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2009年12月4日金曜日

彦根市内小中学生の暴力16件、半数以上が対教師

 文部科学省は、小中高生の昨年度の暴力行為件数が過去最多(5万9618件)だったと発表した。県内では前年度比8件減の469件だったが、彦根市教委管内の小中学校では同5件増の16件だった。
 暴力件数16件のうち、小学生は1件で、中学生は15件。そのうち対教師が10件と半数以上を占め、次いで生徒間5件、器物損壊1件だった。
 具体的な事案としては「携帯電話を取り出したので注意したら逆上した」「生徒同士でのいざこざを止めに入ったところ襲ってきた」などで、ほとんどが注意をしたことに逆ギレし暴力行為に及んでいる。
 市教委管内のここ5年の件数は横ばいだが、学校教育課では「年々、子どもたちがキレやすくなっているように感じる」としている。
「厳格な指導」の復活を
 なぜ子どもはキレやすくなったのか―。なぜ尊ぶべき教師にまで暴力を振るうようになったのか―。
 専門家からは「気持ちを表現する言葉の幅が狭くなった」「大事に育てられたため我慢することができない」など、学校や家庭での教育方法を問題視する意見があがっている。
 確かにその通りだと思うが、更に付け加えるとすれば、学校や家庭、または地域社会での「厳格な指導」が欠如しているといえよう。
 私たちは少年時代、教師や親など、いわゆる目上の人たちに暴力を振るう事はなかった。その背景には、教師などへの尊敬の思いと共に、畏怖の念もあったはずだ。
 学校現場では、いわゆる体罰が指導の手段として当たり前のようにあり、家庭や地域社会においても、(わんぱく小僧だった)私たちはげんこつや平手打ちを食らっていた。
 大人になった私たちは、子どもの当時に厳格な指導を受けた大人の方々を忘れることはなく、感謝の念を抱いている。それは当時の厳格な指導が、感情的な怒りからではなく、子どもの正しい成長を願ったうえでの愛情表現(演技)だったと理解しているからであろう。
 体罰などの厳格な指導を、感情的な暴力や虐待と一緒くたにするのではなく、子どもの健全な育成のために、学校や家庭、地域で用いられる社会に戻ることを強く望む。   (山田貴之)

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