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2018年5月29日火曜日

生ぬるい体制を打破せよ

 22日の百条委員会が行われるまで、庁舎耐震化を巡る裏合意の問題は沈静化へ向かいつつあったが、前副市長の川嶋氏の発言、そして24日の施工業者との契約解除という発表によって市政の混迷はまだまだ続く。
 今年1月24日の市の発表では「川嶋氏が裏合意を指示し、都市建設部の職員がそれに従った」との内容だった。翌日の新聞各紙も「川嶋副市長の独自の判断と指示で」「業者との合意を知りながら黙認していた」などと川嶋主導説に基づいて報じていた。
 だが、小生は関係者への取材と、10年以上前から川嶋氏の行政手腕を知っていたこともあり、当時の市の発表内容をまったく信用せず、直後のコラムでは「川嶋氏は本当に裏合意の全容を把握していたのか」と疑問を投げかけた。
 市の発表から現在までの4カ月間、裏合意を主導した「悪人」にまつり上げられていたのだから、川嶋氏は忸怩たる思いだったであろう。百条委で川嶋氏はこの裏合意の問題に対し「頭から離れることはなかった」と述べ、さらに「腑に落ちない」「非常に違和感がある」「作為的」などの言葉からは、怒りの思いさえも垣間見える。
 川嶋氏の発言が事実ならば、いったい「悪人」は誰なのか。市長は再度の事実確認を否定しているが、市民は真相を知りたがっており、事実確認を再度するべきである。
森友加計・日大アメフト部との類似性
 さて、この裏合意の問題は公務員が市民や議会を騙したという点において、重大な罪があるのだが、国会では森友、加計問題で官僚による公文書の隠蔽や改ざんなど当初の公表内容との相違を露呈させている。
 最近では日大アメフト部の問題で、選手と監督・コーチの発表内容の食い違いや、個人(学生)より組織(大学全体)を保身する体質が明らかになっており、日大の組織体制を疑問視する声まであがっている。
 この森友、加計と日大アメフト部の問題は、彦根市の今の組織に当てはめることができる。▽市職員が当初の計画を議会の了承を得ずに勝手に決めた▽川嶋氏に責任を押しつけて問題を終わらせようとした―などの点は、国民を侮る官僚組織と自己保身的な大学体質と極めて似ている。
 小生は官僚組織や日大、そして彦根市のこの旧態依然とした体制を打破するには、外部による改革しかないと考える。特に国や市における改革の担い手は政治家でしかなく、その力量不足が露呈しているのならば、その政治家を変えるしかない。
 彦根市の裏合意の問題はただ単に庁舎の耐震化が停滞しているだけでなく、根源となる市の組織体制が生ぬるい悪循環に陥っていると市民は気づく必要がある。【山田貴之】

2018年5月28日月曜日

庁舎耐震 裏合意の関与を川嶋前副市長が否定、市の公表と食い違い

 彦根市役所の庁舎耐震化を巡る市と施工業者との裏合意の真相を究明する市議会の調査特別委員会(百条委員会)が22日、彦根勤労福祉会館であり、前副市長の川嶋恒紹氏ら3人を証人尋問した。これまで市は「川嶋氏が裏合意を主導した」と主張してきたが、川嶋氏は百条委で「作為的」などの言葉を用いながら自身の主導説を否定した。
 22日の百条委では、昨年5月17日に行われた2回の入札と、随意契約の相手を決める見積合わせ、一部工事の取り止めや別途工事、仕様変更など9億4200万円分の裏合意を決めた5月19日の市内部の協議と翌20日の岐建との交渉内容が焦点になった。
山本前部長「施行令違反認識」
 施工業者の岐建滋賀支店との交渉にあたっていた市都市建設部の前部長・山本茂春氏=写真上=は、市の予定価格(29億3900万円)と応札価格(38億7700万円)で9億3800万円の開きがあった点について「それでも契約はできるものと考えていた」と強調。
 5月19日の市内部での協議については「私と、川嶋氏、企画振興部長、総務部長が話し合って、一部工事の取り止めなどを決めた」と主張。だが、今年2月議会で企画振興部長と総務部長は裏合意に関与していない趣旨の発言をし、大久保貴市長も「関わったのは川嶋前副市長と都市建設部長」と答えている。また仕様の変更が地方自治法施行令違反にあたるとの認識について山本氏は「その可能性はあると認識していた」と答えた。
岐建支店長「市から再三口止め」
 岐建滋賀支店長の小菅政広氏は、予定価格と応札額との差額に対して「できっこないとお断りしたが、(市側は)何が何でも合意しなければいけない感じでお願いしてきた。その流れに乗った」と、市側が強く要請してきた様子を明かした。
 裏合意に対しては「裏契約ではなく、正式に契約したという認識だった」とし、地方自治法施行令違反にあたるとの認識についても「知っていたら、そのような契約はしなかった」と、いずれも否定した。
 市との交渉の印象については「なぜ、こんなに急いでいるのか。スケジュールが込んでいると認識した」「市側から公表するなと再三言われたので、まだ市内部で調整がついていないと思った」と答えた。
川嶋氏「作為的、あ然、違和感」
 前副市長の川嶋氏=写真下=はまず「本件工事により、議員や市民にご迷惑をおかけし、市政の信頼を揺るがしたことを深くお詫び申し上げる」と謝罪。
 これまでの市の発表では、川嶋氏が岐建と裏合意をするよう主導していたとの内容だったが、これに対し川嶋氏は「(裏合意から判明するまでの)経過報告書を見た時はあ然とした。私が(裏合意を)発案した書き方になっており、作為的に作られている印象で腑に落ちない。あらかじめストーリーが描かれて、その流れから外れないよう作られたと疑念を抱いている」と指摘。
 その上で「仕様を変更するが、契約そのものは変わらないと報告を受けていたため、最終的に了承したのは事実。今から思えば矛盾する話だった」と釈明し、5月19日の市内部の協議で出されたという裏合意の内容が記された資料についても「その時には資料はなかった。(都市建設部長以外の)2人の部長もいたのに、非常に違和感がある」と述べた。地方自治法施行令違反の認識については「5月の時点では認識していなかった」と答え、法令違反を把握したのは11月から12月にかけた頃だとした。
 最後に川嶋氏は、裏合意の問題が公になってから現在までの心境として「日々、頭から離れることはなく、その原因について色んな思いを巡らせている」と吐露。その一部として「市が設定した価格と落札額がなぜあれだけずれていたのか」「仮庁舎を借りている会社(平和堂)との契約期限を守らなければという思いが常にあった」と説明。
 副市長を辞任した原因と背景については、大久保市長が裏合意に関わった職員を先に処分をしようとしていたため「職員を先に処分するのは自分自身として許せなかった。市長の主体性をはっきりさせるため私を解職するよう求めたが、最終的には辞表を書くよう言われた」と解説した。
市長「再度の事実確認否定」
 庁舎耐震化を巡る裏合意の真相を究明する百条委員会は23日も彦根勤労福祉会館で開かれ、大久保市長が証人尋問された。
 裏合意の問題が起こった原因について、市長は「担当職員は予定価格と落札額の金額の開きについて何とかなると思っていた。結果的にその判断に無理があった。各部署がコンプライアンス(法令遵守)を重視していたら、このような事態にはならなかった」と述べた。
 市職員からの報告については、「金額の開きの説明はあったが、(裏合意の)報告はなかった」とこれまで通りの主張を繰り返した。
 裏合意を川嶋氏が主導したとする市の発表を同氏が否定している点に関して、市長は委員会後の記者陣の質問に「市職員が出したてんまつ書をまとめて発表している。個々で受け取り方に違いが出たのだろう。事実確認は一定のめどが立っており、改めて報告書を作ることはしない」と、川嶋氏の主導説を改めない考えを示した。

