人から母親の知子さん(48)に子ども役者への着任依頼があり、宮川君は1年生終了後の春休みから米原で稽古を開始。米原曳山まつりの松翁山組に所属し、2018年5月に石川県小松市で開かれた全国子供歌舞伎フェスティバルに女性役で初めて出場した。
 宮川君は「最初は女性役が嫌だったけれど、周りのみんなが励ましてくれて、がんばろうという思いが強くなり、嫌な気持ちが無くなった」と説明。振付の市川団四郎さんからは「一回教えたらすぐに覚える子」と高評価を受け「孝太ファンになった」という。

月3回 東京のスクール通う
 18年の曳山まつりでは女性役だったが、昨年は男の禅師坊役を演じた。宮川君は「歩き方などに男女で違いがあり、最初はふらふらすることもあったけれど、乗り越えていくとすぐに面白くなった」と解説。歌舞伎の関連本を10冊以上読み、歌舞伎のテレビ番組も見ているといい「歌舞伎にはさまざま演目があり、色んな役がある。仕掛けも面白い」とその魅力を明かした。
 「歌舞伎のとりこになった」という宮川君は「さらに極めたい」との思いから昨年、東京都中央区の「こども歌舞伎スクール寺子屋」に応募。全国各地の小学1年から4年生の応募者数百人から選ばれた12人の中に入り、毎月3回の日曜日に通学している。宮川君は「講師の方は厳しい時もありますが、びしっとしていてとてもかっこいい。習うたびに(歌舞伎役者に)なりたい思いが強くなる」と話す。

仏像好きで「医師にも興味」
 歌舞伎のほかにピアノや水泳、野球も習っているが、「それぞれ、リズム感、腹式呼吸、体幹の面で歌舞伎に役立っている」と紹介。また宮川君は幼少期のころから仏像が好きで「(幼児のころは)薬師如来になりたかった」という。その実現が無理だと知った現在は「人間界の薬師如来にあたる医師にもなりたい。楽しくてしょうがない歌舞伎役者か医師か迷っているところ」と笑顔を見せた。
 宮川君の祖父は永樂屋の宮川孝昭さん(75)。知子さんは「彦根仏壇という伝統産業の家に生まれ、伝統文化や伝統芸能に興味がある子を持ち、母親として幸せな気持ち。どの道を選ぶかは本人に任せる」と述べた。
 最後に宮川君は「将来はまじめで、正直で、何事にもあきらめない大人になりたい。みんなにほめられる人にもなりたい」と抱負を語った。