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2012年12月31日月曜日

吉祥デザインの扇や鞍など展示 新年祝い彦根城博物館で


 彦根城博物館は来年の元日からテーマ展「新年の寿(ことほ)ぎ~吉祥のデザイン~」を開く。展示説明をするギャラリートークは12日午後2時~。
 めでたい図柄の吉祥文様は、鳳凰や獅子、仙人など神話や伝説、仏教に由来する想像上の存在がある。ほかにも鶴亀、シカ、とんぼ、ボタンや菊など草花、松竹梅などがある。井伊家の家紋である橘も永遠の命をもたらす果実として珍重された吉祥の一つ。身の回りの道具としても扇は別名・末広という通り、次第に栄えていくことを意味している。また門に張られるしめ縄は魔を退ける吉祥の物とされる。
 テーマ展では、中国・清朝の官服を仕立て直して龍と鳳凰を組み合わせた江戸時代の能装束の側次(そばつぎ)、金地に多くの果実を実らせた橘を描いた扇、前輪と後輪(しずわ)に蒔絵でしめ縄を表した鞍=写真=など33点を展示。開館は午前8時半~午後5時、29日まで。

正月行事・具足飾 今年は井伊直政、彦根城博物館

 彦根城博物館は元日から10日まで、恒例の正月行事として「具足飾(ぐそくかざり)」を展示する。
 武士が出陣やがい旋などの際、よろいを飾る風習は室町時代から始まったとされる。江戸時代には飾り方に形式があり、正月には具足や太刀、弓具が飾られた。前には鏡もちも供えられ、正月11日にそのもちを開いて食べる習わしがあった。
 同博物館では毎年、彦根藩の歴代藩主の具足を展示。今年は初代・井伊直政が着用し、かぶとに金箔押しの天衝脇立(てんつきわきだて)をつけた藩主象徴の具足を展示する。ほかに、いずれも江戸時代の太刀や弓具、燭台(しょくだい)、三宝(さんぽう)も並べる。開館は午前8時半~午後5時。

2012年12月29日土曜日

彦根翔陽高の生徒考案の煎茶あられ発売、山本製菓が製造

 彦根翔陽高校の生徒2人が企画した「煎茶あられ」が完成し、みやおえん(本店・彦根市京町3)の各店舗やキャッスルホテルなどで販売が始まった。
 同校総合学科の商業専門科目「販売演習」では金子又広教諭(54)の指導のもと、2年生6人が彦根を元気にしようと3グループに分かれて商品を開発。そのうち、山梶里紗さん(17)=近江八幡市=と高森岳人君(17)=日夏町=の2人は、彦根で収穫された煎茶を使ったあられ作りを考案し、菓子作りを50年以上している普光寺町の山本製菓(山本源也代表)に協力を打診。
 山梶さんがアイデアを、高森君が山本製菓との調整役を担当。山梶さんらは以前に独自で煎茶あられを作ったが、うまくいかず、その次に考えた「煎茶塩あめ」を7月にまず販売し、360個を約2カ月で完売させた実績をもつ。今回は煎茶あられ作りに再度挑み、「あられよりも、おじいちゃん(山本代表)を売ろう」をコンセプトに匠(たくみ)の技と山梶さんのアイデアをコラボレーションさせた。
 製法は、炊いたもち米に煎茶、ごま、塩を入れてついた後、数日間寝かせて、カット、天日干しし、焼いた後、煎茶と塩をまぶして出来上がる。
 山梶さんは「匠の技を生かしたしっかりとした商品ができて良かった」、高森君は「大量生産の商品と違う所を感じながら食べてほしい」と話している。80㌘、200円(店舗では違う値段)。96袋限定。

2012年12月28日金曜日

彦根城で門松飾り

 彦根城内の表門、玄宮園、天守の前で、門松飾りが行われた。
 門松は、高さ2~3㍍の松、1・5~2㍍の竹、梅の古木、南天、葉ぼたんを組み合わせて設置。
 そのうち表門では彦根城管理事務所の職員11人が高さ3㍍の門松を2セット、約1時間かけて完成させた。来年1月15日まで飾られる。

2012年12月27日木曜日

彦根城博物館 来館300万人

 彦根城博物館は24日、来館者が300万人となり、同日記念セレモニーが開かれた。
 同博物館は昭和62年2月11日に開館。平成3年度からは市民らを対象に無料での入場制度も設けた。
 300万人目となったのは東京都世田谷区のウェブデザイナー・薮崎真紀さん(31)。セレモニーでは獅山市長、井伊直岳館長、ひこにゃんらとくす玉を割った後、認定書やひこにゃんのぬいぐるみ、彦根屏風のミニチュアなどがプレゼント。
 薮崎さんは彦根を訪れたのは初めてらしく「まさか自分が300万人目になるなんてびっくりしています。彦根城は力強い印象を受けました」と笑顔で話していた。

2012年12月25日火曜日

衆院選滋賀2区で当選の上野賢一郎氏 FM彦根番組で抱負

 衆院選の滋賀第2選挙区で当選した自民党の上野賢一郎氏(47)が19日、エフエムひこねのラジオ番組に出演。小幡善彦社長、赤井康彦市議、本紙の山田貴之編集長の質問に答える形で、国政への抱負や各政策について語った。
 上野氏はまず、最優先に取り組みたい政策として景気対策をあげ「安倍総裁による金融政策を見直すという発言だけで株価も良い方向に進んでいる。私は税制が専門なので、成長を促すために税制に力を入れたい」と説明。中小企業への支援については「私は長浜の商店街出身なので、中小企業、商店街が共に振興していくよう、国が後押ししたい。商店街の皆さんの思いの一つずつから学ばせていただいて、具体的なことを考えたい」と述べた。
 自民党の公約には脱原発が盛り込まれていないが、上野氏は脱原発の考えのため、党内での反映の仕方についての質問には「確かに自民党内には原子力の維持派はいるが、ゼロ化の議員もいる。党内にグループをつくって、将来は必ずゼロにすることを政府として明確にする必要があり、工程表を作っていく努力をしたい」と、脱原発に尽力する考えを示した。
 尖閣諸島などで今後も摩擦が予想される中国との関係については「尖閣問題は中国にとっては海洋長期戦略の一環。変に妥協すると将来に禍根を残すので、対話をきっちりしながらも、日本の領土・領海であることを示していくことが大事だ」と話した。
 彦根城の世界遺産登録については、世界遺産への動きを支持するとした上で「私は岩手県庁で働いていた時に(後に世界遺産になる)平泉の登録の応援をしていた。登録のためには地元の盛り上がりが大事。地元とタイアップしながら、国でも応援する集団をつくってバックアップしていきたい」と語った。

2012年12月24日月曜日

彦根城に設置の鏡もち ひこにゃんももちつき手伝い

 彦根城天守前で19日、天守の玄関口に置く鏡もち用のもちつきがあり、ひこにゃんもついた。鏡もちは大小2段重ねで27日に天守前や楽々園前などに設置される。
 もちつきは、彦根城管理事務所の職員が交代しながら行い、鏡もち用以外はきな粉もちにして、ひこにゃんファンら約100人に振る舞われた。
 ひこにゃんがつき始めると、詰めかけたファンや観光客は「かわいい」「がんばって~」などの声援をあげ、盛んにフラッシュを浴びせていた。
 来年1月4日朝に彦根城の作業員事務所で鏡もち開きがあり、午前11時ごろから表門や玄宮園などの各券売所で計330人に配付される。

滋賀県立高校再編計画 県教委で議決、彦根西高・彦根翔陽統合へ

 県教委は20日、臨時の教育委員会を開き、彦根西高と彦根翔陽高の統合などを盛り込んだ県立高校再編計画案を議決。これにより、2校が平成28年度に統合し新校が設置されることが決まった。
 県教委は10月1日に示した計画案で、彦根西の普通科と家庭科(計1学年4学級)、彦根翔陽の普通・商業の系列(同5学級)を統合して普通、商業、家庭で編成する新校を彦根翔陽内に設置。1学年を9学級に維持するとしていた。彦根東高の定時制の廃止については、平成26年度の入学者選抜から募集を停止し、同25年度の入学生が卒業する同29年度3月まで存続。彦根工業高は、現在の機械・電気・情報技術・建設・環境化学の各科から、機械・電気・建設に改編し、1学年6学級にするとしていた。
 最終計画案も10月のとほぼ変更はない。彦根西と彦根翔陽の統合に向けて、新校開設準備室を県教委内に設置し、両校の関係者による新校設置懇話会(仮称)で教育課程の編成、校名、校歌、校則などを決めるとしている。
 県立高校再編については、両校の関係者らを中心に慎重意見があり、獅山市長も11月26日に公開質問状を出したが、県教委からは計画案通りの回答だった。県教委は21日、県立高校再編計画を県議会常任委員会に報告。
 市長は20日、「懇話会での意見を十分に反映してほしい」とした上で、▽日本一の高校となるよう、教育環境の充実を▽西高の跡地は拙速ではなく、十分に配慮を―などとコメントした。

2012年12月21日金曜日

時代考証学会の本「地域と語る大河ドラマ・時代劇―歴史都市彦根からの発信」

 大河ドラマや時代劇の撮影によるまちの振興を目的に、今年6月2日に文化プラザで開かれたフォーラムの内容をまとめた本「地域と語る大河ドラマ・時代劇―歴史都市彦根からの発信」が発刊された。
 フォーラムは、時代劇や大河ドラマなどの歴史作品と、市民とをつなげるための活動をしている時代考証学会(会長・大石学東京学芸大学教授)が、文化プラザで開催し、滋賀県民のほか、北海道から鹿児島まで各地の時代劇の愛好家や制作関係者ら166人が参加した。
 フォーラムでは、大石会長や彦根市民有志らが「大河ドラマは町になにを遺したか」や「彦根市の歴史遺産と『歴史まちづくり』」などをテーマに講演したほか、俳優の長塚京三さんが「わたしと時代劇」について話した。
 本では第1部で、テーマごとに登壇者が解説した内容や関連写真を掲載し、長塚さんの役作りやロケ地での交流話などを載せているほか、第2部ではまちづくりに携わる市民の地域での取り組み内容の寄稿を紹介。
 大石会長は「彦根・滋賀が目指すべき、文化財保護と地域経済の振興との共生が示されている。本書の提起は地域の新たなコミュニティの形成などほかの都市にとっても役に立つのでは」とコメントしている。
 本はB5判・274ページ。2675円。発行はサンライズ出版。問い合わせは文化プラザ☎(26)8601。

