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2009年12月25日金曜日

前衆院議員・藤井勇治氏 長浜市長選へ出馬表明 自民離党し「市民党」で

 自民党の前衆院議員・藤井勇治氏(59)は24日、来年1月1日の合併に伴う長浜市長選挙(2月14日投票)に立候補することを正式に表明した。藤井氏は東浅井郡虎姫町出身だが、彦愛犬地区でも知名度を着実に上げてきただけに、彦愛犬の自民党にとっては大きな痛手となった。
 この日の記者会見で藤井氏は「衆院選後の3カ月間、市長選に出て故郷の発展のために頑張って欲しい、という声が日増しに寄せられた。39年の政治経験と人脈を故郷のために生かしたい」と語った。
 また、選挙では「草の根市民党」として活動するとして、近く自民党を離党することを明らかにした。
 藤井氏は龍谷大学法学部卒。元幹事長秘書を経て、平成17年の郵政選挙に自民党から立候補し、初当選したが、今夏の選挙で民主候補に敗れた。
 なお、長浜市長選には現職の川島信也氏(73)がすでに立候補を表明している。

ひこにゃん、もちつき初参加 彦根城天守前広場で

 彦根城天守前広場で22日、天守の玄関口に飾る鏡もち用のもちつきが行われた。もちつきには、ひこにゃんも初めて参加し=写真、ひこにゃんのもちつきを見に約100人が朝早くから訪れた。
 もちつきには、ひこにゃんのほか、彦根城管理事務所の職員ら14人が参加。ひこにゃんは杵を手に、観光客から「がんばって」「かわいいい」などの声援を受けながら、もちをついた。完成した鏡もちは1段目が15㌔・直径50㌢、2段目が10㌔・直径40㌢。天守玄関口に来年1月4日まで置かれ、4日午前9時に鏡もち開きが行われ、城内の各券売所で先着100人にもちを配る。

2009年12月22日火曜日

前衆院議員・藤井勇治氏が長浜市長選出馬へ 24日表明

 湖北1市6町合併後の長浜市の市長選(来年2月14日投開票)に、前衆院議員・藤井勇治氏(59)が、無所属で出馬する方針を固め、あす24日に立候補を表明する。
 来年1月1日付けで長浜市と東浅井郡2町、伊香郡4町とが合併し、新しい「長浜市」が誕生する。市長選には、現職の川島信也氏(73)がすでに出馬表明しているが、長浜市議や湖北の首長らから藤井氏を推す声があがっていた。23日には長浜市内で後援者による世話人会が開かれ、藤井氏も出席する。
 藤井氏は滋賀彦根新聞の取材に「多くの皆さまからの支援の声をいただき決意した。草の根の『市民党』の立場で頑張りたい」と話している。
 藤井氏は東浅井郡虎姫町出身。古賀誠元幹事長の秘書を経て、平成17年の郵政解散により自民党公認で滋賀2区から出馬し比例で初当選を果たしたが、今年8月の総選挙では敗北した。

滋賀大学美術部が「寅」描いた大絵馬作成 北野神社に奉納

 滋賀大学美術部の部員11人が、来年の干支「寅」を描いた大絵馬を北野神社(彦根市馬場1)に奉納した。25日に入魂式が開かれる。
 絵馬は縦90㌢×横150㌢。来年の干支の虎が小づちを抱えているイラストが描かれ、隅には「合格祈願」と記されている。美術部の部員たちは同神社からの依頼で先月末から1週間ほどかけて仕上げた。
 部長の世一菜津美さん(20)=長浜市=は「受験に向けて勉強している中高生の皆さんの合格を願って作成した」と話している。
 絵馬は本殿前の神門の脇に設置される。同神社では来年以降も次の年の干支を描いた絵馬の作成を滋賀大美術部に依頼する予定で、瀧沢隆司宮司は「将来的には12枚の大絵馬を飾りたい」と話している。

