彦根市と犬上郡の話題を中心に、関連する国政や滋賀県政のニュースもお送りします。取材依頼や身近な話題の提供などもお待ちしています。 電話0749-65-0608 FAX0749-62-4483 メール(hikone@shigayukan.com)

2011年1月31日月曜日

辛坊治郎さん 国民に「賢さ」求める 菅政権の批評も、彦根商工会議所・新春講演会

 元読売テレビ解説委員長で大阪綜合研究所代表の辛坊治郎さんが26日、彦根ビューホテルで講演し、民主党政権や権力について解説した。
 辛坊さんは菅政権に対して、前の仙谷由人官房長官が秘書官を12人抱え、辞めた後も党では幹事長の前の部屋、国会では国対委員長の隣の部屋を使っていることをあげ「権力がどこにあるのかは一目瞭然だ」と指摘。「今の内閣は常識的には持たないが、菅さんは支持率が1%でも辞めない人。菅政権が(衆議院の)任期満了までもつ確率が高い」と分析した。
 「権力」については、食品偽装の問題が取りざたされていた時に、謝罪した後に復活した菓子店と、パートの責任にし倒産した料亭の違いを取り上げ「パートの責任にした料亭は世論を敵に回したことで倒産した。現代の権力は世論である」と解説。
 一方で、新聞の世論調査に対しては「いい加減な数値だ」と切り捨てたうえで、毎日新聞が今週の紙面で「橋下徹・大阪府知事の支持率が前回調査より8%減の62%になった」と報じたことをあげ「不支持は8%しかおらず、明らかに一定の考え(不支持)の人(記者)によって作られている」と批判。「永田町が見ているのは世論であり、国民1人1人が賢くならなければ、この国の未来はない」と話し、テレビや新聞、インターネットなどの情報をそのまま鵜呑みするのではなく、自身の考えをもつことをすすめた。
 講演会は彦根商工会議所主催で開かれ、約400人が参加した。

彦根仏壇生かした新商品開発目指し「仏壇塾」、次世代の仏壇提案

 彦根仏壇の技術を生かす商品作りを目的にした「仏壇塾」(8回目)が26日、彦根商工会議所で開かれ、大阪大学光科学センターの特任研究員・根岸和政さんが商品作りのアイデア創出をテーマに講義。塾の中では、「塾生」たちから次世代の仏壇へのユニークなアイデアも出されていた。
 根岸さんはアイデア創出の阻害要因について「過去の失敗経験によるトラウマだ」と指摘。「失敗は過去のもの。ビル・ゲイツだって失敗してきたが、成功イメージで乗り越えた」と例示し、「成功イメージをえがくことが、モチベーション向上と柔軟な発想をもたらし、トラウマを払いのける」と説いた。
 また「アイデアに対する批判は不要。突飛な案も含めて、質より量が大事」「実現可能かの判断と実行はその後だ」と話した。
 講義では、「次世代の仏壇とは?」を題にアイデア出しトレーニングも行われ、参加者からは「故人の肉声による励まし仏壇」「仏壇ロボット」「ポータブル」「子ども何でも相談仏壇」などユニークな案が多数出ていた。寺村仏壇店(後三条)の寺村大佑さん(29)は「とてもいい刺激になった」と話していた。
 仏壇塾は、滋賀大学産業共同研究センターと彦根商工会議所が昨年10月6日から開講。大学の教員らが講師となり、2月23日までに計10回の講義があり、仏壇職人らが受講している。

2011年1月29日土曜日

池谷幸雄さんエフエムひこねでPR、近江八幡に体操教室「池谷幸雄体操倶楽部」開設

 体操競技でオリンピックにも出場しているタレントの池谷幸雄さん(40)が25日、エフエム彦根(立花町)のスタジオで、ラジオ収録をした。近江八幡市内に2月14日、西日本では初めて開設する体操教室「池谷幸雄体操倶楽部」のPRのために訪れた。
 収録の中で池谷さんは、現代の子どもたちについて「(テレビゲームなど)じっとしていても楽しめるものがあり、体を動かせる環境がないため、昔よりも体を動かしていない」と指摘し、体全体を使う体操をすすめた。
 体操の魅力については「体に柔軟性がうまれる。体が硬いとけがをし易いため、体を柔らかくすると、どんなスポーツにも役立つ。健康な体も保てる」とし、「体操教室では体を動かす以外にも、あいさつや返事など生活の基本も教えている」と話していた。
 近江八幡に開校する体操教室は、歩行ができる乳児~3歳、3歳~6歳、年長~中学生のクラス。場所は近江八幡駅前のマイカルタウン3番街2階。2月14日~28日は無料体験も。問い合わせは同倶楽部℡042(329)8688へ。
 なお収録された内容は、FMひこねで随時、放送している。

2011年1月28日金曜日

「木を生かした製品で癒やし提供」天然木材工房「Kigumi」長浜にオープン

 長浜市室町に、ベテラン職人が木の素材を生かした家具などを販売する天然木材工房「Kigumi」(キグミ)がオープンした。工場と店舗を兼ねた形は珍しく、「自然」派にこだわる夫婦などが県内外から訪れている。
 代表の浅尾年彦さん(47)は長浜市内の材木店の家に生まれ、大学も日大林学科を卒業。東京での2年間の問屋経験を経て、実家に戻って以降、材木店を経営している。
 しかし、樹脂や石油化学製品でコーティングされたり、金具やビスだらけの家や家具があふれていることを憂い、「木の本来の良さを感じてもらえる製品を届けたい」との思いから、昨年11月に約2000平方㍍の敷地に工場を併設した新店舗をオープン。店と工場の境目はガラス張りにし、この道50年の木型職人・長谷川浩さん(66)の技も見学できる=写真
 木材の8割は国内産を使用。製品は机やいす、テレビ置きなど家具のほか、時計やアクセサリー、文具、生活雑貨、ペットグッズなど100種類以上の木製品をそろえており、すべて無塗装か自然素材のオイルで磨き上げている。信楽の陶芸家・今井美奈さん(36)の食器なども置いている。
 浅尾さんは「木そのものを生かした製品を提供することで、その空間が憩いの場となり、癒しを与えることもできる。こだわりの素材と長年培われてきた職人の技を見てほしい」と話している。開店は午前10時~午後8時。問い合わせは同店ホームページ(http://ki-gumi.com/)か℡0749(50)3097。

