2011年1月7日金曜日

(正月特集号)―日本の原風景を後世に残そう―滋賀県古民家再生協会

 日本の原(げん)風景や日本人の心を後世に伝えていきたい―。長阪静さん(58)=栗東市=は昨年4月に、滋賀県古民家再生協会(本部・栗東市手原)を設立。県内の古民家の価値とコンディションを鑑定している(写真上は彦根市男鬼地区=滋賀県立大学濱崎一志教授研究グループ提供)。
 同協会によると、県内には古民家と呼ばれる建物が約3万3000戸あり、毎年そのうちの10%前後が無造作に解体されているという。同協会は、古民家など貴重な建物の修復・再生、町並みの保存などを目的に設立され、古民家鑑定士と伝統資財施工士(いずれも厚労省認可の財団法人技能振興会認定資格)のメンバー12人で運営している。
 メンバーは「県内で最も信頼される古民家の相談機関にしたい」と古民家鑑定のほか、古民家の相談を受けたり、資格講習会を開講して、年度内には新たに70人の古民家鑑定士が誕生する予定。今月22日には守山駅守山コミニュティホールで古民家鑑定士資格講習会を開く。
 同協会では、▽このまま再生が可能か▽移築や再活用ができるか▽使われている古材での建て替えができるか▽まちづくり(地域活性化)のための提案と企画▽解体・売却やむなしの場合の取り次ぎと古材買い取り―などを行っている。
 協会設立以降、昨年だけで県内35戸以上を鑑定しており、その中でも文化財級の特筆すべき古民家が、彦根の旧西田邸と旧川村邸(いずれも西沼波町)だったという。
 長阪さんは「古民家を継承し、再利用していきたいことはもちろんだが、古材のリユース(再利用)による『循環型建築社会』へも貢献していきたい」と話している。
文化財級・彦根の西田邸
 旧西田邸は主屋と離れ、蔵などからなり、鑑定はそのうちの主屋と離れの延べ床約688平方㍍で行われた。
 鑑定した長阪さんによると、主屋は、居住区の奥に書院様式の座敷を備え、一部に数寄屋風の意匠を用いた和風建築。
 離れは、表座敷の南側に4・92㍍×0・.87㍍の床の間を構え、向かって左側に棚、右側に書院付きの2・96㍍×0・87㍍の小さな床の間がある。
 主屋と離れの材料は、いずれも良質のヒノキや杉材が使われており、座敷については当時として一級品で、上質の書院建築だという。
 大手建設会社の清水建設が明治から大正時代に10年ほどかけて建築。大工、建具、左官、瓦の随所に職人による伝統工法が用いられており、すべての「技」が取り込まれていた。

0 件のコメント: