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2021年3月14日日曜日

「気候変動は戦争につながる」 環境活動家・谷口貴久さん「温暖化 想定以上」

 環境活動家の谷口貴久さん(32)の講演会が2月22日、滋賀大学彦根キャンパスで開かれ、世界中で起こっている気候変動の様子を紹介しながら、学生や市民らに環境保護活動の大切さを呼びかけた。
 谷口さんは、世界中の海上に漂っている微細のマイクロプラスチックが問題になっていることをあげ「プラスチックには発がん性があるため、それが体内に入った魚を人間が食べるとがんになりやすく、女性の場合だと乳がんになる可能性が高まる」と解説。またアマゾンの森林地帯が火災で燃えている衛星映像を流しながら「これは家畜のえさ用のトウモロコシと大豆の畑にするため人間が燃やしている。ほ乳類のうち96%が人間と家畜の動物で、100万種以上の動植物が絶滅の危機にある」と指摘した。
 谷口さんは、日本をはじめ世界中で台風や洪水が頻発し、南極や北極の氷が溶けている情報を知らせながら「専門家が予想している以上に地球の温暖化が進んでいる。気候変動は資源の奪い合いにつながるため、気候変動によって真っ先に失われるのは自然ではなく、平和だ」と語った。
 フィンランドやスウェーデンなどヨーロッパと日本の教育の違いについては、子どもの自己肯定感のグラフを示しながら「日本はやってはいけないという義務脳、ヨーロッパはやっていいという権利脳の違いがある」「自由と権利は自分に誇りを持てるような自己肯定感を養う」と述べた。
多くの人に環境問題に関心を持ってもらうための方法としては「自分の行動の背中を見せないと他人の考えは変えられない」と説明し▽フードロスなどごみを減らす▽再生可能エネルギーなど省エネ▽公共交通機関を使う▽政府、企業、メディアに意思表示をする―などをあげた。

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