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2021年11月3日水曜日

自民・上野氏 圧勝の5選 得票 全市町で田島氏上回る

 衆院選は1031日に投開票された。自民党前職の上野賢一郎氏(56)と立憲民主党元職の田島一成氏(59)が初めて一騎打ちで戦った滋賀2区では、上野氏が選挙区内の全市町で勝利し、8万3502票を獲得して5選目を果たした。田島氏は出身地の彦根で敗北するなど2万票近くの差を付けられ、比例復活も果たせなかった。
 
「暮らしと経済を進める」
上野氏、国政での活躍誓う
 
 長浜市の上野氏の事務所では、投票が締め切られた午後8時に早々と「当選確実」と報道されると、大きな拍手と歓声に包まれた。
 万雷の拍手に迎えられ事務所入りした上野氏は「与野党一騎打ちの大変厳しい戦いを勝ち抜くことができたのは、コロナ禍の大変な中で皆さんにお力を頂戴したおかげです」と繰り返し感謝の言葉を述べた。
 コロナ後の社会活動や経済活動の推進のため、地域の中小企業、農林水産業、医療・介護・保育の現場の支援を約束し、地元では国道8号線の彦根バイパス、スマートインターチェンジ(SIC)、河川整備など「暮らしと安全、経済活動の基盤となる事業を進め、地域の皆さんが安心して暮らせるようにこれからも努力していきたい」と語った。
 「大勢の皆さんのお力添えで5回目の当選を果たせたが、当選は一つのプロセス。この任期の間に、上野を国政に送って良かったと思ってもらえるよう仕事をしっかりして結果を出す。それが私の使命」と気を引き締めた。
 上野氏が田島氏と対決するのは4回目だが、一騎打ちは初めて。野党勢力を結集して統一候補として挑んできた田島氏に対する危機感は強く、地元でのインフラ整備など与党政治家としての実績を掲げて「結果を出してきた」とアピール。また、安全保障政策が異なる立憲民主党と共産党の選挙協力を批判してきた。さらに田島氏のお膝元の切り崩しを狙って彦根市内で精力的に活動し、選挙期間中には和田裕行彦根市長と動画配信サイトで「コラボトーク」を行うなど新しい選挙手法を模索しながら支持を広げた。
 
「現職の強みと元職の弱み」
田島氏、比例復活もかなわず
 午後8時に上野氏の当確の報道が流れると、高宮町の田島氏の選挙事務所内ではスタッフから驚きの声があがった。
 田島氏は午後8時25分ごろ、選挙事務所に松葉づえ姿で登場。用意されたステージ上に登壇し「4年前の選挙とは雰囲気が違うとの思いで、元気よく、気持ちよく戦えた」と12日間の選挙戦を振り返りつつ「この負けを重く受け止め、これからの活動の道をどう開いていくのかを考えたい。本当に申し訳なく思う」と深々と礼をした。
 記者陣からの「敗因は」の質問に、田島氏は「現職の強みと元職の弱みが出た。(上野氏は)インフラの整備など地域への貢献をアピールし、評価されたのだろう」と分析。当選した上野氏に対しては、財務省の公文書改ざん問題にふれ「財務副大臣も務めたのだから、都合の悪いことにはふたをせず、国民に説明された方が良いと思う」と求めた。
「政治生命をかけた戦い」と位置付けていた衆院選で比例復活も叶わず敗れた田島氏。「最後の覚悟で戦ったが、私一人では決められないこと」と、今後の去就については明言を避けた。
 
上野氏彦根で初勝利
 上野氏と田島氏とのこれまでの戦いでは、選挙区内のうち田島氏の出身地の彦根市内で上野氏が上回ることはなかったが、今回は初めて上野氏が256票上回った。
 選挙戦中、上野氏の陣営は「彦根で初の勝利」を目標に掲げ、河野太郎氏や野田聖子氏ら著名な政治家の応援演説を彦根市内で実施。選挙戦最終日には彦根を重点的に回るなど精力的に選挙活動していた。
 また上野氏は出身地の長浜市で1万4000票余りの大差をつけた。
 
投票率は彦根微増
 衆院選の投票率は県全体で5733%と、前回の5632%から微増。彦根市は5455%(前回5069%)で、市では東近江市2区と4区、湖南市に次いで下から3番目だった。犬上郡は豊郷5456%、甲良5872%、多賀6660%、愛荘町が5602%だった。第2選挙区全体では5693%(前回5580%)。投票日の有権者数は26万3110人、投票者数は14万9792人だった。
 
【滋賀2区の開票結果】
当 83502 上野賢一郎 自民前
  64119 田島 一成 立民元
 
  【市町別の得票数】
上野氏   田島氏
彦根 24737 24481
長浜 34484 20204
東近江 2986  2530
米原 10399  8296
市計 72606 55511
愛荘  5077  3945
豊郷  1808  1309
甲良  1830  1453
多賀  2181  1901
町計 10896  8608
惜敗率       76787
 
【比例代表(彦根市開票区)】
政党    得票数
 
自民党   16985
立憲民主党 10475
日本維新の会 9234
公明党    4185
共産党    3005
れいわ新選組 1872
国民民主党  1798
社民党     735
NHK党    706
(小数点以下を略)

2021年10月30日土曜日

衆院選、上野賢一郎候補と田島一成候補にインタビュー③

滋賀彦根新聞社は滋賀2区に出馬している上野賢一郎候補と田島一成候補にインタビューを実施。最終3回目の今回は滋賀2区での実績と課題について質問した内容を紹介する(以下、敬称略)。
 
(上野候補)
インフラ整備と世界遺産推進
 
 ―彦犬地区、米原、長浜の今後について
 上野 さまざまあるが、一つはインフラ整備。特に彦根市は渋滞が激しい場所が多い。昭和40年代に計画された国道8号線の彦根バイパス計画はここ数年で大きく前進させることができた。今年度中には整備する場所を示すことができる。多賀のスマートインターチェンジは来年度の完成を目指している。彦根インターから古沢に抜けるトンネル工事も令和6年度に終える。市民の皆さんや観光客、湖東地域で働く製造業の皆さんの利便性にもなる。彦根城の世界遺産登録も実現に向けて後押ししたい。
米原バイパスは令和7年度に完成する予定。湖北は治水対策が遅れていたが、3年前に県が河川整備計画を策定。姉川、高時川、天の川などの河川整備に必要な予算がとれるように相当な力を入れていきたい。
 ―東海圏から観光客を招ける政策を
 上野 まずはJR東海との関係をより良いものにしたい。中京圏から彦根、米原、長浜へのルートで人が移動する流れを作っていければいい。コロナが落ち着けば、インバウンドという問題が出てくるため、セントレア空港を使って呼び込むルート設定が必要になる。

(田島候補)
人口減少対応と琵琶湖再生
 
 ―滋賀2区の課題は
 田島 一番大きな課題は人口減少。特に湖北は空き家や高齢者だけの集落が増えてきた。その代わり、シカ、サル、イノシシ、クマの存在が際立つようになってきた。彦根の隣の甲良町も過疎の対象になりつつある状況。一朝一夕で解決できる問題ではないが、地元の首長や議員と相談しながら、具体的な人口増、更には持続可能な街を守るための手立てを考えていかなければ。
 ―米原や長浜の湖北の課題は?
 田島 河川整備など社会資本整備は遅れている地域だと感じている。気候変動に伴って、災害が大規模化、突発型しており、滋賀でも河川の氾濫があった。決してひとごとではないため、リスクのある地域の河川については早めの対策が必要だ。
 ―ほかに進めたい政策は?
 田島 国道8号線の彦根バイパスがこの4年間、1㌢も進んでいない。滋賀国体を控えて主要幹線の整備は必要なため、強力に予算要求をしたい。4年前に琵琶湖保全再生法を議員立法で作った。琵琶湖に国からの財政支援を呼び起こすための恒久法だが、この4年間は予算が上乗せされていない。

2021年10月27日水曜日

河野太郎氏と蓮舫氏が衆院選滋賀2区で応援演説

 衆院選の滋賀2区に出馬している自民党前職の上野賢一郎候補(56)と、立憲民主党元職の田島一成候補(59)を応援するため、各党の著名な弁士が23日、彦根市などで演説した。
 
