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2020年7月29日水曜日

コロナ禍の思い滋賀大生が動画やポスターに

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で緊急事態宣言が出されていた期間中、滋賀大学の学生たちがどのような生活をし、何を感じたかを動画やポスターなどにまとめ、オンライン上で発表する講義が16日に行われた。
 滋賀大学の講義「メディアと情報」の講師の中塚智子さんが、外出自粛中だった学生たちが抱えていた不安やストレスを表現してもら
おうと考え、受講する経済学部とデータサイエンス学部の学生25人に制作を提案。学生たちは初回講義の4月23日以降、「コロナ禍で考える自分軸」をテーマにした作品を作ってきた。
 完成した作品は動画10点、ポスター12点、本2点。学生たちはオンラインアプリのZoomを使い、一人ずつが各作品の内容や難しかったこと、学んだことを発表。

看護師「死覚悟」「家族危険に」
1年の高須さん「現実 伝えたい」
 経済学部1年の高須翔子さん(19)は、感染者の治療にあった看護師4人へインタビューした内容をまとめた映像「新型コロナウイルスとの戦い―中小病院編」を制作。「新型コロナが流行してから変化したことは?」「物品は不足していたか」「面会謝絶が与えた影響は?」「流行による心境の変化は?」の質問に、看護師たちは「スタッフのストレスは半端なかった」「感染者が亡くなってから丸2日間ドライアイスでキンキンに冷やして、ようやく陰性が出たものの、次は火葬場が見つからないこともあった」「看護師も死ぬことがあるとわかったし、自分の仕事が家族も危険にさらすこともあると再認識した」と答える様子を流していた。
 高須さんは母親が看護師で「メディアで取り上げられているのは一部の病院で、多くの医療関係者の現実を皆さんに伝えたいと思った。取材をするうち現場では皆さんが強い恐怖に襲われていると感じた」と述べた。学生たちの作品はサイト(https://kazumamatsu.github.io/infomedia2020spring/index.html)で閲覧できる。

高宮の美容室 昭和初期以降の花嫁かつらやかんざしなど寄贈

 彦根市高宮町のかわなみ美容室は10日、昭和初期から半ばまでの婚礼時にかぶっていた花嫁用のかつらやかんざしなどを彦根市へ寄贈。市文化財課は「当時の市民の生活がわかる貴重な物だ」とし、一般公開も検討する。
 同店は店主の西村伸子さん(76)の義母にあたる西村美代さんが昭和7年(1932年)に高宮町内の別の場所に開業。約65年前に現在の地に移り、四代目にあたる伸子さんが昨年9月末まで経営してきた。
 彦根市が市内の文化財の情報を募っていることを知った伸子さんと娘の戸谷佳江子さん(50)が文化財課へ相談し、かつらなどの寄贈を決めた。

くしやかんざしも
市「貴重な史料」
 この日は市文化財課歴史民俗資料室の井伊直岳さんらが訪れ、昭和初期から半ばまでに作られたとみられるかつら9点やくし50点以上、かんざし5セット、化粧品を確認。保存状態の良かったかつら4点などを持ち帰った。
美容室にかつらが保管されていることは、当時の結婚式が現代のような式場ではなく、美容室で花嫁支度(じたく)をして近くの家でとり行われていた様子がわかる。同店にはかつらを着けた花嫁衣裳の写真も残っていた。井伊さんは「当時の市民の暮らしぶりがわかる一つの貴重な史料になる」と述べ、今後はテーマを設けて、ほかの寄贈品を含める形で一般公開も検討していく。


2020年7月24日金曜日

彦根出身のプロゴルファー・松田鈴英選手を励ます会設立

 彦根市民の有志たちが、彦根出身のプロゴルファー・松田鈴英(れい)選手(22)を応援する「励ます会」を設立。10日に野瀬町のゴルフプラザ彦根で松田選手を招いて記念撮影をした。
松田選手は市立城南小学校3年生の時にゴルフを始め、小学6年の時には全国大会で2位の記録を収めた。市立南中学に進学後もゴルフに熱中し、3年の時にゴルフの育成に熱心な福井工業大学附属福井中学校に転校。同附属福井高校に進学後も練習に励んだ。19歳の時にプロテストに合格。2018年の賞金ランクで11位に入るなど全国クラスのゴルファーに成長している。
 アート企画(大堀町)会長の西村清司さん(68)らが松田選手を地元から盛り上げようと、彦根を中心に県内の企業経営者やゴルフ好きの市民らに呼びかけて同会を今月7日に設立。約130人の会員が集まっているという。
 10日は松田選手が帰郷時に練習しているゴルフプラザ彦根に西村さんら役員4人が集まり、松田選手と父親の直樹さんと記念撮影をした後、近くの喫茶店で団らんした。
松田選手は「とてもありがたいことで、応援にこたえることができるようしっかりと頑張りたい。初優勝を目指して戦いたい」と述べた。西村さんは「初優勝を期待している。地元から応援していきたい」と語った。
 会員は入会費・年会費1万円だが、高校生以下無料。入会者には松田選手の写真入りのフェイスタオル進呈。年末にはゴルフコンペを予定している。問い合わせは西村さん☎090(3276)4058。

