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2019年4月26日金曜日

彦根市議選 新しい顔ぶれ決まる、24人に当選証書付与

 彦根市議選は21日投開票が行われ、現職14人、新人10人が当選。翌日には当選証書が付与された。
 市議選は大久保貴市長の現市政への評価を争点に行われ、現職の矢吹安子氏(72)が市長与党会派の「逆風」をものともせず前回に続きトップ当選。最高齢の獅山向洋氏(78)も3位の得票数で、当選後、本紙の取材に「新たな気持ちで次々とあらゆる策を打ち出していきたい」と熱く語った。
 新人では市長の要請で出馬した近江ふるさと園元職員の小川吉則氏(60)や、ユーチューバーの堀口達也氏(30)が当選。前回の選挙で落選した伊藤容子氏(56)は当確の知らせを受けて、集まった支援者たちと抱き合いながら喜び、花束を受け取って万歳三唱。本紙のインタビューに対し「これで市民の皆さんの思いを市に伝えていくことができる。公共交通網の充実や観光振興など進めるべきことは多くある」と意気込み、現市政に対しては「是々非々で対応し、一つ一つの問題について慎重に判断したい」と述べた。
 一方で田附隆司氏(64)と松野和則氏(51)は落選。そのうち田附氏は当選した新人に対して「自分なりの考えを持ち、議会運営にあたってほしい」と話していた。
 市議選の当日の有権者数は9万0414人、投票者数は3万9230人で、投票率は前回の50・05%から大幅に下回り、43・39%。市制施行以降で過去最低だった前々回の45・65%も下回った。原因としては争点がほとんどなかったことや立候補者数が少なかったことが考えられるが、市選管の小川良紘委員長は「残念な結果だと思っています。原因を分析したい」と話した。市内38カ所の投票所のうち最低が旭森小体育館の32・20%で、次いで野良田公会堂(35・57%)、高宮地域文化センター(35・66%)。最高は稲枝北小体育館の71・50%。
 当選した24人への当選証書の付与式が22日、大学サテライトプラザ彦根であり、市選管の小川良紘委員長から一人ずつに証書が渡された=写真。
 式後、新人の堀口氏は「身の引き締まる思い。早く彦根市の発展のために貢献できるように、議員の仕事について全力で学ばせて頂きたい」と抱負を語った。また「盟友」の北川元気議員と行動を共にすることを明言した。
 豊郷町長選は現職の伊藤定勉氏(71)が、新人で自民が推薦した前田広幸氏(47)を破り4選目を果たした。得票数は伊藤氏が1902票、前田氏が1376票だった。

 市議選の結果でまず注目されるのは30歳のユーチューバー・堀口氏の当選である。選挙カーを使わず、バイクで街宣し、北川議員や仲間たちと各所で街頭演説をした。西村久子県議や市長選の出馬経験者の応援も功を奏したほか、インターネット上での選挙や若さゆえに有権者うけしたのだろう。堀口氏がどのような人物なのか、小生はまったく知らない多くの市民の一人だが、堀口氏には落選した2人の分まで市政発展のために頑張ってほしい◆さて選挙期間中にあった事案として、甲候補が選挙事務所にしていた公共施設で乙候補が個人演説会を実施する際、乙候補の陣営が甲候補の名前が記された看板などを外させたという◆法的には問題ないようだが、乙候補の陣営の行動は「選挙妨害」や「嫌がらせ」と受け止められても致し方なかろう。甲候補の陣営によると、乙候補の地盤にある施設で個人演説会を予定していたが、前日になって「何らかの圧力で」できなくなったという◆選挙は戦であり、「妨害」も一つの手かもしれないが、倫理的、道義的に反する手法はなかったか、乙候補の陣営には再点検して頂きたい。           (山田)