「コロナ後の新しい日本を」
 自民党広報本部長の河野太郎氏はパリヤ前で上野候補の応援演説を行った。
 河野氏は新型コロナ対策について、国民の1回目の接種が4分の3、2回目が3分の2終えているとした上で「来るかもしれない第6波を小さくするためにワクチン接種に協力して頂きたい」と求めた。
 コロナ後については「新しい日本を作っていかなければならない」とした上で「コロナ禍の中で進んだテレワークを日本中に広めたい。大都市ではなく地方で仕事ができ、自宅で介護をしながらも仕事ができるようになる。都市で働くのと同様の所得で働けるため地方に若者が戻ってくることもできる」と説明。日本経済新聞の調査で全国10万人以上の自治体のうち、彦根市がテレワークに適した都市で1位だったことにも触れ「彦根に多くの若者が戻ってきてもらえる」と述べると、観衆から拍手が沸き起こった。
 河野氏は、上野候補が財務副大臣や国土交通大臣政務官、党財務金融部会長などを務めてきた実績をあげながら「日本はコロナ前に戻るのではなく、新しい日本経済を作っていきたい。要職を務めてきた上野候補はその経済を引っ張っていく存在だ」と支持を求めた。
 
「まっとうな政治取り戻そう」
 立憲民主党代表代行の蓮舫参院議員はパリヤ前で田島候補の応援演説を行った。
 蓮舫氏は衆院選後に岸田政権が大型の補正予算を組む意向を示していることに「経済を回す重要性を否定しないが」とした上で「観光以外の農業への支援も必要だ。原油高によって日常の生活が壊れている中、経済よりもまず国民の生活にお金を使うべきだ」と論じた。
 自民党と連立を組む公明党が18歳以下の子どもに一律10万円の支給を公約に掲げていることもあげ「皆さんの税金を使うことになる。なぜ選挙の前に実施しないのか。真っ当な政治を取り戻そう」と呼びかけた。
 森友学園を巡る財務省の公文書改ざん問題については「何が起こったのかを検証する必要がある。嘘をつかない政治を」と指摘。また蓮舫氏は、岸田首相が金融所得課税の強化に慎重姿勢を示しているとした上で「大企業ほど内部留保が多くある。それを大学に行けない子どもがいる世帯や、年金だけで暮らしていけない人たちに分配する政治をする」と述べた。
 最後には「国会に緊張感を持たせるため、これまでの傲慢な政治に判定をしてほしい。命と暮らしを守る政治をもう一度、取り戻そう」と支持を求めた。

 

2021年10月23日土曜日

衆院選滋賀2区候補者インタビュー①、コロナ対策・経済・地域振興は?

 19日に公示した衆院選の滋賀2区には、自民党前職の上野賢一郎候補(56)と、立憲民主党元職の田島一成候補(59)が出馬している。滋賀彦根新聞社は公示前、両候補にインタビューを実施。新型コロナ対策や経済対策、滋賀2区での実績と課題などについて質問した内容を次週に分けて紹介する(聞き手・山田貴之、以下敬称略)。
 
【上野賢一郎候補】

中小企業の所得増へ「分配」
 
 ―岸田新政権に対して
 上野 前の菅政権では新型コロナ対策を最優先で取り組み、デジタル庁を創設した。岸田政権になって、ベテランから若手までが一致結束して、これまで以上に全党一致の体制で色んな難しい課題に挑戦していく。
 ―岸田首相が掲げる成長と分配とは
 上野 安倍政権と菅政権は成長戦略に力を入れてきたが、儲かっている大企業の内部留保がたまっているという指摘がある。しっかりと働く人たちや取引先の中小企業に還元することで、所得が増え、新しい消費につながって更なる経済成長につながる、という流れが分配の意味。
 ―国民が直接感じとれる分配とは
 上野 例えば、コロナ禍で大変な仕事をしている介護や保育など福祉の現場の方はなかなか給与の水準が上がらない。公的価格の中で給料が支給されているためだが、現場で働いている皆さんの賃金や給料をもっと引き上げていくというのが一つある。あと、最低賃金1000円を目標にしているが、それを引き上げる方法もある。大企業と中小企業との関係を見直すことによって、中小企業や小規模事業者の皆さんも所得の向上ができる。所得の向上をどうやって図るかを、しっかり考えて政策として打ち出したい。
 ―野党は消費税率の引き下げを公約に掲げているが
 上野 日本は諸外国に比べて消費税に対してセンシティブな考えがあるため、悩ましいが、政府与党の立場からすると、消費税を一律下げるよりも、本当に苦労されている方や困っている方に給付金をしっかり届けるやり方がいい。
 
【田島一成候補】

コロナ対策「臨時医療施設を」

 ―新型コロナ対策は?
 田島 ワクチン接種や検査体制の拡充、医療現場のひっ迫の解消など誰もが望むべきことをやってもらわないと困る。緊急事態宣言が解除になって、新規陽性者数も落ち着きを見せているこの時期の体制整備が求められる。昨年春、日本は春節の観光客が引いてから緊急事態に入った。他国のニュースが入っていたのだから、対処しようと思えばできたのに、経済の欲をかいたがゆえに感染拡大のきっかけを作ってしまった。やはり水際防止の充実が何より大事。検査にも思い切った踏み込みが出来ていなかった。陽性であることを知らずに日常生活で感染を拡大させてはならないため、検査体制を整える。自宅療養をした患者が亡くなる事案をこれ以上起こさないためにも臨時の医療施設を都道府県単位で建設できる体制を整えたい。
 ―コロナ禍の地方経済対策は?
 田島 ためらうことなく、きちんとした支援策を充実させたい。アフターコロナに経済を動かそうという時に、肝心のエンジン部分の経営主体者が疲弊し、店を閉じている状態では動かせるものもない。厳しい状況にある中小零細、飲食業の方々にきちっとした補償や支援をすることで、持ちこたえてもらう財政的な施策が最優先。
 ―岸田政権の「分配」に対しては?
 田島 総裁選で金融所得課税に言及していたため、ようやく手を付けるようになったなと、他党ながら淡い期待を持った。ところが総裁になった途端、トーンダウンし、いつのまにか否定するようにもなった。これは分配という部分の意識が薄らいだと、がっかりしている。(次号へ続く)

2021年10月16日土曜日

衆院選滋賀2区は自民前職と立憲民主元職の一騎打ちに

 19日告示31日投票の衆院選を控え、滋賀第2選挙区では立候補を予定している自民党前職の上野賢一郎氏(56)と立憲民主党元職の田島一成氏(59)が事務所開きや決起集会を行うなど選挙戦に向けて本格始動した。
 彦根、米原、長浜などを選挙区とする滋賀2区は1996年の公選法改正で同選挙区が誕生して以来、3~4人で1議席を争う選挙戦が展開されてきたが、今回は初めて一騎打ちの構図となる見込み。政権与党の自民・公明と、立憲民主と共産を軸とする野党との直接対決となり、県内4選挙区の中でも特に注目を集めている。田島氏は2003年から3回連続で選挙区を制しているが、2012年以降は上野氏が3連勝している。
 
新型コロナ対策「最優先」
自民党・上野賢一郎氏
 上野氏は10日に戸賀町で事務所開きを行い、国会議員や県議、市町議、首長らが出席した。
新型コロナ対策について上野氏は「ワクチン接種は世界でもトップクラスで進んでおり、感染者病床の確保にも努めている。今後も最優先の課題として、しっかりと対策を講じていきたい」と述べた。
 この4年間については財務副大臣、国土交通省政務官として経済政策や中小企業対策に取り組んできたことを振り返り、「『結果を出す』をモットーに、経済政策や国土強じん化などに力を入れてきた」とした上で、彦根バイパスや多賀のスマートインターチェンジ、米原と長浜の治水対策を進めてきた実績を説明。彦根城の世界遺産登録や国スポ・障スポに向けた整備にもふれ「彦根をはじめとした湖東地域が元気になるようにがんばりたい」と語った。
 対抗馬が野党統一候補のため「与党対野党の一騎打ちになるが、自民公明がタイアップして政策を訴え、信頼して頂けるように最大限努力していきたい」と支援を求めた。
 選対本部代表の細江正人県議は、前回4年前の選挙の滋賀2区で彦根だけが539票差で対抗馬に負けたことをあげ「彦根でいかに票を積み上げるかが大事になる。自民・公明対立憲民主・共産の反自公かの政権選択の選挙になる」と説明した。
 
