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2018年2月9日金曜日

百条委員会で追及し尽くせ

 怒髪天を衝く(どはつてんをつく)―。天につくほど髪の毛が逆立って激しく怒っている様子を表現した故事だが、彦根市議会が大久保市長に提出した臨時会招集の請求書には市議24人全員の署名と捺印が記されており、激しく怒っている様がうかがえる。
 昨年6月定例会で庁舎耐震化の請負契約の関連議案に、賛成多数で議決したのだから市議会が怒るのも当然である。市議の何人かは関連の質問も行っていたが、市は裏取引を明らかにすることなく、虚偽の答弁を繰り返していた。市議の一人は「市に騙されたのだから、議会軽視も甚だしい。市から耐震化の追加予算が出ても、はい分かりましたと簡単に通すわけにはいかない」と怒り心頭だ。
 そしてもう1点、裏取引が協議されていた時期に市長は本当に知らなかったのか、という疑惑である。本紙今日付の記事にもある通り、約30億円の大規模事業の「詳細を知らない」との回答にはあきれるばかりだが、裏取引の実態を6月議会前に認識していなかったというのも信用できまい。
 「議会での虚偽答弁を市長が認識」「地方自治法施行令違反の事業に市長が関与」、もしその頃に市長が知っていたら、この2点の責任をとって辞任は免れないため、それを避けたいのかもしれない。ほかにも「行政のプロの川嶋氏が法令違反を認識していなかったのか」「担当職員がいずれは明らかになるのに裏取引をなぜしてしまったのか」「入札時の背景に何らかの取引はなかったか」など、明らかにするべき疑惑は少なくない。
 設置される百条委員会でこれらの真相が明らかになるはずだが、川嶋氏や市の担当者、施工業者らにどこまで正直に話させるかは、百条委員会の委員に就く市議たちの力量次第である。これまで発表された中での疑惑から、新たに明らかになるであろう疑惑まで、すべてをあからさまになるのを期待している。
 なお今後、市議会に市長の不信任案が提出された場合、市長権限で「市議会の解散」の可能性もあるが、それを回避するため、穏便に終わらせようと考える自己保身の市議がいないことも祈っている。【山田貴之】

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