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2014年12月19日金曜日

矢的竜さん小説・光秀の影武者 磯野員昌の生涯


 彦根市古沢町の歴史小説作家・矢的(やまと)竜さん(66)=本名・山本利雄さん=が、戦国時代に浅井家重臣で佐和山城主も務めた磯野員昌(かずまさ)をえがいた小説「光秀の影武者」を刊行した。
 矢的さんは京都府船井郡出身。滋賀大学経済学部を昭和45年に卒業し、民間会社や江戸川区役所などの勤務を経て、平成13年に退職した後、文筆活動に入り、中近世文学大賞優秀賞、九州さが大衆文学賞佳作などを受賞。平成23年に小説「折り紙大名」で作家デビュー。平成24年5月に彦根市に移住した。
 デビュー後4作目となる今回の小説は、員昌が織田信長と浅井長政との戦い・姉川の合戦で先鋒を託され、味方の劣勢を知ると信長本陣へ突撃し、佐和山城で8カ月間ろう城。結局は信長に降り、信長を狙撃した杉谷善住坊を捕らえたが褒賞もなく、命が奪われるとして坂本城へ逃げ込み、4年後に明智光秀と一緒に信長を襲撃。光秀と羽柴秀吉が戦った山崎の合戦では光秀の影武者として出陣するというストーリー。
 矢的さんによると、坂本城に逃げ込むまでは史料が残っているが、それ以降はないため、フィクションにしている。信長が暗殺される本能寺の変については、光秀の怨恨説以外にも、秀吉や徳川家康、朝廷、長曾我部などの黒幕説があり、この小説では員昌を通して本能寺の変前後を新たな視点で解き明かしている。
 矢的さんは学生時代に過ごした時から「近江」に関心があり、長浜市高月町生まれの員昌の人物像にひかれていたという。「員昌は戦国武将としてまっすぐで、信義を重んじる人間関係を重視する人物だった」と、その魅力を話していた。
 本は1冊1480円(税抜き)。問い合わせは出版元の祥伝社☎03(3265)2081。