「国民の命と暮らしを守る」
立憲民主党・田島一成氏
 田島氏は9日にパリヤ前の街頭演説会、高宮町の彦根事務所で決起集会を開き、同党最高顧問で元首相の野田佳彦氏が応援に駆けつけた。
田島氏は先月27日に事務所で転倒して左足を骨折し、今月8日に退院。松葉づえ姿で「入院は初めての経験だったが、医療従事者の皆さんの苦労を日々、目にしてきた」と語った。
新政権に対しては「首をすり替えても政治の流れは変わらない。内閣支持率を見ても国民が辟易としていることは明らか」と批判。「国民の命と暮らしを守るには政治の力が必要。この4年間は臥薪嘗胆し、捲土重来を期してきた。私にしかできない政策があり、それに全力であたりたい」と支持を求めた。
野田氏は鶏卵業者から元大臣への贈賄や統合型リゾート(IR)参入を巡る汚職事件、金銭授受疑惑がある甘利明氏の幹事長就任にふれ「権力は続くと腐敗する。トップを変えても何も変わらない。真の政権交代しかない」と力を込めた。新型コロナ対策について野田氏は「総額
73
兆円の経済対策のうち3割が使われていない。コロナで地べたをはいつくばっている人、弱っている人、困っている人への政治が必要だ」と説明。アベノミクスなど経済対策については「輸出業者はもうかったが、国民みんなにその恩恵がない。格差是正の政治が求められている」と力説した。
 
両氏の彦根事務所
 上野氏の彦根事務所は戸賀町100-50。☎(47)5303。
 田島氏の彦根事務所は高宮町1751-1。☎(47)3270。

2021年4月28日水曜日

彦根市長選 新人の和田裕行氏初当選「市民の勝利」

 彦根市長選は25日、投開票が行われ、新人の和田裕行氏(50)が1万3903票を獲得。現職の大久保貴氏(57)と元職の獅山向洋氏(80)を破り、3度目の挑戦で初当選を果たした。当確後、和田氏は「市民の皆さんの勝利だ」と喜びをかみしめた。
 選挙戦は新型コロナ対策や財政再建が争点となった。和田氏はユーチューブやフェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどSNSを活用した「新しい選挙戦」を展開。「リセットと復活」をキャッチコピーに掲げ、若者や子育て世代のほか、現市政に不満を抱く中高年にも浸透した。当初は投票率の低さが予想され、現職が組織票をまとめると見られていたため苦戦が予想されたが、選挙戦の中盤から終盤にかけて和田氏の陣営でも手ごたえを感じ、次点に2000票以上の差をつけて勝利した。
 当確の報告を受けて登場した和田氏は「現職有利の予想だったが、必ず勝てると思って戦った。何も言えねえという感じ」と笑顔を見せた。勝因としては「市民の皆さんの代弁者として訴えてきた。市民の皆さんの勝利だ」とし、新型コロナ対策については「万全のコロナ対策を全力で取り組みたい。ワクチン接種は一刻一秒を争うため、無駄のないように進める」と述べた。
 
「一市民として応援」
大久保氏 敗戦の弁
 大久保氏は推薦を受けた連合滋賀や地元3町などの組織票のほか、支援に回った彦犬地区の県議4人全員や市議会与党会派の夢みらいの市議らのバックアップを受けた選挙戦を展開。「市の財政は健全だ」と強調したが、和田氏や獅山氏の陣営にフェイスブックで批判を受けた。敗戦後、大久保氏は「大きな事業が進んでいるので、新市長を中心に市が最も良い発展の道に進むよう導いてほしい。5月10日以降は一市民として応援したい」と語った。
 
獅山氏 高齢影響
獅山氏は市議5、6人の支援を受けながら、政治経験と知名度から高齢者を中心に支持を得たが、やはり80歳という年齢を不安視する声もあり、伸び悩んだ。獅山氏は「現職への批判票の大半が私ではなく、和田氏に流れたということ。やはり歳の力(差)か」と分析した。
 大久保氏の任期は5月9日までのため、当選した和田氏は5月10日に初登庁する予定。
 
事実上の過去最低
投票率、コロナで
 当日の有権者数は9万0244人。うち3万4868人が投票し、無効は621票。投票率は3864%で、春の通常の市長選では最低だった前回4年前の3916%を下回った。
 期日前投票は、仮庁舎2705人、稲枝支所1250人、ビバシティ彦根4134人、文化プラザ1231人の計9320人で、前回4年前の7386人から増加した。

2021年4月24日土曜日

彦根市長選の候補者政策アンケート(後半)

彦根市長選各候補への政策アンケートの後半4項目です(敬称略)。
 
⑤教育および福祉政策
◇獅山向洋「小中学生が一人一台のタブレットを使える時代になった。タブレットを自宅に持ち帰ることができるか、不登校生徒はオンライン授業を選択できるか、今後様々な課題が出てくる。時代の流れに乗り遅れないマンパワーの育成が急がれる。コロナ禍の渦中における福祉の位置づけが重要である」
◇大久保貴「タブレットの活用によるICT教育を進め、だれ一人取り残さない教育を目指します。小学生の通院医療費の拡充を目指し、学校給食費を無償化します。保育や介護の仕事を選ぶ人が増える支援を強化します。住み慣れた自宅で生活できるよう地域包括ケアシステムを更に進めます」
◇和田裕行「滋賀県は学力テスト最下位ですが、彦根の教育理念・施策をバージョンアップし、まずは心の教育から始めます。若い世代が安心して子育てでき、出て行かず、移り住んでもらい、その世代がしっかりとご年配方をお支えすることが持続可能な福祉政策の根幹です」
 
 ⑥新しいごみ処理施設および市立図書館
 
◇獅山「ゴミ処理施設も市立図書館も今後5年間の中期財政計画においては何ら位置づけられていない。財政難を乗り超えてこそ具体的な議論ができる事業であり、今後の財政運営の成否にかかっている。少なくとも今期の市長の4年間は財政立て直しに明け暮れ、その成否によって将来の展望が開けてくると考えている」
◇大久保「荒神山の景観に配慮した最新のエネルギー回収施設を建設し、サーマルリサイクルによる二酸化炭素の削減と生み出される電気や温水で地域の活性化を図ります。中央図書館については令和7年の開館を目指し、湖東圏域内の相互利用の実現を目指します。何れも整備手法を含め財政支出を少なくする工夫をします」
◇和田「いずれも市民の負担が最小になるようゼロベースで見直します。まだ候補地の段階の該当地域にごみ処理施設や市立図書館建設の公約をするのは裏合意ないしばらまきです。西清崎の場合トンネルは不要と考え、トータルで市民負担が最小になる候補地を選択すべきです。図書館についてもコロナ禍ではまず電子図書館を検討すべきです」
 
 ⑦稲枝地区の振興策
 
◇獅山「人口減少と少子化、超々高齢社会に突入した日本では、稲枝地区の問題は市内各地の問題であり、日本全体の問題。そこへコロナ禍と市の財政難が降りかかってきた。市が新たな振興策を議論できる財政的余裕はなく、すでに取りかかっている事業を粛々と進めていく」
◇大久保「稲枝駅西口へのアクセス道路の整備を行います。県道2号線から東に広がる稲部遺跡を含む公園化について、令和3年度の都市計画決定を目指します。民間事業者の力も活用しこの地域にふさわしい、官民協同の公園整備を目指します。稲枝東学区と北学区にも土地活用に課題があるので支援します」
◇和田「稲枝駅西口完成から道路の整備までに時間がかかり過ぎです。投資対効果を上げるため必要な整備は迅速に推進します。少子高齢化が進み、空き家も目立ってきましたが、ICTを活用した独居老人やお体のご不自由な方の見守りシステムを市の周辺部から進めます」