彦根市、庁舎耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店との契約を解除へ

 彦根市は24日、市役所本庁舎の耐震工事の施工業者・岐建滋賀支店と、設計業者の水原建築設計事務所との契約を今後、解除し、今月20日に工事をストップしたと発表。契約解除の理由については「一定の区切りがついたため」としているが、今後は入札を再度行う必要があるなど、先行きは不透明だ。
 市によると、当初の計画通りの工事のうち既存建物の1、2、4階への制震ブレースを設置する工事は終了。全体の30%ほどが完了しているため「一定の区切り」として、岐建などと契約解除の方向で調整する。
 岐建には予定費用の31億6980万円(税込み)のうち約12億円を支払い済みだが、岐建がすでに材料を購入しているため上積みされる可能性もある。また一部工事の取り止めや別途工事など「裏合意」の9億4200万円分の工事は予定費用に含まれていないため、新たな設計費などを含め10億円以上の負担増になることも予想される。
 市は水原建築設計と7月頃に、岐建と9月頃をめどに契約解除の正式な合意を図る考え。岐建とは精算問題を中心に民事調停などで調整する。以降は予算化を経て入札時期が11月頃になる予定だが、裏合意分の金額が予算に組み込まれた場合は議会の反発は必至だ。
 市議からは「裏合意分が予算化された場合、賛成できるはずがない」「次の入札で岐建が落札したなら、絶対に賛成できないため、岐建を外すべきだ」との声がすでにあがっている。大久保貴市長は会見で「重い責任があると把握しており、時期を見ながら市議会に提案していきたい」と述べた。
完成1年の遅れ
 庁舎耐震化の増築分の工事現場から汚染土壌が確認された問題で、市は24日、追加の調査が必要になったため、耐震工事の完了時期が当初予定の来年3月から1年間遅れると発表した。
 庁舎には元々、印刷局彦根工場が建っていて、市の調査でガソリンなどが貯蔵されていたことがわかり、市は追加調査が必要と判断。6月から7月にかけて土壌調査、9月までに汚染土壌の対応と補正予算の議会上程、10月から年内に汚染土壌を除去していく計画。
 庁舎耐震工事の完了が遅れることで、アルプラザ彦根内の仮庁舎の使用期限が延伸されることなるため、市は今後、平和堂と調整していく。

2018年5月27日日曜日

今年度のひこねお城大使 泊幸希さんと北川穂花さんに決定

 今年度のひこねお城大使が、学生の泊幸希さん(22)と学生の北川穂花さん(20)に決定した。25日に大久保市長へ表敬訪問し、29日午後3時半~彦根商議所での選任式に出席する。今年度は女性6人の応募があり、4月21日の選考会を経て2人を選んだ。泊さんは「一人でも多くの方に彦根を知っていただけるきっかけを提供できるよう努めます」、北川さんは「彦根のことを身近に感じてもらえるような地域にしていきます」と話していた。

2018年5月23日水曜日

伊藤仏壇、自然の中で埋葬される樹木葬 県北部で初めて開園19日から現地説明会

 彦根市芹川町の伊藤仏壇は、植物に囲まれた自然の中で埋葬される「樹木葬」を、県北部の民間企業として初めて開園。19日から27日までの土日に現地説明会を開く。
 核家族化や地方の人口減少により、墓を世話する跡継ぎが不足し、埋葬の形式も多様化している。樹木葬は木や草花、芝生を墓標にし、骨壺や布袋に遺骨を入れて「自然に還る」埋葬方式。墓の管理を霊園が代わりにする「永代供養」を行うほか、宗教的な儀式を自由にできるなど社会的少数派にも適している。東京、大阪、名古屋の都市部を中心に、滋賀県内では大津などに樹木葬の霊園がある。
 仏壇需要の厳しい中で、伊藤仏壇は樹木葬に着目し、近江八幡市の霊園のうち約100平方㍍を借り、「樹木葬霊園やわらぎ苑」として開園する。園の周囲には季節に合わせた花や樹木を配置していく。1人分から、夫婦や親子など2人分、家族全員分までの広さを用意し、まず1期目として58基分の埋葬を受け付ける。
 伊藤晃・代表取締役は「森林浴をすると気持ち良くなる人が多いと思いますが、そのように自然の中で安らかに眠ることができるのが樹木葬の魅力です」と話している。
 現地説明会は午前10時~午後5時。問い合わせは伊藤仏壇本社☎0749(22)1056か近江八幡店へ。