2011年1月27日木曜日

彦根仏壇事業協同組合・青年部 不要な仏壇・仏具を引き取り受付、6月に天寧寺で供養会

 彦根仏壇事業協同組合の青年部は、不要になった仏壇・仏具の引き取りを受け付けている。
 仏壇・仏具の処分については、青年部が中心となり、毎年6月に天寧寺(里根町)で供養会を営んでいる=写真。しかし、年間を通して処分に関する問い合わせが多いため、随時、引き取りを受け付けることにした。集められた仏壇・仏具は組合員の倉庫などに保管され、天寧寺での供養会で一斉に処分される。
 供養料は仏具一箱2000円~、仏壇1本3000円~1万6000円。組合員がうかがっての引き取り料は梱包代や人件費として1万6000円~。市外の近隣市町からの引き取りも受け付けている。問い合わせは組合事務局℡0749(24)4022へ。

2011年1月26日水曜日

滋賀県銃剣道連盟 滋賀県護国神社で新春の奉納、九徳塾の少年少女が形披露

 滋賀県銃剣道連盟は23日、彦根市尾末町の県護国神社で新春の奉納を営み、彦根と長浜でけいこをしている「九徳(くとく)塾」の少年少女らが形を披露した。
 平成19年から営んでいる行事で、5回目の今年は九徳塾の小中学生15人のほか、今津町銃剣道スポーツ少年団のメンバーを加えた計20人が、濃紺の道着とはかま姿で参加。
 神社内の拝殿で、神事に参列した後、長さ約1㍍30㌢の木銃を前に出しながら、「やぁー」の掛け声と共に4種類の突きの形を披露していた。

前原誠司外務大臣「(民主党の)マニフェスト見直すべき」、田島一成衆院議員の新春の集いで

 滋賀2区選出の田島一成衆院議員(民主党)の新春の集いが23日、彦根ビューホテルであり、来賓として出席した前原誠司外務大臣があいさつし、実現性が困難な同党のマニフェストについて見直すべきだとの考えを示した=写真
 前原大臣は、政権交代で根本的な部分が確実に変わったと強調したうえで「前の政権はバラマキで公共事業をやり、多くの借金を残した」「産業の育成を怠ったために地域も疲弊している」と、自民党の政治手法を批判。
 自民党政権が重要拠点に指定した漁港が発展していないことや、地方空港の多くが当初の需要予測を下回っていることをあげ「数十年の垢(あか)を1年5カ月で落とすことはできない」と、理解を求めた。
 民主党のマニフェストに対しては「反省し、より現実的に見直すべきだ」と実行が困難との見方を示した。
 田島議員は、彦根市議に初当選した28歳の時から20年が経過しているとしたうえで「何のために政治の世界に踏み込んだのか」「原点は現場。現場主義を唱えて歩んでいける1年にしたい」と語った。

2011年1月24日月曜日

150種類の楽器で大合奏 楽器提供者と演奏者募集、寺村邦子さん8回目のギネス挑戦

 音楽やかくれんぼなどでギネス記録に挑戦しているピアノ教室講師の寺村邦子さん(55)=彦根市尾末町=が、次の挑戦として「いろんな楽器の大合奏」を計画。150種類の楽器を募っており、その提供者と演奏者を募集している。
 打楽器、弦楽器、和楽器、管楽器、鍵盤楽器、民俗楽器など、音が出る物なら何でも可能。寺村さんは、演奏家仲間などから約50種類の楽器を集めたが、目標の150種類以上はまだまだ。
 これまでのギネス記録はイギリスの147種類。挑戦日は今年の4月末から6月にかけての日曜日を予定しており、150人以上が「イッツ・ア・スモールワールド」を演奏する。参加無料。
 寺村さんは個人を含めてこれまでに7回(彦根では5回)、ギネス記録に挑戦。「今回で8回目だが、今までにも増して楽しいイベントになりそう。みんなでアンサンブルしましょう」と参加を呼びかけている。申し込みは氏名と提供できる楽器名、連絡先を記入しメール(gakki.ginesu@gmail.com)か、寺村さん℡090(5152)3918へ。

2011年1月22日土曜日

「女性のための近江戦国山城マップ」歴女25人が製作、佐和山城・安土城・小谷城

 歴史好きの歴女25人が製作していた「女性のための近江戦国山城マップ」が完成し、20日から県教委文化財保護課のホームページから無料でダウンロードできるようになった。
 戦国時代の山城に探索する女性が増えているため、女性向けの地図を作ろうと、県教委が昨年5月からスタッフを募集。県内外の20歳代~50歳代の女性が選ばれ、6月から安土城、佐和山城、小谷城の城跡を巡った後、3班に分かれてマップを作った。
 佐和山城のマップでは、表面で佐和山城の歴史年表のほか、本丸、西の丸、塩硝櫓、女郎ケ谷、千貫井を写真入りで紹介。裏面=写真=では、佐和山を上空から見た絵図に、「おすすめモデルコース」を設定しながら、各所の案内のほか、本丸から各方面への眺めも掲載している。点線に沿って折れば山型にもなる。
 マップはそれぞれA3判両面カラー。2月中には県立安土城考古博物館が紙製のマップを作り販売する予定。県教委では「このマップで、近江戦国の山城の魅力をより身近に感じてもらい、全国に広く発信できれば」としている。