2012年12月20日木曜日

「維新」政治の始まり

 衆院選は自民党が勝利したが、最も注目すべきは日本維新の会の比例での獲得数であり、大多数を占めるいわゆる無党派層の国民は、日本の根源の改革を求めているということである。
 小生は、選挙戦さなかの自民党圧勝を示した世論調査に対する分析記事で、「自民党躍進の背景には、失政を重ねてきた民主党への不信感、民主党の最大の弱点である経済・外交の再生を訴える自民党の戦略、日本維新の会やみんなの党など第三極の準備不足により、最終的な『受け皿』として自民党に票が流れている」と解説。「無党派層を中心にした大半の有権者が投票先を決めていないため、(中略)第三極の候補者が伸びる可能性があるが、その受け皿が民主党に代わるとは考えにくい」と予測していた。
 幸い(?)にも予想通り、無党派層の受け皿は自民以外では、維新の会とみんなの党に流れたわけであるが、総合的に見ると、自民党が原発維持、消費増税推進の考えで、必ずしも世論調査の考えとは一致しないことから、やはり、それらの政策以上に3年3カ月の民主党政権に辟易していたということである。
 野田首相は不幸である。小生は、野田首相は民主党では「数少ない」優秀な政治家であり、このまま民主党に置いておくにはもったいない為政者だと思っている。また自ら例えていたように日本男児的な「ドジョウ」のような泥臭さもあり、非常に好感を持っていた。民主党の惨敗は前任の首相2人の数々の失政を含めた3年3カ月に対しての総合的な国民の裁断であり、野田首相によるこの1年間の政権の責任ではないだろう。
 さて前置きが長くなったが、朝日新聞の衆院選の出口調査によると、無党派層の比例区での投票先は、日本維新の会が28%でトップ。次いで自民党が19%、みんなの党と民主党が14%ずつ、日本未来の党が8%だった。
 そのうち躍進した日本維新の会とみんなの党が選挙戦で最も声高に訴えたのは「統治機構の変革」であった。自民党や民主党などのいわゆる既成政党やほかの小政党が経済や外交・安全保障、原発、消費増税、TPPなどの政策・賛否を唱える中、2党は中央集権体制の打破の主張に重きを置いていた。つまり国民は、霞ヶ関の官僚機構による統治から地方への主権移譲を求めているということである。
 ただし、地方分権や道州制を進める上でのネックの一つが、地方自治体の首長が必ずしも維新の会代表代行で大阪市長の橋下徹さんのような卓越した政治力を持っていないということだ。衆院選の開票時の会見で橋下さんは全国の自治体の長に奮起を促す主旨のコメントをしていたが、「日本維新」のためには永田町の政治力だけでは実現せず、自治体の首長の政治力または統治力が不可欠である。
 来年夏の参院選、そして数年後の衆院選で、国政の勢力はおのずと「維新」の方向に進むであろう。それと並行して、より政治力のある首長の出現と国民を含めた意識改革を進める時代にある。【山田貴之】

衆院選滋賀2区当選の上野賢一郎氏「人を増やせる政策を」

 第46回衆院選挙は自民党が圧勝し、滋賀県内でも自民候補が4区とも独占した。第2選挙区では自民元職の上野賢一郎氏(47)が6万7182票を獲得。民主党前職の田島一成氏(50)、みんなの党新人の世一良幸氏(52)、共産党新人の中川睦子氏(54)を破り、2回目の当選を果たした。
 開票が始まった午後8時に「当確」の知らせが入ると、上野氏は長浜事務所に姿を現し、支援者らと握手。午後9時過ぎには彦根事務所にも訪れ、支持者ら約50人を前に万歳をして喜んだ。
 滋賀彦根新聞の取材に上野氏は「知名度は無かったが、(支援者の)皆さんの力のお陰で当選できた。国政ではまず景気を回復させるために経済の立て直しを最優先にしたい」「故郷への恩返しとして滋賀2区では農業振興、インフラ整備、観光など、人を呼べる、人口を増やせる政策を進めていきたい」と抱負を述べた。
 田島氏は選挙期間中、野田佳彦首相や岡田克也副総理、前原誠司氏、細野豪志氏の「選挙の顔」の応援を受け、地元・彦根では上野氏を約800票差で上回ったが、民主党への逆風で、ほか市町では下回り全体で2万票近くの差をつけられて敗れ、4選目は果たせなかった。
 世一氏は選挙戦の中盤からようやく陣営が動き始めたが、準備不足や知名度の無さから、支持を広めることができなかった。中川氏は共産党以外の票が少なかった。
彦根は前回続きブービー賞
投票率下から2番目
 小選挙区の投票率は県内全体で61・76%(前回70・65%)、2区で60・06%(同69・71%)だった。県内最低の投票率は愛荘町の56・03%(同68・08%)。彦根市は57・29%(同66・41%)と県内で2番目に低く、政治への無関心さはあいかわらずだった。
 県内の比例代表の投票数は、自民党が18万2446票(彦根市は1万2728)のトップで、2位は日本維新の会の15万3408票(同1万0205)と躍進。民主党は10万4508票(同8568)の3位。その後を、嘉田知事が党代表の日本未来の党の8万3447票(同6404)、みんなの党の5万0206票(同4596)が続いた。
彦根の元副市長も当選
 彦根市の元副市長で兵庫4区から自民党新人として出馬した藤井比早之氏(41)も、次点に3万票近くの大差を付ける10万4202票を獲得し初当選を果たした。藤井氏は総務省職員時代の平成21年7月1日から副市長を務め、国政へ進出するため同22年12月27日に退職していた。