湖東三山スマートIC着工へ 政権交代も事業継続

 政権交代により事業計画の行方が注目されていた「湖東三山スマートIC(インターチェンジ)」(仮称)が、国からの中止要請がないため、25日に起工式が開かれることになった。
 スマートICは、高速道路の本線やサービスエリア、バス停から乗り降りできるETC専用のIC。簡易な料金所の設置で済み、従来のICに比べて低コストになる。湖東三山スマートICは、名神高速道路の彦根・八日市IC間の愛荘町に設置が計画されており、建設費は計約19億円で、国が約13億5000万円、県が約2億5000万円、中日本高速道路会社が約3億円を負担する予定。
 衆院選前の今年6月に国交相が現地を視察し、その後認可したが、民主党政権となったことで計画の行方が注目されていた。9月4日には滋賀2区の田島一成衆院議員(民主党)に彦愛犬の首長が陳情に訪れていた。
 同IC建設促進期成同盟会では、現政権下でも同ICの設置計画が継続されるとして、起工式を開く。25日は午前10時~愛荘町の県立アーチェリー場で。民主党の衆参議員3人(秘書含む)も出席する予定。

2009年12月18日金曜日

みねしまよしえさん作品展、高宮の古民家「宿駅『座・楽座』」で

 彦根市高宮町の中山道沿いで江戸時代に近江上布の店だった旧・布惣を県立大生らが改装し、今年9月19日にリニューアルオープン。このほど「宿駅『座・楽庵』」と命名した。19日からは児童画家・みねしまよしえ(峯島良枝)さん=米原市=の作品展を開く。また20日にはソプラノ歌手・白谷仁子さんのリサイタルもある。
 布惣は高宮の商人・堤惣平が明治末期まで経営。大正時代からは、現在同店を管理する加藤義朗さんの父・儀太郎さん(故人)が金物店「加藤儀太郎商店」を経営してきた。2年ほど前に店を閉め活用策を模索していた加藤さんが、県立大学に改装を依頼した。店は約120平方㍍の敷地に、江戸時代の建物と見られる蔵とほかに2部屋ある。
 作品展を開くみねしまさんは彦根工業高校などで非常勤講師として美術を教えながら、県内の紙芝居や絵本の読み聞かせイベントなどにも作品を提供している。
 来年の干支に合わせて虎のイラストや、虎に関する世界の民話をイラストにしたカレンダーなど約30点を展示する。カレンダーは500円で販売。開館は土日のみで、午前10時~午後5時、来年1月31日まで。
 白谷さんのリサイタルは「大正ロマンティックなクリスマス」をテーマにクリスマスソングなどを歌う。午後1時半~と午後3時半~。入場料は大学生以上2000円、中高生1500円、小学生以下1000円。コーヒーまたはジュース、みねしまさんのオリジナルポストカード付き。

花しょうぶ通り商店街 「力石」内の喫茶「Ruwam」 ヘルシースイーツ人気

 彦根市内の花しょうぶ通り商店街、街の駅「力石」内にある喫茶「Ruwam」(河原2)が、観光客や健康志向の市民の憩いの場として人気を集めている。
 店主は今井晃子さん(27)。彦根市内の会社に勤めていた時に湖東焼を始め、その魅力にひかれて会社を退職し陶芸家の中川一志郎さんに弟子入り。本格的に陶芸の世界に入った。また19歳のころからアジアや中東、アフリカなどの海外旅行にもはまり、これまでに15カ国を旅している。現地人ともすぐに仲良くなり、各家庭の料理や菓子の作り方を学んだ。菓子作りは幼少期からしており、高校生の時からヘルシー料理にも関心を持っていたという。
 昨年5月にオープンした同店では、「玄米抹茶サブレ」や「ゴマとおからのビスケット」などの菓子、諸外国の茶やカフェなどの飲み物を提供。「マクロビオティック」の考えに基づき、すべての製品に卵や乳製品、白砂糖を使っていない。
 今井さんは「来て頂いた人がみんな笑顔になるようなスイーツを提供できると思います」と話している。開店は午前11時~午後5時。定休日は月・火曜。今月27日~1・2月は冬季休業。今井さんが旅行中も休み。問い合わせは同店℡0749(27)2810へ。

湖東定住自立圏「共生ビジョン」策定へ 

 定住自立圏形成協定を締結した彦愛犬1市4町の将来像を決める「湖東定住自立圏共生ビジョン懇話会」の代表者会が16日、彦根市役所で開かれ、来年2月末までにビジョンを完成させる方針を確認した。
 共生ビジョンは、定住自立圏内のここ5年間における生活環境や経済基盤などの将来像で、中心市が策定することになっている。彦根市は今年4月15日に中心市を宣言、10月4日にはほかの4町と形成協定を締結した。
 湖東定住自立圏共生ビジョン懇話会は代表者会のほか、「医療・消防救急」、「障害福祉・次世代育成」、「図書館」、「観光振興」、「環境・ごみ処理」、「地域公共交通」、「インターチェンジ・バイコロジー」、「地産地消」の8分科会で組織。
 16日の代表者会では、まずは平成22年度分の計画を優先したうえで共生ビジョンを策定し、その後は1年ごとに修正していくことも確認した。会長には彦根商議所の北村昌造会頭が選ばれた。

