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2019年6月5日水曜日

県内70の城跡を紹介 本「近江の山城を歩く」発刊

 滋賀県内の70の城跡を紹介した本「近江の山城を歩く」が発刊された。
 県内には約1300の城跡が存在し、そのうち約400が山城だったとされる。2006年に本「近江の山城ベスト50を歩く」が刊行されたが、この13年間で新たに発見されたり、新たな機能が判明したりした城跡もあり、今回の新刊本に掲載された。
 本では、滋賀県と大阪府の教育委員会の文化財専門職員ら計10人が地域ごとに各城跡を担当し、編著者を滋賀県立大学人間文化学部の中井均教授(63)が務めた。城跡ごとに築城時期、標高、主な遺構、全体図、縄張り図、城へのアクセス図、3段階での登城難易度、専門職員の解説文を載せている。
 彦根市と甲良町の城跡は丸山城(小野町)、物生山城(宮田町)、佐和山城(古沢町)、彦根城(金亀町ほか)、日夏城(日夏町)、山崎山城(稲里・清崎・賀田山)、勝楽寺城(甲良町)で、市教委文化財課の下高大輔さんが担当。登城難易度3の丸山城は元亀元年(1570)に織田軍が佐和山城を攻める際にその東側に築城されたという。
 新たに発見の城跡の一つは彦根市男鬼町と多賀町入谷に位置する「男鬼入谷城」。執筆した中井教授によると、戦国時代に近江の江北を守護していた京極高広が江南を支配していた六角氏を攻める際に築城し、石垣や二重の堀切など防御意識の高い城だったという。
 中井教授は「すべての山城のページに縄張り図を付けているので、ぜひこの本を山城歩きの友として持参してもらいながら、散策を楽しんでほしい」と話している。A5判、304ページ。税抜き2200円。サンライズ出版。県内を中心に全国の書店で販売している。

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