 ⑧そのほか重視する政策
 
◇獅山「ヤングケアラー、フリースクールへ公的支援。市茶の湯条例、市手話言語条例の制定。パートナーシップ条例制定の検討。高齢者への紙おむつ購入費助成範囲の拡大。安定ヨウ素剤の学校家庭へ配布。ひこね燦ぱれす解体反対。荒神山トンネルを含む市道建設反対。フィールドホッケー練習場の検討」
◇大久保「女性活躍について、市役所の管理職や委員会などの機関について更なる登用を図り、一人ひとりが個性を発揮できる地域社会を目指します。新たに業務を開始する庁舎で、市民サービスのワンストップ化を実現し、市民のサービス満足度を向上します」
◇和田「子育て・教育環境を充実させ、働き盛りの人たちに彦根に住んでもらうことが最大の福祉政策です。厳しい財政状況でもICTを駆使して財源を捻出し、まずは安心して出産できる医療体制、産休・育休支援、中学3年までの医療費・給食の無償化に取り組みます」

2021年4月22日木曜日

彦根市長選の候補者へ政策アンケート(前半)

 滋賀彦根新聞社は彦根市長選に出馬した3人の候補者に政策アンケートを実施。8つの質問項目に対する各候補の回答を2回に分けて掲載する(敬称略)。
 
 ①彦根市の財政再建策
 
◇獅山向洋「彦根市中期財政計画(令和3年~令和7年)は『財源不足への対応』をしなかった場合、令和7年度には累積赤字が110億円に達する、これを回避するためには毎年『25億円~29億円の実施予定事業の延伸、中止を含め経常経費の縮減を図る』と述べているので、この方針通りに実行する決意である」
◇大久保貴「市の財政は健全です。平成30年の中期財政計画では令和2年度に財政調整基金はゼロで実質収支は30億円の赤字の可能性としましたが、適切な財政運営で現在は財政調整基金が26億円で実質収支も黒字。ただ今後はコロナ対策で財政の厳しさが増すと思われ、これまで以上に行政改革に取り組み、ふるさと納税など収入アップを強化します」
◇和田裕行「まずは予定されている新市民体育センター等の大型公共事業の内容を精査し、費用対効果の点から無駄がないか徹底的に検証します。ICTによる行財政改革を推進して無駄の削減・効率化を図り、コロナ禍での地域経済活性化策にもICTをフル活用して収益化を実現するなど、歳出減・歳入増の両面から危機的な財政を再建します」
 
 ②新型コロナ対策
 
◇獅山「感染症対策としてはPCR検査の強化が重要であるが、全県的に実施する必要があるので、滋賀県市長会を通じ知事にリーダーシップを発揮するよう要望する。ワクチン接種について、彦根市は県内の市町に比べて対応が遅く、市民への広報も不十分な印象を受ける。市民に不安を与えないよう迅速・円滑に実施する」
◇大久保「市民の皆様のご協力に感謝申し上げ、今後もマスクの着用や三蜜を避ける努力をお願いします。県には広範囲な検査をお願いし、全庁を挙げて市民へのワクチン接種に取り組みます。また災害時の避難所での感染防止対策を徹底します。パルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)を必要な方に貸し出します」
◇和田「彦根市は3月、滋賀県平均の3倍の感染率でしたが、まずはこういう情報をしっかり市民に公開すべきです。彦根市立病院は病床使用率も非公表で、袋町で一斉に行われたPCR検査も県主導だったため、不安しか与えていません。市長自らが現状や具体的な対策のお願いを市民にユーチューブ等で発信すべきです」
 
 ③新型コロナ後の地域振興策
 
◇獅山「彦根市は今後、市債の元利支払の重圧のもとに中長期的に実質公債費比率が高く財政が硬直化するので、積極的な地域振興策を行うことは困難である。小中学校の給食費・医療費無償化など市民生活を中心に据えた政策で、定住人口の維持と移住促進を図り、市としての力を蓄えることが最大の振興策である」
◇大久保「ジェトロ滋賀を活用し地場産業の海外展開を支援します。中央町仮庁舎を拠点に産官学連携でデータサイエンスの起業を支援する。南彦根駅はスポーツ・文化交流センター、河瀬駅は中央図書館、稲枝駅は西口公園開発など、各駅を中心にコンパクトで地域の特性を生かしたスマートなまちづくりを進めます」
◇和田「新型コロナの影響はまだまだ続くという認識のもと、ICTをフル活用して産業を活性化し、彦根および彦根の物産を国内外に売り込んでいきます。地元の中小零細企業や個人事業主向けに市としてICT推進チームを編成してコンサルティングをし、コロナ収束を待たずにできることをやりつくします」

 ④世界遺産および観光振興策
 ◇獅山「私が市長をしていた平成4年に彦根城が世界遺産暫定リストに登載された。世界遺産は彦根市の悲願であり、私個人の悲願でもある。更に尽力する。彦根市観光の中心の彦根城、彦根城博物館及び「ひこにゃん」の維持管理が民間企業に委託され、観光振興策に関する議論が低調になったように感じる。議論を活発化したい」
◇大久保「彦根城の世界遺産登録を令和6年に実現するため、県と進めます。文化とスポーツを観光振興の柱として人の流れを活発にします。国道バイパスの整備で渋滞を緩和し、電動輸送車の導入など公共交通を再整備します。近隣市町と連携し近江鉄道やJR、パークアンドライドを活用しゆっくり楽しめる滞在型観光を推進します」
 ◇和田「他力本願ではなく今できる観光施策を推進すべきです。彦根城以外にも佐和山城跡・中山道宿等の歴史遺産や里山・琵琶湖等の観光資源が豊富にありますので、コロナ禍でも誘客できる資源をフル活用します。お金をかけずに聖地化(フナの里や赤カブトの森など)を推進しつつ、佐和山城の3ホログラムによる再現にも挑戦します」

2021年4月21日水曜日

彦根市長選3氏が第一声

「住みたい街 彦根に」
 
獅山候補は銀座商店街の事務所で支援者約50人を前に第一声。人口減少を
念頭に「彦根市として特徴を出さなければ」と、小中学校の給食費と医療費の無償化を掲げ「全国から彦根に住みたいと思われるようにしよう」と呼びかけた。
新型コロナ対策では大規模なPCR検査を実施する「広島方式」の導入を、県市長会を通じて県知事に申し入れるとした。また「彦根市のワクチン接種があまりにも遅いという批判を受けている」と指摘し、コールセンターへの問い合わせが多いことを例に「不手際が多すぎるのではないか。これは市長にリーダーシップが無いから。人任せの市長を選べば、危機状態にある彦根はもたない」と訴えた。さらに市民の健康づくりとして、市民に歩数計を配布する「ウォーキングポイント事業」に取り組むとした。
 80歳という年齢不安説については毎年、彦根シティマラソンで5㌔を完走していること、米国大統領のバイデン氏も78歳であることを取り上げ「政治は年齢ではない。彦根市をどれだけ愛し、愛する気力を行動力に変えられるかが大事」と語った。
 出発式では辻真理子、伊藤容子、中川睦子、谷口典隆の各市議も駆けつけて支持を呼びかけた。 

「広域連携で政策進める」
  長曽根南町の事務所で出陣式を開き、与野党の国会議員、県議、市議、周辺市町の首長らを含め約100人が参加。大久保候補はごみの再処理や消防司令、観光を東近江や長浜など広域で進めていることをあげ「大きな圏域で進めて発展させることが重要」と主張。
新型コロナ対策については「国、県、市町が協力して進めている。ワクチン接種を彦根市でも5月10日から高齢者の予約を開始し、24日から接種を行う」「地域経済は大変な状況だが、何とかコロナを乗り越えるため、全庁あげて、市民の暮らしと命を支えていくという強い気持ちでのぞんでいく。精一杯、命がけでのぞんでいく」と意気込みを語った。
 応援演説として、元市議の安居正倫選対本部長は、国スポ・障スポに合わせたインフラ整備、新しい広域ごみ処理施設の建設、市スポーツ・文化交流センターの新設、市立図書館中央館の整備、彦根城の世界遺産をあげ「いずれもこれから花を咲かせていく事業で、その責務が現職にある」と述べた。
上野賢一郎衆院議員、田島一成氏、小鑓隆史参院議員、嘉田由紀子参院議員、細江正人県議らが演説したほか、大野和三郎、江畑弥八郎県議、中沢啓子の各県議、矢吹安子、小川吉則、森田充、上杉正敏、馬場和子の各市議が駆けつけた。