2009年12月15日火曜日

藤井勇治・前衆院議員、長浜市長選出馬へ検討

 湖北1市6町合併後の新「長浜市」の市長選(来年2月14日投開票)に、前衆院議員・藤井勇治氏の立候補を要請するため、湖北の首長らが呼びかけ人となり、11日に長浜市内で会合を開いた。この動きを受け、藤井氏も出馬へ向け検討を始めた。近く決断し発表する意向。
 来年1月1日付けで長浜市と東浅井郡2町、伊香郡4町とが合併し、新しい「長浜市」が誕生する。市長選には、現職の川島信也氏(73)がすでに出馬表明しているが、長浜市の県議や市議、他町の首長からは「新しいまちには、新しいリーダーの登場が求められる」と、藤井氏を推す声が高まっている。
 11日の会合でも出席者からは「故郷を思う気持ちは国も地方も一緒のはず」「舞台は変わるが、藤井さんに一肌脱いでもらうべき」などの意見が出、要請文を採択した。藤井氏を推すグループはほかにもある。
 藤井氏は滋賀彦根新聞の取材に「無投票はあってはならない。情勢を見極めたうえで決断したい」と、近く発表する意向を示している。

彦根城ですす払い ひこにゃん「危険」で参加せず

 彦根城で恒例のすす払いが14日、天守で行われた=写真。築城400年祭が開かれた平成19年から手伝ってきたひこにゃんは安全性を考慮し、今年は参加しないことになった。
 すす払いは、天守、太鼓門櫓、天秤櫓、西の丸三重櫓、佐和口多聞櫓の1年間の汚れを取り除く行事で、天守はこの日のみ、ほかの櫓は2週間ほどかけて清掃される。
 天守では彦根城管理事務所の職員40人が赤い法被とヘルメットを装着し、柱上のほこりやクモの巣をほうきで払ったり、床を拭いた。 ひこにゃんはここ2年、天守3層目の高欄に出て命綱を付けながら手伝っていたが、大きな体のため危険と判断され、参加できなくなった。来年以降も参加しない予定。

彦根詠んだ歌碑、彦根駅東口に建立 彦根万葉集を読む会

 彦根万葉集を読む会は、結成30周年を記念し彦根駅東口前広場に万葉歌碑を建立。12日に除幕式を開いた。
 同会は元東中校長の礒崎啓さん(81)=米原市=を講師に迎え、1980年(昭和55年)1月から東地区公民館で月1回、万葉集の教室を開いてきた。大阪府高槻市からの参加者を含め43人の受講生がいる。来年1月で30周年を迎えることを記念し、彦根の万葉歌の歌碑(幅1㍍20㌢・高さ70㌢・厚さ30㌢、製造・田中家石材)を建立。
 歌は37代の斉明天皇(594―661)が詠んだ「淡海路の鳥籠の山なる不知哉川日のこのごろは恋ひつつもあらむ」。鳥籠の山は彦根を通っていた東山道の近くにあった山で、不知哉川は芹川だとしている。
 除幕式では、市長や礒崎さんらが除幕した後、市長が「東口にまた新たな名所ができうれしく思う」とあいさつ。礒崎さんは「次の40年を目指して、これからも万葉集を学んでいきたい」と話した。

2009年12月11日金曜日

有志9人「彦根市民健康サポーターズ倶楽部」設立、医療環境改善目指し

 彦根市立病院と市民との良好な関係を目指し、市立病院の医師と市民の有志がこのほど、ボランティア団体「彦根市民健康サポーターズ倶楽部」を設立した。各科医師による勉強会や公開講座などを開き、市民に正しい医療情報を提供していく。
 現在の医療環境は、軽症でも通院するコンビニ受診や医療訴訟の増加、経営難への不安などで、地方病院の医師と地域住民との間に誤解が生じ、良好な関係にはなっていない。
 彦根市立病院の医師や市民有志ら9人は、医療環境の向上を目指し、同倶楽部を今年10月1日付けで設立。各種団体や老人会、子育て中の母親の集会などの場に、医師を招いて公開講座を開くなどし、市民と市立病院との交流事業を展開していく。
 世話人の一人で循環器科の医師・綿貫正人さん(50)は「医者の思いと市民の考えとにギャップがあるのは事実。今後はお互いに信頼関係をつくっていきたい」と話している。
 県医務薬務課によると、地方病院の医師と地域住民が、医療環境の改善のために団体を設立するのは県内で初めてだという。