2012年12月19日水曜日

徳川家康直筆の書状・関ヶ原合戦図など木俣家から購入、彦根城博物館

 彦根城博物館はこのほど、江戸時代に彦根藩の筆頭家老だった木俣家から、徳川家康直筆の書状や関ヶ原合戦図など計571点を購入した。
 家康直筆の書状は天正11年(1583)に、後に彦根藩初代藩主となる井伊直政に宛てられたもので、信濃の高遠に派兵する際に直政に木俣守勝を随行させる意向を伝えている。守勝は関ヶ原合戦後、井伊家の家老となっており、この文書は井伊家家臣団のきっかけになった重要書類だという。ほかに、伊達政宗から直政に宛てられた書状、安土桃山時代から江戸時代初頭に有力大名が木俣家に宛てた書状もある。
 関ヶ原合戦図は江戸時代後期に木俣家が描かせた6曲1隻の屏風で、縦約159㌢・横約364㌢。向かって右側が東軍、左側が西軍で、上部には伊吹山も見られる。1扇ごとに、家康本陣、采配を振りかざす直政と島津隊を追走する井伊隊、「大一大万大吉」の幕が張られた石田三成本陣などが描かれている。
 関ヶ原合戦の絵は江戸時代に数多く作られ、現在は6点確認されているが、今回の合戦図には江戸時代の軍記物に載った逸話が多く盛り込まれ、旗印で各隊が判別できるのが特徴。また井伊隊の先方として戦う家臣十数人が描かれているが、これは合戦後の論功行賞で直訴した家臣たちの相談役だった木俣家の意向が反映されたと見られる。
 左下には作者で彦根藩の足軽「大舘素雪(おおだてそせつ)」らの印がおされている。大舘は彦根藩が天保7年(1836)に作成した彦根御城下惣絵図の絵図役の一人として知られる大舘喜太郎と同一人物。同博物館では「同じ構図の作品の中でも最もうまく描かれており、江戸時代の歴史認識や先祖の顕彰意識を読み解くことができ、歴史資料として価値が高い」としている。
 家康自筆の書状や関ヶ原合戦図などは、来年6月から7月にかけて公開するという。なお全部で1950万円だった。

2012年12月17日月曜日

滋賀大生制作の大絵馬 北野神社に奉納、受験生の合格祈願で

 滋賀大学美術部の部員が13日、来年のえと「巳」を描いた大絵馬を学問の神様・菅原道真をまつる北野神社(彦根市馬場1)に奉納し、氏子ら7人を交えての入魂式が開かれた。
 絵馬は縦約1㍍×横1㍍50㌢の五角形の木製。3段重ねのもちや小づち、「必勝」と書かれた巻物にとぐろを巻いて上がるへびがアクリル絵の具で描かれ、隅には「合格祈願」の文字も記されている。美術部員5人が神社からの依頼で2週間ほどかけて仕上げた。
 奉納に訪れた部員の大櫛統丈(むねたけ)さん(21)は「自分たちも受験をがんばった経験があり、受験生たちにも合格へ向けてがんばってほしいという思いを込めて作った」と話していた。
 絵馬は本殿前の唐門前に設置。同神社では平成21年から翌年のえとを描いた絵馬の作成を滋賀大美術部に依頼しており、これまでに寅と卯、辰が奉納されており、将来的には12枚の絵馬を一堂に飾る予定。

2012年12月15日土曜日

衆院選あす投開票、滋賀2区の4人も最後の訴え

 衆院選はいよいよ16日に投開票を迎える。滋賀県第2選挙区には、共産党新人の中川睦子(54)、みんなの党新人の世一良幸(52)=日本維新の会推薦、自民党元職の上野賢一郎(47)=公明党推薦、民主党前職の田島一成(50)=国民新党推薦=の4候補が出馬しており、きょう15日は各陣営とも総動員して最後の訴えを行う。
 中川候補は共産党の政策である原発即停止、消費増税阻止、TPP反対を重点的に唱えてきた。民主党に対しては「消費増税を決め、沖縄にオスプレイを配備し、福井の大飯原発を再稼動させた」、自民党・公明党には「(民主党と)一緒になって消費増税を決めた」と批判を展開した。15日は彦根市内を回る。
 世一候補は「民主党は考えの違う者同士の寄せ集め集団で、労働組合が支持母体」「自民党は派閥、世襲がばっこし、各種団体とつながりがある利権政治」などと非難し「みんなの党はしがらみや利権がまったくなく、企業献金ももらっていない」と清潔さをアピール。また官僚支配による中央集権体制の打破を特に訴えてきた。15日は午前中に彦根、午後に長浜地域を街宣する。
 上野候補は「民主党政権で経済、外交がボロボロになった」と指摘し、金融緩和をはじめとした経済政策や日米同盟の再強化など外交・安全保障戦略を掲げ「今の体制を白紙に戻し新しい体制を」と支持を呼びかけてきた。また、自民党の世代交代が進んでいることをPRして新鮮味を出した。15日は彦根を中心に湖東全域を巡って、夜に彦根ビューホテルで決起集会を開く。
 田島候補は「民主党でもなく、自民党でもなく、第三極でもない」と、市議、県議、国会議員と22年間の議員生活としての実績を強調してきた。キャッチコピーの「現場主義」をあげながら、この3年間の民主党政権を「自民党政治のうみを出し切る途中だ」と改革がまだ道半ばであることを示してきた。15日は区内全域で「桃太郎」などを行い、最後は彦根を回る。
期日前投票はきょうまで
 衆院選の期日前投票はきょう15日まで。彦根市内では市役所と稲枝支所で、犬上郡では各町役場で、午前8時半~午後8時(稲枝のみ午後5時まで)に受け付けている。
 市選管によると、市内では12日時点で3130人(男1617人・女1513人)と、前回の同時期の4589人と比べてかなり少ない。

