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2022年1月4日火曜日

ブラジル国籍の子ども通うサンタナ学園の中田ケンコ校長が支援求める

 彦根市など県内7市町に住むブラジル国籍の子どもたちが通う学校「サンタナ学園」(愛荘町長野)を紹介する講座が先月12日に文化プラザで開かれ、中田ケンコ校長(65)らが厳しい経営が続く同学園への支援を求めた。
 NPO法人コレジオ・サンタナと湖北じんけんネットワークが主催し、同学園を紹介する映像放映、中田さんや事務局長の柳田安代さんの解説、質疑応答が行われた。
 中田さんは1992年に来日しゴルフ場で仕事をしていたが、その際に出会ったブラジルの子どもたちが夜勤で眠る親のそばで静かにテレビを見る光景を目にし「子どもたちがかわいそう」と思った。そこから夫や子どもがいるブラジルに帰国せず、愛荘町への学校設立に動き、自宅を含む敷地にプレハブの校舎を建設して98年に開校した。
 同学園には乳幼児から18歳までが通学しており、最も多い時で120人いたが、リーマンショックの時は35人まで減少。現在は園児22人、小学生29人、中学生8人、高校生21人が通う。スタッフは中田校長、柳田さん、教員7人、英語講師1人の計10人。
 
コロナで親の収入減
毎日 自宅まで送迎
 中田さんらは早朝に起床し、午前5時半から自宅前まで迎えに出かけ、朝食を一緒に食べ、授業、昼食、夕食を経て、送りも行っている。午後7時以降でも帰宅できない子どもがいるが「家庭の事情に寄り添うことをルールにしている」と話した。
 月謝は3万円~5万円。新型コロナの影響で仕事がなくなったり、出勤日が減ったりで、月謝の支払いに苦労する家庭もあるという。同学園の運営も「赤字続き」の状態だ。
 「私塾」のため公的支援が得られない。公的支援を得るには「各種学校」にする必要があるが、児童生徒数の確保や建物の新築などの条件がある。柳田さんは「各種学校になっても運営の心配がなくなるわけではないため、違う道も模索している。継続してサポートを受けられる仕組み作りを目指している」と語った。
 最後に中田校長は「子どもたちはがんばっている。私たちを助けてください」と寄付などの支援を求めた。支援方法はコレジオ・サンタナ応援基金などで。NPO法人コレジオ・サンタナも寄付時に税制上の優遇措置が受けられる認定NPO法人を目指し、会員を募っている。

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