癒やす犬「セラピードッグ」の説明会、彦根で

 人を癒やす犬「セラピードッグ」についての説明会が17日午後1時~、彦根市佐和町のグランドデュークホテルで開かれる。国際ソロプチミスト彦根主催。
 セラピードッグは、捨てられた犬などを専門機関が訓練し、病人やけが人、精神的な苦痛を受けた人を癒やすことができる犬のこと。
 平成7年1月の阪神淡路大震災をきっかけに同年9月に発足したNPO法人日本レスキュー協会(本部・兵庫県伊丹市)でもセラピードッグの訓練をしており、現在は10頭を所有。介護・障がい者施設や、医療機関、学校などへ訪問し、高齢者や障がい者、患者に癒やしを提供している。
 彦根での説明会には、同協会が所有するいずれも雑種で、雄のニライ(3)と雌のルル(6)の2頭のセラピードッグが訪問し、実際に施設でしている遊びなどのデモンストレーションが行われる。入場無料。問い合わせは同ホテルへ。

2009年12月8日火曜日

4割超が「子ども持つ必要ない」 誤った男女平等政策の見直しを

 結婚しても必ずしも子どもを持つ必要がないと考える人は42・8%だったと、内閣府が5日発表した。俄かに信じがたい数値であり、少子化が更に進むことが懸念される。
 内閣府の発表では、子どもを持つ必要がないとしたのは、男性が38・7%だった一方、女性はそれを上回る46・5%だった。アンケート対象が、都会人か「ジェンダーフリー」など特質な考えを持った人たちにたずねたのかとも疑いたくなるような数値である。
 経済的な理由ならまだしも、「子どもをつくると仕事ができなくなる」、「夫婦だけで家庭が成り立つ」、「生き方の選択が狭まる」など、いわゆる自身の「自由」のみに固執するがために子どもをつくらないという理由には、首を傾げざるを得まい。
 一般的に、人間は異性に興味を感じ、そして一人あるいは(諸外国のように)多数の異性と結婚し、子どもを授かり、子孫を残す―というのが定理となっている。
 子どもが欲しくても出来ずに不妊治療に努める夫婦も少なくはない昨今に、子どもを持つか否かは「自由」だとする考えは、その自由の方向性をはき違えていると苦言を呈したい。その根源には、性を同一視するジェンダーフリー的な考え方に洗脳されているのであろうが、男と女は肉体的、精神的に見て、まったくの別物であり、一部の学者たちがそれを同一視する考え方は、どのような理屈を並べても大抵の人間は納得できまい。
 草食系男子が流行語になるなど世の若い男は軟弱となり、若い女ははき違えた自由を求めるようになった―。今回の内閣府の発表は、日本民族の存亡にも繋がり、危機感を抱かざるを得ないデータである。国は少子化対策と並行して、誤った男女平等策を改めるのも急務である。 (山田貴之)

独居老人の支援団体「きずなの会」 来春に彦根支所開設

 独居老人の身元保証などを行っているNPO法人「きずなの会」(本部・名古屋市)が来年4月12日(予定)に彦根市内に支所を開設する。11日午後1時半~は、ひこね燦ぱれす(小泉町)で事前の説明会を開く。
 同会は、一人暮らしや身寄りがない高齢者や障がい者などを支援するため、大学教授や弁護士、司法書士、住職らにより2001年に結成。以降、愛知県内や東京、静岡、岐阜に支所を開設し、今年10月末までに約3800人の高齢者などを支援してきた。
 主な活動は、一人暮らしの高齢者や障がい者が▽アパートや病院、施設へ入院・入居する際に身元保証人になる▽突然のけがや病気の際に付き添いなどの支援をする▽亡くなった時の事務手続きや葬儀の手配などを行う―など。同会専務理事の小笠原重行さんは「高齢化が進む現状に合わせて、ニーズも増えている。行政と協力しながら、対応していきたい」と話している。
 彦根での説明会の参加費は無料。問い合わせは同会℡052(961)8002へ。