「明るい未来を市民と共に」
 和田候補は高宮町の事務所で支持者約30人を前に第一声。新型コロナ対策として、感染者が入院している彦根市立病院やワクチン接種について「市立病院の病床数やその使用率が公開されていない。市民に正確な情報を伝える必要がある」「高齢者へのワクチン接種が遅れており、市民の苦情も殺到した。ワクチン接種を早急にできるよう徹底させたい」と述べた。
 財政再建については現職がフェイスブックで「市の財政は健全」とするチラシを掲載したことをあげ「民間から見れば、粉飾決算。詐欺的な行為と言え、市民は愚ろうされている」と指摘。「財政は危機的な状況で、財政調整基金も枯渇する。財政を立て直すためにICTを駆使した行財政改革と地域経済の活性化で健全化に持っていく」と強調した。
 現市政に対しては「失政が続き、一人の県議会議員の言いなりになっている」と批判した上で「暗い過去か、悲惨な現在か、明るい未来かの選択の選挙になる。明るい未来の彦根を市民の皆さんと一緒に作っていきたい」と語った。
 高宮学区連合自治会長で元市議の大橋和夫さんは「彦根のかじ取りには若いリーダーが必要。和田さんのりっぱなマニフェストを色んな手法で伝えていきたい」と話した。支持する議員は北川元気、堀口達也の各市議。


2021年4月11日日曜日

彦根市長選の立候補予定者を招いたウェブ討論会

4月18日告示、25日投開票の彦根市長選の立候補予定者を招いたウェブ討論会が3月30日に開催。4月7日からユーチューブで動画配信されている。出馬予定者は現職の大久保貴氏(57)=三津屋町、元市長で市議の獅山向洋氏(80)=城町1、衣料品販売業の和田裕行氏(50)=高宮町。
 立候補予定者同士の討論として和田氏は大久保氏に対し、庁舎耐震化を巡る裏合意や百条委員会、不信任案提出などをあげ「民間企業なら辞任しているが、なぜ3期目を目指すのか」と疑問を投げかけた。大久保氏は「手続きの中でミスが出たが、建築面積は当初より倍になり、国から補助金もある。新しいスポーツ・文化交流センターもしっかりやり終えると、人の流れを作ることができる。継続の事業を完結しないとならない」と答えた。
 獅山氏は和田氏に対し「政治経験がないのに、新型コロナや厳しい財政の中で大変な時に市長が務まるのか、不安の声があるが」の指摘に、和田氏は「ビジネスマンとして、コロナ禍は民間の方がよっぽど大変で、死活問題になっている。私は一切しがらみがなく、民間の発想であたることができる」と答えた。
 獅山氏は大久保氏に対し「彦根市中期財政計画で今後毎年度、25億円から29億円の歳出を削減するとしているが、どの事業を無くすのか」と質し、大久保氏は「金亀公園の再整備による計画で8億円を削減した。事業の見直しを行って健全な財政運営をしていく」と述べた。
 項目ごとの各氏の主張は以下の通り(敬称略)。
 【市政課題】
大久保「新型コロナウイルスを乗り越えていく。ワクチン接種をじん速に行えるようにリハーサルを行った。国スポ・障スポに向けた投資は彦根にとって大変役立つ」。
 獅山「財政再建。どれだけ事業をやめるか。リーダーシップを持って進めないと財政が崩壊する。これから5年ほど冬の時代を迎えるが、決断力を持って対応したい」。
 和田「危機的な財政状況にあるが、まずはコロナ対策が喫緊の課題。変異株の状況も見通せない。ユーチューブやラインを活用し市民に感染対策について説明したい」。
 【教育・子育て】
 獅山「フリースクールの公的支援をやりたい。国のGIGAスクール構想で子ども1人にパソコン1台が提供される。不登校の児童生徒も自宅で授業を受けられ、オンラインで勉強もできる」。
 和田「子育て世代が彦根から出ていかない、または移り住んでもらう魅力的な政策が必要。フリースクールへの支援のほか、いじめや不登校の対策として心の教育を徹底したい」。
 大久保「不登校は事情がさまざまのため、さまざまな支援が必要で、フリースクールもその一つ。多様なサービスを作ることが大切。一人1台のタブレット端末も連携して活用したい」。
 【地域活性化・観光施策】
 和田「彦根城やひこにゃんにおんぶにだっこの状態。世界遺産もメリットとデメリットを考える必要がある。高宮や鳥居本、男鬼町など売り込める場所はほかにある。近江鉄道にトーマスも走らせたい」。
 大久保「世界遺産の国内推薦が見えてきた。国スポ・障スポに向けて国道の整備も進めている。グリーンスローモビリティも新たな交通手段として検討する。石田三成の大河ドラマの実現も目指す」。
 獅山「彦根は文化的には全国的にも高いが、観光都市としての意識がほかの観光都市と比べても低い。おもてなしの心を市民の皆さんに浸透させることも重要になる。
 【コロナ禍の事業所支援】
 大久保「事業所の設備投資に対する支援をしてきた。長期化する可能性があり、基金に資金を集めて、必要な所にじん速に支援していく」。
 獅山「基金を使い果たしており、対策ができなくなっている。国の支援策を市民に教えていく。市としてはワンストップサービスで相談を受け付けたい」。
 和田「飲食業や観光業だけでなく、全市的な支援が必要。アフターコロナに向けて、売り込める体制を作るため、市はコンサル的な役割を果たしたい」。
 【医療介護福祉】
 獅山「健康寿命を延ばす。歩数に応じてポイントを支給する『よこはまウォーキングポイント』制度を参考に導入する。福祉のマンパワー確保のため労働環境を整えることが重要」。
 和田「人口を増やしていくことが大切で30万人都市をビジョンに掲げる。人口増はすべての福祉の充実に結び付く。持続可能な新しい彦根に向けICTをフルに活用し行革を進める」。
 大久保「市立病院の産婦人科が再びできなくなっているが、医師の点在はどこでもあり、クリアする努力をする。保育士への経済支援、介護士への支援を更に強化しなければならない」。
 討論会の模様は主催した彦根青年会議所のユーチューブで配信される。17日まで。

2020年7月12日日曜日

来春予定の彦根市長選 現在の動向

 彦根市の大久保貴市長(56)の任期は来年5月9日までで、残り1年を切っている。市民の間では来年春に予定されている市長選の動向を注目する声が早くも出始めている。
 大久保氏は2013年4月の4度目の市長選で初当選し、17年4月の選挙で再選を果たした。本庁舎耐震化の裏合意や広域ごみ処理施設の候補地選定の白紙化、新年度予算案の市議会否決など市政を混乱させた印象は残るが、いずれの諸課題も一応の解決を見せている。それらを「実績」と掲げるほか、2024年度の登録を目標に掲げる彦根城の世界遺産や、彦根を主会場に24年開催予定の国民スポーツ大会などをあげて3選目を目指す可能性がある。
 対抗馬として有力視されているのは彦根市議の谷口典隆氏(52)。6期目の市議を務めており、これまで2007年に滋賀県議選にも出馬しているが、市長選に立候補すれば初の挑戦になる。ただ滋賀県議の細江正人氏(73)の後継者にもあがっており、市長選かその2年後に予定されている次の県議選かの選択が迫られる。昨年春の市議再選後には自民党系会派の公政会に入会。市長選か県議選に向けて所属議員をはじめ、自民党組織のバックアップを得るのが狙いにあると見られている。
 非自民としては立憲民主党の滋賀県連代表で元衆院議員の田島一成氏(57)の可能性も否定できない。国政選挙を優先する考えだが、周囲では市長選への出馬を薦める声はある。ただ非自民の票が重なる大久保氏の不出馬の場合に、田島氏の出馬の可能性が高まるとみられる。
 このほか、40代の会社経営者の男性や中沢啓子県議の名があがっており、30代の彦根市議も意欲を示している。


2020年3月16日月曜日

彦根市議会予算常任委員会が2020年度当初予算案を再び否決

 彦根市議会の予算常任委員会が9日から11日まで開かれ、最終日の11日、2020年度当初予算案(483億円)を否決した。前年度も当初予算案が同委員会で否決され、本会議でも否決されている。23日に予定されている本会議の採決の行方が注目される。
 11日の同委員会では20年度予算案に対し、獅山向洋、谷口典隆、北川元気、角井英明の各議員が反対討論を行った。