2011年1月21日金曜日

芹谷ダム中止で、滋賀県と多賀町が芹谷地域の振興方針に合意 嘉田由紀子知事・久保久良町長が調印

 芹谷ダムの建設中止に伴い、滋賀県と多賀町は、水没予定地だった芹谷地域の振興基本方針に合意。18日に多賀町役場で嘉田知事と久保久良町長が合意書に調印した。また県は、水没予定地のうち水谷地区24戸の家屋改修費や、道路など社会資本整備費として約4億8000万円を新年度予算に盛り込む方針も明かした。
 基本方針では、県は社会資本整備などの計画を3月末までに策定。多賀町は県の計画に基づいて来年度中にプランを作り、県の財政的、技術的な支援を受け、地元住民の意見を聞きながら整備を進めていく。知事は会見で、家屋改修は3年以内で、社会資本整備は5年以内で進めていく意向を示した。
 水没予定地には笹尾地区(彦根)にも1戸あるため、市との合意について知事は「一日も早く、合意できるようにしたい」と述べた。また洪水対策として県が芹川下流で進めている浚せつ工事について、県は「今後も琵琶湖側の浚せつ工事を行い、市域の安全を高めると共に、多賀町側でも浚せつを進めていきたい」とした。
 会見で知事は「水没予定地だった皆さんには長年の心労へのお詫びと協力への感謝の気持ちでいっぱい。地区の生活再建と地域振興に責任をもって取り組んでいきたい」と語った。
 久保町長は「これからは県と協力しながら地域振興を進めていくことになる。多賀としては新たなスタートを切りたい」と話した。

滋賀県、インフルエンザ流行期に 予防を

 滋賀県は18日、インフルエンザの流行期に入ったと発表。一日ごとに感染者数が増えているため、感染予防の注意を呼びかけている。
 昨年12月27日から今年1月2日の1診療所(県内53カ所)あたりの患者報告数は「1・53」(彦根保健所管内は0・86)だったが、3日から9日までが「3・85」(同3・71)となったため、流行期と判断した。10日から16日までも「8・66」(同5・71)と感染が拡大している
 香港型と新型の両方が検出されており、今後、本格的な流行が予想される。予防策としては▽出来るだけ人混みは避ける▽外から帰ったら、手洗い。うがいをする▽適度な温度と湿度を保つ▽重症化を防ぐためワクチン接種をする―ことなど。

2011年1月20日木曜日

独立総合研究所・青山繁晴さん 防衛の見直し求める 中国海軍大佐「沖縄併合」発言も紹介、「ねっと湖東」主催の講演会で

 独立総合研究所社長で多くのテレビ番組にも出演している青山繁晴さんが15日、愛荘町のハーティーセンター秦荘で講演。真のデフレ克服策のほか、中国の拡張主義への懸念や日本の防衛力の根本的な見直しの必要性について力説した。
 青山さんは、昨年9月7日に尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突し逮捕された中国漁船船長を釈放した政府の対応を強く批判したうえで「日本がこのままでは中国に飲み込まれる恐れが現実になる」と懸念を示した。
 また、66年前に米国などに敗れた太平洋戦争を取り上げ「2千年以上の歴史がある日本が戦争に負けたのはその時の1度だけで経験がなかったから、勝った側の言う通りにせねばならぬと思い込んだ。同じ負けたドイツでも連邦軍を持つが、日本は自衛隊のままだ」「沖縄に中国の船が入ってきても自衛隊では実際は対処できない。このままでは沖縄は中国に侵されるだろう」と警告し、自衛隊が国民軍(徴兵制は採らず志願制の国軍)に生まれ変わることを提案した。
 青山さんが中国海軍の大佐(当時)と議論した際、その大佐が青山さんの通った中高がある姫路の城の石垣が角ばっている一方、首里城の石垣には丸みがあることを指摘し「あれは明(中国)の文化」「沖縄は日本が名付けた名称で、元々は琉球王国。琉球王は、わが明の皇帝に册封(さくほう)されていた」と話したことを紹介。青山さんの「沖縄も中国のものにするのか」との質問に、大佐は「当然」と答えたことを話した。
 沖縄戦で犠牲となった女学生たちの自決壕に建つ「白梅の塔」に、共同通信の記者時代から通い続けているエピソードにもふれ、「祖国のため、公(おおやけ)のために命をかけてくださった女学生たちのお陰で今の日本があることを忘れてはならない」「自決を命じた、命じていないといった、同じ日本国民が分かれて争うことを克服し、この国の主人公である一人一人が、右でも左でもない真ん中から自分の頭で歴史をフェアに見つめ直すことを沖縄でも呼びかけている」と述べた。
 講演会は彦根・愛知・犬上地区商工会広域指導センター(ねっと湖東)主催で、約400人が参加した。

2011年1月19日水曜日

江・浅井三姉妹博覧会 長浜で開幕、浅井長政役の時任三郎さん テープカットとトークショー

 NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」に連動し、江・浅井三姉妹博覧会が15日、長浜市内で開幕。「浅井・江のドラマ館」(長浜市内保町)では、嘉田由紀子知事、福地茂雄NHK会長、藤井勇治市長、浅井長政役の俳優・時任三郎さんらがテープカットして開幕を祝った。
 嘉田知事は「小谷、姉川の戦い、賤ヶ岳はすべて長浜。『江』は合併・長浜市のためにあるようなもの」と持ち上げ、「これから1年間、博覧会を大いに盛り上げていきましょう」とあいさつ。
 時任さんは「浅井長政を演じたが、もう死にました。1話で死んでしまい、とても残念なんですけど…」と会場の笑いを誘った後、「長政を演じた時に、湖北、小谷城跡を訪れた。こういう形で、地域の活性化に少しでも役立てることができ、とても幸せに思っています」と述べた。
 江・浅井三姉妹博覧会は、12月4日までの324日間、開かれる。
時任さん「父の気持ち現代も同じ」
 「湖北文化交流センター」(長浜市湖北町)では大河ドラマのチーフプロデューサー・屋敷陽太郎さんと時任さんのトークショーがあった。
 滋賀の景色について、時任さんは「滋賀はこれまで何度か来ているが、小谷城跡からの素晴らしい景色は印象に残っている」と話した。
 一番思い出に残るシーンには「市との出会いの場」をあげ「36度の灼熱地獄の中で撮影し、カツラの下から汗が噴き出た」と語った。長政像については「戦国時代も、今も父親の根底に流れる気持ちは同じ。ただ、家族との別れは想像を絶するものだったと思う。(長政と)自分とを照らし合わせて演じた」と振り返った。