2014年12月17日水曜日

滋賀2区当選の上野賢一郎氏「国体へ整備」比例の田島一成氏「対案示す」

 衆院選は14日、投開票され、滋賀2区は自民党前職の上野賢一郎氏(49)が6万5102票を獲得。民主党元職の田島一成氏(52)、共産党新人の中川睦子氏(56)を破り、3選目を果たした。田島氏は5万4095票を獲得し比例で復活当選して4選目。
 選挙戦は序盤から上野氏が優勢で、アベノミクスの継続による地方経済の再生を訴え、中盤にかけての報道機関の世論調査でも優勢が伝えられた。しかし、終盤戦にかけて相手陣営に女性の議員や元知事らが応援に駆けつけ、差をつめられたため、滋賀3区や4区のように投票終了時間と同時の当確にはならなかった。
 当確の報せ後、上野氏は彦根事務所で時折笑顔を見せながらも堅い表情で「厳しい戦いだったが、地方の再生なくして日本の再生はないことを訴えた」と振り返り「彦根が主会場になる国体に向けた整備を進めるため、しっかりと後押しができるように努めていきたい」「3選目の新しいスタートを切るが、地元の各地域を回りながら、皆さんのお考えを国会へつなげる仕事をしていきたい」と決意を新たにした。
 一方の田島氏は序盤から劣勢が伝えられていたが「有権者からの反応は世論調査と違って良い」との陣営幹部の声の通り、日に日に票を伸ばしていった。中盤から終盤にかけては嘉田由紀子元知事や元タレントの蓮舫参院議員、細野豪志衆院議員らが応援に駆けつけて猛烈な追い上げを見せ、近畿比例の獲得議席4のうち3番目の惜敗率(83・093%)で復活当選を果たす健闘ぶりだった。
 田島氏は、選挙では「思った以上にアベノミクスに対する批判を、農家を中心に感じた」と述べ「この2年間の自民党政治は都会の金持ち優遇で地方に目を向けていない。野党として政権を批判するだけでなく、地方に光を当てる対案を示したい」と抱負を語った。
 中川氏は安倍政権への反対姿勢を示したが、支持を伸ばせなかった。
 投票率は滋賀県全体で53・79%(前回61・76)。彦根市は50・73%(同57・29)と県内13市でまたも最下位に終わり、市選管の担当者からは「がんばったつもりなのですが・・・一歩一歩ですね」と落胆の声が聞かれた。市町全体では愛荘町が48・64%(同56・03)と唯一50%を割った。
 有権者のうち14日に投票した市民の割合が悪かった投票所は、人権・福祉交流会館(27・98)、旭森小学校体育館(30・96)、ひこね燦ぱれす(30・96)、野良田公会堂(31・46)の順。良かったのは肥田町公民館(52・56)、稲里会館(50・68)、新海町さざなみホール(48・13)、グリーンピアひこね(47・43)だった。ただ、この数値は期日前投票に行った有権者が含まれていないため、いずれも上回っている可能性がある。
 期日前投票をした有権者は1万0893人で、前回の7092人より増えた。そのうち今夏の知事選から導入しているビバシティでの期日間投票は3828人だった。
 ※【解説】
 上野氏圧勝かと思われていた滋賀2区だが、予想以上に田島氏が終盤追い上げを見せ、比例で復活当選を果たした。
 2人の獲得数を2区内の市町別に見ると、上野氏は彦根以外の市町すべてで勝利しているが、彦根では上野氏1万8998票、田島氏2万0403票と1405票差で上野氏が負けている。ちなみに約2万票差をつけて勝利した2年目の前回も彦根では709票差で敗れている。
 今回は全体で約1万票差で、前回より約1万票縮まり、彦根での差も同様に2倍の違いが出ている。
 田島氏は市議から県議、そして国会議員へと上りつめた彦根生え抜きの政治家であり「民主党は嫌いだが、田島は応援する」という市民も少なくない。
 排他的でヨソ者に厳しい市民性や自民党の組織の脆弱さも要因にあるが、彦根という牙城を崩さない限り、上野氏にとっては今後の選挙でも厳しい戦いになるだろう。
 彦根を含めた地元のために何をするか、上野氏と田島氏には切磋琢磨しながら国政を担って頂きたい共に、我々有権者はしっかりと見守っていきたい。     【山田貴之】

2014年12月16日火曜日

戦国無双の刀剣展 夢京橋あかり館で


 ゲーム・戦国無双4に登場する武具・武器を刀匠たちが再現した「戦国無双の刀剣展」が、6日から彦根市本町の夢京橋あかり館で開かれている。
 市民有志の「三成の戦3」実行委員会が企画し、全日本刀匠会事業部と彦根市が開催。全国各地の刀匠や鞘(さや)師、塗り師らが連携し約1年間かけて作った本物の刀剣や采配、扇などを展示。
 武将と作品名は、真田幸村「十文字槍」、前田慶次「単鉤(たんこう」型鉾」、森蘭丸「大太刀」、本多忠勝「大笹穂槍」、石田三成「鉄扇」、加藤清正「片鎌十文字槍」、綾御前「大薙刀(なぎなた)」、真田信之「直刀」、大谷吉継「采配」。
 そのうち三成の鉄扇は中央には旗印に使われた「大一大万大吉」が記され、広げた時の横幅が155㌢の大きさで重さも約5・4㌔ある。20、21日には綾御前の薙刀を作った加藤正文美さん(刀匠名・二十六代藤原兼房)が来館し、ネームプレートを作成してもらえるイベントがある。1枚1200円。開館は3月8日までの午前9時半~午後5時半。火曜休館。入館料は高校生以上200円、小中学生100円。休館は毎週火曜と今月26日~元日。問い合わせは同館☎(27)5501。

