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2018年1月31日水曜日

市役所の耐震工事で市職員と施工業者が事内容から空調設備などを省いた裏取引

 彦根市役所の耐震工事を巡って、一部の市職員と施工業者が予定されていた工事内容から空調設備などを省いた裏取引をしていたことがわかり、24日の定例会見で大久保貴市長が公表し謝罪した。市役所の耐震工事を担当していた川嶋恒紹副市長はこの問題の責任をとり、23日に辞表を提出し翌日受理された。
 市によると、昨年5月17日から翌日にかけて2社を対象に耐震工事の入札があり、2回目までが40億円前後で不調に終わったため随意契約に方針を転換。3回目の見積もり合わせで38億7700万円を示した施工業者と交渉に入った。
 市の当初の見積額は29億3500万円で10億円近い差があったが、担当していた市職員が施工業者と空調設備や既存庁舎の改修など約20項目の工事を取りやめる裏取引をした上で、5月22日に仮契約を締結。整備費の予算29億3500万円で6月22日に市議会で議決された。10億円近い差が出た理由について市長は「市職員の予算見積もりの査定の仕方に甘さがあった」との認識を示した。
 市長によると、川嶋副市長は「本来の工事から切り離される懸念があったが、全体の工事としては変わらないと担当職員から説明を受けたため、それで進めるよう指示した」と話したという。
 市長は10月3日に担当課の市公有財産管理課長から「市と施行業者の間で工事内容について相違がある」との報告を受けて、初めてこの問題を把握したといい、顧問弁護士からは「競争入札に付する時に定めた予定価格その他の条件を変更することができない」と定めた、地方自治法施行令違反にあたるとの見解が示された。12月27日に市と施工業者、設計業者による協議を経て、今月11日に一部工事を取りやめる合意がなされているのが確認されたという。
 耐震工事の完了予定時期は来年3月で、5月のゴールデンウィーク明けには新庁舎での業務の開始が予定されている。取りやめた工事分の予算を市議会へ再提示するのか、当初の計画通りに施工業者に工事をさせるのかなどについて、市は今後、代理人同士で施工業者と協議する。しかし、市議会からの反発や施工業者との協議の難航は必至で、完成時期が遅れる可能性がある。
 市長は今後、担当職員の処分を検討するとした上で「この問題を大変重く受けとめており、管理責任を感じている」と謝罪し「当初の目標通り来年5月に新庁舎で業務できるよう、精一杯の努力をしていきたい」と述べた。

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