2020年7月20日月曜日

彦根工業高校の生徒たち飛まつ防ぐ衝立 エチケットウォール断みつくん製作

 彦根工業高校の生徒たちが新型コロナウイルスの感染予防のため、飛まつを防ぐ衝立を作り「エチケットウォール『断みつくん』と命名。6月30日に製作の様子を公開した。
 簡単な工程で500円以内の安価な衝立を作って必要とする学校や自治会などに提供しようと、機械科の金沢孝明教諭(60)と3年生8人がアイデアを出し合い、6月23日に試作品を作り、改良を重ねて仕上げた。
 生徒たちは金属加工、溶接、切断、組み立てなど工程別に分かれて製作。長さ2㍍10㌢の鋼材を曲げて枠組みを作り、土台部分に溶接してはめ込んだ後、透明のごみ袋をかぶせて完成させた。全体の大きさは縦73・5㌢×横60㌢×奥行き13㌢で、土台部分は鋼材のほか、竹のバージョンもそろえた。密の状態を断つという意味で「断みつくん」と命名。
 50台製作。半分を県庁に納めることが決まっており、希望の学校などに寄贈していく。生徒の西川耀さん(18)=東近江市=は「飛まつ防止のための第一線で活躍してくれると期待している」と話していた。

2020年7月15日水曜日

非密の花火大会 8月1日から県内5カ所の琵琶湖岸で打ち上げ、七夕の日に告知イベント

 新型コロナウイルスの影響を受けた人たちに向けて、8月1日から滋賀県内5カ所の琵琶湖岸で花火が打ち上げられる。彦根市内の若手経営者6人が企画したプロジェクトで、その告知として七夕の日の7日夜、市内で花火を打ち上げた。クラウドファンディングも7日から始めた。
 新型コロナの影響で県内での花火大会の中止が相次ぐ中、「医療従事者の皆さんに感謝の気持ちを伝えたい」「子どもたちを楽しませたい」「花火師の経済的な支援をしたい」との思いを共有した6人がプロジェクトを発足。密にならないよう具体的な打ち上げ場所を非公表にし「非密の花火大会inびわ湖一周」と題して開催する。

ネットで支援受付
密避け場所非公表
 日程と場所は8月1日と8日が湖南エリア、15日が湖西エリア、22日が湖北エリア、29日が湖東エリア。午後8時~約5分間、75発ずつ打ち上げる。ユーチューブでライブ配信もしていく。ネットを通じて支援金を受け付けるクラウドファンディングはキャンプファイヤーで8月20日まで。目標金額240万円。リターンは写真家による花火写真データの送付など。
 告知日の7日は雨降りだったが、75発が彦根の夜空に打ち上げられた。代表を務める司法書士法人equal(小泉町)の馬場真作さん(38)は「医療従事者や花火師のほか、飲食店など経営が厳しくなった事業者、行事がなくなった子どもたち、滋賀の皆さんにこの花火でエールを送れたら」と話していた。クラウドファンディングのサイトは(https://camp-fire.jp/projects/view/301280)問い合わせは高宮町の石田法律事務所☎(22)5510。

課税誤り時効の約15万円分 彦根市「返還できない」

 彦根市は、固定資産税・都市計画税の課税の誤りがあり、13万5800円を返還したと発表。ただ、地方税法や市の返還金支払要綱に定められた以前の期間分については「返還できない」としている。
 市によると、1991年に建築された木造家屋を当時の市職員が軽量鉄骨造として評価額を計算していたことが原因。今年5月18日に課税明細書を確認した対象の市民から指摘があり、現地調査後に判明した。
市は地方税法に定められた5年間分の1万1500円と、市の返還金支払要綱に基づく20年前からの2000年度~14年度分の12万4300円(うち本税分7万5600円、返還利息4万8700円)を返還した。
ただ建築から1999年度までに余分に納税した15万2600円について、市税務課は返還期間を過ぎているため「返還できない」として、対象の市民に了解も得たという。
再発防止策について市は計算の点検を複数人で行い、建物の課税対象の構造と建築確認申請の構造との整合性を図るとしている。