2014年12月14日日曜日

衆院選14日投票へ滋賀2区の3人


  衆院選はいよいよ14日に投開票が行われる。滋賀2区には、民主党元職の田島一成候補(52)、共産党新人の中川睦子候補(56)、自民党前職の上野賢一郎候補(49)が出馬している。
 田島候補は、現政権に対して「アベノミクスは東京や大企業が恩恵を受け、地域や中小企業に届いていない」と指摘。農家への個別所得補償制度や福井の原発の再稼働反対などを主張し「疲弊した地域を立て直す」と訴えた。公示前後には党の実力者や元タレントの女性議員らが応援に駆けつけた。
 中川候補は、原発再稼働、集団的自衛権行使、消費増税など現政権が進める政策に反対姿勢を示し「安倍暴走政治にストップを」と支持を求めた。
 上野候補は、アベノミクスの実績を具体的な数値で示して「デフレ脱却の糸口が見えてきた」とアピールしながら「地方の暮らしの実感はこれからだ」とアベノミクスの継続の重要性を説明。外交や安全保障政策の成果も取り上げていた。選挙中には幹事長や党重鎮らの支援も受けた。 
 衆院選の期日前投票が行われているビバシティで10日、投票を促す街頭啓発があり、ひこにゃんも啓発グッズを配っていた。
 期日前投票に訪れた手塚智子さん(40)は「仕事帰りに投票に来た。前回の知事選の時もここで投票しており、商業施設で投票ができるのは便利で良いと思う」と話していた。期日前投票は13日まで、ビバシティのほか、市役所本庁舎と稲枝支所で行われている。

2014年12月11日木曜日

「選挙に関心もつまちに」西中生が本物の投票箱で選挙体験

 実際の投票箱を使って選挙を体験する授業が5日、彦根市立西中学校であった。
 彦根市の投票率が最近の選挙で県下最低レベルにあるため、衆院選に合わせて子どもたちに投票することの重要性を教えようと、公民の授業を使って3年生103人に選挙を体験させた。
 まず11月末の授業では、各クラス6班に分かれ、班ごとに政党名と政策3つずつを発表させて、市選管から借りた投票箱と投票記載台を使って体験させた。
 5日には生徒会の会長1人と副会長2人を選ぶ選挙が行われ、体育館で立候補した会長候補1人・副会長候補4人と応援者の演説があり、その後、各教室に戻って3年生のみが、投票用紙に記名して本物の投票箱に1票を投じていた。
 前生徒会長で3年生の角田叶(とわ)君(14)は「将来の実際の選挙で彦根の投票率が良くなるよう、こういう選挙体験をほかの中学校でもしてもらい、選挙に関心を持つまちになってほしい」と話していた。

戦国カロム製作、丸松木材

 彦根市古沢町の丸松木材が、カロムを戦国バージョンにした「戦国カロム」を製作。先月末に市内で行われたひこね甲冑祭で披露し、甲冑姿の武将たちが東西に分かれて対戦していた。
 カロムのPRと地域の歴史文化の再認識を目的に考案。カロムの中央には関ヶ原合戦図屏風のコピーを印刷し、各辺には東軍が徳川家の緑と井伊家の赤、西軍が豊臣家の黄と石田三成の黒の色が塗られている。
 王将の代わりに「天下人」と書かれたコマと東西12人ずつの武将の家紋を記した計24個のコマを配し、東西の各チームが相手方の家紋が記されたコマを落とし、最後に「天下人」を落としたチームが勝利となる。
 1セット3万5000円。問い合わせは同社☎0749(22)5535。

2014年12月10日水曜日

人が集うカフェ・旅LOVEチャイハネ来月オープンへ七曲り通りに

 世界各国を約4年間旅した彦根市沼波町の伊藤裕介さん(35)が、人々が集えるカフェ「旅LOVEチャイハネ」のオープンに向けて自宅を改装している。
 伊藤さんは平成21年7月から昨年8月までバックパッカーとして、アジアやヨーロッパ、アフリカなど81の国と地域を旅した。そのうち、中央アジアから西アジアにかけてある喫茶店「チャイハネ」に頻繁に立ち寄ったという。
 中央・西アジア地域では、チャイが「茶」、ハネが「家」という意味。伊藤さんは「お茶を提供するカフェというよりも、人が集まるからお茶を出す憩いの場のような所だ」と説明する。
 伊藤さんがオープンを目指す店は七曲り通り沿いで、父親の昇さん(61)が経営する手打ちそば屋・文久蔵の奥にある。床に立方体に切った木を敷き詰め、壁にはカラフルなデザインの絵を描いており、一緒に経営する河嶋秀幸さん(30)=芹川町=や大学生たちと一緒に、来年1月中のオープンに向けて急ピッチで作業をしている。
 店では飲み物やケーキ、酒のつまみなどを提供するほか、イベントも開催する予定。伊藤さんは「色んな方たち同士が出会い、人生を変えられるような場所をつくっていきたい」と話している。
 問い合わせは同店のフェイスブックか伊藤さん☎080(8331)3034。

2014年12月7日日曜日

衆院選滋賀2区は上野優勢で田島追う中川苦戦

 14日投票の衆院選は早くも中盤戦に入る。全国紙や地方紙が4日付けの朝刊で「自民党の300超え」を報じたが、滋賀2区でも本紙の分析では自民前職の上野賢一郎氏(49)が優勢で、その後を民主元職の田島一成氏(52)が続き、共産新人の中川睦子氏(56)が追う形になっている。
 上野氏は自民、公明の組織票のほか、出身地の長浜や保守層が強い郡部で着実に票を集めて優勢に立っている。だが、彦根では民主候補に負けている情勢で、陣営では「油断することなく、最後まで気を引き締めてやる」と完全勝利を目指す。
 田島氏は民主や社民の支持層に浸透しており、彦根で有利に展開。「福井の原発再稼働反対」を訴えて、長浜や米原でも支持を求めるが、民主への不信の声が根強くあるため、伸び悩んでいる。陣営では「比例で救われるという考えではなく、あくまでも選挙区勝利を」としている。
 中川氏は共産層のほか、消費増税や集団自衛権行使などの反対派から支持を得ているが、ほかへの浸透が見られない。

2014年12月6日土曜日

松原内湖遺跡で鎌倉末期の勧請板発見 全国2例目

 県文化財保護協会は3日、彦根市松原町で発掘調査している松原内湖遺跡から、祈とう用に集落の境界につるされたと見られる鎌倉時代末期の「勧請板(かんじょういた)」=写真=が見つかったと発表。きょう6日に県立安土城考古博物館で公開される。 
 国道8号米原バイパスの整備事業に伴い発掘調査を平成24年度からしており、今年度(4月~来年2月)はそのうちの8000平方㍍で実施。これまでにも縄文時代の遺構や奈良時代から室町時代にかけての集落跡が見つかっており、今年度の調査でも鎌倉~室町にかけての柱穴や溝、井戸など集落跡が発見された。
 見つかった勧請板は木製で、縦12・8㌢×横27・8㌢×厚さ7㍉の絵馬型。表面に墨で「仁王経一座般若心経十二巻、観世音経十二巻 謹んで掲げます」「息災延命、増長福寿を願う、信心の篤い大施主です」「元徳3年正月八日」などと書かれている。元徳3年は鎌倉時代末期の1331年。同じ読み方で巻数板とも書く。
 正月8日は、寺院では旧年の悪を正し、その年の吉祥を祈願する修正会(しゅうしょうえ)と呼ばれる法会の最終日にあたり、その際に読まれた経典の数や願いを書いた板を屋敷の門や集落の入り口に縄を張って1年間つるす習わしがある。現在でも近畿地方を中心に正月行事の「勧請つり」として全国で行われており、滋賀県では東近江市を中心に広く残っており、絵馬型の祈とう札をつり下げる集落もある。
 中世の勧請板の出土は近畿では初だが、全国ではほかに、石川県金沢市の堅田B遺跡で「建長三年」(1251)「弘長三年」(1263)と書かれた2点が出土。金沢のは堀を伴う屋敷地から般若心経の全文が記された長方形の物が出土した。戦国時代の越後国(新潟)の領主・色部氏の記録「色部氏年中行事」にも正月八日に般若心経を書いた板をつり下げる儀礼の様子が書かれている。
 松原内湖遺跡では以前の発掘で、供養のために墓地などに立てる木製の供養具「卒塔婆(そとば)」が1点出土しており、見つかった勧請板にも記された卒塔婆12本のうちの1本の可能性があるという。
 奈良文化財研究所の史料研究室長・渡辺晃宏さんは「勧請つりの行事が集落においても鎌倉時代末期に今と同じような形で広く行われていたことを示す重要な発見。木簡としての残りの良さは、行事終了後の速やかな廃棄を予測させ、卒塔婆と共に行事の全体像をうかがわせる」と話している。
 県立安土城考古博物館での公開時間は6日午後1時~と同3時~。

