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2017年11月22日水曜日

昭和5年時の平塚分四郎・彦根町長や彦根高等商業学校の矢野貫城校長らの座談会記事紹介、「寄付多く彦根へ誘致」の記述も

 昭和5年(1930)時の平塚分四郎・彦根町長や、滋賀大学の前身・彦根高等商業学校の矢野貫城(つらき)校長らの座談会の様子などをまとめた当時の新聞記事の展示が、滋賀大学総合研究棟で始まった。
 滋賀大大学院経済学研究科3年の今井綾乃さん(29)=愛知県一宮市=が、昭和3年(1928)から同12年の大阪朝日新聞と大阪毎日新聞の彦根高商に関する記事を取り上げながら、彦根高商の歴史について研究。その記事を年代ごとに3期に分けて紹介しており、8月1日~10月27日には昭和4年12月までの記事を展示した。
 2期目は昭和8年までの記事のうち彦根高商に関する「お金」に焦点を絞った記事6点などを展示。そのうち昭和5年6月26日付けの大阪毎日新聞滋賀版の平塚町長と矢野校長らによる「彦根町 発展座談会」の記事では、百貨店が彦根に進出していることに対し、平塚町長が「土地の資本家が集まって進出してくる百貨店に対抗することが理屈にかなっている」と述べたり、矢野校長が「彦根は自然的に美しい城と湖を持ち町の風紀が非常によい所ですから、(中略)教育都市として最適当」と語ったりしている。
 また「座談会」記事には、彦根高商を設立する際、大津と競争したものの、多くの寄付があったため彦根に建てられた経緯がわかる内容も紹介。実際に昭和8年11月1日付けの大阪毎日新聞には、彦根高商を彦根に誘致するために寄付をした安居喜八や石橋彦三郎、伊藤忠兵衛ら当時の有力者の名前が記されている。展示コーナーでは有力者以外に寄付をした彦根の住民たちの氏名が掲載された近江実業新報(彦根市立図書館蔵)のコピーや彦根高商の刊行物も掲示している。
 ほかの記事では彦根高商が学生の学資を援助したり、就職先を確保したりしていた様子も紹介しており、昭和初期の深刻な経済状況が彦根にも及んでいることがわかる。2期目の開館は来年1月26日までの平日午前9時~午後5時。今井さんのギャラリートークが22日、12月6日、20日、来年1月20日、24日の午後0時10分~ある。入場無料。

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