2011年1月18日火曜日

五色百人一首・彦根大会 中地区公民館で、「湖東教育サークルDonDon」主催

 五色百人一首の彦根大会が15日、彦根市大薮町の中地区公民館で開かれ、湖東地区の小学生56人が参加した。

 五色百人一首は、青、黄、緑、オレンジ、ピンクの5色に色分けされており、歌詞をすべてひらがなで記すなど、子どもが親しみ易いように作られている。彦根大会は平成21年から湖東・湖北の小学校の教師で組織された「湖東教育サークルDonDon」が開催。3回目の今年は彦根の9校と東近江の2校からの1~6年生が参加した。
 大会では青と黄の札が用意され、青グループに43人、黄グループに13人が出場。子どもたちは予選を5試合戦い、各グループの上位4人が決勝へ進出。決勝戦はトーナメントで行われ、各上位3人に賞状とメダルが贈られた。
 初めて出場した稲枝西小3年の廣嵜ゆきちゃん(8)は「負けたけど、とても楽しかった。来年に向けて練習したい」と話していた。
 なお上位3人は1月30日に近江神宮で行われる小学生対象の五色百人一首大会への予選が免除される。

2011年1月16日日曜日

彦根市議会議員選挙4月24日投票 21人の出馬確定、現職7人が未定

 4月24日に予定されている彦根市議選(定数24)の最新の現職と新人の動向を紹介する(以下、敬称略・順不同)。
 現職27人のうち、滋賀彦根新聞に出馬を表明したのは、馬場和子(52)=平田、西川正義(66)=下西川、渡辺史郎(66)=稲里、小川喜三郎(63)=西沼波、夏川嘉一郎(72)=南川瀬、辻真理子(59)=芹川、有馬裕次(62)=中藪、赤井康彦(38)=小泉、野村郁雄(66)=川瀬馬場、安藤博(44)=高宮、矢吹安子(64)=大藪、田中滋康(68)=松原、山田多津子(55)=石寺、北村収(70)=松原。ほかに徳永ひで子(61)=松原、八木嘉之(47)=高宮=を含めて計16人の出馬が確定的。
 出馬しないのは、県議選に出る細江正人(64)=本町2=と、勇退を決めている小林武(69)=佐和、山口大助(61)=日夏。松本忠男(66)=東沼波=も不出馬の意向。
 後継者を探しているのは、佐野正博(68)=本庄、大橋和夫(65)=高宮、杉本君江(80)=犬方、成宮祐二(70)=日夏、田島茂洋(72)=後三条、前川春夫(74)=大堀=の6人。不明が藤野政信(72)=戸賀。
 新人は、公明党の山口の後継として党彦根支部副支部長の上杉正敏(55)=八坂、共産党から山内善男(57)=海瀬、ほかにいずれも無所属で、昨年亡くなった市議の後継として宮田茂雄(66)=清崎、元商店街連盟副会長で前回惜しくも落選した安澤勝(47)=鳥居本=の計4人。元職は谷口典隆(43)=栄。

2011年1月14日金曜日

トラのマスクかぶった「伊達直人」 彦根市役所に人力車で登場、ランドセル贈る

 アニメ・タイガーマスクの主人公・伊達直人を名乗る人物が福祉施設にランドセルなどを贈る寄付が、全国各地で相次いでいる中、彦根市役所にも13日、男性2人が訪れ、ランドセル2個を贈った。
 市によると、13日午前10時半過ぎ、若い男性2人が人力車を引きながら登場。そのうち一人が虎のマスクをかぶり、もう一人の男性と一緒に1階の総合案内所を訪れ、2個の箱と茶封筒を渡したという。
 受付の女性職員が「担当者を呼ぶので、待っていてください」と言うと、男性らは「いや、いいです」と答え、記念撮影をして帰っていったという。
 箱は包装紙で包まれ、中には黒と赤のランドセルが入っていた=写真。封筒にはA4の用紙が入っていて「二個でメンゴ! 伊達直人」と書かれていた。市は「ランドセルを有効に活用したい」としている。

2011年1月13日木曜日

ひこにゃん騒動 大阪地裁が彦根市の申し立て却下、市「本訴の意向」VS原作者「謙虚に」

 ひこにゃんに似た「よいにゃんこ」(以下にゃんこ)の絵本以外の商品の販売などを取り止めるよう彦根市が原作者(もへろんさん)に求めていた申立書に対し、大阪地裁が昨年末に申し立てを却下したうえ、ひこにゃんのぬいぐるみなど立体物の販売を市が許可するのは両者が交わした調停に違反するとも認定していたことがわかった。これに対し、獅山市長は8日の記者会見で本訴も辞さない構えを示した。原作者側もそれに応じる姿勢を見せており、両者の対立は泥沼化の様相だ。

 市と原作者は平成19年12月の調停で、「市は原作者がひこにゃんに類似するイラストを用いて絵本その他の著作物を創作することを認める」「(3つの格好)以外の図案の使用を許諾しない」―などとすることを決めた。
 市によると、その後も絵本以外の商品の販売が続いたため、平成21年7月27日に「絵本以外の製品の販売は、市の著作権や商標権を侵害する」として、市内店舗ににゃんこ製品の販売中止を要請。8月10日には流通中止を求める通知書を原作者側に送付した。これに対して原作者側は「類似していても自由に創作活動を行えることが調停条項として認められており、市の許可を得る必要はない」などと反論。このため市は昨年6月2日に大阪地裁に申し立てをしていた。
 この申し立てに、大阪地裁は「市はひこにゃんを反転させた図柄や(ぬいぐるみなど)立体物の使用について第三者に許諾するなど、調停合意に反する行為を継続している」などとし、「差し止め等を求めることは信義に反し、権利の濫用として許されない」と指摘。申し立てを却下し、さらに市がひこにゃんの立体物を使用したり、第三者に使用を許可することは調停違反にあたるとの認識を示した。大阪地裁の判断に市は即時抗告している。
 原作者側の弁護士は、大阪地裁が市の申し立てを却下したことに「妥当な判断だ」とし、市が即時抗告をし本訴も辞さない構えを示していることには「されることは自由だが、対立構図を続けていくことで、一番困るのは誰なのか考える必要がある。地方公共団体であることを踏まえて、(大阪地裁の判断を)謙虚に受け止めなければならない」と述べている。
グッズ販売店「行方見守る」
 大阪地裁の判断を受け、原作者側はグッズ販売店に今月5日付けで、「事実関係を認識していただき、キャラクターの適法かつ健全な使用をお願いする」などの販売自粛を要請する通知を送った。販売店からは「市から認可を受けたのであり、原作者側と契約したわけではない。(調停や裁判の)行方を見守るだけだ」としている。