2019年4月24日水曜日

朝鮮通信使と彦根~記録に残る井伊家のおもてなし~刊行

 朝鮮人街道が整備された理由など、判明した歴史を紹介した本「朝鮮通信使と彦根~記録に残る井伊家のおもてなし~」が3月30日に刊行された。
 著者は元彦根城博物館学芸員の野田浩子さん(49)=佐和町。2017年3月に同館を退職。10月に朝鮮通信使に関する記録333点がユネスコの世界の記憶遺産に登録され、翌月に鳥居本地区公民館で講演するのに合わせて朝鮮通信使について研究した。今回の本はその研究の中で新たにわかった内容を中心にまとめている。
 朝鮮通信使は慶長12年(1607)に初めて来日し、明和元年(1764)までに計10回訪問。彦根にも朝鮮人街道を通って、宗安寺(本町)で宿泊した歴史がわかっているが、その詳細は判明していなかった。
 野田さんは朝鮮側の公式の旅行記録「使行録」や宗安寺に関する史料などを読み解いた。本は1章「彦根城と朝鮮人街道の一体的整備」、2章「朝鮮人街道の成立」、3章「朝鮮通信使をもてなした彦根藩」、4章「通信使を迎えた彦根」、5章「文華をこのむ地 彦根」で構成。
 本では新たにわかった歴史として、▽朝鮮人街道が元々は慶長10年に二代将軍・徳川秀忠の上洛する際に整備された▽彦根の宿では豪華な調度品がそろい、朝鮮の食器や冬服の準備、雨具・灯りを持参しての出迎え、行き届いた掃除など入念なもてなしがあった▽宗安寺への食材の搬入口はこれまで、本通り(キャッスルロード側)の黒門とされていたが、寺につながる裏口の仮設の通用口だった―ことなどを紹介している。
 野田さんによると、朝鮮通信使は初代・井伊直政の子の直継時代から十代・直幸までの時に来日。特にもてなしの形式が決まった二代・直孝は江戸にいながら朝鮮通信使の成功に向けて尽力。その背景について野田さんは「譜代大名の筆頭という自負心により、随一のもてなしをするよう家臣に求めたのだろう」と分析している。
 本はB6判174ページ。税抜き1800円。発行はサンライズ出版。4月10日から全国の書店で販売される。
 なお30日午後1時半~宗安寺で「井伊家のおもてなし」についての野田さんの講演会もある。参加費500円。会場で著書の販売も。申し込みはサンライズ出版☎(22)0627。

 彦根史談会は3月23日、野田浩子さんを講師に招き、彦根市立図書館で「朝鮮人街道 3つの謎に迫る」をテーマに講演会を開いた=写真。
 「いつ何のために敷かれたのか」「いつから朝鮮人街道と呼ばれたのか」「幻の山崎茶屋の位置と休息の実態」ついて説明。そのうち江戸時代の呼び名として、美濃下海道、佐和山海道、朝鮮人道、朝鮮人街、唐人海道などをあげ「多様な呼び名があったが、明治7年に滋賀県が『朝鮮人街道』として定着した」と解説。
 幻の山崎茶屋については、明暦元年(1655)の朝鮮通信使の日記に、第6回の通信使のために彦根藩が山崎の村に仮茶屋を建てたという記述を紹介。また正徳元年(1711)の第8回の通信使を担当した藩士・花木十介の記録として、通信使の上官が崇徳寺(肥田町)の山号「大智山」と書いたと推測される関連の記述を明らかにした。「大智山」の書(扁額)は現在も崇徳寺で保管されている。

2019年4月20日土曜日

彦根市議選21日投開票、現市政への評価争点

 彦根市議選が14日告示され、現職14人、新人12人が出馬。21日の投票に向けて、選挙戦は終盤戦に入っている。
 定数24に対し、出馬したのは26人(別表参照)。政党別では自民1人、公明2人、共産2人、無所属21人。
 今回の選挙戦は、大久保貴市長に対する評価の是非が争点になっている。市役所庁舎耐震化を巡る裏合意や耐震化の遅れ、広域ごみ処理施設の建設候補地の白紙化、新年度予算の市議会での否決、ひこにゃんの運営費カット、国体主会場整備や新市民体育センター建設による財政負担など、課題山積みの現市政に対する各候補者のスタンスが問われている。
 現市政を批判するある候補者は「市長の考えは彦根の歴史、伝統、文化を否定するものであり、容認できない」と話す。
 一方で支持するある候補者は「新年度予算の否決により、ひこにゃんの運営費をはじめ多くの事業がストップしており、否決した市議会にも責任がある」と市長を擁護している。

ひこにゃんの13回目の誕生日祝う

 ひこにゃんの誕生日の13日、四番町スクエアで記念セレモニーがあり、全国からの約300人が13回目の誕生日を祝った。
 ひこにゃんは愛称が決まった2006年4月13日が誕生日で、特別住民票の生年月日にも記載されている。
 この日のセレモニーでは、観光客やファン、祝福に駆けつけた県内外のゆるキャラ8体が見守る中、ひこにゃんが登場すると歓声が沸き起こった。ひこにゃんファンクラブの二代目会長に就いた井伊直岳さんは「初代会長の北村昌造さんはひこにゃんをこよなく愛していた方で、その思いを引き継ぎたい。これからも応援をお願いします」とあいさつし、ひこにゃんへ花束を贈った。
 縦32㌢×横48㌢×高さ9㌢のバースデーケーキやゆるキャラからプレゼントが贈られた後、全員で誕生日の歌を歌って祝った。
 大久保貴市長は「ひこにゃんを危機におとしいれたということで、最近すこぶる評判が悪い市長が私です。私の責任として1日も早く予算措置をして、これからもひこにゃんの成長を見守りたい」と語った。
 大阪府和泉市から訪れた福井穂花さん(12)は「ひこにゃんも色々あったようだけど、会えてよかったです。これからもがんばってほしいです」と笑顔を見せていた。

「医療介護福祉をポジティブに」コンセプトに音楽事務所設立、アルバムMUSUBIリリース、20日むすびフェス&マルシェ」

 福祉の仕事に携わる歌手たちが「医療介護福祉をポジティブ(前向き)に」をコンセプトに、音楽事務所「Empowerment Records」を設立。ファーストアルバム「MUSUBI」をリリースした。20日午前11時~は戸賀町のボンフリーメガストアーで「むすびフェス&マルシェ」を行う。
 勤務が過酷や給与が安いなど福祉のマイナスイメージを払しょくしようと、彦根市山之脇町の作業療法士・田中孝史さん(38)が中心となって、福祉の仕事をしながらライブなどの活動をしている県内外のシンガーソングライターやラッパー、レゲエ、ヒップホップらのアーティストに協力を依頼。医療介護福祉へのポジティブなメッセージを詰めたアルバムを作った。
 完成したアルバムは、豊郷病院に勤務する作業療法士の佐々木慎さん(30)、頚髄損傷で障害を負ったラッパーのラージ・Tさん(38)、児童虐待対策のケースワーカーの仕事をした市職員の吉井ヒカルさん(31)ら10人の13曲が入っている。(https://epmt2018.official.ec/)で2000円で販売。
 むすびフェス&マルシェではアルバムに登場する歌手たちのライブ、車いす体験・骨密度測定・足浴などブース、古本・多肉植物・アクセサリー・ジェラート・焼き菓子・クレープ・だし巻きバーガーなどマルシェが開催。午前11時~午後4時。入場無料。雨天中止。
 田中さんは「熱い思いを持つアーティストが集まり、それぞれのメッセージが詰まっていると思います。音楽を聞いてくれる人たちがポジティブになってもらえたらうれしいです」と話している。

2019年4月15日月曜日

北村畳店のモダン乱敷き畳 モダン乱敷きアワード2018で最優秀賞

 彦根市栄町の北村畳店が開発した「モダン乱敷き畳」が、全国の畳店の製品を審査するモダン乱敷きアワード2018で最優秀賞を受賞。さきごろ、東京ビッグサイトで開かれた表彰式で北村和義店主(47)がトロフィーと表彰状を受け取った。
 畳の敷き方には、長方形を均等にした回し敷き、正方形の半畳市松敷きなどがある。モダン乱敷きは2、3色の長方形や正方形の畳を不規則に並べる敷き方で、組み合わせが無限大にあるためデザイン性が重視される。彦根市内でモダン乱敷きを開発している事業所は北村畳店のみだといい、全国では今年3月時点で248社が専門の団体に加盟している。
 北村畳店は、新築住宅で畳を使った和室が減少しているため、デザイン性のあるモダン乱敷き畳を2015年から開発。利用者からは「モダン乱敷き畳を使った和室の部屋を他人に見せたくなった」など好評の声が増えているという。
 モダン乱敷きアワードには16年と17年にも出品し、2年連続で特別賞を受賞。18年の同アワードには、3畳のスペースにへり無しの畳と、半畳の4分の1の色の異なる小さな畳をランダムに配置した「広く見える錯覚を狙ったデザイン」の製品=写真=を出品。全国の施工事例144作品の中から最高の最優秀賞を受賞した。
 北村店主は「日本一になれたことがとてもうれしい。これからもオンリーワンの製品を提供していきたい」と笑顔を見せていた。問い合わせは北村畳店☎0120(193)756。

2019年4月10日水曜日

県議選彦根犬上 中沢トップ当選 細江大野再選 江畑返り咲く

 滋賀県議選の投開票が7日行われ、彦犬地区ではチームしが公認で現職の中沢啓子氏(60)が9880票でトップ当選を果たした。自民公認で現職の細江正人氏(72)、自民推薦で現職の大野和三郎氏(63)が再選、立憲民主公認で元職の江畑弥八郎氏(64)も返り咲いた。現職の地盤を引き継いだ自民推薦で新人の奥野嘉己氏(60)、共産公認で新人の今村恵美子氏(64)、自民推薦で新人の小菅雅至氏(51)は落選した。
 中沢氏は三日月県政の「健康しが」の推進をPRしながら、市内での知名度を生かしたほか、本籍地の多賀町で次点の886票を得るなど幅広く支持を固めた。当選後、6期目に向けて「女性の視点に立ちながら人に優しい県政を目指して努めていきたい。安心安全な食の提供のため農業振興に力を入れたい」と抱負。彦根については「2024年の滋賀国体を機に市民の皆さんが街づくりに少しずつ関わって、一緒に地域を盛り上げていきたい」と語った。
 細江氏は公政会をはじめとした自民の市議らから支援を受けて手堅い選挙戦を展開。陣営からは終盤にかけて「厳しい戦い」との声も聞かれたが、前回とほぼ同数を獲得した。3期目となることに「県議会でも最高齢になる。2024年の滋賀国体に向けて彦根市内が整備されるのは絶好の機会であり、着実に進めていきたい」と述べた。
 大野氏は彦犬地区の建設業のほか、犬上で5811票を得て他候補を圧倒したが、彦根市内では伸び悩み、前回トップの1万0920票から2309票減らし3位に終わった。
 江畑氏は八坂、三津屋、須越の3町を中心に戦い、連合滋賀や共産を除く野党の組織票も得て3期目を果たした。当確の知らせを受けて選挙事務所に涙ぐみながら登場した江畑氏は支援者らと握手して登壇。「4年前の悔しさを果たすことができ、もう一度恩返しができる。人権、命に関する政策、声が届きにくい人たちを救う仕事をしていきたい」と意気込みを話し、女性スタッフから花束を受け取った。最後は全員で万歳三唱をし喜んでいた。
 奥野氏は稲枝地域で主に戦い、市北中部の一部保守層の支援を受けて4番手を狙ったが、1705票足りず涙をのんだ。
 今村氏は彦犬地区の共産票のほか、地元の豊郷では健闘したが、票が伸ばせなかった。
 小菅氏は自転車に乗って一人で街宣したが、支持を得られなかった。
 投票日の有権者数は彦犬地区全体で10万8235人(うち彦根が9万0470人)。投票率は41・36%と前回(47・29%)から下がり、彦根のみでは38・72%(前回44・3%)と40%を切り、県内では草津、守山に次いでワースト3位だった。
 ※(解説)
 彦犬地区の県議選の結果からまず注目できるのは、前回トップだった大野氏が3位に落ちた点である。
 その理由として注視すべきは、投票率が前回から下がったものの、中沢、細江の両氏が前回とほぼ同数票だった一方、大野氏の彦根での票が前回の3831票から2800票と千票以上減った点である。大野氏は彦犬地区のインフラ整備に尽力しているのは市民でも周知だが、その貢献への評価以上に、豊郷町長時代に世間を騒がせた影響がいまだに「大野アレルギー」として彦根市民に根強く残っているということである。
 また大野氏の獲得票のうち、犬上3町で今回は5811票だったが、前回の7089票から大きく減らしており、彦根の候補者が犬上にも着実に浸透しているとも分析できる。
 そして今回の選挙戦の焦点は、前回350差で敗れた江畑氏と、現職から稲枝の地盤を継いだ奥野氏との4番手争いでもあった。江畑氏には地元とさまざまな団体の組織票がついた一方で、市議会で公政会を脱退し無会派だった奥野氏は地元(稲枝東)以外から支援を広げることができず、苦戦をしいられた。結局、ふたをあければ1705票の大差で江畑氏が4番手に入った。現職の4人には「空白」になった稲枝地域の振興のためにも尽力願いたい。   【山田貴之】

ひこにゃんファンクラブ新会長に十八代当主の井伊直岳さん、運営費クラウドファンディングも

 ひこにゃんファンクラブの新しい会長に十八代当主の井伊直岳さん(49)が就任し、4月1日に彦根城博物館でひこにゃんとの記念撮影が行われた。
 同クラブは2010年10月に発足し、初代会長にはひこにゃんの選考者の一人で当時の彦根城築城400年祭実行委員会会長だった北村昌造さんが就任。もう一人の選考者だった当時市長の獅山向洋市議によると、今年2月28日に亡くなった北村さんは生前、次期会長に井伊さんを薦めていたため、遺言の形で3月14日に獅山市議から井伊さんに就任を依頼。2月定例会後の26日に承諾を得た。
 会長を引き受けた理由について井伊さんは、ひこにゃん誕生には二代・直孝公の逸話が関係しているため「井伊家とのご縁があるひこにゃんを応援してくださる方々の力になれれば」と説明。「北村さんは経営者でしたが、経営に使うことなく、彦根のために公正にひこにゃんを扱っておられた」と初代会長を称えたうえで「ひこにゃんのファンの皆さんの間に立って、彦根のためにがんばりたいです」と抱負を述べていた。
 彦根市はふるさと納税の「みんなのひこにゃん応援事業」の寄付者を対象に同クラブを設置。会員は約1000人おり、会員証の発行、限定のオリジナルグッズ進呈などの特典がある。

 今月から単独でひこにゃんの運営をしている日本ご当地キャラクター協会(大藪町)は2日、活動資金を集めるため四番町ダイニングでの募金と寄付金の受付を開始。クラウドファンディングも実施している。
 市が暫定予算にひこにゃんの運営委託費を盛り込まなかったため、受託予定だった同協会は4月から、本予算が提案される6月議会が終了する7月末まで単独で運営すると公表。当初はお世話係の手配のため、4月2日から5日までひこにゃんの活動を休止する予定だったが、手配にめどがついたため4日から活動を再開した。
 四番町ダイニングには1階のレジ横に募金箱が設置=写真。寄付金はゆうちょ銀行で受け付けている。領収書や寄付の証明書が必要な場合はクラウドファンディングの利用を。同協会では400万円を目指している。代表理事の荒川深冊さんは「ひこにゃんを応援してくださる皆様からの協力をお願いします」と話している。問い合わせは同協会☎(22)1130。