※解説=彦根市の課税ミスにもかかわらず、市民が余分に納税した15万円以上が「返還できない」という事案が発生した。返還の時効を過ぎたため、法的・要綱的に返還できないというのが市の理屈であるが、対象の市民にとっては堪ったものではなく、このまま泣き寝入りしてもらって良いものか。
元彦根市議の奥野嘉己さんによると、数年前までは地方税法に基づき5年前までしか返還できなかったが、市と協議を重ねたことで2016年1228日に要綱が公布され、20年前までに延びたという。今回の場合、市が「返還できない」とする納税分については「『不服審査請求』を求めるのが最善」とも助言。「今回の事案を受けて、要綱から条例化または期間の延長の議論となるのが望ましい」とも話していた。市議会による市への問題提起と改善を期待したい。
 さて今回の案件については市のお粗末な報道発表の仕方にも物申したい。
 市は報道発表資料で概要と返還額、原因、経緯、再発防止策の概略を記した。しかし今回の問題の焦点は課税ミスによって市が「返還した」ことではなく、「返還できない」ことである。報道発表資料にはこの返還できない金額等が記されていなかった。市が意図的に隠そうとしたのか、早く決着しようとしたのかは存ぜぬが、市には公明正大に発表する姿勢を望む。(山田)


2020年7月12日日曜日

来春予定の彦根市長選 現在の動向

 彦根市の大久保貴市長(56)の任期は来年5月9日までで、残り1年を切っている。市民の間では来年春に予定されている市長選の動向を注目する声が早くも出始めている。
 大久保氏は2013年4月の4度目の市長選で初当選し、17年4月の選挙で再選を果たした。本庁舎耐震化の裏合意や広域ごみ処理施設の候補地選定の白紙化、新年度予算案の市議会否決など市政を混乱させた印象は残るが、いずれの諸課題も一応の解決を見せている。それらを「実績」と掲げるほか、2024年度の登録を目標に掲げる彦根城の世界遺産や、彦根を主会場に24年開催予定の国民スポーツ大会などをあげて3選目を目指す可能性がある。
 対抗馬として有力視されているのは彦根市議の谷口典隆氏(52)。6期目の市議を務めており、これまで2007年に滋賀県議選にも出馬しているが、市長選に立候補すれば初の挑戦になる。ただ滋賀県議の細江正人氏(73)の後継者にもあがっており、市長選かその2年後に予定されている次の県議選かの選択が迫られる。昨年春の市議再選後には自民党系会派の公政会に入会。市長選か県議選に向けて所属議員をはじめ、自民党組織のバックアップを得るのが狙いにあると見られている。
 非自民としては立憲民主党の滋賀県連代表で元衆院議員の田島一成氏(57)の可能性も否定できない。国政選挙を優先する考えだが、周囲では市長選への出馬を薦める声はある。ただ非自民の票が重なる大久保氏の不出馬の場合に、田島氏の出馬の可能性が高まるとみられる。
 このほか、40代の会社経営者の男性や中沢啓子県議の名があがっており、30代の彦根市議も意欲を示している。


2020年7月9日木曜日

子育て中の母親向けガイドブックMAMA PASSPORTママパスポート彦根版

 彦根市東沼波町の原田絢子さん(39)ら子育て経験のある市内の女性3人が今春、子育て向けのガイドブック「MAMA PASSPORT(ママパスポート)」の彦根版を創刊。今月2日から第2号を市内各所で無料配布している。
 原田さんは小学6年生と5年生、2歳の3人の子育てをしているが、ほかの母親たちの声を含めて「彦根はまだまだ子育て情報が行き届いていない」と実感。「母親たちが自立して子育てできる環境作り」を目指し、大津、草津、守山、湖南、甲賀ですでに発行されているママパスポートの彦根版の製作を決めた。
 4月~6月の創刊号では、各月のカレンダーとイベント情報、マネーセミナーの告知、赤ちゃんと行ける「ベビーとのおでかけ特集」、雨でも楽しめる遊び・場所、小児科特集などを掲載。

オンラインや保活
第2号市内で配布
7月~9月の号ではイベント情報のほか、新型コロナで外出しにくいことからオンラインで会議などができるアプリ「ZOOM」の活用法、保育園に入園するための「保活」、赤ちゃんの暑さとUVケア対策などを取り上げている。
 ガイドブックはA5判、カラー16ページ。1000冊作成。ビバシティ彦根の数カ所、子どもセンター、パリヤ、市立図書館などに置いている。無料。今後、10月と1月にも発行していく。
 原田さんは「母親の皆さんには自分一人だけではないことを感じてほしい。子連れで行ける場所がたくさんあることも今後も伝えていきたい」話していた。