2011年1月12日水曜日

彦根で成人式「新しい時代、切り開きたい」

 彦根市の成人式が9日、ひこね市文化プラザで開かれ、案内状を送付した1277人のうち、822人(男412人・女410人)が参加した。
 式では新成人を代表して加藤大樹さんが「夢をもっている人は、それをつかまえようとがんばる。ここにいる全員が夢をもちながら、新しい時代を切り開いていきたい」と抱負を述べた。
 獅山市長は「嫌なことは考えない、思い出さない。困った事は起きない、すべて良くなる。それらの思いを絶えず繰り返しもっていてほしい」とアドバイスした。
 式は終始、ざわついていたが、大きな混乱はなかった。

北野ゑびす神社で彦根十日ゑびす、2万人で賑わう

 彦根市馬場1の北野ゑびす神社で9、10日の両日、彦根十日ゑびす祭が営まれ、商売繁盛と招福祈願を求める参拝者らで賑わった。
 神社には、みのや熊手、小づち、宝船などが用意され、参拝者らは福娘らから受け取ったササにそれらを付けてもらった後、本殿に参っていた。境内ではもちまきや歌謡ショー、滋賀大生によるマジックなども行われ、両日で約2万人(主催者発表)が訪れた。

(正月特集号)「ROBO―ONE(ロボ・ワン)」常勝チーム 彦根の「MARU Family(マル・ファミリー)」にインタビュー

 二足歩行ロボット競技大会「ROBO―ONE(ロボ・ワン)」の常勝チームとして全国的にも知られる「MARU Family(マル・ファミリー)」こと、丸直樹さん=彦根市大薮町=と、息子で中央中学校3年生の健太君(15)に、これまでの活躍や今後の目標を聞いた。
 丸さんは製造工場が多くある東京・大田区にいた少年時代、近くの部品製造工場に通い、そこの機械を使って車や船の模型などを自作していた。大学では電気工学を学び、卒業後は大手電機メーカーで働いていた。そして、退職後、1992年に彦根に移り、鋳造会社の経営を開始した。2005年に、テレビで「ロボットバトル世界一決定戦」を見たのをきっかけに、ロボット作りを開始。ガンダムに似たロボットを作り、その年の5月に大阪であったロボファイトに「MARU Family」として初出場し見事優勝。その3カ月後に行われたロボ・ワン(ジュニアクラス)には、操縦者として健太君も当時小学4年生ながらデビューを果たし、3位の記録を収めた。
 その後、丸さんは一ランク上のロボ・ワンで戦えるマシン作りに入り、その年の12月には、赤を主体にした戦闘ロボット「キングカイザー」(高さ33㌢×重さ2・5㌔)を完成させて、ロボ・ワンに出場。
 高さ6㌢の連続ジャンプ、高さ12㌢からの着地をこなせる技能と、健太君と弟で金城小6年の龍馬君(12)の操縦で、見事初優勝を果たした。元々は丸さんが操縦し、息子たちが操縦する際はセコンド役を務めていたが、いつの間にか息子たちがアドバイス無しに操縦していることに気づき、その時に「抜かれた」と思ったという。
 丸さんはロボット作りに専念し、キングカイザーは改良に改良を重ねて、最終的には2009年11月に高さ1㍍×重さ9㌔まで、15種類を製作した。
 ロボ・ワンは年に、ロボ・ワングランプリ、ロボ・ワングランプリチャンピオンシップを含めて計3~6回あるが、「MARU Family」は06年以降もそれぞれの大会で好成績を収め、07年~08年のシーズンは見事、ロボ・ワン初の「三冠王」を獲得し、一躍有名になった。続く08年~09年も王座を守り、その地位を確固なものにした。
 しかし、最近では「エンターテイメントだけではなく、人のためになるロボットを作りたい」との思いが強くなり、08年8月から始まった、人の役に立つ「お手伝いロボットプロジェクト」も重視し始めている。
 「卵をつかんで容器に移す」、「Tシャツを畳んで片付ける」などをロボットが競う大会だが、ロボ・ワンに比べて、まだまだ知名度や人気も低く、参加者も少ないという。
 丸さんは、介護の必要な方など家庭の場でお手伝いできるロボットを作っていきたいと意気込んでいる。
 健太君は操縦だけでなく、ロボット作りの方も小学生のころからしており、これまでにひこにゃん型のロボットなどを作っている。
 昨年5月には、自作のロボットでサッカーをして対戦する「ロボカップジャパンオープン2010」ジュニアの部に、友人とのチーム「シューティングスター」で、滋賀県代表として全国大会に出場し準優勝の記録を収めた。
 健太君はロボット作りについて、「自分の作ったプログラム通りにロボットが動くことがおもしろい」とし、「将来はロボットの開発でノーベル賞がとれるような人間になりたい」と話していた。