2014年12月4日木曜日

衆院選公示 滋賀2区は3氏が舌戦

 衆院選挙が2日公示され、滋賀2区には民主元職の田島一成氏(52)、共産新人の中川睦子氏(56)、自民前職の上野賢一郎氏(49)が立候補。安倍首相の経済政策「アベノミクス」の是非をはじめ、東アジア外交、安全保障、原発などをテーマにそれぞれの公約を訴えている。投票は14日。2区の有権者数は26万2327人。
 田島候補は彦根駅前で「アベノミクスは東京だけがおいしい思いをしており、(その恩恵は)地域で暮らしている誰一人にも届いていない」と第一声。
 「農家からは農業が続けられない、福井の原発に対しては再稼働が不安、中小企業からは円安で資材の値段が上がって仕事が続けられない、との声を聞く」と現政権の政策を批判した上で「農家には個別所得補償制度を行い、中小企業を支える制度をつくり、高齢者や困窮者への社会保障制度を充実していきたい」と説明。「この生まれ育った湖東湖北の代表として、疲弊した地域、企業、暮らしを立て直したい」「安倍政権に真っ向から挑むためにも、もう一度国会で戦い抜きたい。現政権への怒りを私に入れてください」と、再選のための支持を求めた。
 彦根選出の中沢啓子県議は「今回の選挙は大義なき解散であり、この選挙に使われる多額のお金があれば、さまざまな施策に回せるはず」と批判。「この国の未来のために勝利したい」と田島候補への投票を呼びかけた。
 中川候補は彦根市長曽根南町の事務所前で「今回の選挙は安倍暴走政治との戦い。全力で戦い抜き、何としても皆さんの願いを叶えたい」と第一声。彦根での市民アンケートで母親や若者たちが生活に苦しんでいることを紹介した上で「多くの人たちが安倍暴走政治を止めたいと思っている。私たち共産党がしっかりと示している対案を多くの人に知ってもらい、広めてもらうことが躍進につながる。安倍暴走政治を止める確かな力は共産党。私、中川を国会へと押し上げてほしい」と支持を呼びかけた。
 共産党の奥谷和美県委員長は「安倍政権は消費税増税、原発再稼働など国民の声を無視した政治。我々は▽消費税10%の中止▽アベノミクスのストップ▽戦争する国づくりを許さない▽原発再稼働はノー▽沖縄新基地建設の中止―などを掲げている。私たちが頑張り抜けば共産党が躍進する。期待と支持があっても得票が議席にむすびつかなければ、私たちの声は政界に届かない。ありとあらゆる力を結集して、勝ち抜こう」と激励した。
 上野候補は長浜市内の事務所内で第一声。「この2年間、安倍政権は日本の建て直しに取り組んできた。働く人の数は100万人増えた。失業率も大幅に改善した。数字のうえでは日本経済はデフレ脱却の糸口が見えている」とアベノミクスの効果を語った上で「しかし、我々の暮らしの実感はまだまだ。だからこそ、私どもに仕事をさせていただきたい」と訴えた。
 中国の海洋覇権などを念頭に「東アジアの緊張はこの50年間で最も厳しい。近くの国とは友好関係を結ばなければならないが、国民の命、国土、海をしっかり守り抜くのが大前提。毅然とした外交を安倍政権のもとで貫く」とした。地域の課題としては国体、北陸新幹線の米原駅乗り入れ、彦根城の世界遺産登録、国道8号線の渋滞緩和とバイパス化、河川の整備計画の後押しなどを挙げた。
 後援会長の河本英典元参院議員は「日本を取り巻く国際環境は非常に変化している。民主党のようなのんきなことを言っていると大変なことになる。中国や北朝鮮の脅威など、外交面でやるべきことがある」と語った。