2019年4月5日金曜日

滋賀県議選で彦犬7人が舌戦

 4月7日投票の滋賀県議選は中盤戦に入った。彦根犬上地区(定数4)に出馬している7人は、街頭や個人演説会などで県政に関する考えを訴えている。
 現職で自民公認の細江正人氏(72)=本町2=は保守票や市議時代からの知名度を生かして、組織票を幅広く固めている。「県議の務めとしては国が法律で決めた政策を市町に回す場合、調整する働きがある」「会派に所属しているが、是々非々で判断することをモットーに務めており、市民の皆さんの幅広い声を県政に届けていきたい」。
 新人で自民推薦の小菅雅至氏(51)=野田山=は街宣カーを使わず、折りたたみ式の自転車で遊説。「世界、日本は変化しており、古い伝統文化を守りながら、新しい時代をつくる必要がある」「インフラ整備、学力向上、観光客増、どれをとっても彦根は発展しておらず、県の立場から大きな視点に立って仕事がしたい」。
 元職で立憲民主公認の江畑矢八郎氏(64)=八坂=は、国民民主、社民、チームしが、連合滋賀の推薦を得て、自公政権の国政批判と福祉政策に重きを置いた選挙戦を展開。「保育士不足や待機児童への対策が進んでおらず、将来の子どもたちにとって大変厳しい状況にある」「環境、人権、子育て・教育の問題を県として整備する必要がある」。
 現職で自民推薦の大野和三郎氏(63)=豊郷=は建設業や犬上の保守票、部落解放同盟などから支持を獲得。「滋賀国体を契機に、道路などのインフラ整備を進めて観光促進と企業誘致を図り、自立できる湖東をつくる」「六次産業をしっかり育てることで新たな雇用が生まれる。地域経済の発展は子育て支援などソフト面に回すこともできる」。
 新人で共産公認の今村恵美子氏(64)=豊郷=は、自公政権の国政と三日月大造知事の県政に対し「大型のハコモノを進めて良いのか」と指摘。「滋賀国体に合わせて大型の公共事業が行われようとしており、県民の税金の無駄づかい」「中学校までの医療費無償化、国保料や介護保険料の抑制など、県民の暮らしを守る必要がある」。
 現職でチームしがの中沢啓子氏(60)=中央=は、嘉田由紀子前知事と三日月知事の政策や主張を支持ながら、5期の間に行ってきた実績もPR。「子どもの笑顔があふれ、誰もが住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせる滋賀にする」「女性の視点に立って女性が活躍できる場を増やし、人に優しい滋賀にしたい」。
 新人で自民推薦の奥野嘉己氏(60)=彦富=は稲枝地域を重点的に回っており、市中南部の一部の保守層の支援も得ている。彦根市の政策が北部中心、滋賀県が南部中心だと位置づけ「2つの南北問題の改善に向けて県の立場で取り組んでいきたい」「財政が悪化する中で健全経営に軸足を置いた行政の監査役を果たしていきたい」。

滋賀県護国神社で6日午後5時半〜インド・中近東の楽器コンサート、ローチョコも

 彦根市尾末町の滋賀県護国神社で6日午後5時半〜インド・中近東の楽器のコンサート「Music and Chocolate with fluttering cherry blossoms〜桜舞う夜にチョコと音〜」がある。
 芹橋2丁目でローチョコの店を経営する吉田理恵さんが、米国サンフランシスコのMah-Ze-Tar=写真と、高名哲郎さんと中川大夢さんの民俗楽器奏者3人を招いて企画。
 当日の入場料はローチョコ付き1500円。アフターパーティーとして彦根城で花見も。

2019年4月4日木曜日

ひこにゃん新元号「令和」手に

 新元号の「令和」が1日午前11時40分頃に発表され、その日の午後に四番町スクエアに登場したひこにゃんは、丸ゴシック体で「令和」と印刷された色紙を持って現れた。
 ひこにゃんは約100人が見守る中、手提げかばんを持ちながら登場。司会者のかけ声で色紙を取り出し、顔の前に出して記念撮影に応じていた。
 浅野雄一郎さん(30)と幸代さん(26)=名古屋市=は昭和と平成生まれの夫婦で、6月には令和生まれの長女が誕生予定。「実際にひこにゃんを見たのは初めてで、新元号が発表されてすぐに色紙を手に登場するところが最前線をいっていると思った」と話していた。
 また東京都北区の小早川奏琉(そうる)君(9)は「色紙を持って愛想良くしていたところがとてもかわいかった」と笑顔を見せていた。