2011年1月9日日曜日

花しょうぶ通り商店街 焼失の「寺子屋・力石」、再興を確認「知恵がほしい」

 彦根市の花しょうぶ通り商店街で、拠点の一つでもあった築約250年の「ひこね街の駅『寺子屋力石』」が正月早々、火災に遭うという惨事が起こった。同商店街では5日夜、臨時総会を開き、延焼を逃れた「力石」の通り側を再興させることを確認した。
 総会ではまず、出火した日の経過説明が行われた。関係者によると、2日夜に「戦国」ファンらによる新年会がもう一つの街の駅「戦国丸」で予定されていて、その食事の準備に力石が使われ、戦国丸に移動した後、力石から火の手が上がったらしい。
 総会ではほかに復興について、残った力石の通り側が壊れないように早急に補強をすることを決めた。その後の復興策についても今後、検討していく。
 力石の所有者で同商店街に貸している力石寛治さん(72)=平田町=は「花しょうぶ通りのシンボルであり、今後も復興に向けて協力していく」と話している。
 LLPひこね街の駅の武野貞嗣代表は「まちおこしの拠点として活用してきたことを大切にしていきたい。花しょうぶだけでは難しく、古民家を残していこうという思いの方の協力をいただきながら、復興させたい」と述べている。
 同商店街のまちづくりの中心的存在、和田一繁さん(42)=河原3=は「(キャラクターの)しまさこにゃんが生まれた場所でもあり、色んな方の知恵を得ながら、再建させていきたい」と語っている。

2011年1月8日土曜日

彦根城 いろは松(市の景観重要樹木)の黒松が折れる、降雪で

 彦根城の中堀沿いのいろは松の黒松が折れていたことが、6日までにわかった。同日には県樹木医会の会員が現地を訪れて調査した。
 市教委文化財課によると、幹から折れたのが2本、枝が折れたのが4本で、いずれも樹齢約200年。元日に彦根城管理事務所の職員が見つけた。原因としては、年末年始に降った雪の重みに耐えられなかったらしい。
 いずれも再生は難しいらしく、枝の部分は今後、きれいに調整していくという。いろは松では平成17年の年末にも松が折れる被害が出ているが、事前の防止策については難しいという。いろは松は平成20年8月に市の景観重要樹木に指定されている。

「ひこね地域おこし協力隊員」に小川弦さん、小江戸彦根に所属

 彦根のまちづくりに取り組む「ひこね地域おこし協力隊員」に、小川弦(ひびき)さん(29)=東京都練馬区=が決まり、5日に市役所で委嘱式が開かれた。
 同隊員は、都市部から移住し彦根のまちづくりに貢献する人材で、湖東定住自立圏の取り組みの一つ。小川さんは、彦根城の内堀で屋形船を運航しているNPO法人小江戸彦根のメンバーに所属しながら、地域のさまざまなイベントにも参加していく。
 小川さんは新潟県糸魚川市出身。新潟県内の保育園を昨年3月に退職した後、保育士になるために上京。その際に東京・有楽町駅前での「近江みちの国キャンペーン」で隊員募集を知り、応募した。
 期間は平成25年3月31日までで、報酬(毎月約16万円)補助のほか、支援団体の小江戸彦根に委託料150万円が補助される。
 獅山市長から委嘱状を受け取った小川さんは「地域の方々と深く関わる仕事をしてきた経験を活かしていきたい」と話していた。河原町に来週から住む予定。

2011年1月7日金曜日

ひこにゃんへの年賀状1万163枚、過去最多更新も

 ひこにゃんへの年賀状が5日までに、彦根城などに計1万0163枚届いた。最終的には昨年(1万3036枚)を上回る勢いだが、今年は返事をするか決まっていないため、伸び悩む可能性も。
 ひこにゃんへの年賀状は築城400年祭が始まった翌年の平成20年から届き始め、その年は最終的に1672枚。同21年は8564枚。
 今年の都道府県別では大阪が最多の2007枚で、次いで滋賀1002、兵庫912、東京815、京都773―などとなっている。彦根市内は184枚。
 年賀状では、羽子板型にひこにゃんを描いたものや、一緒に写真を撮ったものなどもあった。
 ひこにゃんへの年賀状は年々増加傾向にあるが、その一因にひこにゃんからの返事を期待していることもある。昨年まで市は、「今年も元気いっぱいのひこにゃんが彦根城でお待ちしております」などのメッセージを記し、礼状を送っていたが、今年は予想以上に枚数が多かったため、「ひこにゃんと相談して決めたい。今のところ『未定』」だという。

(正月特集号)―日本の原風景を後世に残そう―滋賀県古民家再生協会

 日本の原(げん)風景や日本人の心を後世に伝えていきたい―。長阪静さん(58)=栗東市=は昨年4月に、滋賀県古民家再生協会(本部・栗東市手原)を設立。県内の古民家の価値とコンディションを鑑定している(写真上は彦根市男鬼地区=滋賀県立大学濱崎一志教授研究グループ提供)。
 同協会によると、県内には古民家と呼ばれる建物が約3万3000戸あり、毎年そのうちの10%前後が無造作に解体されているという。同協会は、古民家など貴重な建物の修復・再生、町並みの保存などを目的に設立され、古民家鑑定士と伝統資財施工士(いずれも厚労省認可の財団法人技能振興会認定資格)のメンバー12人で運営している。
 メンバーは「県内で最も信頼される古民家の相談機関にしたい」と古民家鑑定のほか、古民家の相談を受けたり、資格講習会を開講して、年度内には新たに70人の古民家鑑定士が誕生する予定。今月22日には守山駅守山コミニュティホールで古民家鑑定士資格講習会を開く。
 同協会では、▽このまま再生が可能か▽移築や再活用ができるか▽使われている古材での建て替えができるか▽まちづくり(地域活性化)のための提案と企画▽解体・売却やむなしの場合の取り次ぎと古材買い取り―などを行っている。
 協会設立以降、昨年だけで県内35戸以上を鑑定しており、その中でも文化財級の特筆すべき古民家が、彦根の旧西田邸と旧川村邸(いずれも西沼波町)だったという。
 長阪さんは「古民家を継承し、再利用していきたいことはもちろんだが、古材のリユース(再利用)による『循環型建築社会』へも貢献していきたい」と話している。
文化財級・彦根の西田邸
 旧西田邸は主屋と離れ、蔵などからなり、鑑定はそのうちの主屋と離れの延べ床約688平方㍍で行われた。
 鑑定した長阪さんによると、主屋は、居住区の奥に書院様式の座敷を備え、一部に数寄屋風の意匠を用いた和風建築。
 離れは、表座敷の南側に4・92㍍×0・.87㍍の床の間を構え、向かって左側に棚、右側に書院付きの2・96㍍×0・87㍍の小さな床の間がある。
 主屋と離れの材料は、いずれも良質のヒノキや杉材が使われており、座敷については当時として一級品で、上質の書院建築だという。
 大手建設会社の清水建設が明治から大正時代に10年ほどかけて建築。大工、建具、左官、瓦の随所に職人による伝統工法が用いられており、すべての「技」が取り込まれていた。

2011年1月5日水曜日

(正月特集号)4月に統一地方選、滋賀県議選と彦根市議選

 滋賀県議選(彦根選挙区・定数4)は4月10日に、彦根市議選(定数24)は4月24日に行われる予定。特に国政の影響をもろに受ける県議選が注目される。
 県議選はいずれも現職で、民主党の中沢啓子氏(52)=2期=と江畑弥八郎氏(56)=1期、自民党の西村久子氏(67)=1期=が再選を狙う。また現職の中村善一郎氏(75)が引退するため、後継として彦根市議の細江正人氏(64)が自民党公認で出馬することが決まっている。
 ほかにも共産党が候補者を擁立するとみられ、現時点では民主2、自民2、共産1の構図だが、前回は7人が乱立したため、今後、新たな候補者が出る可能性がある。県内に支部を立ち上げたみんなの党の動きも注目だ。政治通の市民からは「出来レースに終わらないためにも、若手の候補者に出て欲しい」との声もある。
 県議選はこれまでのところ目立った争点はない。前回の県議選では国政での追い風もあり、民主党が圧勝した。民主党は、昨夏の参院選では絶大な人気のあった嘉田知事と共に戦い、一定の支持層を得たが、国政の方でふがいない政権運営が続いているため、国民の多くが同党から離れており、県議選への影響が出るとみられる。
 一方で、自民党は県連の基盤がまだまだぜい弱で、支部組織の広がりも見られず、無党派頼みの状況が続いている。
 共産党は彦根の組織が弱いため、苦戦が予想される。
彦根市議選は定数24の争い
 彦根市議選は今回から定数が28から24に減る。引退がささやかれているベテラン市議らも滋賀彦根新聞の取材に「後任がいない」として明確な姿勢を示していないが、各議員の地元市民からは「若手に譲るべきだ」との声もあがっている。
 特に争点がないため、学区内の地縁による従来通りの選挙になりそうで、学区だけにこだわらない元気な若手の出馬が望まれる。
 ※解説=今春は統一地方選があるが、国政の影響も受けるため、各政党とも戦々恐々としており、結果によっては衆議院の解散総選挙へつながる可能性も大だ。
 政権交代後、国民の期待に応えることができず、ふがいない政権運営が続く民主党にとっては、極めて厳しい選挙になるのは間違いない。滋賀の場合、親嘉田の立場にある同党だが、必ずしも同党支持層と嘉田支持層は結びついていない。
 一方で、対する自民党も支持率は民主党を何とか逆転したものの、それは民主党の失政によるもので、滋賀を含む地方組織のぜい弱ぶりは目を覆うばかり。ただ自民・滋賀は、保守の理念を貫徹している有村治子参院議員を県連会長に就けたことにより、保守支持層を固めることはできる。民主から離れた無党派層や親嘉田票の取り込みが鍵を握る。
 さて、国政については、早期解散を求める野党とそれに応じない民主党との駆け引きが続くだろう。この拙文を書いている昨年12月中旬から、年末にかけて政局が動く可能性もあるため、詳しくは示せないが、いずれにしても、先の衆院選で民主党を支持した国民の多くが同党から離れており、支持率の浮揚は至難の業であろう。
 世論の流れにより、総選挙が行われた場合、再び政権が交代することが濃厚だ。今年も政局は混沌としそうで、国民がそれに振り回される一年になりそうだ。(山田)

2011年1月3日月曜日

花しょうぶ通り商店街 ひこね街の駅「寺子屋力石」など3軒全焼

 2日午後6時45分ごろ、彦根市河原2丁目の花しょうぶ通り商店街から出火。ひこね街の駅「寺子屋力石」など3軒が全焼し午後9時03分ごろ鎮火した(写真は読者提供)。
 彦根署によると、力石の奥手から出火し、隣接する古田布団店と野菜屋・彩菜に燃え広がったらしく、いずれも木造2階建ての建物約336平方㍍が全焼した。この火災によるけが人はいなかった。彦根署で出火原因を調べている。