谷口議員「市長の思いつき予算」
反対討論で指摘、公政会の判断焦点
そのうち谷口議員は予算案に盛り込まれた庁舎耐震工事や新市民体育センターの整備費については「否定するものではない」としながら「着手時期が重なったことは大久保市長の失政のツケだ」と切り捨てた。また特別顧問の招へい、ジョージア国・ムツヘタ市との交流、アジア国際子ども映画祭などについては「所管を置き去りにした市長の思い付き予算であり、無条件に認めることは厳しい」と指摘。「新型コロナウイルスの感染拡大により、市の税収が大幅に減ることが予想される中、どうしても必要な予算を見定める必要がある」と述べた。
 採決では公政会の長崎任男、野村博雄、森野克彦、夢みらいの赤井康彦、森田充の各議員が賛成したが、反対討論をした4人と辻真理子、公政会の小川隆史の各議員が反対し否決された。
 公政会だけを見ると賛成3、反対2。残りの所属議員7人を含め、本会議でどのような対応をとるのか注目される。

2019年12月18日水曜日

黒澤茂樹議員が大久保市長に辞職迫る

 彦根市議会の一般質問が9日から11日まで行われ、21人の議員が登壇した。そのうち、元市職員の黒澤茂樹議員(公政会)は失政が続いている大久保貴市長と山田静男副市長の市政運営を批判したうえで、市長に辞任を求めた。

 黒澤議員は「市長が公約で掲げている『全国一の福祉モデル都市』の実現に向けて進んでいるのか」と質問。市長の「民間保育所の施設整備の実施、歯科健診の受診料助成、老人クラブへの活動助成などを進めている」との答弁に対し、福祉事業を含めて補助金が減少している点をあげながら「やっていることは逆だ。今後の財政のこう着化も明らかだ」と指摘した。
 また今議会の補正予算に特別顧問の経費を計上している点について、同議員は「特別顧問の就任は、市長と副市長の行政能力、責任感の欠如の表れでは。市長がイニシアチブをとって、副市長や教育長に指示するのが本来の姿では」と指摘。市長は「私のイニシアチブによってベテランを外部から招へいする。民間の力を生かしての成果を期待している」と答えた。

「遅きに失しているが」
川嶋氏と比べ副市長も批判
 さらに同議員は山田副市長と同様、市職員から副市長に就任し昨年1月に辞職した川嶋恒氏の名をあげ「川嶋氏と比較して、サポートできない分野がある。得手不得手はあるが、他人に責任転嫁していないか」と質問。山田副市長は「色んな考え方があると思うが、私なりに一生懸命に取り組んでいる」と反論した。
 このほか同議員は「市長就任以降、やる気あふれる市職員を見つけることができず、大変寂しい。市長の一番の失敗は市職員のモチベーションを無くさせたことだ」と批判。市長の「改革を進めるためには、さまざまな試練や困難に対して力を合わせて乗り越えていく必要がある。市民の満足度を向上させるには市職員の就労満足度を上げることが必要だ」との答弁に、同議員は「(市職員のモチベーションの向上には)身を引くことも選択肢の一つ。それでも遅きに失しているが、その決断はできないか」と迫った。これに対し市長は「批判も真摯に受け止めて、一つ一つ乗り越えていくのが私の責任」と辞任を改めて否定した。

2019年6月10日月曜日

彦根市議会6月定例会の一般質問

 彦根市議会は10日から12日まで一般質問を行う。正副議長と監査委員を除く21人全員が登壇し、入札不調の市役所庁舎耐震化の行方や新年度当初予算案などについて質問する。一般質問の模様は各日午前9時からインターネット中継される。登壇者と質問内容は以下の通り。
 ▽森田充議員=人口減少の歯止め策、庁舎耐震の入札不調、国体
 ▽小川隆史議員=総務省の業務改善モデル、新市民体育センター整備
 ▽角井英明議員=市民に寄り添った予算再編成か、リフォーム補助、すべての子どもが学べる権利
 ▽辻真理子議員=市中期財政計画、庁舎耐震化、ふるさと納税
 ▽森野克彦議員=市税の納付状況、子どもの安全対策、旭森学区の下水道整備
 ▽和田一繁議員=登下校時の安全対策、社会資本整備総合交付金、市観光振興計画
 ▽林利幸議員=稲枝駅周辺整備、稲枝駅西側開発、曽根沼非農用地、石寺稲里線の改良
 ▽伊藤容子議員=市中期財政計画、公共施設等総合管理計画、清掃センターの転落事故、公共交通
 ▽矢吹安子議員=水道法一部改正、不登校生への取り組み、引きこもり
 ▽野村博雄議員=ごみ処理のあり方、荒神山の玄関口として河瀬駅整備、市民に寄り添った市立病院、街灯のLED、河瀬小増改築、河瀬公園整備
 ▽獅山向洋議員=市中期財政計画、当初予算案、金亀公園再整備計画、庁舎耐震の入札不調、市長人事、新教育長、ふるさと納税
 ▽小川吉則議員=福祉職員の処遇改善、子育て支援、高齢者福祉の充実
 ▽赤井康彦議員=当初予算案(職員の給与減など)、投票率と違反行為、幼保の無償化
 ▽谷口典隆議員=当初予算案、国体主会場道路の安全確保、金亀公園再整備計画、庁舎耐震化
 ▽杉原祥浩議員=予算削減事業、投票率低下
 ▽北川元気議員=市の財政、庁舎耐震化、教育行政
 ▽堀口達也議員=若者の投票率向上と選挙事務の簡素化、ICT活用、まちひとしごと総合戦略
 ▽中川睦子議員=放課後児童クラブの充実、公共交通の充実、投票の権利は守られているか
 ▽中野正剛議員=文化財の防災、市立図書館の利用者減、乳児用液体ミルク
 ▽上杉正敏議員=異常高温対策、交通事故対策
 ▽黒澤茂樹議員=新教育長の就任、滋賀大データサイエンス学部、稲枝駅西側開発。

2019年5月11日土曜日

公政会 過半数の12に、谷口典隆議員入会で反大久保色増す

 4月21日の彦根市議選で当選した新人10人らを加えた新たな会派構成が6日までに判明。6期目の谷口典隆議員と保守系の新人5人が公政会に入り、現職6人を含め市議会の過半数の12人となった。大久保貴市長に厳しい立場をとる谷口議員の入会で、市議会と現市政の対立構図がより深くなるのは必至だ(次号で各会派のメンバーと役員を掲載予定)。
 新人議員で公政会入りしたのは、伊藤容子、小川隆史、黒澤茂樹、森野克彦、林俊幸の各議員。谷口議員は本紙の取材に「現市政に対峙するにはまとまった組織に入る方が良いと判断した」と話した。谷口議員の入会は今後、2年以内の市長選や4年後に予定されている県議選の出馬に向け、自民党系の組織固めの布石との見方もできる。公政会は再選した現職を含め、改選前の8人から4人増となり市議会での影響力がより強くなる。
 一方で、市長与党の夢みらいには新人の小川吉則、森田充の各議員が入会。現職2人と含め4人となったが、改選前の6人から減らし、その影響力がより薄まった。
 北川元気、堀口達也の両議員による新会派「令和会」、公明党の現職2人、共産党の新人2人、無会派の2人は、いずれも現市政に厳しい立場をとっており、大久保市長の市政運営は改選前よりも難しくなる。

 ※解説=谷口議員の公政会への入会(復帰)が持つ意味は重く、最も嫌がっているのは大久保市長に違いない。
 なぜ、その意味が重く、大久保市長が嫌がるのか―。まず、改選前は公政会および市議会のオーガナイザー的な存在だった西川正義氏がいたが、西川氏の引退で改選後のまとめ役の不在を危惧する声は市議会内でもあった。そういう見方からすると、市議会のキーマンの一人である谷口議員の公政会入りが持つ意味は大きい。
 また、小生がこれまでの議会を見て判断するに、大久保市長が現市議会で特に嫌がっているのは獅山向洋、谷口の両議員である。市長が両議員を嫌がる理由としては舌鋒鋭い指摘はもちろんだが、両議員が大久保市長を優に上回る首長としての資質を備えていることである。
 そして、改選前の公政会には大久保市長を支持する議員が一人いたが、谷口議員の入会で、より反大久保色が強まるのは間違いない。市長を支持する夢みらいの議員は4人に減り、残り20人が厳しい立場だ。更に「死に体」が続いている現市政が生き返る見込みはない現状からも、大久保市長の残り2年の任期は保たないと考えているのは小生だけではなかろう。【山田貴之】

