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2020年8月27日木曜日

彦根ビール誕生への思い語る、橋本健一さん

  しが彦根新聞は、彦犬地区の地域振興に貢献している市民を取り上げる新コーナー「FOCUS(フォーカス)彦根人」を始める。初回は「彦根ビール」の開発に乗り出している橋本建設社長の橋本健一さん(45)=竹ケ鼻町。石寺町に醸造工場を建設し、来年春から販売を開始する予定で、事業の本格化を前に今の思いを聞いた。(聞き手・山田貴之)

石寺町に醸造工場を建設
地元の小麦使い試作品発売へ
 彦根城の世界遺産登録や滋賀県内で開催される国民スポーツ大会に向けて、橋本さんは以前から観光客や来彦者向けの食や地ビールの必要性を感じていた。ちょうどその頃、地元の荒廃農地の有効活用を模索していた石寺町の自治会や滋賀県立大学の教員から地ビールの開発要請があり、相互の思いを合致させる形で昨年11月に「株式会社彦根麦酒」を設立。社長に橋本さんが就いた。
 地ビールに着目した理由について、橋本さんは「欧米をはじめ外国人の観光客は地ビールに関心があり、京都からわざわざ地ビールを飲みに滋賀県内を訪れている。彦根城が世界遺産に登録されれば、外国人観光客の人気商品になるはず」と説明した。
 今年3月には酒類販売業の免許を取得。荒廃農地の一部の約4000平方㍍を借用し、5月から木造平屋の醸造工場と直売所の開発に着手。長浜バイオ大学に酵母の選定と培養、滋賀県立大学に建築デザインを依頼しており、「産民学」での開発を目指している。7月1日には、醸造責任者に就いた県立大卒業生の小島なぎささん(29)が、研修先の奈良市内の醸造工場で試作品のビール600本を開発しインターネットで限定販売。今月中には石寺町の小麦を使った第2弾の試作品を醸造し、10月に一般販売を計画している。
 橋本さんは「地元で愛されている彦根梨のように、石寺や彦根の麦も知っていただけるようにしたい。環境に配慮した手法での醸造を心がけたい」と話した。10月にも着工し、来年1月の完成、3月以降の「彦根ビール」誕生を予定している。

インパルス飛行実現
彦根商議所副会頭も
 ほかに、橋本さんは2009年8月に彦根城内で人力車を走らせる「ひこね亀樂車」を設立。2017年6月に彦根市内で開催されたブルーインパルスの展示飛行の実現にも貢献した。また昨年11月には彦根商工会議所の副会頭に就任。「今は新型コロナウイルスの影響で観光客が少ないが、世界遺産や国民スポーツ大会で彦根を訪れる方は増えてくる。いかに満足してもらえるかを今後も考えていきたい。本業でも地域交通に貢献したい」と意気込みを語った。

 【橋本健一(はしもとけんいち)さん】大学卒業後、日立公共システムに入社し介護保険福祉システム部配属。退社後、橋本建設に入社し昨年4月から同社社長。彦根麦酒社長、ひこね亀樂車代表、彦根商工会議所副会頭、彦根納税協会代議員、滋賀県建設業協会理事、近江ツーリズムボード理事、彦根ライオンズクラブ会員、彦根市消防団第7分団団員など務める。

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