彦根城のしめ縄作り ひこにゃんもお手伝い

 毎年恒例の彦根城内に設置するしめ縄作りが8日、彦根城管理事務所(金亀町)で行われ、ひこにゃんも一緒にしめ縄作りに汗を流した。
 赤い法被姿の作業員11人が、束ねたもち米のわらがばらけないように、「よいしょ」「それ」などと掛け声をかけながら、釣り糸で編み込んでいた。
 完成したしめ縄は長さ約6㍍、太さ約25㌢、重さ約50㌔㌘の城内に設置される最大のもので、天秤櫓に設置される。ほかにも、天守や天秤櫓、開国記念館、玄宮園、馬屋などに設置するしめ縄計20本が作られ、25日に飾られる。

パキスタン在住・督永忠子さん、アフガニスタン問題で民生支援方法の改善求める

 紛争が絶えないパキスタンやアフガニスタンで支援活動を続けている督永忠子さん(65)=彦根市芹橋2出身=が、一時帰国に合わせて5日、市内で講演。日本など各国の経済的援助が民衆の生活に結びついていないとし、民生支援の仕方の見直しを提起した。
 督永さんは28年前にパキスタンの首都・イスラマバードに移住。妊産婦・乳幼児の死亡率の高さや識字率の低さなどを目の当たりにし、NGO「日パ・ウェルフェアー・アソシエーション」(NWA)を組織。母子保健センターの創設や、縫製職業訓練校の主宰などをしてきたほか、隣国アフガンでも民生支援に取り組んでいる。
 講演では、アフガンで2002~03年に支援団体を通じて取り組んだ井戸の掘削事業を紹介。2年間で64カ所を掘ることで延べ8万5000人の雇用につながり、畑作仕事も可能になったとし「生活や仕事につながる草の根支援こそが求められている」と話した。一方、日本など各国の援助については「民生支援とは名ばかりで、支援が同国の幹部らにとどまっていて国民にまったく行き届いていない」と疑問を投げかけ、その改善を求めた。
 アフガンへ軍人3万人の増派を検討している米国に対しては「オバマ政権に代わったが、国がそもそも強大な軍需産業に支えられているから平和を望まないのかも」と指摘。「民主主義が最善・最良というのは米国の過誤ではないか。アフガンを私たちの価値観で捉えるべきでない」と苦言を呈した。

2009年12月4日金曜日

ヴォーリズ建築の写真展・高宮駅で 松居直和さん撮影

 大正~昭和時代に日本各地で西洋建築の設計を行ったウィリアム・メレル・ヴォーリズの建物を撮影した松居直和さん(50)=米原市=の写真展が、彦根市の高宮駅コミュニティセンターで開かれている。
 松居さんは、豊郷小旧校舎の解体問題がクローズアップされていた平成13年ごろから、全国のヴォーリズ建築の撮影を始めた。高宮駅での写真展では、旧彦根高等商業学校(現・滋賀大学)外国人教員住宅(馬場1)、駒井邸(京都)、六甲山荘、朝吹山荘(軽井沢)の外見と建物内のカラー写真計21点を展示。
 旧彦根高等商業学校の作品は、2棟の建物の屋根に雪が積もった風景や、新緑の光景が見られる。開館は午前8時半~午後5時半。入場無料。21日まで。

彦根市内小中学生の暴力16件、半数以上が対教師

 文部科学省は、小中高生の昨年度の暴力行為件数が過去最多(5万9618件)だったと発表した。県内では前年度比8件減の469件だったが、彦根市教委管内の小中学校では同5件増の16件だった。
 暴力件数16件のうち、小学生は1件で、中学生は15件。そのうち対教師が10件と半数以上を占め、次いで生徒間5件、器物損壊1件だった。
 具体的な事案としては「携帯電話を取り出したので注意したら逆上した」「生徒同士でのいざこざを止めに入ったところ襲ってきた」などで、ほとんどが注意をしたことに逆ギレし暴力行為に及んでいる。
 市教委管内のここ5年の件数は横ばいだが、学校教育課では「年々、子どもたちがキレやすくなっているように感じる」としている。
「厳格な指導」の復活を
 なぜ子どもはキレやすくなったのか―。なぜ尊ぶべき教師にまで暴力を振るうようになったのか―。
 専門家からは「気持ちを表現する言葉の幅が狭くなった」「大事に育てられたため我慢することができない」など、学校や家庭での教育方法を問題視する意見があがっている。
 確かにその通りだと思うが、更に付け加えるとすれば、学校や家庭、または地域社会での「厳格な指導」が欠如しているといえよう。
 私たちは少年時代、教師や親など、いわゆる目上の人たちに暴力を振るう事はなかった。その背景には、教師などへの尊敬の思いと共に、畏怖の念もあったはずだ。
 学校現場では、いわゆる体罰が指導の手段として当たり前のようにあり、家庭や地域社会においても、(わんぱく小僧だった)私たちはげんこつや平手打ちを食らっていた。
 大人になった私たちは、子どもの当時に厳格な指導を受けた大人の方々を忘れることはなく、感謝の念を抱いている。それは当時の厳格な指導が、感情的な怒りからではなく、子どもの正しい成長を願ったうえでの愛情表現(演技)だったと理解しているからであろう。
 体罰などの厳格な指導を、感情的な暴力や虐待と一緒くたにするのではなく、子どもの健全な育成のために、学校や家庭、地域で用いられる社会に戻ることを強く望む。   (山田貴之)