彦根城フェス閉幕 流鏑馬 甲冑祭 フラッシュモブ

 彦根城フェスの一環で先月29日、ひこね甲冑祭が開かれ、西軍と東軍に分かれた甲冑姿の武者や子どもたちが大手門橋の上で綱引きをして対戦した。また30日には大手前保存用地で彦根城フェスのフィナーレイベントとして流鏑馬(やぶさめ)が開催された。
 甲冑祭は四番町スクエアを本陣として、花しょうぶ通り、夢京橋キャッスルロード、辻番所の各陣であり、甲冑姿の武者約50人が参加して、じゃんけん大会やスタンプラリーが開催された。
 綱引きには東西29人ずつが参加し、四番町スクエアで出陣式を行った後、大手門へ練り歩き、いしだみつにゃんやひこどんら東西のゆるキャラたちが応援する中で3本勝負を行い、2勝1敗で西軍が勝利した。
 まち行く人が突然踊り出すフラッシュモブには4歳~58歳の31人が参加し、四番町スクエアで2回、披露した。
 流鏑馬には、彦根市の親善都市・栃木県佐野市で毎年8月にあるさの秀郷まつりで流鏑馬を披露している倭式騎馬会(東京都)のメンバー約50人が馬7頭と一緒に来彦。
 滋賀県護国神社で安全祈願が行われた後、彦根鉄砲隊の隊員、佐野市のキャラ・さのまる、ひこにゃんらが会場まで武者行列。大手前保存用地には砂で約180㍍の馬場が設けられ、あやい笠に直垂(ひたたれ)、むかばき、いぐつなどを身につけた同会の男女たちが馬を走らせて、3地点に設けられた的を弓で射抜いた。同会メンバー最年少の都立千歳丘高校2年生の鈴木千久馬君(17)は「初めて訪れた彦根城の中でできたのは夢のようだった」と話していた。
 会場では的が打ち抜かれる度に大きな歓声が沸き起こっていて、市内から訪れた松山時央君(9)は「的にバーンと当たるのがとても迫力あった」と語っていた。流鏑馬の後には乗馬体験もあり、子どもたちが楽しんでいた。

2014年12月2日火曜日

花しょうぶ通りに戦国武将テーマ館・治部少丸オープンへ、彦根仏壇は宮殿師育成へ 12月市議会に予算

 彦根市議会12月定例会は12月1日に開会され、一般会計補正予算案(16億1203万円)など21議案が提案される。補正予算の中には、花しょうぶ通り商店街に来年2月末オープン予定の戦国武将のテーマ館「治部少丸(じぶしょうまる)」の設立補助(56万7000円)や、彦根仏壇の若年労働者を雇用させるための事業(56万4000円)が入っている。
 花しょうぶのテーマ館は花しょうぶ通り商店街振興組合が旧とも栄履物店を改装して設置。石田三成とその家臣の大谷吉継、島左近に関するギャラリーで、手作りの甲冑などを展示する。事業費226万8000円のうち、県が半額補助し、残りの半分を市が補助する。
 彦根仏壇の若年雇用事業は、仏壇七職のうち後継者がいない宮殿師(くうでんし)を育てるために彦根仏壇事業協同組合が40歳以下の人材1人を募集するというもの。現役の宮殿師の下で働きながら、彦根仏壇の歴史や工程なども学ぶ。県の緊急雇用創出特別推進事業の地域人づくり事業の補助金を活用する。なお12月議会の質疑ならびに一般質問は8日~10日。採決・閉会は18日の予定。