 先の市議選で当選した新人議員10人への議員章のはい用式が7日、市役所本庁舎5階の議会応接室であり、議会事務局の職員から議員一人ずつに議員章が付けられた=写真。

2019年4月26日金曜日

彦根市議選 新しい顔ぶれ決まる、24人に当選証書付与

 彦根市議選は21日投開票が行われ、現職14人、新人10人が当選。翌日には当選証書が付与された。
 市議選は大久保貴市長の現市政への評価を争点に行われ、現職の矢吹安子氏(72)が市長与党会派の「逆風」をものともせず前回に続きトップ当選。最高齢の獅山向洋氏(78)も3位の得票数で、当選後、本紙の取材に「新たな気持ちで次々とあらゆる策を打ち出していきたい」と熱く語った。
 新人では市長の要請で出馬した近江ふるさと園元職員の小川吉則氏(60)や、ユーチューバーの堀口達也氏(30)が当選。前回の選挙で落選した伊藤容子氏(56)は当確の知らせを受けて、集まった支援者たちと抱き合いながら喜び、花束を受け取って万歳三唱。本紙のインタビューに対し「これで市民の皆さんの思いを市に伝えていくことができる。公共交通網の充実や観光振興など進めるべきことは多くある」と意気込み、現市政に対しては「是々非々で対応し、一つ一つの問題について慎重に判断したい」と述べた。
 一方で田附隆司氏(64)と松野和則氏(51)は落選。そのうち田附氏は当選した新人に対して「自分なりの考えを持ち、議会運営にあたってほしい」と話していた。
 市議選の当日の有権者数は9万0414人、投票者数は3万9230人で、投票率は前回の50・05%から大幅に下回り、43・39%。市制施行以降で過去最低だった前々回の45・65%も下回った。原因としては争点がほとんどなかったことや立候補者数が少なかったことが考えられるが、市選管の小川良紘委員長は「残念な結果だと思っています。原因を分析したい」と話した。市内38カ所の投票所のうち最低が旭森小体育館の32・20%で、次いで野良田公会堂(35・57%)、高宮地域文化センター(35・66%)。最高は稲枝北小体育館の71・50%。
 当選した24人への当選証書の付与式が22日、大学サテライトプラザ彦根であり、市選管の小川良紘委員長から一人ずつに証書が渡された=写真。
 式後、新人の堀口氏は「身の引き締まる思い。早く彦根市の発展のために貢献できるように、議員の仕事について全力で学ばせて頂きたい」と抱負を語った。また「盟友」の北川元気議員と行動を共にすることを明言した。
 豊郷町長選は現職の伊藤定勉氏(71)が、新人で自民が推薦した前田広幸氏(47)を破り4選目を果たした。得票数は伊藤氏が1902票、前田氏が1376票だった。

 市議選の結果でまず注目されるのは30歳のユーチューバー・堀口氏の当選である。選挙カーを使わず、バイクで街宣し、北川議員や仲間たちと各所で街頭演説をした。西村久子県議や市長選の出馬経験者の応援も功を奏したほか、インターネット上での選挙や若さゆえに有権者うけしたのだろう。堀口氏がどのような人物なのか、小生はまったく知らない多くの市民の一人だが、堀口氏には落選した2人の分まで市政発展のために頑張ってほしい◆さて選挙期間中にあった事案として、甲候補が選挙事務所にしていた公共施設で乙候補が個人演説会を実施する際、乙候補の陣営が甲候補の名前が記された看板などを外させたという◆法的には問題ないようだが、乙候補の陣営の行動は「選挙妨害」や「嫌がらせ」と受け止められても致し方なかろう。甲候補の陣営によると、乙候補の地盤にある施設で個人演説会を予定していたが、前日になって「何らかの圧力で」できなくなったという◆選挙は戦であり、「妨害」も一つの手かもしれないが、倫理的、道義的に反する手法はなかったか、乙候補の陣営には再点検して頂きたい。           (山田)

2019年4月20日土曜日

彦根市議選21日投開票、現市政への評価争点

 彦根市議選が14日告示され、現職14人、新人12人が出馬。21日の投票に向けて、選挙戦は終盤戦に入っている。
 定数24に対し、出馬したのは26人(別表参照)。政党別では自民1人、公明2人、共産2人、無所属21人。
 今回の選挙戦は、大久保貴市長に対する評価の是非が争点になっている。市役所庁舎耐震化を巡る裏合意や耐震化の遅れ、広域ごみ処理施設の建設候補地の白紙化、新年度予算の市議会での否決、ひこにゃんの運営費カット、国体主会場整備や新市民体育センター建設による財政負担など、課題山積みの現市政に対する各候補者のスタンスが問われている。
 現市政を批判するある候補者は「市長の考えは彦根の歴史、伝統、文化を否定するものであり、容認できない」と話す。
 一方で支持するある候補者は「新年度予算の否決により、ひこにゃんの運営費をはじめ多くの事業がストップしており、否決した市議会にも責任がある」と市長を擁護している。

2019年4月10日水曜日

県議選彦根犬上 中沢トップ当選 細江大野再選 江畑返り咲く

 滋賀県議選の投開票が7日行われ、彦犬地区ではチームしが公認で現職の中沢啓子氏(60)が9880票でトップ当選を果たした。自民公認で現職の細江正人氏(72)、自民推薦で現職の大野和三郎氏(63)が再選、立憲民主公認で元職の江畑弥八郎氏(64)も返り咲いた。現職の地盤を引き継いだ自民推薦で新人の奥野嘉己氏(60)、共産公認で新人の今村恵美子氏(64)、自民推薦で新人の小菅雅至氏(51)は落選した。
 中沢氏は三日月県政の「健康しが」の推進をPRしながら、市内での知名度を生かしたほか、本籍地の多賀町で次点の886票を得るなど幅広く支持を固めた。当選後、6期目に向けて「女性の視点に立ちながら人に優しい県政を目指して努めていきたい。安心安全な食の提供のため農業振興に力を入れたい」と抱負。彦根については「2024年の滋賀国体を機に市民の皆さんが街づくりに少しずつ関わって、一緒に地域を盛り上げていきたい」と語った。
 細江氏は公政会をはじめとした自民の市議らから支援を受けて手堅い選挙戦を展開。陣営からは終盤にかけて「厳しい戦い」との声も聞かれたが、前回とほぼ同数を獲得した。3期目となることに「県議会でも最高齢になる。2024年の滋賀国体に向けて彦根市内が整備されるのは絶好の機会であり、着実に進めていきたい」と述べた。
 大野氏は彦犬地区の建設業のほか、犬上で5811票を得て他候補を圧倒したが、彦根市内では伸び悩み、前回トップの1万0920票から2309票減らし3位に終わった。
 江畑氏は八坂、三津屋、須越の3町を中心に戦い、連合滋賀や共産を除く野党の組織票も得て3期目を果たした。当確の知らせを受けて選挙事務所に涙ぐみながら登場した江畑氏は支援者らと握手して登壇。「4年前の悔しさを果たすことができ、もう一度恩返しができる。人権、命に関する政策、声が届きにくい人たちを救う仕事をしていきたい」と意気込みを話し、女性スタッフから花束を受け取った。最後は全員で万歳三唱をし喜んでいた。
 奥野氏は稲枝地域で主に戦い、市北中部の一部保守層の支援を受けて4番手を狙ったが、1705票足りず涙をのんだ。
 今村氏は彦犬地区の共産票のほか、地元の豊郷では健闘したが、票が伸ばせなかった。
 小菅氏は自転車に乗って一人で街宣したが、支持を得られなかった。
 投票日の有権者数は彦犬地区全体で10万8235人(うち彦根が9万0470人)。投票率は41・36%と前回(47・29%)から下がり、彦根のみでは38・72%(前回44・3%)と40%を切り、県内では草津、守山に次いでワースト3位だった。
 ※(解説)
 彦犬地区の県議選の結果からまず注目できるのは、前回トップだった大野氏が3位に落ちた点である。
 その理由として注視すべきは、投票率が前回から下がったものの、中沢、細江の両氏が前回とほぼ同数票だった一方、大野氏の彦根での票が前回の3831票から2800票と千票以上減った点である。大野氏は彦犬地区のインフラ整備に尽力しているのは市民でも周知だが、その貢献への評価以上に、豊郷町長時代に世間を騒がせた影響がいまだに「大野アレルギー」として彦根市民に根強く残っているということである。
 また大野氏の獲得票のうち、犬上3町で今回は5811票だったが、前回の7089票から大きく減らしており、彦根の候補者が犬上にも着実に浸透しているとも分析できる。
 そして今回の選挙戦の焦点は、前回350差で敗れた江畑氏と、現職から稲枝の地盤を継いだ奥野氏との4番手争いでもあった。江畑氏には地元とさまざまな団体の組織票がついた一方で、市議会で公政会を脱退し無会派だった奥野氏は地元(稲枝東)以外から支援を広げることができず、苦戦をしいられた。結局、ふたをあければ1705票の大差で江畑氏が4番手に入った。現職の4人には「空白」になった稲枝地域の振興のためにも尽力願いたい。   【山田貴之】