沖縄密約問題 元毎日記者・西山太吉さん現政権に解決求める 滋賀大学で講義

 沖縄密約事件で逮捕された元毎日新聞記者の西山太吉さん(78)が先月30日、滋賀大学で講義を行い、密約を認めない国を批判した。翌1日には元外務省アメリカ局長の吉野文六さん(91)が東京地裁で原告側の証人として登壇し、公の場で初めて密約を認めた。
 西山さんは政治部記者時代に、沖縄返還協定をめぐって米国が支払うべき原状回復補償費を日本が肩代わりしていた密約情報を入手。しかしその入手方法が問われて、沖縄が返還された年の1972年に国家公務員法違反で逮捕された。ほかのジャーナリストや作家らと密約の文書公開を求めて訴訟を起こしている。
 西山さんは、密約に関する関連文書を日本の外務省が情報公開請求法施行前の2001年に廃棄した可能性を示唆したうえで「官僚3、4人の会議で永久保存すべき文章の保存期間を簡単に縮めることができる」「民主主義の根幹を揺るがす重大な問題だ」と批判。
 密約により多額の金が米国に流れていたとする経緯を紹介したうえで「国を売っているような行いで、主権国としての権威がまったくない」と断罪。「いかに戦後の民主主義がでたらめだったか。メディアの監視能力が弱かったか。あらゆる意味を込めて問題提起をした」と、訴訟を起こした経緯を説明した。
 沖縄密約を含めた米国との4つの密約についても「政権交代を機に、現政権が過去の過ちを検証しなければならない」と述べた。

2009年12月1日火曜日

彦根城内堀運航中の屋形船 乗船3万人達成

 NPO法人小江戸彦根(棚橋勝道理事長)は29日、内堀で運航中の屋形船の乗船者が3万人を達成したため、記念式典を開いた。
 築城400年祭開幕後の平成19年3月22日に屋形船の運行を開始。その年の9月に1万人、昨年9月に2万人を達成していた。3万人目となったのは、その日に市内で挙式をした吉川嘉彦さん(46)=東近江市=と竹中香織さん(30)=守山市=の新婚さん。
 記念式典では、棚橋理事長が「事故一つなく3万人を達成できて、うれしく思う。今後も彦根城の観光の一つとしてがんばっていきたい」とあいさつ。その後、ひこにゃんのぬいぐるみなどの記念品がプレゼント。吉川さんは「一生の思い出になる結婚式になりました」と笑顔で話していた。
 屋形船の冬期の運航は以下の通り。
 ▽1日~6日=午前11時、正午、午後1時、同2時の4便▽7日~23日と来年1月12日~2月末は平日が予約のみで休日は4便▽1月2~11日は4便。問い合わせは小江戸彦根℡080(1461)4123。

「近江上布は彦根の誇り」 名工合作品やファッションショーでPR

 江戸時代に湖東地域で生産された高宮布の伝統を引き継ぐ「近江上布」のPRイベントが28日、ビバシティ彦根で開かれた。
 「近江上布のルーツを探る」をテーマに叡山学院名誉教授の渡邊守順さんが講演。近江上布が中世ごろに高宮を中心に生産され、近世になると近江商人が全国で売っていた歴史を紹介したうえで、「近江上布は彦根の誇り。その良さを伝えていってほしい」と述べた。
 講演会後は現代の名工とおうみの名工2人が協同で作ったかばんの展示販売、稲枝青楽団やゆるキャラが登場しながらの近江上布製ふんどしのファッションショー、近江上布の手織り実演などが行われ、会場は終始、賑わっていた。