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2009年12月8日火曜日

パキスタン在住・督永忠子さん、アフガニスタン問題で民生支援方法の改善求める

 紛争が絶えないパキスタンやアフガニスタンで支援活動を続けている督永忠子さん(65)=彦根市芹橋2出身=が、一時帰国に合わせて5日、市内で講演。日本など各国の経済的援助が民衆の生活に結びついていないとし、民生支援の仕方の見直しを提起した。
 督永さんは28年前にパキスタンの首都・イスラマバードに移住。妊産婦・乳幼児の死亡率の高さや識字率の低さなどを目の当たりにし、NGO「日パ・ウェルフェアー・アソシエーション」(NWA)を組織。母子保健センターの創設や、縫製職業訓練校の主宰などをしてきたほか、隣国アフガンでも民生支援に取り組んでいる。
 講演では、アフガンで2002~03年に支援団体を通じて取り組んだ井戸の掘削事業を紹介。2年間で64カ所を掘ることで延べ8万5000人の雇用につながり、畑作仕事も可能になったとし「生活や仕事につながる草の根支援こそが求められている」と話した。一方、日本など各国の援助については「民生支援とは名ばかりで、支援が同国の幹部らにとどまっていて国民にまったく行き届いていない」と疑問を投げかけ、その改善を求めた。
 アフガンへ軍人3万人の増派を検討している米国に対しては「オバマ政権に代わったが、国がそもそも強大な軍需産業に支えられているから平和を望まないのかも」と指摘。「民主主義が最善・最良というのは米国の過誤ではないか。アフガンを私たちの価値観で捉えるべきでない」と苦言を呈した。

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