2019年4月1日月曜日

スペインのハンドボール代表チームのユニホームを着たひこにゃん小学生チームJrレイカーズと交流

 スペインのハンドボール代表チームのユニホームを着たひこにゃんが24日、ブリヂストン彦根工場の体育館で、地元の小学生チーム「Jrレイカーズ」の子どもたちと交流した。
 彦根市は昨年8月に、2020年の東京五輪でのスペインのハンドボール代表チームのホストタウン登録を受け、翌月には王立スペインハンドボール連盟と事前合宿などに関する協定書を締結。ホストタウン化を市民にPRするため、Jrレイカーズにひこにゃんと子どもたちとの交流を依頼した。
 この日は彦根や東近江、多賀からの園児から小学6年生までの子ども61人が参加。市が特注で作ったユニホームを着たひこにゃんが登場すると歓声が沸き起こり、一緒にスペインに関するクイズをした。記念撮影後、子どもたちはひこにゃんが見守る中、シュート練習をしていた。
 女子チーム代表の藤塚海さん(12)=旭森小6年=は「ユニホーム姿のひこにゃんはとてもかっこいい。ハンドボールで彦根が盛り上がればうれしいです」と話していた。

ひこにゃん4月以降も登場へ 新規の出演は当面無し、彦根市が暫定予算に運営費盛り込まず

 彦根市が暫定予算にひこにゃんの運営費を盛り込まなかったため、4月以降の彦根城などでの登場回数が減少する可能性が出ていた。この話題が全国ニュースになったことを受け、彦根市は29日、業務委託をしている日本ご当地キャラクター協会の協力により、一部期間を除いてこれまで通り登場できるようになったと発表した。
 今月20日の市議会では、「ひこにゃん運営関連経費」(3020万円)を含めた新年度予算案が否決。市は28日に臨時会へ提案した暫定予算(119億5637万円)に関連経費を入れなかったため、ひこにゃんの運営に影響が出ていた。
 市は暫定予算の可決後、同協会から支援の申し出を受け、4月以降もこれまで通り、彦根城と四番町スクエアでの3回と、参加を予定していた市内外でのイベントで登場できるようになった。
 市が予定していた4月3日と19日の地方選の啓発イベントへのひこにゃんの参加は見送りとなった。また暫定予算の期間中はひこにゃんを登場させる新たな予定も入れない意向。同協会は今後、募金やクラウドファンディングで資金を集めて運営費にあてる方針。このためその準備期間として4月2日から5日までひこにゃんは登場しない。
 暫定予算期間の7月までは市がほかの民間会社に委託しているひこにゃんの公式サイトの更新が停止されるため、ひこにゃんの最新情報はひこにゃんのフェイスブックといいのすけのツイッターで配信していく。
 市議会の臨時議会が28日開かれ、暫定予算案を賛成多数で可決した。予算委員会ではひこにゃん運営関連経費について、北川元気議員が「暫定予算にひこにゃん関連の経費を組むことは可能だったはずだ」「新年度予算案を否決した議会のせいにするのではなく、市として盛り込まなかったことを明確にするべきだ」と指摘。市長は「ひこにゃん関連は政策的な予算と判断し、暫定予算に盛り込まなかった」と明言した。
 本会議の採決で、暫定予算案は反対6、賛成17で可決された。

近江同盟新聞が休刊

 近江同盟新聞が今月30日付で休刊となった。
 同社は戦時中の1940年(昭和15年)8月5日に彦根の10紙が廃刊・統合される形で創刊。42年に滋賀新聞に統合されたが、49年に彦根の2紙が合併して彦根夕刊となり、54年10月2日に近江同盟新聞となった。
 初代の代表は谷口銕治郎氏、二代が長坂寛二氏、三代が2017年5月に亡くなった遠崎成吉氏。遠崎氏の後継は孫にあたる若林進社長(55)が務めていた。
 発行部数はピークだった約25年前が約6000部あったが、最近は半減以下となっていた。印刷資材の値上げなども重なり、今月30日の第1万8185号で休刊となった。
 若林社長は「厳しい状況を乗り越えようと努めてきましたが、誠に不本意ながら休刊の決断に至りました。これからの彦根の発展を望んでいます」と話している。