2012年12月12日水曜日

みんなの党・渡辺喜美代表「官僚制度改革し日本を前へ」長浜で

 みんなの党の渡辺喜美代表が7日、長浜市内で演説し、自民党が単独過半数をうかがうとの報道を受け「先祖返りを許していいのか」と訴えた。
 渡辺代表は自民、民主を官僚の「操り人形」「腹話術」と批判し、「公務員制度、官僚制度改革を断行しないと、日本の改革は進まない。みんなの党は脱藩官僚もいれば、私のように官僚機構の利権、天下りと戦った人間がいる。覚悟とノウハウを持っている」と語った。
 原発については「原発優遇政策を止める。そうすれば原発の電源コストは一番高くなる」と指摘。東京電力の破たん処理、送電線の売却、電力事業への新規参入などを促し、「経済成長と原発ゼロを両立する」と述べた。
 自民圧勝の報道に「私は自民党にいたから裏の裏まで知っている。政権を戻したら業界団体頼みの政治、官僚機構の既得権益を守り続ける」とし、「自民支持よりもっと大きな塊がある。態度未決定の人たちだ。第三極にまかせる。そういう気持ちになれば政治が劇的に変わる」と支持を呼びかけた。

彦根城のしめ縄作り ひこにゃんもお手伝い

 彦根城の天秤櫓に設置するしめ縄作りが7日、彦根城作業員事務所(金亀町)で行われ、ひこにゃんもお手伝いした。
 この日作ったしめ縄は長さ約6㍍、太さ約25㌢㍍、重さ約50㌔で城内では最大。赤い法被姿の作業員11人が、もち米のわらを束ねて、わらが飛び出さないように釣り糸でくくり、「よいしょ」「それ」などと掛け声をかけながらしめていた。ひこにゃんは作業員の邪魔にならないよう、少し離れた場所で縄を持ち上げていた=写真
 しめ縄は稲枝地区のわら約100㌔が使われ、全部で10本製作。この日の天秤櫓のものが最後の1本だった。天秤櫓のほかに、天守、玄宮園東口、馬屋、開国記念館など11カ所に今月26日に設置。

獅山市長が出馬表明 来年4月の市長選、4選目狙う

 彦根市長の獅山向洋氏(72)は10日の市議会一般質問で、来年4月に予定されている市長選に「出馬する決意をした」と述べた。 この3年半の実績の質問に、市長は湖東定住自立圏の中心市宣言、楽々園の改築やお浜御殿の公有地化、荒神山古墳の国史跡指定、市内小中学校の耐震補強、ひこにゃん騒動の和解などをあげ「音楽で例えると、市はオーケストラの立場で、市議会はコンサートマスター。そして市民全体で交響楽を奏でている。3年半の間、しっかりやったなと思う」と話した。
 残された課題としては、稲枝駅の改築、彦根駅東口の整備、上下水道の普及、市立病院の医療機器設置、彦根城の世界遺産登録の推進、県立高校再編の見届けなどをあげた。
 馬場和子議員の「嘉田知事との対立が目立つが」の指摘には、「対立しているわけではなく、市の利害を守るためだ」と説明し「新党の党首を務めながら、知事としての事務を誠実に実行できるのか問題だ」と批判した。
 出馬への意気込みとしては「彦根市の実質公債費比率が改善しており、大きな事業ができるようになってきた。交響楽で例えるなら第一、第二楽章に入っている。そんな中で指揮者が変わった場合、引き継いでやっていけるか心配だ」と語った。
 獅山市長は平成元年、同17年、同21年で当選しており、次で4選目を狙う。元県議の大久保貴氏(49)も出馬の意向を示しているほか、女性議員も周囲に意欲を示している。

2012年12月9日日曜日

自民上野リード 追う民主田島、みんな世一・共産中川は苦戦

 16日投票の衆院選で自民党が単独過半数に迫る勢いがあると、朝日・読売・日経新聞と共同通信が6日、報じた。彦根市や長浜市などの滋賀2区でも滋賀彦根新聞が陣営や有権者などへの取材を元に分析したところ、自民党元職の上野賢一郎氏(47)が、民主党前職の田島一成氏(50)を上回る勢いで、2人の後をみんなの党の世一良幸氏(52)が追う構図になっている。共産党新人の中川睦子氏(54)は伸び悩んでいる。
 公示前の各紙の世論調査では自民党と民主党の支持率の差は一けた台だったが、選挙戦が始まると、小選挙区、比例共に自民党が有利に展開し、引き離しにかかる勢いを見せている。滋賀2区でも公示前は田島氏に3人が挑む形だったが、公示後は序盤から上野氏が優勢に立った。
 上野氏は脱原発、TPP反対を唱えるほか、民主党の「弱点」の経済と外交の再生を訴え、安倍晋三総裁や党幹部の応援も得ながら、着実に支持を伸ばしている。
 田島氏は「民主でも、自民でも、第三極でもなく・・・」と、市議から22年間務めた議員の実績をPRしているが、民主党への逆風を抑えることはできていない。
 世一氏は「中央集権体制の打破」「利権やしがらみのない政治を」と訴えるが、彦根や若者への浸透が不足しており、中盤から終盤にかけて戦略の転換が必要。
 中川氏は、脱原発、TPP反対、消費増税阻止などを打ち出しているが、共産党内での支持も完全ではなく、無党派層への広がりも見えていない。
なぜ自民躍進か
 自民党が躍進している背景には、失政を重ねてきた民主党への不信感、民主党の最大の弱点である経済・外交の再生を訴える自民党の戦略、日本維新の会やみんなの党など第三極の準備不足により、最終的な「受け皿」として自民党に票が流れていると考えられる。
 これまでの世論調査では、原発再稼働や消費増税に反対の意見が多勢を占めていたにもかかわらず、いずれも推進派の自民党を国民が支持しているのは、原発やTPP、景気対策など争点化している各政策の是非よりも、民主党への不信感が勝っている証左であろう。
 一方で、無党派層を中心にした大半の有権者が投票先を決めていないため、今回の世論調査の結果や中盤以降の各党の動向によっては、自民党以外の第三極の候補者が伸びる可能性がある。いずれにせよ、その受け皿が民主党に代わるとは考えにくく、同党にとっては厳しい選挙戦が続くであろう。     (山田貴之)