2011年1月2日日曜日

(正月特集号)「バカ者」が「まち」をつくる

 「彦根市民はすぐにやっかみ、出る杭を打つ性質がある」「自尊心が高く、保守的だ」「ボランティア精神に欠ける」・・・。市外からの住民、大学教員や文化人など知識人らから聞く、市職員を含む彦根市民の欠点をまとめると、前記のような表現になる。一市民の小生も否定は出来ず、耳にする度に自戒の念に駆られている。
 今年の新春座談会で参加者からの意見でも出ていたが、高宮と鳥居本の両町が彦根全体の縮図だといえるのではなかろうか。
 両町の共通点は、新しい改革を敬遠する保守的な土壌が強すぎるということだ。伝統や文化を後世に残すという保守の理念は素晴らしいが、新たな発展のためには時代の潮流に沿った改革が不可欠であり、その原動力と成りうる若者の力を信じる必要がある。
 特に高宮の場合は、繁栄期のころからの自負の念や自尊心が無意識的を含めて残っているため、青年・壮年による改革が老年の抵抗にあって進みにくいようだ。
 一方の鳥居本は商店が少なく、若者が減り、限界集落化しつつあるため、先行きは不透明で、その打開策も見えていないという状況だろうか。
 それらの特徴は、何も2町に限ったことではなく、市内の各町でも見られる。つまり、これも座談会で出てきたコメントだが、新しいまちを形成していくのは「若者、バカ者、ヨソ者」だといえる。
 彦根市の場合、それら三者を敬遠する資質がまだまだ残る。しかし、花しょうぶ通り商店街のように、三者を活用しながらまちづくりをしている成功例が身近にあるではないか。
 市民の中には当初、花しょうぶの人たちを「バカ者」扱いしている向きもあったが、大学生や30歳代~40歳代の地元住民、佐和山と石田三成に焦点を絞りまちを盛り上げる商店主、大学教授やコンセプトに賛同する町外住民、それら三者を有効に活用し、今では全国でもまちづくりの成功事例として紹介されるほどになっている。
 彦根市のこれからのまちづくりの中心は、歴史的に価値のある建造物の保存と活用である。すでに保存計画が進みつつある花しょうぶのほか、市内には芹橋、本町、七曲り通り、高宮、鳥居本にも多くの歴史的建造物が残る。
 しかし、各所で壊されているのも事実である。古い建物を残し、町並みを後世に伝えていくためにも、「バカ者」がより多く表舞台に出てくることを切望したい。(山田貴之)

2011年1月1日土曜日

(正月特集号)新春座談会―中山道のまちづくりは?― 高宮から杉山由昭さんと杉原祥浩さん 鳥居本から石川清和さんと宮原勇作さん

 滋賀彦根新聞社は、「中山道のまちづくりは?」をテーマに、高宮と鳥居本の代表者2人ずつを招いて、高宮町の宿駅「座・楽庵」(※旧布惣(ぬのそう))で新春座談会を開いた。
 参加していただいたのは、高宮から、高宮町史の編さんに関わった杉山由昭さん(80)と、いっしょにやろう会の杉原祥浩さん(48)。鳥居本から、鳥居本お宝発見隊代表の石川清和さん(62)と画家の宮原勇作さん(31)。コーディネーターは本紙編集長・山田貴之、写真は辻貴良が務めた。
 ―地元ではどのような活動を?
 杉山 13年間、公民館長をやってきて、高宮の歴史とその重みをひしひしと感じている。しかし、高宮が歴史と文化の町と呼ばれながら、新しい芽がなかなか出てこない。新しい時代に対応していくための接点がどこにあるのか、連合自治会やまちづくり委員会の中で模索している
 石川 地域として活性化したいとの思いから「鳥居本お宝発見隊」を立ち上げ、昨年、一昨年と宿場まつりを開いた。県立大や高宮の知恵をいただきながら、街道を赤く染めるイベントもした。鳥居本は商売をする店が少ないため、宿場まつりでは地元の人間が何かを作って販売したり、旧家を公開しギャラリーにしたりして、次に繋がる企画をした
 杉原 私の本業は瓦屋だが、中山道の町並みにほれ込んでいる一人として、いっしょにやろう会で活動している。結成10周年の記念イベントでは高宮布の再興を担当し、研究し始めたら、材料が大麻で、有名な近江上布が元々は高宮布を参考にしていたことがわかった。また、愛知川の業者から仕入れた麻で、江戸時代の旧布惣で使われていた「高宮縞(しま)」という当時の文字を再現したのれんを100本限定で作った
 宮原 18歳の時に鳥居本を出て東京で暮らしていたが、こっちに帰ってきて、鳥居本の良さが心にしみて再発見できた。今は絵を描くことを絡めて、イベントやライブで「鳥居本はいい町だ」ということを表現できればと思っている。最初は個人的な活動だったが、色々な方に支えてもらって活動していくうちに、鳥居本の人たちには歴史や文化を大切にする思いが根底にあって、大切にしていることを痛感した。これからは「文化の読み直し」をしたいと思っていて、そこに僕と同じ若い世代が入りながら活動できればと思っている
 ―両町の共通点は歴史遺産をいかに生かすか、にかかっています
 杉山 中山道の高宮に宿場が置かれたのは1602年(慶長7年)で、それまでは東山道として、四十九院(豊郷)と小野(彦根)が宿場だった。当時の高宮には、高宮城のほか、円照寺や、高宮(こうぐう)寺が開山されていて、文化人の往来もあった。宿場が置かれてからは多賀大社の門前町として、また高宮布の集散地として賑わっていた。大正・昭和半ばまでは、ほかの村から多くの人が高宮を訪れていたが、昭和の終わりから、次第に衰退していった。もう一度、高宮をいかに賑わせるかとのことで、高宮商工繁栄会(商工会)やいっしょにやろう会、連合自治会、まちづくり委員会などががんばっている。若い皆さんには、温故知新という言葉通り、古きを大切にしながら、新しい町おこしをしてほしい。
 杉原 高宮は、新しいことをやろうとしてもなかなか動きにくいため、彦根信金(現・滋賀中央信金)の店長(当時)の呼びかけで、地元の若手50人でいっしょにやろう会を立ち上げた
 ―団体をまとめる必要がありますね
 杉原 確かに横のつながりはあまりないが、まとめていきたいという思いはある。そうすれば、鳥居本との連携も出てくるかもしれない。鳥居本の住民が布惣に高宮布を買いに来るという物語も伝えられており、先日の高宮でのイベントではその寸劇も演じて、好評だった
 石川 高宮から鳥居本にかけては古い建物が多く残っており、その名残は残していきたい。人口が減少し空き家が増えているが、是非、それぞれの地域に住んでほしい。鳥居本の場合は、商店が少ないため、商工会もない。宿場まつりでは古い町屋を開放して多くの方に見ていただくことができた。鳥居本側の佐和山城下の発掘調査も行われ、多くの人が訪れるようになり、地元の人の意識も変わりつつある
 宮原 鳥居本は商売をされてきた名残を目で楽しむことができる。空き家がたくさんあるのも、見方によっては魅力の一つで、田舎の暮らしも残っている。外から見て、素敵だと思われるようなまちづくりを目指していきたい(続きは本紙1月1日号で)