2018年5月21日月曜日

木村水産 琵琶湖の魚や近江牛使った10種類の惣菜シリーズ近江 朝おかず発売

 彦根市後三条町の木村水産は、琵琶湖の魚や近江牛など県産食材を使った10種類の惣菜シリーズ「近江 朝おかず」の販売を今月から開始。「朝食の一品として県内外の人に食べてほしい」としている。
 同社は「あゆの店きむら」でつくだ煮やふなずしなどを販売しているが、子育てが一段落つき、食への意識が高まる50歳代以降の夫婦をターゲットにした惣菜作りを新たに進めた。琵琶湖でとれる魚や滋賀の特産品、これまであまり加工されなかった魚介類を使って、まずは10種類を販売し、今後増やしていく予定。
 商品のラインナップは、ひとくちあゆ昆布巻き、えびまめ、金ごまあゆ、赤こんにゃく、しいたけ旨煮、黒まめ煮、たてぼし貝やわらか煮、琵琶ます焼漬、ふな南蛮、近江牛ごぼうしぐれ煮。いずれも食卓にそのままでも出せるよう、容器を食べきりサイズにしている。加熱処理しているため、開封まで常温でも60日間の保存が可能だという。
 1個400~600円。最初は専用のホームページ「近江 朝おかず」でのみの販売だが、反響をみながら直営店や卸店でも販売していく。ネットでは送料無料の6個、8個、12個のセット販売が基本だが、初回限定の4個セットもある。注文はホームページか電話、ファクスで。
 同社の木村有作専務(41)は「滋賀が全国一位の長寿県になった理由に食文化があげられており、琵琶湖や山の食材を豊富に使った商品を全国の人に味わってほしい」と話している。問い合わせは木村水産☎0120(30)9021。

2018年5月19日土曜日

稲村神社で鎮座1350年記念祭

 彦根市稲里町の稲村神社で20日、鎮座1350年記念祭が営まれる。当日は周辺9町による太鼓登山や子ども神輿(みこし)の奉納、二胡奏者の演奏などで祭神が鎮座して1350年を祝う。
 稲村神社の祭神は伊邪那美命(イザナミノミコト)。天智天皇6年(667)に常陸(ひたちの)国(現・茨城県)の稲村神社の分霊を祀ったのが始まりとされる。稲村大明神と呼ばれていたが、明治9年(1876)に稲村神社と改称。同41年には周辺の村にあった20の小宮が合祀され、毎年5月には小宮祭が営まれている。
 拝殿や本殿は、祭神が鎮座した当時からあったと伝えられている2つの巨大な岩(通称・夫婦岩)前にあったが、昭和32年に本殿の裏地が整備され、翌年に約50㍍下がった場所に移築。本殿は平成27年4月に改修された。
 毎年4月にある春季例大祭では、五穀豊穣を祈願し周辺9町の大太鼓が渡御する太鼓登山があり、下石寺町に残る古文書に天保11年(1840)時の太鼓登山に関する文書が残っていることから、江戸時代末期には行われていたとされる。
 鎮座1350年記念祭に向けて、氏子らが実行委員会(田村哲男委員長)を組織。当日は午前10時頃~上石寺町と稲里町の太鼓2基と他町の子ども神輿7基が林道を登って奉納するほか、神殿では午前10時半~鎮座1350年祭と小宮祭が営まれる。祭典後の午前11時40分~は二胡奏者の安岡由紀子さんによる演奏会がある。
 稲村神社の北村浩之宮司は「氏子の皆さんの協力を得ながら鎮座1350年を盛大にお祝いする祭りにしていきたい」と話していた。一般の見学自由。太鼓登山時のみ駐車制限あり。