安倍総裁が彦根で応援演説 経済・外交など訴える

 自民党の安倍晋三総裁が5日、彦根駅前で滋賀2区の候補者の応援演説を行い、約500人(陣営発表)の聴衆の前で、経済政策や教育、外交・安全保障について話した。
 安倍総裁は、まず経済政策にふれ「収入が減っていく未来に希望は持てない。ものづくりの工場を海外に移らないようにしないといけない」「デフレを脱却して、円高を是正していくためにも、大胆な金融政策をやらなければいけない」と解説。
 他党から「昔の自民党だ」と批判されていることに「無駄づかいをしようとは思わない。公共投資も相談しながら進めていく。戦略をもって、日本の経済を間違いなく成長させていく」と語った。
 教育問題については、民主党政権で全国学力調査がされなくなったことをあげ「日教組のトップにいる輿石東幹事長がいるからだ」と指摘し「まっとうな教育を取り戻していく」と述べた。
 外交・安全保障については、韓国やロシアの大統領が日本固有の領土の竹島と北方四島に上陸したことをあげ「自民党政権の時にはなかったことだ」と批判。「民主党政権の外交が迷走した結果であり、日米の同盟関係を信頼あるものにしなければならない。美しい領土・領海を断固として私たちが守っていく」と訴えた。
 民主党の岡田克也副総理が5日、パリヤ前で候補者の応援演説を行い、約100人(陣営発表)を前に、消費増税や経済政策、外交について話した。

岡田副総理が彦根で演説 自民・維新の会の政策批判

 民主党の岡田克也副総理が5日、パリヤ前で候補者の応援演説を行い、約100人(陣営発表)を前に、消費増税や経済政策、外交について話した。
 岡田副総理は、民自公で決めた社会保障と税の一体改革にふれ「以前の自公政権で大きな借金をつくった。歳入の半分が借金という状況で、(財政危機の)ヨーロッパのようにならないようにしないといけない」と、消費増税に理解を求めた。
 経済政策については、日中韓自由貿易協定(FTA)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を開始したことをPRしながら、「国を開いて経済を活性化させる必要があり、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を含めて国益を踏まえて進めたい」と説明。また「環境、医療、介護など新しい産業を成長させる中で、経済を発展させたい」「どこかの総裁のようにばらまくだけでは国は良くならない」と述べた。
 日本維新の会の石原慎太郎代表が憲法を破棄する考えを主張していることに、「憲法によって平和と豊かな国を育んできた。私は護憲ではないが、根底から否定する考えは承服できない」と批判。さらに「(中国など)相手国を刺激し、ナショナリズムに訴えるよりも、外交は話し合って平和的に解決するべきだ」と語った。

2012年12月6日木曜日

衆院選滋賀2区のラジオ討論会、外交・安全保障で4氏に差

 滋賀彦根新聞社とエフエムひこねコミュティ放送は11月30日、衆院選滋賀県第2選挙区の候補者を招いたラジオ討論会を開催。原発や嘉田新党、外交・安全保障などさまざまなテーマについて白熱した議論が繰り広げられた。
 出席したのは、共産党新人の中川睦子氏(54)、みんなの党新人の世一良幸氏(52)、自民党元職の上野賢一郎氏(47)、民主党前職の田島一成氏(50)で、エフエムひこねの小幡善彦社長が司会を務めた(以下敬称略)。
 討論会ではまず嘉田新党について、田島が「政党の党首は激務。知事をやりながらできるのか心配。原発ゼロ以外の政策も背負っていかなければならない」、上野が「政治家として決断するのは重要だが、小沢(一郎)さんとどのように対するのか。県政への影響も出ないようにしないと」、世一が「(自身が元環境庁職員のため)嘉田さんは環境分野の専門家で親近感があったが、政治とカネで起訴された小沢さんを尊敬しているとの発言はどうか」、中川が「最初聞いた時は幻滅した。小沢さんに埋もれてしまうのではないか。知事の仕事をしっかりとやっていけるのか」と述べた。
 原発については4人とも脱原発を主張したが、自民党の公約では脱原発の主張や時期が明確にされていない。このことに世一は「原発は自民党が政財官などの利益共同体として進めてきた政策。今さら原発反対と言われても」、田島は「『いつまでに』と言われている中で、自民党は示していない」、中川は「共産党は即停止と言っている」と説明。上野は「自民党の責任は重い。立ち止まって考える必要があり、原発を無くすということを(党として)明確にするべき」と答えた。このほか世一は、原発が事故時の損害賠償や保険などコストが高いと指摘しながら「発送電を分離して電力の自由化を進めるべき」と提案、上野も「電力の自由化は賛成だ」と語った。
 尖閣諸島の国有化を巡って対中国との関係が悪化していることなど、外交・安全保障については、中川が「戦争責任という歴史を踏まえて話し合いをしていき、互いに理解していくことが大事」、世一が「領土問題は国際司法裁判所で解決するべきで、ナショナリスティックにではなく、色んなルートを使うべき」、上野が「尖閣問題は中国の海洋に出ていきたいビジョンの一環。領土領海を守るため中国には厳しい姿勢であたり、日米関係をきちんと元に戻す」、田島が「中国、韓国、台湾とは経済、観光などの面でも勘案しなければならない。愛国主義を鼓舞させるような一部の動きには反対」、とそれぞれ異なる考えを示した。

