彦根市都市建設部の前部長らと岐建滋賀支店の社員が地方自治法施行令違反にあたる裏合意を行い、調停を経て契約を解除した。その後、3度の入札が不調に終わったため、8月に副市長が「随意契約の可能性」を含めて岐建側と協議。しかし「随意契約の要件を満たさない」案件とのことで、4度目の入札が行われ、結局は岐建が再び落札した。
法令違反により前副市長が辞任し、百条委員会で法令違反の行為を認めた前部長が(最も軽い)処分を受け、契約を解除、そして再びその業者と契約を結ぼうとする―。この流れに疑念を抱くのは当然の感覚だが、「許容」または「容認」の雰囲気が市議会を中心にあるのも事実である。
政治の舞台において、ある不祥事が起こった場合の最大の敵は「時」という、時間の経過である。国政をはじめ、小生たちはこれまでに幾度となく、その流れを目にし、経験してきた。それは何も政治の舞台に限らず、数々の事件においても同じ指摘ができ、事件・不祥事直後の熱さが時の経過で冷めるという流れがこの人間社会にはある。
12月議会では庁舎耐震化と合わせて、建設費が13億円の増額となった市民体育センターの建設の行方も焦点になる。時の経過によって過去の不祥事を許す感覚や、早期に完成を願う思いはいかにも人間的だが、行政と対峙するはずの議会という地方自治制度の役割からすれば徹底的な議論(抗戦)を願いたいものだ。【山田貴之】
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