2019年4月5日金曜日

滋賀県議選で彦犬7人が舌戦

 4月7日投票の滋賀県議選は中盤戦に入った。彦根犬上地区(定数4)に出馬している7人は、街頭や個人演説会などで県政に関する考えを訴えている。
 現職で自民公認の細江正人氏(72)=本町2=は保守票や市議時代からの知名度を生かして、組織票を幅広く固めている。「県議の務めとしては国が法律で決めた政策を市町に回す場合、調整する働きがある」「会派に所属しているが、是々非々で判断することをモットーに務めており、市民の皆さんの幅広い声を県政に届けていきたい」。
 新人で自民推薦の小菅雅至氏(51)=野田山=は街宣カーを使わず、折りたたみ式の自転車で遊説。「世界、日本は変化しており、古い伝統文化を守りながら、新しい時代をつくる必要がある」「インフラ整備、学力向上、観光客増、どれをとっても彦根は発展しておらず、県の立場から大きな視点に立って仕事がしたい」。
 元職で立憲民主公認の江畑矢八郎氏(64)=八坂=は、国民民主、社民、チームしが、連合滋賀の推薦を得て、自公政権の国政批判と福祉政策に重きを置いた選挙戦を展開。「保育士不足や待機児童への対策が進んでおらず、将来の子どもたちにとって大変厳しい状況にある」「環境、人権、子育て・教育の問題を県として整備する必要がある」。
 現職で自民推薦の大野和三郎氏(63)=豊郷=は建設業や犬上の保守票、部落解放同盟などから支持を獲得。「滋賀国体を契機に、道路などのインフラ整備を進めて観光促進と企業誘致を図り、自立できる湖東をつくる」「六次産業をしっかり育てることで新たな雇用が生まれる。地域経済の発展は子育て支援などソフト面に回すこともできる」。
 新人で共産公認の今村恵美子氏(64)=豊郷=は、自公政権の国政と三日月大造知事の県政に対し「大型のハコモノを進めて良いのか」と指摘。「滋賀国体に合わせて大型の公共事業が行われようとしており、県民の税金の無駄づかい」「中学校までの医療費無償化、国保料や介護保険料の抑制など、県民の暮らしを守る必要がある」。
 現職でチームしがの中沢啓子氏(60)=中央=は、嘉田由紀子前知事と三日月知事の政策や主張を支持ながら、5期の間に行ってきた実績もPR。「子どもの笑顔があふれ、誰もが住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせる滋賀にする」「女性の視点に立って女性が活躍できる場を増やし、人に優しい滋賀にしたい」。
 新人で自民推薦の奥野嘉己氏(60)=彦富=は稲枝地域を重点的に回っており、市中南部の一部の保守層の支援も得ている。彦根市の政策が北部中心、滋賀県が南部中心だと位置づけ「2つの南北問題の改善に向けて県の立場で取り組んでいきたい」「財政が悪化する中で健全経営に軸足を置いた行政の監査役を果たしていきたい」。

2019年3月23日土曜日

彦根市新年度予算案否決 不信任決議案は否決

 20日に再開した彦根市議会2月定例会では冒頭で大久保貴市長への不信任決議案が提出。議員24人のうち17人が賛成したが、4分の3に1票満たずに否決された。また新年度の一般会計予算案は賛成少数で否決され、市は暫定予算を今月28日開会予定の臨時議会に提案する方針。新年度予算案の否決により、市民生活に影響が出るのは必至で、現市政の混迷の深刻さを露呈させた。
 新年度の一般会計予算案は賛成5、反対18の大差で否決された。ほかの60議案は可決された。
 採決前の討論には9人の議員のうち7人が新年度予算案を取り上げ、夢みらいの小川喜三郎議員が賛成の立場から、北川元気、辻真理子、和田一繁、獅山向洋、山内善男、谷口典隆の6議員が反対の意見を述べた
。採決では夢みらいの小川、赤井康彦、矢吹安子、夏川嘉一郎の4議員と公政会の安居正倫議員のみの賛成で、ほかが反対した。
 新年度予算の否決を受け、市議会閉会後の記者会見で大久保市長は、4月から7月までの義務的経費のみの暫定予算を来週開会予定の臨時議会に提案する考えを示した。
 会見で、市長は「市民生活に影響が出ないよう、行政がしっかり機能する予算を組みたい」と述べた。暫定予算には政策的な予算が盛り込まれないため、市は夏までに開催されるイベントや新しい市民体育センターの整備、小学校校舎の増築などに影響が出る可能性を示唆。6月議会に政策的な事業を含めた本予算を提案するとした。
 花火大会中断や井伊直弼公奉告祭中止、舟橋聖一顕彰廃止など見直し事業について、市長は「まずは関係者が協議の場を設けて、課題を共有するのが大事だ」と述べた。
 辞職の考えについて、市長は「大変、深刻に受け止めている。事業を進捗させることで信頼関係を築いていきたい」と語り、「市税を使って市長選をし、事業を停滞させてはいけない」と辞職を否定した。

 不信任決議案の採決では賛成17、反対6、退席1で、成立する出席議員(24人)の4分の3には1人差で届かず、否決された。
 不信任決議案は最大会派の公政会代表の西川正義議員が提出。庁舎耐震化の裏合意問題について「一連の不祥事で約20億円の負担増となり、事の重大性を市長としていかにお考えか」、彦愛犬の広域ごみ処理施設の建設候補地が白紙濃厚となったことには「1市4町の市民、町民の思いを無下にした管理者の責任は到底許すことができない」、新年度予算案に対しては「市長はどこに舵をとろうとしているのか、全く市民に聞こえてこない」と指摘。「即刻、退陣されることが最良の選択であることを申し上げる」と批判した。
 討論では不信任決議案に反対の立場から夏川嘉一郎議員、賛成の立場から獅山、山田多津子、辻真理子の各議員が登壇。そのうち夏川議員は「彦根大花火大会の中断は、大草原にいるネズミ1匹が通ろうとしているようなもの」と述べた。これに対し獅山議員は「花火大会は今年で70回を迎える予定で、多大な経済効果を生むイベントであり、ネズミ1匹ではない」と反論した。
 一人が退席した後に行われた記名投票形式の採決では、夢みらいの4人と公政会の2人が反対票を投じ、否決された。反対した公政会の小菅雅至議員は本紙の取材に「これ以上、市政を混乱するべきではないと判断した」と話した。
 ▽賛成=辻真理子、獅山向洋、北川元気、谷口典隆、安藤博、奥野嘉己、野村博雄、和田一繁、上杉正敏、中野正剛、山内善男、山田多津子、杉原祥浩、長崎任男、安澤勝、西川正義、馬場和子
 ▽反対=夏川嘉一郎、小川喜三郎、赤井康彦、矢吹安子、小菅雅至、安居正倫
 ▽退席=八木嘉之(以上敬称略)。

 市議会閉会後、今期で市議を引退する安藤博議長があいさつ。新年度予算案の否決にふれ「今後、市は暫定予算を組むことになり、市民の皆様にご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきたい」と説明。また庁舎耐震化の裏合意問題を受けての百条委員会の開催などを振り返り「まさに市政の異常事態であり、市政運営を正常に戻すために努めてきたが、来期に持ち越すことになり誠に残念で、悔しい気持ちでいっぱい」と述べた。
 市長に対しては「不信任決議は否決となったが、市長には重く受け止めて頂きたい。そして予算を一刻も早く組んでほしい」と求めた。