衆院選公示 滋賀2区は4人の戦い

 衆院選が4日公示され、滋賀県第2選挙区には、共産党新人の中川睦子(54)、みんなの党新人の世一良幸(52)=日本維新の会推薦、自民党元職の上野賢一郎(47)=公明党推薦、民主党前職の田島一成(50)=国民新党推薦=の4候補が出馬した。2区の有権者数は26万3957人(3日時点)。4日の各候補の第一声は以下の通り。
 中川候補は「今の民主党は、消費増税を決め、沖縄にオスプレイを配備し、福井の大飯原発を再稼働させた。公約を破って進めていくことは許せない」と現政権を批判。
 「自民党も公明党も一緒になって進めており、議会制民主主義を破壊する行為」「共産党は90年の歴史があり、戦中・戦後とも国民の命と暮らし、平和を守ることを懸命に取り組んできた。国民が願う声を受け取る役割がある」と支持を呼びかけた。
 最後に「今回は国民の命と暮らし、平和の存亡がかかった重要な選挙。共産党の議席倍増への力をください。国民の願いの実現へ先頭に立ってがんばりたい」と語った。
 共産党滋賀県委員会の奥谷和美委員長は「消費増税、原発再稼働、TPP、オスプレイの配備という財界中心、アメリカ言いなりの政治では国の前途は開けない」「この政治は自民党・公明党の政権から続いており、今回の選挙は自民党による政治になるのか、共産党の躍進かだ」と述べた。(彦根事務所で)
 世一候補は「既成政党の民主党は寄せ集め集団。解党して、一から出直すべき」、「自民党は昔と変わっていない長老、派閥、世襲、利権政治だ」と批判し、「みんなの党は利権に一切関係なく、ぶれない。企業献金ももらっていない」と主張した。
 推薦を受けた日本維新の会の橋下徹代表代行については「言動が素晴らしい。日本を変えてくれるし、日本を変える力を持っている」と賞賛した上で、「針の穴に糸を通すような厳しい選挙だが、糸を通してみせる」と決意を語った。
 選対本部長の池田洋氏は「(みんなの党代表の)渡辺さんのぶれない政治姿勢についてきた。選挙は何としても勝たなくてはならない」とあいさつ。藤井勇治・長浜市長やみんなの党滋賀の蔦田恵子県議も「政治が機能していない。世の中を変える再生選挙」「湖東・湖北から改革の炎を」と応援した。    (長浜事務所で)
 上野候補は「3年間の民主党政権で、外交もバラバラ、経済もボロボロ、農政もガタガタになった。今の体制を白紙に戻して、新しい体制をつくりたい」と第一声。「前の自民党は国民の目線から離れていた。信頼を取り戻すために世代交代をした。一致団結して外交、経済を立て直したい」と、自民党が新しくなったとPR。原発については「党内では色々な意見があるが、福島であれだけの事故があったのだから、原発ゼロは当たり前」と脱原発の考えを示した。
 最後に「この選挙は日本の将来を占う大きな戦い。もう一度、日本が前へ進んでいけるように、このふがいない政治を建て直す原動力になりたい」と抱負を述べた。
 後援会長の河本英典元参院議員は「今回の選挙は政治のレベル、国家として何が大事かが問われている」とあいさつ。獅山市長は「自民党の公約は分かりやすくて好感を持っている。地域としては道路や公共施設を作っていただきたい。国の政治と地方が直結しなければならない」と話した。(彦根事務所で)
 田島候補は「3年前に政権交代し、日本の改革が緒についた」「東日本大震災、福島原発事故を早く収束、復興させたい。しかし、ねじれ国会で法案一つなかなか通させてもらえない。我慢、妥協を重ねて今日までようやく到達できた」と、この3年を振り返った。
 エネルギー政策については「原発への不安、エネルギー供給への不安を抱える。安心・安全を担保しながら、経済・産業活動に支障をきたさないようにする。私は場当たり的な耳障りのいい言葉で、有権者をだましたりしない」と語った。
 「米の味の良し悪しは田んぼにつけた足跡の数で決まる。政治家も地域につけた足跡の数で度量が決まる。だからこそ現場主義を貫いていきたい」と述べ、「改革はまだ道半ば、自民党政治のうみをしぼり切る途中にある」と支持を求めた。
 林久美子参院議員は「田島候補は水俣病、アスベスト被害の救済など、光が当たらないところに光を当てた」と述べた。(JR彦根駅前と長浜事務所前で)

