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2019年10月25日金曜日

彦根仏壇の七職の技で作られた大津祭の曳山のミニチュア完成

 彦根仏壇の七職の技で作られた大津祭の曳山のミニチュアが完成。6日からJR大津駅の改札近くに展示された。
 仏壇の需要が減少していることから、彦根仏壇事業協同組合は仏壇の技術を生かした異業種での取り組みを模索する中で、曳山のミニチュアに着目。データ化した図面が残っていた大津祭の源氏山のミニチュアを試作することを決め、2017年から経産省の伝統的工芸品産業支援補助金を活用しながら製作してきた。
 源氏山の曳山は享保3年(1718年)に製作。別名、紫式部山とも言われ、紫式部や石山寺にちなんだ装飾が特徴だ。上層部は近江八景を精巧な彫刻で仕上げており、唐破風の下には波に踊る龍が刻まれ、天井には四季草花図と呼ばれる絵が写生風に描かれている。
 ミニチュア作りには彦根仏壇の職人9人が製作にあたった。17年度に木地師と宮殿師が木地部分を完成させて昨年2月に彦根商工会議所でマスコミに披露。以降、昨年度に彫刻師が彫り物、漆塗師が塗装を担い、今年度には箔押師が金箔を押し、蒔絵師が彩色をほどこし、錺金具師が金物を打って完成させた。曳山を覆う四方の幕は青木刺繍(彦根市京町3)が担当した。
大きさは本物の4分の1の高さ145㌢×幅73㌢×長さ132㌢。製作費約800万円のうち補助金(3分の1)以外の自己資金分を補てんするため、一昨年8月からクラウドファンディングを約半年間行って50人から約40万円の寄付も得た。
同組合専務理事の寺村勇さん(67)は「実物と同じような形で完成させることができた。今後もほかの曳山のミニチュアのほか、本物の曳山の修理なども担うことができれば」と話していた。
 曳山のミニチュアは15日まで展示。以降、大津や草津で展示した後、今月中に彦根に戻ってくる予定。


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