2012年12月3日月曜日

衆院選 4日公示、滋賀第2選挙区は4人出馬へ

 衆院選がいよいよ4日に公示され、16日の投開票まで選挙戦が繰り広げられる。彦根や長浜など滋賀第2選挙区には、民主党前職の田島一成(50)=彦根市西沼波町=、自民党元職の上野賢一郎(47)=長浜市元浜町=、みんなの党新人の世一良幸(52)=長浜市相撲町=、共産党新人の中川睦子(54)=彦根市日夏町=の4氏が出馬する予定。各陣営も選挙事務所を設けるなど急ピッチで体制を整えている(以下敬称略)。
 選挙戦は、4選を狙う田島と上野との一騎打ちに、世一と中川が食い込む構図になりそうだが、日本維新の会の支援によっては彦根で知名度がない世一を加えた三つどもえになる可能性もある。世一陣営も「民主、自民ではダメという票を得て、いい戦いにしたい」と意気込む。
 また原発については田島、世一、中川がいずれも脱原発の考えで分散が予想される上、民主への逆風と合わせて上野が有利に展開することも考えられる。田島陣営では「(政権交代を果たした)前回とは違って厳しい雰囲気を感じる」と話す。以下各候補予定者の事務所や公示日4日の行動予定。
 【田島】前回と同じベルロードの旧ヤマダ電機(平田町546)に事務所を設置。30日夜に事務所開きをした。4日は午前10時半~彦根駅前で出陣式を開く予定。選対本部長は江畑弥八郎県議、本部長代行は中沢啓子県議。☎(21)3340。
 【上野】前回の自民党候補者と同じ戸賀町174・1に事務所を構える。きょう1日午前10時~事務所開きを行う。総括責任者は赤堀義次県議、選対本部長は西村久子県議。4日は長浜事務所を経て、午後0時半~彦根事務所で出陣式。☎(27)7801。
 【世一】彦根事務所は京町1の3の4の小西ビル1階。4日は午前8時~長浜事務所で出陣式。選対本部長は池田洋さん、副本部長は大塚勝さん。☎(23)1155。
 【中川】彦根事務所は長曽根南町485。4日は午前10時~彦根事務所で出陣式。選対本部長は山田満さん。☎(21)2410。
ポスター掲示板設置
 衆院選の立候補予定者のポスターが貼られる掲示板が11月27日に彦根市役所前などに設置。明るい選挙推進協会のイメージキャラクター「選挙のめいすいくん」も手伝った=写真。掲示板は幅2・72㍍、高さ2㍍。市内各所の263カ所に2日までに設置される。

2012年12月1日土曜日

嘉田新党は小沢新党

 嘉田知事が新党・日本未来の党を設立したことに対しては、賛否両論あるが、その大概が親嘉田か反嘉田かからの論点であり、小生が問題視するのは、嘉田知事を党代表に祭り上げた背後にいる巨大な黒子の存在である。
 もちろんそれは小沢一郎氏を指すのだが、自民党や民主党の政権でも各党幹部が扱いきれなかった壊し屋の異名をとる政治家(政治屋が正しいか)を、国政経験の無い一地方自治体の首長が操れるわけがない。
 新党設立時の記者会見やその後のぶら下がり取材を見ると、嘉田知事はまるで、もてはやされて良い気分になっている乙女のようでもあり、数々の権力闘争の修羅場を踏んできた小沢氏にとっては、赤子の手を捻るような相手で、党の代表として続けさせるわけがなかろうに。
 脱原発のみで連合を組んだようだが、所詮それは衆院選の一時しのぎであり、選挙後に小沢氏が台頭し、嘉田知事の存在を抹殺するのは明らかである。そもそも「政策より政局」の政治屋・小沢氏が脱原発かどうかも極めて疑わしい。
 嘉田知事は、日本維新の会の橋下徹代表代行が太陽の党との合流で脱原発の主張をトーンダウンさせたことを、新党設立の理由の一つにあげているようだが、そもそも日本維新の会や橋下氏と肩を並べようとすること自体、筋違いである。維新政治塾と嘉田知事が塾長を務める未来政治塾を比較してもわかる通り、二番煎じにさえも満たない。
 女性であることと、「卒原発」というわかりやすいキャッチフレーズにより、衆院選では女性票を中心にそれなりの議席を獲得するかもしれない。合流前の国民の生活が第一など3党のままよりも、嘉田知事を代表にした新党の方が票を獲得できるのは間違いない。
 だが、そのような小沢氏のあいかわらずの国民をバカにした策謀に有権者ははまっても良いのか。甚だ疑問である。【山田貴之】

嘉田新党・日本未来の党に賛否の意見

 滋賀県の嘉田由紀子知事が新党「日本未来の党」を結成し代表に就任したことに、彦根市内からも賛否の意見が出ている。
 嘉田由紀子後援会の元副会長の阿部美智子さん(小泉町)は「私も何十年も前から原発に反対していて、嘉田さんと一緒の意見。政党がどうとかより、脱原発を進めてほしい」、嘉田知事が塾長を務める未来政治塾の塾生でNPO法人リンクス代表の柴田雅美さん(平田町)は「福井の原発に近く、琵琶湖を預かる知事として、(嘉田知事が掲げた)卒原発には納得するので評価できる」と話す。
 一方で、自民党の細江正人県議(本町)は「卒原発だけで、ほかの政策については(合流した党と)すりあわせがない。選挙目当てだけで良いのか」と批判している。
 また獅山市長は11月29日付けで嘉田知事と荒川敦副知事宛てに申し入れ書を送付。新党発表後、県に電話が鳴りっぱなしとの新聞報道をあげながら、「県の広報課が新党の広報課のように追われている実情は、公務外の業務として費用返還請求が行われる可能性が大きい。新党の政務と県の公務とを峻別する処置を強く申し入れる」などとし、副知事には「県職員に新党の政務に従事してはならないよう通知することを求める」としている。

パオパオバルーンを市内幼稚園に寄贈 国際ソロプチミスト彦根

 国際ソロプチミスト彦根は11月28日、子どもたちが一緒に持ち上げて遊べるシート「パオパオバルーン」とDVDプレーヤーを市内の10幼稚園に寄贈。彦根幼稚園では贈呈式が開かれた。
 パオパオバルーンは直径約5㍍の円形で赤、白、青、黄の4色が縞模様で入っている。周囲を持って揺らしたり、持ち上げて空気を入れてドーム形にしたりして遊ぶことができる。
 同団体からはバルーン10枚とDVDプレーヤー43台の計60万円相当が寄贈。彦根幼稚園では和田旱子(あつこ)会長から子どもたちにバルーンが渡され、園児たちが礼として「どんぐりころころ」など秋の歌を披露した後、早速 全員でバルーンを使って遊んでいた。
 和田会長は「お友だちと楽しく、仲良く遊んでもらえればうれしいです」と話していた。